「オレと一緒に、死にたいクチですか?」
人物
ゲーム『大逆転裁判2』第3話《未来科学と亡霊の帰還》に登場。35才。通称・ドレッバー。
容姿
ノッポでヤセていてマッスグで白く長い髪‥‥いわゆる白髪かつ長髪に、黒くシャレた《片眼鏡(モノクル)》という“特徴”が、作中にてあがっている。
他、黒いスーツとシャツに白いネクタイ、右手には黒い手袋を身につけ、左手には歯車などによる機械的な装飾が施されている。
10年前の様子も描写されており、当時から《片眼鏡》をつけていた一方で、髪は白髪ではなく金髪となっている。
癖
常にロボットのような身振りで動き、動くたびに機械が軋むような音がなる。
また、ゲーム内テキスト上にて、色々な部分を強調するという独特な話し方をする様子も見受けられる。彼の台詞の場合、強調箇所を通常とは異なる色の字で表記するという方法が、この解説文で太字表記するように、頻繁に用いられるようになっている。
職業
機械技師として科学の知識を持ち合わせている。《王室科学技術賞(ロイヤルサイエンスアワード)》‥‥若い科学者にとって“最高の栄誉”とされる賞を受賞した経験もあり、かつては科学者として、“才能”と“未来”の両方が約束されていたという。
他、手品師としての一面もあるようだが、その正体はそれらの知識と技術を悪用する詐欺師とされており、科学者や手品師の業界では悪名高い男として知られている。
また、倫敦大学で科学を学んでいた経験もあるが、問題行動を起こしたとして除籍されてしまったという過去を持つ。カネのない貧乏学生ゆえの研究費欲しさから、埋蔵されて間もない遺体を掘り出して、売り払う‥‥いわゆる“墓荒し”、あるいは《遺体盗掘屋》というリッパな犯罪行為に手を染めていたことが、原因の1つとして語られている。科学者のユメをあきらめるキッカケにもなっている他、特殊な“仕事”を始めるという、人生の転機でもある模様。
活躍
第3話《未来科学と亡霊の帰還》を中心として活躍する。
- 公開実験
1年ほど前、エライダ・メニンゲンから依頼を受け、実験の責任者・ベンジャミン・ドビンボー博士と対面。博士から聞いた話や《設計図》をもとに、実験装置を製作した。
公開実験中の装置の大爆発や、実験に乗じた殺人事件という大惨事を経て、行方をくらます事態にはなるが、やがて活動拠点とされる《工房》 にて発見され、2日目の裁判に出廷することとなる。
- 《プロフェッサー》事件
10年前‥‥事件当時の世間を騒がせた“蘇った死刑囚”の《ウワサ》について、中心人物の1人として語られている。
その《ウワサ》によるとドレッバーは、
“死刑囚”として処刑され、《ロウゲート墓地》に運ばれて埋蔵された事件の犯人《プロフェッサー》が、真夜中の墓場の暗い土の下から“蘇る”光景
を目撃したとのこと。さらには、背後からの銃声の後、死刑囚が銃弾で胸を貫かれる様子をも目の当たりにしたとして、アタマがたった一夜で白髪になるほどの恐怖を体験したともされている。
そして、半狂乱になりながら逃げ出し、警察や新聞に向けて“目撃談”を語るドレッバーであったが、まともに取り合ってはもらえず、三流新聞のアヤシイ怪談として倫敦の大衆に広まるという事態になった模様。作中では、蝋人形師・コネット・ローザイクによって見せ物となり、注目を集める様子も確認できる。
また、倫敦大学から除籍されたのもちょうどその頃であり、その《ウワサ》が原因となっている。“目撃談”において、墓地を訪れていたことから、“墓荒し”をしていたことが大学側へと露見。“目撃談”がありもしない妄言として捉えられたこともあり、大学の“権威”を大いに損ねたとして、大学を追われる結果となってしまっている。
関連タグ
緋色の研究…コナン・ドイルの原作小説。イーノックはこの作品で被害者として登場。
ネタバレ
以下、ネタバレ
エライダ・メニンゲン殺害計画を企てた黒幕。
- 動機
自分の未来を奪った者たちに対する“復讐”が、犯行の目的となっている。
被害者、エライダ・メニンゲンの場合、“蘇った死刑囚”の《ウワサ》について記載された、10年前の新聞記事が、ドレッバーの犯行の動機へとつながっている。
当時新聞記者だったメニンゲンは、ドレッバーを取材し、“蘇った死刑囚”の《ウワサ》について記事を作成。その《記事》は、当時の記事の中において唯一、ドレッバー自身の“名前”や“身元”についてハッキリと言及した記事となって世に知れ渡り、ドレッバーはその“言及”を最たる要因として、学んでいた倫敦大学を追われることになったとされている。
こうしてドレッバーは全てを失い、科学の“裏”の世界に身を落とすことになるのだが、やがてなんの運命のイタズラか、メニンゲンが《工房》を訪問し、ベンジャミン・ドビンボー博士の実験装置製作の仕事を依頼。ドレッバーのことは忘れた様子のメニンゲンであったが、ドレッバー自身はそれをキッカケに《計画》を思いつき、実行へと移すこととなった。
また、罪を着せたドビンボーについては、“才能なき者”がそれに気づかず、《超電気式瞬間移動》などという実現不可能な“ユメ”にしがみつく様が、どうしてもガマンならなかったというように語っている。
- 共犯者
犯行計画において、ドクター・シスとは“共犯関係”にあり、《科学式捜査班》の班長という彼女の立場を利用して、犯行を《完成》させようとしていた。
《プロフェッサー》事件において、シスは監察医として、事件の犯人《プロフェッサー》の処刑を確認したとされているが、ドレッバーは“蘇った死刑囚”の《ウワサ》における自身の目撃談から、処刑が行われていないことを確信。ドレッバーはその究極の《秘密》をネタに脅迫。《犯罪計画》への協力と称して、必要な“偽装”を行わせたとのこと。
- 犯行の流れ
殺害計画は、ベンジャミン・ドビンボー博士の《超電気式瞬間移動》の公開実験に乗じる形で実行されることとなる。
実験装置と称して、大がかりな“手品”で《超電気式瞬間移動》を演じつつ、メニンゲンを殺害するための《装置》を製作。完成した《装置》に加え、他諸々の“手品”のシカケを実験会場にて準備。そして、公開実験によって、そのシカケが起動。メニンゲンは死を遂げることとなった。
シカケの中には、コネット・ローザイクから盗み出した、《プロフェッサー》の蝋人形が組み込まれており、ドクター・シスへの脅迫も兼ねるものにもなっている。そして、蝋人形を介する形で、シスに犯行への協力とその内容を指示。ドビンボーに罪を着せ、事実無根の《遺体解剖記録》を作らせた。
さらには、《時限爆弾》を用いて、証拠のインメツを試みる様子も確認できる。実験装置を製作していた自身の《工房》については、直前で阻止されたものの、実験装置そのものについては、コナゴナに吹き飛ぶ結果となってしまった。
- 法廷
大がかりな“手品”の《方法》と《可能性》、そしてそれを行う動機が提示され、さらにドクター・シスが共犯の事実を自白する一方で、実験装置がコナゴナに吹き飛んで犯行の立証が《不可能》であるとして、ドレッバー自身は犯行を認めない姿勢を示す。
そしてそのまま審理が終わるかに思われたが、そこからさらに真実を追求した結果、“手品”のシカケが作動し終わった直後の段階においては、メニンゲンがまだ生きていたと判明。最終的にメニンゲンの命を奪ったのが、ドレッバーではない別の人物だったという真実へと到達することとなる。
ドレッバーはその真実に驚愕。やがて真犯人が罪を逃れるのを阻止するべく前にしながら罪を認め、後日改めて審理を受けることとなった。