イーノック・ドレッバー
いーのっくどれっばー
概要
『大逆転裁判2』第3話の登場人物。35歳。
ベンジャミン・ドビンボーが1年前にエライダ・メニンゲンの紹介で実験装置の製作を依頼した機械技師。
ノッポでヤセていてマッスグで白く長い髪に黒くシャレた《片眼鏡》をつけた男性。
常にロボットのような身振りで動き、動くたびに機械が軋むような音がなる。
また、この概要文のように、色々な部分を強調するなど、癖のある話し方をする。(テキストでは、強調箇所はオレンジの字で表記される。)
機械技師の他に手品師としての顔も持つが、その正体はそれらの知識と技術を悪用する詐欺師であり、科学者や手品師の業界では悪名高い男として知られている。
名前の元ネタはシャーロック・ホームズシリーズの一つである「緋色の研究」の被害者から。
テーマ曲は「イーノック・ドレッバー~科学と魔術の輪舞」
ネタバレ
ベンジャミン・ドビンボーをエライダ・メニンゲン殺害の犯人に仕立て上げようとした張本人。
かつてのドレッバーは若手科学者にとって最高の栄誉とされる「王室科学技術賞(ロイヤルサイエンスアワード)」を受賞するほどの将来有望な科学者だったのだが、その裏で研究費を稼ぐために墓地から盗掘した遺体を闇ルートで病院に売るという違法なアルバイトに手を染めていた(ドレッバーによれば、研究費欲しさにこのような行為に手を染めていた若手科学者は多いという)。
10年前、倫敦大学の研究生だったドレッバーは刑務所裏の墓地で処刑されて間もない死刑囚の遺体を掘り出そうとしたのだが、そこで処刑されたはずの死刑囚が墓の下から這い出てくるという予想外の事態が起きる。死刑囚はその場で何者かに射殺され、墓地から逃走したドレッバーは警察や新聞社に駆け込んで「死体が蘇った」と証言した。
警察や大手の新聞社は取り合わなかったが、いくつかのゴシップ誌はドレッバーの話を取り上げ、当時の倫敦でちょっとした騒ぎとなった。ただ、その中で一誌だけ、ドレッバーの名前を実名で報道した新聞があり、その記事を書いた記者こそ、今回の事件の被害者であるエライダ・メニンゲンだった。この記事が元で遺体の盗掘が大学にバレたドレッバーは大学を除籍処分となり、科学者としての未来を絶たれてしまう。
それから月日が流れたある日、自分のもとを訪れたメニンゲンから、ドビンボーの研究を利用して政府からの援助金を騙し取る計画を持ち掛けられる。この時、メニンゲンが自分のことなどすっかり忘れていることを知ったドレッバーはメニンゲンの殺害を決意し、同時に実現など到底不可能な理論を語るドビンボーに強烈な不快感を覚えたため、メニンゲン殺害の罪を彼に着せる計画を立てる。
それから1年後、ドビンボーの実験装置を装ったメニンゲン殺害用の《凶器》を作り上げたドレッバーは、装置の仕掛けとマダム・ローザイクの館から盗み出した蝋人形、そして可燃性ガスの気球を使ったトリックでメニンゲンがドビンボーの実験で死んだように見せかけ、続いて10年前に自分の目の前で墓から這い出てきた死刑囚の死亡確認を行った監察医ドクター・シスを脅迫して偽物の解剖記録とドビンボーの犯行の痕跡を捏造させることでドビンボーをメニンゲン殺害の犯人に仕立て上げると、最後に予め仕掛けておいた時限爆弾で装置を爆破して証拠の隠滅を図った。
ドレッバーの計画通り、メニンゲンは30フィート(約9メートル)の高さを落下したことによる衝撃で首の骨が折れて死んだと思われていたのだが…。