マネーアイドルエクスチェンジャー
まねーあいどるえくすちぇんじゃー
エクスチェエエェェェーンジ!
「今日もどこかで給与明細!明日を夢見て残高照会!人を憎んで、金を憎まず!両替戦士エクスチェンジャー、ここに降臨!」
概要
フェイス社より1997年に開発・販売された落ちものパズルゲーム。
画面上部から迫る硬貨の群れを両替して消去していくゲームで、硬貨の群れから1枚以上を回収しコレを任意の場所に打ち出していく事で両替を成立させる。
キャラクターデザインは石田敦子。
主演は丹下桜。脇を固める声優陣もゆかな・笠原留美・桑島法子etc…と、今から見れば(まぁ当時でも)なんとも豪華な布陣。
両替の基準は日本の硬貨(1円×5→5円×2→10円×5→50円×2→100円×5→500円×2→1000円として紙幣化=画面から消去)と同じ。特殊ブロックとして直上の硬貨と同種の画面上の硬貨を一斉消去する「イレイズ(E)」と、直上の硬貨と同種の画面上の硬貨を上のランクの硬貨に変化させる「ランクアップ(R)」がある。
フェイス社が親会社の倒産により連鎖倒産(1998年4月)したのちは、ゲームボーイ版およびプレステ版を手掛けたアテナ社に版権が移った。アテナ社の倒産(2013年3月)後は同業のトリニティに版権が移っている。
ちなみに富士見書房でメディアミックスが展開されていた。富士見ファンタジア文庫からゲーム設定に準拠したラノベ版が、月刊ドラゴンジュニアではゲームとは全く設定の異なる(そして妙に熱気のある)漫画版が連載されていた。
著作権とトラブル
「両替する事で消していく」システムが富士通パソコンシステムズの『もうぢや』に、「落下する硬貨(ブロック)群から一部を回収して上に打ち上げる」システムがデータイーストの『マジカルドロップ』を想起させたためゲームファンからは「もうぢやドロップ」「マジカルもうぢや」と揶揄されることになった。
のち、データイーストから「打ち上げシステム」による『マジカルドロップ』との酷似性を根拠として訴訟に踏み切られ、フェイス側は「両替システムと打ち上げシステムを組み合わせた発想自体はこのゲーム独自のもの」として徹底抗戦の構えを見せた。だがフェイスの親会社であるサンワイズが倒産した事でフェイスは連鎖倒産を起こし、訴訟そのものが立ち消えとなった。結局、この倒産をきっかけとして両作はその後の話し合いによる示談をもって和解に至っている。
登場人物
- 三越さくら/マネーアイドルエクスチェンジャー(CV:丹下桜)
- 大規模銀行頭取の娘で、まごうことなき守銭奴の貯金狂で「借金してでも貯金する」と豪語する本末転倒な人でなしの馬鹿娘。強気一徹な暴走癖の持ち主。脳内麻薬ブンドルフィンの力でマネーアイドルエクスチェンジャーに変身する。
- 漫画版:人情には篤いがゆえに生活を顧みない元レーサーの父と幼い弟妹を抱える苦労人。生活苦ゆえに守銭奴となっているため、原作ゲームと全く同じに見えて本質は正反対と言う愛情あふれた少女。不慮の事故で死亡し地獄に落とされ、エビス様との取引でマネーアイドルエクスチェンジャーとなり自身の蘇生と引き換えに欲虫の捕縛を請け負う。
- 中の人ネタ&名前繋がりのため「人でなしで外道な木之本」と呼ばれる事もある。
- 高島あさひ/デットマイザー(CV:野上ゆかな)
- 地方零細銀行頭取の娘で、さくらの幼馴染。そして、さくらの最大の被害者。人情に篤いお人好しのために、さくらによっていつも借金を踏み倒されている。踏み倒された借金の総額は123万4000円。その借金の怒りから脳内麻薬コソドルフィンを分泌するようになり、その力でデットマイザーに変身する。(が、さくらを友達と思いながらも怒りを秘めている、そんな自分を嫌悪もしている)
- 漫画版:銀行頭取の娘で人情に篤いお人好しな、さくらの幼馴染である事は原作ゲームと共通するが、さくらからは心より大切に思われており借金も(ある程度は存在するだろうが)ゲームほどひどくはない。ビル・バンクとは気弱のシンパシーから両想いの仲になる。のちにノート一派に目を付けられ、さくらに対する人質として囚われ、強制的に記憶消去込みの改造手術を受けさせられて強化人間デットマイザーとしてさくらの前に立ちふさがる。あさひに手を出せないさくらは、その際に半死半生の目に遭った。だが、さくらとの友情の絆から消されたはずの記憶が蘇り、マネーアイドルデットマイザー(エクスチェンジャー技の2号)として覚醒する。
- 中の人ネタのおかげで「気弱で優しく思いやりもある空気の読める苺鈴」とも呼ばれる。
- 坂田ビリィバーヴ/マッカーモーカリー(CV:石川英郎)
- さくらの従兄。さくらたちの通う学校の教師でもある。実は代々、正義の味方となることを宿命づけられた家系の末裔であり、代々受け継いできた家宝「マッカーシグナル」の力でブンドルフィンを自己操作分泌させ浪速の商人戦士マッカーモーカリーに変身できる。ノートたちマニー教団と戦うさくらたちの力を計り鍛えるため彼女らの前に変身後の姿を現した。教師としての姿は非常に心優しく気弱なのだが、マッカーモーカリーに変身してしまうと関西弁丸出しの粗野な商人気質になってしまう。そのためビリィ自身はマッカーモーカリーとしての自分は好きではない。そして、あさひとは同病相憐れむ形で親しくなっていく。ちなみに、そのあさひからは変身姿を初めて見られた際に「坂田先生がおかしな趣味に走った!」と誤解されて殴られている。また敵首魁であるノートからひそかに惚れられている。
- 漫画版:最終回にチョイ役で登場する(予定されてなどいない)第2部へのジャンクションキャラ。宇宙のエクスチェンジャーで、宇宙欲虫の撃退のためにさくらたちをスカウトしに来た。宇宙人であるため、さくらとの血縁は無く、また関西弁も使わずむしろエセ外人的な口調でしゃべる。
- ビル・バンク/コケティバウンサー(CV:堀江恭章 / ドラマCDのCV:野田順子)
- バンク・コンツェルン(マニー教団)トップであるノート・バンクの弟。コンツェルンおよび教団では総雑務長の地位にある。姉にこき使われ、なぜか(というか姉たちのオモチャにされているがゆえに)犬の着ぐるみを着せられてコケティバウンサーのコードネームを与えられている。ノートの命令でさくらをスカウトにやってきたが、生来気弱な性格であったために彼女を苛立たせて激突することになる。
- 漫画版:ノートの弟であることは原作と同じだが、着ている犬の着ぐるみは強化スーツであり、コケティバウンサーのコードネームはスーツの名前でもある。財閥の持つ研究の最終成果のひとつ「強化人間」の最初の被験者(プロトタイプ)であり、強化スーツを着ることでその力を発揮する。強化人間はバンク姉弟の亡き父親の研究の遺産でもあり、それを成すコケティバウンサーのスーツはビルにとっては家族の絆の象徴でもある。だがプロトタイプスーツであるがゆえに強化人間としての力をふるう機構はバッテリー式となっており、これが切れると強化人間としての力が揮えなくなる。そのため後に出てくる姉ノートやその部下であるセシル・円・ルルーラたちのような正規型(人体組成強化式)の強化人間と比べると非常に燃費が悪いという弱点を持っている。さくら(エクスチェンジャー)排除の指令を受けて、お目付け役の欲虫を連れて彼女たちの学校に転校してくるが、久しぶりの学校生活を体験することで心に潤いが生まれ、そして気弱であることであさひと妙なシンパシーを抱き恋人同士となる。しかし連れてきた欲虫が暴走し学校で暴れ出す。そしてさくらと共闘したことで姉たちのやっていることに疑問を感じ、姉と袂を分かって「あさひを守れる強い男になりたい」という志を抱き修行の旅に出る。そして物語のクライマックスであさひを守り姉を改心させるため、エクスチェンジャーたちに加勢することになる。
- ルルーラ・フラン/チェリーバイター(CV:豊嶋真千子)
- 嵐崎 円 / エヴリワーカー(CV:笠原留美)
- セシル・ポンド / エルディレイバー(CV:桑島法子)
- ノート・バンク / マイトディーラー(CV:永島由子)
- バンク・コンツェルンの総帥にして、コンツェルンの裏の顔マニー教団の女王。コンツェルン及び教団の財政改善のため、さくらのブンドルフィンに目をつけて彼女を自らの仲間に引き入れようと暗躍している。コンツェルンの総帥だが、そのコンツェルン自体は度重なる研究バカぶりの放漫経営により財政崩壊が起こっており粉飾決算でなんとかもっている状態だったりする。のち坂田ビリィバーヴ(マッカーモーカリー)に惚れてしまう。
- 漫画版:ノート財閥の総帥。財閥自体は両親の最後の研究「強化人間」での資金ショートによって財政破綻寸前にあり、両親が遺してくれた唯一のものであった財閥を守るため、これを回避したいがために欲虫と手を結び、さくら(エクスチェンジャー)の排除に乗り出す。のち「欲虫エキス」を生み出し、人間を欲虫にする方法を開発。これをもって世界征服への覇道を歩みだすが、のちに結局は欲虫にいいように転がされていただけの傀儡と化していた事を知らされ、欲虫たちから「用済み」認定されて見放される。実はさくらと同じく「エクスチェンジャーになるべき人間」であり、それを欲虫たちに利用され「欲虫側のエクスチェンジャー」にされていた事が明らかになる。
漫画版の登場人物
- 三越(さくらの父。元走り屋のタクシー運転手)
- 三越新太(さくらの弟)
- 三越とまと(さくらの妹)
- 招木三太夫(さくらのお目付け役である招き猫の妖精)
- エビス様(さくらをエクスチェンジャーにした財福の神)
- 欲虫(地獄からやって来た悪しき虫。ノートに取り憑き人間界征服を狙う)
CDドラマの登場人物
- ウォン(バンク家の執事。CV:林延年)