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自分の生まれ育ってきた故郷なる祖国に対し、愛着や親しみを持つようになるのは、本来ならば当然というか自然なことである。
これは世界各国の共通認識と言っても良く、国民が愛国心に反発を抱くことは世界的に見れば異常な状態である。
反乱が起こっている国でも、国民は国に対して反発しているのではなく、政府に対して反発しているのであり、悪政を敷いて国家を存亡の危機に瀕させている政府を止め、母国を守るために反乱を起こしている訳であり、むしろ愛国心が強いと言える。
我が国日本では、戦前に当時の憲法の統帥権を引き合いに出して軍部が政府の制御から外れて暴走し、満州事変や日中戦争を政府の許可なく起こしてし、政府の批判も軍部は「政府には愛国心がない」と一蹴して、なし崩し的に第二次世界大戦に流れ込んでいったトラウマから、どちらかというと愛国心を忌避している風潮がある。
なので愛国心を持つこと自体は別に悪いことではないのだが、独善的な国家の要職者や組織が主観的な救国の使命感に酔った時、自分の行為を愛国心の発露と評することが多々あるので、非常に扱いが難しい言葉なのである。