近世の武士に苗字帯刀と共に与えられた特権で、相手から「無礼」を受けた時は、その場で斬り捨てても処罰されないとされる、一種の「決闘」の権利である。
…と書くととんでもない権利であるが、相手が無礼を働いたことの証明は必須とされ、実は正当防衛で斬り殺した場合など以外ではめったに認められないものであったらしい。
むしろ、武士の名誉を傷つけた者に対して処罰を下すのは武士階級としての一種の義務でもあり、明らかな無礼を受けたにもかかわらず相手を斬らなかったことや、斬り捨てようとして逃げられたことで切腹させられることもあったという。