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和音の編集履歴

2017-11-04 09:55:30 バージョン

和音

わおん

音楽用語及び人名。

概要

複数で成り立つ音は「わおん」。

キャラクターの名前では「かみちゃまかりん」に登場する九条和音、「スイートプリキュア♪」に登場する西島和音(共にかずね)が見受けられる。


音楽の和音

「ドミソ」「レファラ」「シレファ」などのように基本的に音階を1つ飛ばしで複数(3つ以上)の音を同時に鳴らす。一番下の音を根音(ルート)と呼び、2番目の音を3rd(サード)、3番目を5th(フィフス)、4番目を7th(セブンス)と呼ぶ。3つの音を鳴らす和音を三和音と呼ぶ。4つの音は四和音と呼ぶ。和音は必ずしも1つ飛ばしで鳴らされるわけではなく、一部の音が省略されることもある。5thが省略されることが多い。和音の構成音はオクターブが違っていても同じ音として扱われる。例えば「ドミソ」のソが高いソでも低いソでも同じ和音として扱われる。


音程

2つの音の高さの差を音程と呼ぶ。音程には「長3度」や「完全5度」のような名称がつけられる。

ドと比較した音程を例にとると、

  • ドとド(同じ音)は完全1度 ドとド♯は増1度
  • ドとレは長2度 ドとレ♭は短2度 ドとレ♯は増2度
  • ドとミは長3度 ドとミ♭は短2度 ドとミ♯は増3度
  • ドとファは完全4度 ドとファ♭は減4度 ドとファ♯は増4度
  • ドとソは完全5度 ドとソ♭は減5度 ドとソ♯は増5度
  • ドとラは長6度 ドとラ♭は短6度 ドとラ♯は増6度
  • ドとシは長7度 ドとシ♭は短7度 ドとシ♯は増7度
  • ドと高いドは完全8度

となる。

長○度を半音狭めると短○度になり、さらに半音狭めると減○度になる。長○度を半音広げると増○度になる。

完全○度を半音狭めると減○度になり、半音広げると増○度になる。

例えばファとシは増4度となる(ドとファは完全4度だが、それよりも半音広いため)

数字の部分は「音階でいくつ離れているか」を表す。ただし同じ音は1度となるため単純に引き算した値よりも一つ多い。「長」「短」「完全」「増」「減」は二つの音の相性の良さを表す。

長3度は明るい、短3度は暗いなどのようにそれぞれの音程によって異なる響きがある。

2つの音の高さ(周波数)を整数比で表した際、2つの整数が小さな値であるほど明るい響きとなり、大きくなると暗くなり、さらに大きくなると不協和音になる。


音程を表す際に使われる英語に以下のものがある。メジャーは長音程、マイナーは短音程、オーグメントまたはオーグメンテッドは増音程、ディミニッシュまたはディミニッシュトは減音程を意味する。

和音の種類

三和音には日本語の名称がついている。

  • 長三和音 ルートから長3度、完全5度の音を鳴らす。明るい和音。ドミソ、ソシレなど。
  • 短三和音 ルートから短3度、完全5度の音を鳴らす。暗い和音。レファラ、ラドミなど
  • 増三和音 ルートから長3度、増5度の音を鳴らす。ドミソ#など。
  • 減三和音 ルートから短3度、減5度の音を鳴らす。シレファなど。

四和音は英語の名称で呼ばれることが多い。日本語の名称がついているものもある。

  • メジャーセブンス 長三和音+長7度 長7の和音とも言う。
  • セブンス 長三和音+短7度
  • マイナーメジャーセブンス 短三和音+長7度
  • マイナーセブンス 短三和音+短7度 短7の和音とも言う。
  • ディミニッシュセブンス 減三和音+減7度 減7の和音とも言う。
  • ハーフディミニッシュ 減三和音+短7度

このほかにも、三和音に6thを加えた和音や後述の付加音なども存在する。


テンション

7thより上の音を和音に加えること。9th、11th、13thがある。これより上は他の音と重複するため15th以上は存在しない。9thは長9度、11thは完全11度、13thは長6度となる。テンションに♯や♭などの調号が付くこともあり、オルタードテンションと呼ばれる。ただし存在しない調号の組み合わせもある。♭11thは3rdと同じになってしまうので存在しない。♯13thはセブンスと同じになってしまうので存在しない。そのほかにも理論上は存在しうるが調や根音の組み合わせによって使用しないものもある。調号が付いていないテンションをナチュラルテンションと呼ぶ。


関連用語

  • 転回

和音の低い音を1オクターブ上に移動させること。ルートを1オクターブ上に持って行ったものを第1転回形、第1転回形から3rdを1オクターブ上に持って行ったものを第2転回形と呼ぶ。高い音から低い音に急に下がったり、逆に急に上がったりするコード進行を多用するのはよくないので、転回させて前後との音程が小さくなるようにすることが必要となる。

  • 付加音

三和音に9th、11th、13thを加えること。コードネームはadd。

  • 繋留和音

3thの代わりに4thを用いたコード。コードネームはsus4。sus2も存在する。非常に不安定な和音なので一時的に使用してすぐに通常の和音に戻ることが多い。

  • パワーコード

3thを省略してルートと5thだけを弾くコード。ロックで用いられる。和音の定義は3つ以上の音を同時に鳴らすことなので厳密には和音ではない。

  • アルペジオ

各音を同時に鳴らさず、メロディのように分散させて鳴らすこと。ハープなどの弦楽器をポロロンと一気に奏でるのもアルペジオである。「アルペッジョ」のほうが原語の発音に近い。

  • トライトーン

音程が全音三つ分、つまり増4度または減5度のこと。セブンスコードにはこのトライトーンが含まれているため後述のドミナントモーションを起こすことができる。

  • ダイアトニックコード

音階の構成音のみで作った和音。sus4などの特殊な和音を含めるかどうかは定義がはっきりしていない。

  • アボイドノート

避けるべき音のこと。和音の構成音と短9度になる音をメロディで鳴らすと相性が悪いので避けるべき音とされている。ただし絶対に使ってはいけないわけではなく、あくまでも多用しないほうがいいという程度である。


コード進行

まずダイアトニックコードにIからVIIの番号を割り当てる。長調の場合はドミソがI、レファラがII(以下略)となる。四和音も同様にドミソシがI、レファラドがII(以下略)となる。短調の場合はラドミがI(以下略)となる。短調は自然的短音階を使う場合と和声的短音階を使う場合がある。この番号をディグリーネームと呼ぶ。ちなみにVの四和音「ソシレファ」には属7という名前がついている。長調のVIIの四和音「シレファラ」には導7という名前がついている。I・IV・Vは主要三和音と呼ばれる。主要三和音だけでコード進行を作ることもできるが、それだけだとつまらない曲になってしまうため他のコードも使われる。そのため主要三和音以外のコードは代理コードと呼ばれる。代理コードにはダイアトニックコードでないものも存在する。


長調自然的短音階和声的短音階
ICM7 ドミソシAm7 ラドミソAmM7 ラドミソ#
IIDm7 レファラドBm(-5) シレファラBm(-5) シレファラ
IIIEm7 ミソシレCM7 ドミソシCM7(+5) ドミソ#シ
IVFM7 ファラドミDm7 レファラドDm7 レファラド
VG7 ソシレファEm7 ミソシレE7 ミソ#シレ
VIAm7 ラドミソFM7 ファラドミFM7 ファラドミ
VIIBm(-5) シレファラG7 ソシレファG#dim7 ソ#シレファ

※コードネームはハ長調またはイ短調のときのものです。


続いてIからVIIの和音を3種類に分類する。

  • トニック(T) IとIIIとVI
  • サブドミナント(S) IIとIV
  • ドミナント(D) VとVII

短調のVIとVIIはサブドミナントとしても使える。

トニックは安定した和音を指し、ドミナントは不安定な和音を指す。サブドミナントは両者の橋渡し的な役割をする。


以下の3パターンが基本のコード進行となる。

  • トニック→サブドミナント→トニック
  • トニック→ドミナント→トニック
  • トニック→サブドミナント→ドミナント→トニック

ドミナントからサブドミナントに進むことはできない。同じ分類に進むことはできるが合わない順番もある(後述)。


相性の良いコード進行としては以下のようなものがある。

  • II→V ツーファイブと呼ばれジャズでよく使われる。
  • IV→II
  • III→VI
  • V→I 後述のドミナントモーションを参照。

逆に相性の悪い組み合わせはII→IVなどがある。


コード進行はジャンルによって大きく異なるため、この法則に全く当てはまらないこともよくある。

ブルースではドミナントからサブドミナントに進むことがある。例えばロマンシングサガジャミルのテーマはこの進行を用いている。

ビートたけし浅草キッドという曲はドミナントからサブドミナントに進むだけでなくII→IVという相性の悪いコード進行を用いている。

要はジャンルによって出したい雰囲気が異なるのでコード進行の法則が異なると考えられる。


例えばファミリーマート入店音でおなじみのPanasonicメロディーチャイムにコードをつけると次のような感じになる。あくまでも一例であり原曲のコード進行ではない。

  • 主要三和音のみを使った例 D D G G A A D ディグリーネームだとI→IV→V→I
  • 主要三和音以外も使った例 D D F♯m F♯m Em A7 D ディグリーネームだとI→IIIm→IIm→V7→I
  • ダイアトニックコード以外も使った例 D D F♯m F♯m Em E♭7 D ディグリーネームだとI→III→II→♭II7→I

コードネーム

コードネームは和音を文字や記号で表したものである。コードネームの書き方には以下のような決まりがある。


1.最初に根音の音名を書く。♯や♭は音名の後に書く。

2.3rdを表す記号を書く。短3度ならmを書き、長3度なら何も書かない。減三和音はdim、増三和音はaugと書く。

3.7thを表す記号を書く。短7度なら7、長7度ならM7を書く。dim7の場合は7thも減7度になる。

4.5thを表す記号を書く。減5度なら(-5)または(♭5)、増5度なら(+5)または(♯5)を書く。完全5度なら何も書かない。減三和音と増三和音は先述の書き方もあるので複数の記述法があることになる。

5.テンションを表す記号を書く。


  • 根音がC(ド)のときの例
長三和音Cド ミ ソ
短三和音Cmド ミ♭ ソ
減三和音Cdim・Cm(-5)・Cm(♭5)ド ミ♭ ソ♭
増三和音Caug・C(+5)・C(♯5)ド ミ ソ♯
長三和音+長7度CM7ド ミ ソ シ
長三和音+短7度C7ド ミ ソ シ♭
短三和音+長7度CmM7ド ミ♭ ソ シ
短三和音+短7度Cm7ド ミ♭ ソ シ♭
減三和音+減7度Cdim7ド ミ♭ ソ♭ ラ
減三和音+短7度Cm7(-5)・Cm7(♭5)ド ミ♭ ソ♭ シ♭
増三和音+短7度Caug7ド ミ ソ♯ シ♭
長2度+完全5度Csus2ド レ ソ
完全4度+完全5度Csus4ド ファ ソ
長三和音+長6度C6ド ミ ソ ラ
短三和音+長6度Cm6ド ミ♭ ソ ラ
長三和音+短7度+長9度C7(9)ド ミ ソ シ♭ レ
長三和音+長9度Cadd9ド ミ ソ レ

ここに挙げたのは一例であり、これ以外の書き方もある。例えばCsus4はC4と書くこともある。△などの記号を使うこともある。もともとが簡易的な表記法であるため正式なルールは存在しない。


先述のディグリーネームとコードネームを組み合わせた表記法もある。例えば「ソ シ レ ファ」(属7)はV7、「レ♭ ファ ラ♭ シ」は♭II7と表記することができる。通常のコードネームとは違い、ルート(根音)の♯や♭は最初に書くことがある。


分数コード

C/Eなどのように分数のように表されるコードネームもある。分母に当たる音が和音の構成音である場合は転回させて分母が最も低い音になるように弾く。構成音でない場合は分母の音名を低音で一緒に弾く。


サブドミナントマイナーとドリアの6

短調のダイアトニックコードで第6音が使われているものは、同じ主音の長調でも使用できる。これをサブドミナントマイナーと呼ぶ。長調の階名で言うと三和音では「レ ファ ラ♭」「ファ ラ♭ ド」「ラ♭ ド ミ♭」、四和音では「レ ファ ラ♭ ド」「ファ ラ♭ ド ミ♭」「ラ♭ ド ミ♭ ソ」「シ♭ レ ファ ラ♭」となる。通常のサブドミナントからサブドミナントマイナーに移行するのが一般的。逆の順番になることはまずない。


逆に、短調では同じ主音の長調のIVを使用することができる。これをドリアの6と呼ぶ。ただし扱い方が少し難しい。


裏コードとナポリの6

V7を♭II7に置き換えることもでき、この♭II7のことを裏コードと呼ぶ。階名で言うと「レ♭ ファ ラ♭ シ」となる。正反対の調で使われる属7でありながら構成音のうち2つが共通しているので代理コードとして使うことができる。


短調ではIIのルートを半音下げた和音がサブドミナントとして使える。転回させて使う場合も多い。階名で言うと「レ ファ シ♭」となる。これをナポリの6と呼ぶ。裏コードと似ているがドミナントかサブドミナントかという違いがある。



ピカルディの3

短調の曲を3rdが長3度の和音などで終わらせることをピカルディの3と呼ぶ。短調の曲が最後だけ同じ主音の長調に転調する。昔のヨーロッパでは暗いまま曲が終わることをよしとしなかったため明るい和音を最後に使った。


ドミナントモーションとセカンダリードミナント

V7→Iのコード進行をドミナントモーションと呼ぶ。(他のコード進行も含む場合がある)さらに、ドミナント以外でもドミナントモーションをすることができる。Dmを例にとると、Dmを仮のIと見立てると仮のV7はA7となる。そこでA7→Dmというコード進行ができる。このようにI以外を仮のIと見立ててドミナントモーションを行うことができるコードをセカンダリードミナントという。ただしVIIにはセカンダリードミナントが使えない。Vにかかる仮のVはドミナントのドミナントなのでダブルドミナントまたはドッペルドミナントと呼ぶ。簡単に言えば完全5度上のセブンスコードを前に置くということである。

先述のツーファイブとセカンダリードミナントの合わせ技も可能。仮のII→仮のV→仮のIというコード進行になる。例えばEm→A7→Dmというコード進行ができる。


パッシングディミニッシュ

ルートが全音差のコードの間にディミニッシュコードを挟み込むことができる。例えばC→Dmの間にC#dimを入れることができる。

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