詳細
「国」という言葉が、「時の政府」「国民の集団」「土地」「これら全部」など非常に多義的であるものだから、愛国心という言葉も当然多義的なものである。
「政府への服従こそ愛国である」という人もいれば、「伝統文化の保全に力を尽くしてこその愛国者」という人もいる。愛国者を自称しながら政府を痛烈に批判する人もいるし、愛国心を根拠として抜本的な改革を推し進める人もいる。
このように多義的な言葉であるから、各々が都合の良いように勝手に意味を定め、独自の「愛国心」を振りかざし、自分を含むいろいろなものを褒めたり貶したりする。
体制側は愛国心を根拠に忠誠を求めるし、反体制側は愛国心を掲げて同志を募るのである。
~~愛国者と売国奴で国が真っ二つ。おまけにどっちがどっちか誰にも分からない~~
マーク・トウェイン