三省堂国語辞典とは?
「明解国語辞典」から派生した国語辞典。新語・カタカナ語・口頭語に強い。類書にない項目や語義も、他の辞書に先駆けて収録する場合が多い。中高生から年配など、幅広い層を対象にしているため、語釈は簡潔かつ平明な表現を用いている。小学校で習わない漢字には、振り仮名が付いている。また、社会人にとって、現代の情報を読み解くうえで必要な社会常識語には、見出し3,200項目に星マークが示してある。
他の辞書も見習うべし!三国の特徴
話し言葉や俗語も多く収録。その際〔話〕話し言葉・〔俗〕俗語の記号が、語義などに付されている。ほかにも〔女〕女性語・〔児〕幼児語・〔雅〕雅語・〔学〕学生語などの記号が、たくさん付されているので、どの場面で、誰が使う言葉なのかが、ひと目で分かるようになっている。
●笑うことを意味する「W」が収録したことで話題になった。”ダブリュー[W](名)①②③略④〔←warai=笑い〕〔俗〕〔インターネットで〕(あざ)笑うことをあらわす文字。「まさかwww」〔二十一世紀になって広まった使い方〕▽ダブル。”以上その内容。
●「的を得る」「汚名挽回」「荒げる〔=荒らげる〕」は正しい表現として収録。〔第三~六版で「的を得る」は誤用としていたが、第七版では、それを撤回した〕
●「右」「左」は、字の形を用いて解説〔類書では方角で解説することが多い〕。「左」は”①(略)「一」の字では、書きはじめのほう。「リ」の字では、線の短いほう。”と書いてある。
●「恋愛」「恋」「色情」など、恋愛に関する語も、男女に限らないとして、最新版では、文中に書いてある「男女」を削除。
●「爆笑」についても「笑う人数が問題にされることが多いが、もともと、何人でもよい」や、「敷居が高い」についても「●近寄りにくい。●気軽に体験できない。」の意味が、誤用の注記なしで書いてあるなど、いろいろと興味深い内容になっている。
●「全然」については、下に肯定的表現を伴うのは、話し言葉特有の表現であると示されている。
●動詞の可能形を示す際に、ら抜き言葉は「食べれる〔俗〕」のように「俗な表現」として示される。
●ほかにも、「〔『なんだ』の例文で〕なんじゃらほい」「〔ツイッターでの〕なう・呟く」「〔『歴』の例文で〕恋人いない歴」「耳をダンボにする・マスオさん」「ディスる・リア充・中の人・キター!」なども収録。
●「計る」「図る」「測る」「謀る」「量る」「諮る」など、異字同訓は、項目として別々に掲げられているので、漢字の使い分けが分かりやすく示されている。
●いちばん最後の項目は「んーん」で、主に女性語・幼児語で「いいえ」という意味を表す。他の辞書には掲載されていない。
●動詞の可能の言い方では、ら抜き言葉も俗な言い方として掲げてある。例えば「見る」の可能の言い方で、「見られる」に対する「見れる」など。
書籍情報〔第七版〕
【項目数】
82,000語〔第六版より4,000語追加〕
【編者】
見坊豪紀・市川孝・飛田良文・山崎誠・飯間浩明・塩田雄大
【発行日】
2014年1月10日(大型版:4月1日)発行
●1960年12月10日 初版発行
●1968年1月10日 新装版発行
●1974年1月1日 第2版発行
●1982年2月1日 第3版発行
●1992年2月10日 第4版発行
●2001年3月1日 第5版発行
●2008年1月10日 第6版発行
【ページ・価格】〔税抜き〕
1,760ページ
B6変型判(普通版)2,900円
A6変型判(小型版)2,700円
B5判(大字版) 5,000円
【その他】
日本語入力ソフト「ATOK2015 プレミアム」でも搭載された。