江華
こうか
概要
以前から存在自体は示唆されていたが、第579訓の回想にて初登場。本名もここで明らかになる。
かつての大戦で滅びた夜兎の母星・徨安で星海坊主が出会った女性。
クールで表情もほとんど変わらないが、かなりの美人。
煙管をよくふかしている。口調は一人で生きてきた故なのか中性的であまり丁寧ではない。
大戦で破壊し尽くされ毒にまみれてしまった星に残り、苛酷な環境に適応した奇特な一族の末裔で、最後の1人。
その反面、徨安の特殊な環境でしか生きられない身体になってしまっていた。
星のヌシとして一人で暮らし、ほかの生物たちと共存する生活に満足していた(星海坊主にさびしくないのかと問われた時も「さびしい? そいつは思いもよらなかったな そんなものがここを離れる理由になりえるのか」と答えた)。
夜兎らしく腕は立つようで、3日間で59本のオロチ(後述)を鎮めてしまえるほど。
容姿も、二人が母親似だといわれるのもうなずける美形っぷりである。髪型もまさに子供たちの特徴をすべて合わせたものになっている。
馴れ初め
星海坊主が友人との飲み比べに敗れ、「死の星に女を口説きに行く」という罰ゲームを科せられたところからすべてが始める。
徨安にて星海坊主が惑星寄生種オロチとの交戦中に、突如姿を現す。その姿を見た彼は命の危機を感じるが、同時に「この女しかいない」と一目惚れのような感情を抱く。
その後、星海坊主は三日三晩彼女に付き纏い口説き落とそうとするも、その間全く相手にしようとせず軽くあしらい続けた。
しかし、59本目のオロチを鎮めた時、星海坊主も自分の本能を鎮め名を名乗った。そこで初めて江華は彼に興味を抱き、自らも名を告げた。
そこから交際を重ねるうちにその距離は縮まっていき、いつしかオロチたちも星海坊主を新たな徨安のヌシと認めていた。
彼から外界の話を聞かされるうちに、外の世界に興味を抱き始める。それと同時に彼女も次第に星海坊主に惹かれていき、さびしいという感情も思い出していた。
家族生活
その後、星海坊主に手を取られてオロチが見送る中、共に徨安を去る。
後に神威、神楽を出産する。尻に敷いてはいたものの、星海坊主との夫婦関係は良好だった模様。
子を産んだことで態度も軟化し、女性らしい口調に近づき、軽口も叩くようになった。
子供達のことも心から大切に思っており、この頃はまだ幸せな一家であった。
一方で自身が病で床に臥せがちなため神威に神楽の子守りなど負担をかけており、心苦しく思っていたようである。
最期
江華は虚同様アルタナの影響を受けており、徨安に満ちるアルタナを食らう限り死ぬことのない身体である。
しかし星海坊主に嫁ぎ、徨安を離れてしまったことでアルタナの加護を受けられなくなり、神楽を出産した頃から吐血するなどその身は病に蝕まれていく。だが本人は星海坊主と一緒になる決断をした時からこうなる事は覚悟しており、その上で夫や子供たちと共にいることを選んでいた。
しかし事実上江華を徨安から連れ出した星海坊主が彼女の寿命を縮めたのは確かであり、星海坊主は「家族の隣にいられなくとも、父親でなくなろうとも」江華の命を繋ぎ止めることを自身の業としていた。
しかし、こうした経緯を幼い神威に知られてしまったことが後々の軋轢を生むこととなる。
その後家族であることを捨てても母を救うべく星海坊主に襲いかかる息子を、重病の身を押して止めようとするも結局叶わず、結局彼とは生き別れることに。その後星海坊主から渡された徨安のアルタナの結晶石を手に、夫と娘に看取られながら静かに息を引き取った。