概要
リコ達が最初に出会った白笛の探窟家で、現在は深界二層にある「監視基地(シーカーキャンプ)」で防人となっている。
白笛としての異名は、『不動卿』『動かざるオーゼン』。
殲滅卿ことライザの師匠にあたり、ライザやリコについての真実を知る生き証人。
「監視基地」で愛弟子マルルクと暮らしつつ、探窟隊「地臥せり」のリーダーも兼ねている。
人物
身長は2メートルを超え、黒い服装も相まってさながら巨大な影のよう。
ただ、着席時などは極度に猫背な姿勢をとることが多く、長身を感じさせにくい時も多い。
変わった髪型をしているが、それは長年の探窟にわたる上昇負荷(奈落の呪い)によって頭皮が捻れているのを隠す為。靴の上からではわかりにくいが、その足もヒトのカタチをしていない。
年齢は今のところ不詳だが、彼女が「白笛」の称号を得てから50年以上が経過していること、マルルクの「蒼笛(一人前の探窟家)になれるのは15歳から」という発言とを合わせると、彼女の実年齢は最低でも65歳、妥当に考えれば70歳をとうに過ぎているということになる。
にもかかわらず、その見た目は若々しい。
(地上とアビスでは時間の感覚が違うらしいことが本人の口から語られてはいるが。また劇中で明らかになるが、かなりショッキングな健康法を実践してもいる)。
ショッキングな出来事に直面したり悪意が膨れ上がったり、気分が昂ったりすると物凄く怖い形相になる。
こんな風に。
尋常ではない悪態をつくほか、「子供騙しが嫌い」で他人から大人げないと言われるような性分。
年端もいかない子供が相手であっても優しく接することはなく、作中でも相手が泣き出すまで、というか泣き出しても痛めつけるような言動を続けていた。
ベタベタされるのも嫌いなのか、引っ付こうとすると凄まじい威力のデコピンをする。
そのため悪印象を持たれがちだが、これは何事にも真剣であるということの裏返しであり、本質は良識人で面倒見の良い人物。
日光に弱く地上で暮らせないマルルクを気にかけ、「一々地上に戻らなくていい」と言いつつ、そのマルルクと共に暮らすあたりに心根の優しさが垣間見える。
また、奈落に対するアドバイスは至って現実的で、ムダ知識など欠片もない。
ライザについても彼女に関する話の端々に、師弟愛とは違った好意も寄せているようなそぶりが垣間見られる。
ほかにも月笛のジルオをいたく気に入っており、再会時には過去に断られたにもかかわらず、やっと弟子になりにきたのかと顔をほころばせていた。
一級遺物「千人楔」という、一刺しで千人力を得る遺物を体中に刺している。本人曰く、その数120カ所。
元々はライザ達と奈落からの帰還の為にやむを得ず使用したものだったが、帰還後は買い取って使用することになる。
その後、市場に流れたものを見つける度に買い取っていくことになり、無類の腕力を誇るようになった。その力はドリルでも傷つかないレグの腕を握っただけで軋ませるほどに強烈。
劇中
「監視基地」にたどり着いたリコ達を一泊させた後、リコの出生の秘密を明かなどして二人に生存訓練を施した。
さなか、リコ相手にあまりに辛辣な悪態をついたため、怒ったレグと戦うことになる。戦いのなかで彼の予想以上の頑丈さに驚き、興奮のあまり本気で叩きつけてしまった。
ライザを除く白笛のことはあまり良く思っていない模様。
なかでも黎明卿・ボンドルドを「筋金入りのろくでなしだ。私みたいに優しくないから気をつけるんだね」と言うなど、特に危険視して忠告していた。
この際にレグは(オーゼンの今までを見てきたこともあってか)「それは冗談なのか?」と返していたが、後に黎明卿と対峙したレグ達は彼女の言葉を身をもって知ることになる。
訓練を終えると奈落の秘密を二人に伝え、ライザの武器であった無尽槌を渡して下層へと送り出す。
その後、自身を訪ねてきたジルオと『誕生日に死ぬ奇病』について話し合うことになった。