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ニミッツ級の編集履歴

2017-12-06 09:56:31 バージョン

ニミッツ級

にみっつくらす

ニミッツ級とは、アメリカ合衆国海軍の原子力空母の艦級である。

概要

ニミッツ級空母は、エンタープライズに次ぐ二世代目の米原子力空母であり、フォレスタル級から続く、四世代目のスーパーキャリアでもある。1975年に一番艦ニミッツが就役し、2009年に十番艦であるジョージ・H・W・ブッシュが就役したが、実に30年以上の長きにわたって建造された。

満載排水量は10万tに達し、これをもって世界最大の軍艦の地位を保持している。


基本設計

設計は基本的にフォレスタル級の発展版といえる。このため、空母としての要素に革新的なものは見受けられないものの、水中防御改善を目的とした区画の配置や、飛行甲板の形状など、直前に建造されたジョン・F・ケネディに基づいた様々な改良が施されている。

また、ベトナム戦争の戦訓から継戦能力に重点が置かれ、航空燃料および航空機弾薬搭載量はエンタープライズを上回っている。


長期間にわたって建造されたことから、改装や設計の変更によって、各艦ごとに差異が存在するため、ある意味で多様性に富んだ艦級といえる。特に九番艦および十番艦においては、改設計された艦橋構造物に、大型になった艦首の膨らみ(シリンドリカル・バウ)など外見でも大きな特徴がある。


機関・推進器

本級では、ウェスティングハウス社製の加圧水型原子炉であるA4Wを二基搭載している。エンタープライズではより小出力のものが八基搭載されていたが、大出力の原子炉を搭載したことで艦内の空間が節約され、それを搭載量向上に充てたとされる。

一基あたりの公称出力は13万馬力であるから、総出力は26万馬力であるが、資料によっては定格上げにより28万馬力を発揮するともいわれており、詳細は不明である。

なお、燃料棒のウラニウム濃度については、腐食の関係から、90%以上の高濃縮燃料は採用を見送られ、それ未満の濃度のものが装填されていると思われる。


シフト配置を採用しており、弾薬庫を間にはさみ、二つの原子炉区画が配置されている。


また、原子炉の停止などの緊急事態に備え、2,000kw級のディーゼルエンジンを四基搭載しており、その出力は10,720馬力である。

推進器については、蒸気タービンを四基搭載し、五枚羽根のスクリュープロペラを四基装備する。

プロペラは青銅製で、直径23ft~26ft(資料により異なる)、重量約30tである。


兵装

兵装は、艦による差異はあるが、自衛用の兵装を搭載している。

中距離の対空・対艦火力としてシースパローまたはESSMがあり、

短距離の対空火力としてはRAMとファランクスCIWSが装備されることがほとんどで、そのほかにはチャフ発射機や電子戦機器、デコイを搭載するくらいである。

近年は、テロ対策の観点から、低速の空中・水上目標に対応するため遠隔操作式のMk38 mod.2 25mm機関砲を装備したり、M2などの重機関銃を搭載したりすることがある。

また、魚雷への対策として、直撃破壊方式の対魚雷システムを搭載することが考えられており、実際に、艦に搭載しての試験が行われている。


航空艤装

本級は、いわゆるアングルドデッキ、舷側エレベータ、光学着艦システム、蒸気カタパルト、アレスティングワイアなど、充実した航空艤装を備えており、高い航空機運用能力を誇る。

格納庫のサイズは684ft×108ft×25~27ftであり、この規模の空母としては、それほど広いわけではない。搭載機すべてを収容する能力は無く、主に整備のために使用されており、搭載機の多くは飛行甲板に露天繋留されている。ダメージコントロールのため、格納庫は二基の可動扉によって仕切ることができる。また、エレベータの開口部についても、可動式のスライドドアが装備されており、密閉することが可能である。そのため、外見からは分かりにくいが、閉鎖式格納庫であるということになる。

飛行甲板はフォレスタル級同様装甲されており、艦の強度を担う甲板でもある。材質はHY-100またはHSLA-100で、その面積は4.5エーカー(18,200㎡)に及ぶ。また、アングルドデッキの長さは243m、艦首に対して9.4~9.3度の角度がつけられており、以前の艦に比べると比較的角度が小さくなっている。


以下、その他艤装について概略。

カタパルト:C-13-1/2蒸気カタパルトを四基搭載。長さ94m。

エレベータ:航空機用エレベータは右舷三基、左舷後方に一基の計四機。アルミニウム合金製で、重量は120tといわれる。搭載機を二機同時に昇降可能な力量がある。

このほか、弾薬エレベータも複数搭載しているが、こちらの運搬量は10,500ポンドとされる。

アレスティングワイア:油圧式のMk7‐3を搭載。基本的にワイアは四条だが、後期に建造された二隻のみ三条となっている。


防御・ダメージコントロール

防御については、海軍の主力艦でもあることから、充実した防御が与えられているともいわれるが、詳細は不明である。ここでは、資料から推測できる限りでの情報を示すものとする。


装甲

前述したように、飛行甲板にはHY-100などによる装甲が施されている。厚さは不明であるが、フォレスタル級などの情報から判断するに、30.5mm~45mmほどではないかと推測される。さすがにミッドウェイ級ほどではないものの、飛行甲板での運用事故による損傷を抑えるには重要となる。

格納庫甲板もHY-100やHSLA-100が使用されており、22.2mm~25.4mm程度の厚みがある。

艦橋についても、一部25.4mm厚の鋼鈑が奢られているとされるが、詳細は不明。

また、空母に使用されるHY-100などの鋼材の中には、最大で厚さ102mm~114mmのものがあるとされ、これが重要区画の防御に使われている可能性がある。そのほか、改装の際には64mmのケヴラー装甲が舷側に張られたり、機械室の天井が二重になったりしたという情報も存在する。


水雷防御に関しては、喫水線下の舷側を多層化し、艦底を二重底とすることで対策としている。


ダメージコントロール

被害を局限するため、本級ではさまざまな工夫がなされている。

船体は複数の隔壁で区分され、多くの水密区画に分かれている。空母にとって火災は致命的な結果を引き起こすため、各種の消火装置を数多く備えており、例えば格納庫や弾薬庫などでは散水装置や、AFFF消火剤を放出する装置が備え付けられている。

また、ベトナム戦争時のフォレスタルにおける事故の反省から、乗員は訓練でダメージコントロールについて学び、多くの人員が事態に対処できるようにしているとされる。


NBC防御

核戦争なども想定される時代の設計であるから、NBC防御のため、艦内は密閉することができる。空調装置も搭載されているが、おそらく艦内は加圧され、ガスの侵入を防ぐことができるものと思われる。



同型艦

CVN-68 ニミッツ

CVN-69 ドワイト・D・アイゼンハワー

CVN-70 カール・ヴィンソン

CVN-71 セオドア・ローズヴェルト

CVN-72 エイブラハム・リンカーン

CVN-73 ジョージ・ワシントン

CVN-74 ジョン・C・ステニス

CVN-75 ハリー・S・トルーマン

CVN-76 ロナルド・レーガン

CVN-77 ジョージ・H・W・ブッシュ



性能諸元

満載排水量約100,000t
軽荷排水量73,000t~82,000t
全長1,092ft
全幅252ft
水線長1,040ft
水線幅134ft
喫水最大41ft
飛行甲板面積約18,200㎡
機関出力260,000shp
速度30ノット強
搭載機定数67機;最大90機






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