概要
人と魔物が平和に共存できる世界を夢見て勇者を目指す少年。
創世の女神イリアスを祀る神殿があるイリアス神殿のお膝下の村・イリアスヴィル出身で、村では宿を営んでいた。
夢を実現すべく勇者になって旅に出ようと考え、勇者になるための洗礼を受けようとしていた日に、村に迫っていた魔物を倒しに赴いて何とか撃退するが、直後に謎の爆発音が響き、音の方へ行くと、そこで倒れていた謎の妖魔・アリスフィーズと出会う。その後、神殿へ洗礼を受けに行くが、何故か女神イリアスが降臨せず、洗礼を受けることが出来ず勇者になれなかった。
途方に暮れていた時に再びアリスと出会い、人と魔物の共存を目指していること(とルカ自身の料理の腕の良さ)に興味を持たれ、無理矢理旅に同行することとなり、自身は見習い勇者として共に旅に出発する。
性格は純真そのもので疑うことを知らず、どう見てもバレバレなアリスの正体にも直接明かされるまで全く気づかなかった。正義感も強く、困っている人を助けようとすることが多い。特に弱者が虐げられることには強い怒りをみせる。
当初はお花畑丸出しの甘い思考や実力不足から来るヘッポコっぷりが目立つが、世界を巡る旅やアリスとの交流を通じ、人間的にも成長して行く。
イリアスを深く信仰しており、眠る前は必ず祈りを捧げている。だが、中章からはある疑問からそれを止める。
洗礼を受けていないせい(洗礼を受けると魔物が好むあるものが不味くなるため、襲われにくくなる)で、魔物達からすれば(性的な意味でも)格好の餌であり、道中遭遇するほとんどの魔物から有無を言わさず襲われることが多い。
両親はすでに他界しており、母親は大切に思っている一方で、父親には強い憎悪を抱いている。また、自分の命をやたらと軽視する傾向も見られるが……
母親の形見の指輪を嵌めているが、不思議な素材で作られており、アリスからは「何も感じない」としてあまり気にも留めなかったが、たまもからは「普通なら何かしらの魔素を感じるはずなのだが、何も感じないのは逆に不自然」と指摘した。
設定上非常にハイスペックではあるが、後述のストライクゾーンやゲーム内容的なプレーヤーの都合で、敗北シーンをこれでもかと見せることになるためチート感は極めて薄い(ストーリー終盤の展開上このくらいハイスペックでないと太刀打ち出来ないのもある)。
ファンからはその異様なまでのストライクゾーンの広さや、時折見せる男らしさからルカさんとさん付けで呼ばれることが多いが、pixivにおいてはしばしば別のルカさんと被ってしまうためかこの記事のタイトル通りのタグが多い。
戦闘能力
戦闘スタイル
当初は宿に泊まった旅の戦士や勇者に手ほどきを受けていただけの付け焼刃程度の剣術しかなかったが、後にアリスフィーズに師事を受けて剣術の腕を徐々に高めていた。
身軽さを活かした我流の剣術で戦うが、成人男子の戦士に比べると小柄で腕力に劣るので、普通の武器防具は重すぎて相性が悪いという問題がある。
そのため、防具は魔力で耐久性を強化した服や皮革製のプロテクターなどに留まり、武器も生まれ故郷の鍛冶屋に特別に鍛えてもらった専用の剣を得物としている。
しかし、そのままでは魔物娘との身体能力の差による不利を埋めることが出来ないため、アリスフィーズから魔物娘に対して有効な武器「堕剣エンジェルハイロウ」を授かった他、かつて高名な魔物が使っていた技を学ぶなどして対抗していった。
また、旅の中で四大精霊を降してその力を借りることで、魔力を込めた強力な剣術や様々な特殊能力を得ることで、より上位の魔物娘とも互角に戦える力を獲得していく。
ただ、何故か睡眠状態だと普段からは想像できないほどの戦闘能力を発揮し、普通なら歯が立たない魔物も軽々圧倒できるほど強くなる。
堕剣エンジェルハイロウ
アリスフィーズから授かることとなる新たな武器。
「666体の天使の魂を溶かし込んだ」というとんでもない逸話を持つ不気味で禍々しい意匠の剣で、勇者が使う武器としてはデザインが邪悪に過ぎているとはルカ本人の談。
切れ味があるようには見えず重量もありそうだが、ルカでも至って快適に振るえる模様。
無論ただの剣ではなく、魔物の肉体を構成している「魔素」と呼ばれる一種の魔力を霧散させ、倒した魔物を殺すことなく封印・無力化出来るため、ルカの不殺の精神にも適っている。
ただし、扱うにはある種の適性が必要らしく、適性がない者だと触れるだけで命に関わる。
四大精霊
世界各地の難所に居を構えた4体の最高位の精霊たち。
全員が女性であり、彼女らもまた列記としたモンスター娘に数えられる者たちである。
かつて500年前に活躍した伝説の勇者も彼女らの力を借りて時の魔王を打ち倒したことがあり、彼女らを仲間に加えることはルカの旅の目的の一つにもなっている。
風のシルフ、地のノーム、水のウンディーネ、火のサラマンダーで構成される。
ネタバレ
ここからはネタバレを含みます
ルカは元勇者のマルケルスとその妻・ルシフィナの間に生まれた一人息子。
マルケルスは勇者として仲間達とともに魔王討伐を目指したが夢半ばに挫折し、その後相棒のラザロとともに『イリアスクロイツ』を結成し、初代団長として徹底的な魔物排斥を目指すが、途中で魔物に殺されてしまう。
一方、ルシフィナは幼い頃のルカとともにイリアスヴィルに住んでいたが、当時のイリアスヴィルは非常に強い排他主義で、よそ者の二人は村八分の扱いを受けていた。そして、ルシフィナは流行り病に罹り、ルカは必死に助けを求めるも、見殺し同然に拒まれてしまう。そして、死に際にルカに「誰も恨まず、立派な勇者になりなさい」と言い遺して亡くなる。その後、流行り病がイリアスヴィル中に広がり、大勢亡くなってしまったため、やむなく移民を受け入れることになり、これによってルカに対する差別は無くなった。
父の自業自得な死と母の非業な死がルカに大きな影響を与えることになり、魔物との共存の真意は父の悪行に対する贖罪であり、その手段として勇者を目指していた。そして、それを目指す過程で自身が果てることで父の過ちを無意識に償おうとしていることをアリスに指摘される。また、魔物との共存を目指しているのに、魔物排斥を望むイリアス教を信仰している矛盾や理想の勇者像を真似て行動を委ねようとすることにも気付かされ、勇者を目指すのも一種の現実逃避であることもアリスに看破される。
中章終盤に、ある件で『イリアスクロイツ』の本部に訪れた時に、ラザロの口からマルケルスのパーティは魔王の城にまで到達し、そこで当時の魔王(アリスの母親)の娘(アリス)に仲間を殺されたこと、マルケルスが実は裏で魔物を逃がしていたこと、マルケルスはラザロに(事故に近い形で)殺害されたことが明かされた。ラザロから徹底的に魔物共存を否定され、酷く罵られたことで思わずラザロを手に掛けそうになるも、アリスによって事なきを得たが、残酷な真実に酷く打ちひしがれてしまう。
その後、立ち直ったルカはアリスとともに魔王の城がある大陸に赴き、アリスと別れた後魔王の城に乗り込み、中で待ち構えていた四天王と対峙し、彼女達を撃破することに成功するが、魔王の間でアリスが魔王として立ちはだかる。死闘の末アリスを倒し、彼女に止めを刺すことを望まれるが、アリスも自分と同じく死ぬことで贖罪しようとしていることを見抜き、彼女を諭してともに人間と魔物の共存を目指すことを約束した。その時、イリアスが降りて勇者失格の烙印を押されるが、今までの旅を経て魔物との共存を阻むのはすべてイリアスが元凶だと確信したルカは、ついにイリアスに刃を向けて叛旗を翻す。