概要
『マジカルドロップ』は1995年に登場したアーケードゲーム。その後家庭用ゲーム機へ移植されシリーズ化されている。略称は「マジドロ」。
DECO作品には珍しく特有のキャラの濃さはそれほど無く、むしろ魅力的なキャラクターが多い、そして登場キャラクターはタロットカードの「大アルカナ」に出てくるカードと同じ名前になっている。
……しかし可愛らしいキャラクターとは裏腹に対戦中の操作の忙しさはパズルゲームどころかアクションゲームでも屈指のものであり、手を少しでも休めると格闘ゲームよろしくあっという間にやられてしまう。連鎖を組み立てる思考力よりは縦に3つ素早く並べられるところを探す反射神経が大きく要求される。
ストーリーは「どんな願いも叶えてくれる」と言われている「マジカルドロップ」を集めて願いを叶えてもらうのが目的となっているがシリーズによって細かな部分が変わっている。
シリーズ一覧
マジカルドロップ
初期はドロップを消した時のタイミングが短かったために後付け連鎖が難しく偶発的な組み連鎖が大きく勝負を左右した。しかしスーパーファミコン、セガサターン、プレイステーションと様々な機種に移植されており、そのポップなデザインとかわいらしいキャラクター達の存在から、多くの女性ファンの支持を集めることに成功した。
本作のみネオジオに移植されていない為、現時点でアーケード版がアーカイブス系で配信されていないのはこの作品のみ。ちなみにPlayStation版はゲームアーカイブスで配信されているが…(後述)
「フール」「スター」「デビル」「チャリオット」「ハイプリエステス」「マジシャン」が登場しラスボスは「ワールド」。
マジカルドロップ2
1996年にアーケードでリリースされた作品。ドロップを消した時のタイミングや後付け連鎖が前作に比べやりやすくなっている他、ドロップの種類が増えておりその後のシリーズのルールの土台となっている。しかし、キャラクターデザインが前作から変わっておりそれに戸惑いを見せた人もいるとか……。
家庭用ではネオジオ、ネオジオCD、スーパーファミコン、セガサターンに移植されている。
前作のキャラに加えて「ジャスティス」「ストレングス」「エンプレス」の3キャラが追加された。ラスボスは「エンプレス」だがノーミスでクリアすると隠しボスとしてオリジナルキャラの「ブラックピエロ」が出現する。
2021年5月26日に「スーパーファミコン Nintendo Switch Onilneにて収録された。
バーチャルコンソールの配信は行われていないが、実はこれが初収録ではなく、1997年12月1日にニンテンドウパワーの書き換えサービスで供給されていた。
ちなみに『アケアカNEOGEO マジカルドロップ2』はPlayStation 4/Xbox One/Nintendo Switchにて配信されている。
マジカルドロップ3
1997年にアーケードでリリースされた作品。『2』から更に調整が加えられており、任意でフィールドをせり下げる事が出来たり、後付け連鎖も『2』より易しくなっているなど爽快感が増している。
家庭用はネオジオ、セガサターン、PlayStationで移植されているが、機種やバージョンによって大きく内容が異なっている。
キャラクターデザインは『2』と同じで今回の『マジカルドロップ3』にてタロットカードの「大アルカナ」に出てくるカードと同じ名前のキャラクターが本作で出揃ったがモチーフキャラ22名+αキャラクターが総出演しているのもあり攻撃パターンにはある程度の被りが見られる。しかし各々相手への攻撃玉や、自分フィールド上に出現するスペシャル玉の種類に違いがある為、キャラクターへの個性は十分に保たれている。
『アケアカNEOGEO マジカルドロップ3』がPlayStation 4/Xbox One/Nintendo Switchにて配信されている。
マジカルドロップF・大冒険もラクじゃない!
1999年にPlayStationでリリースされ「ブラックピエロ」を除いて『3』のキャラクターが全員登場している。しかしデザインが大幅に変更され一部のキャラクターでは性格も変更されていたり前作に比べて多数の豪華声優陣が参加しているのも特徴。各キャラクターは対戦時にアイテムを使えるようになっており効果を引き起こすことができるがその反面ドロップの種類が簡素化された。そしてアイテムを使用するとフィールドに表示されるキャラクターが一定時間「変身」する(一部のキャラ除く)。
「ジャスティス」「ラバーズ」を主人公としたRPG形式のストーリーをプレイ出来たり「ストレングス」がらみの設定が再度変更されたりした(『2』で登場した男性を「ストレングス」、『3』で登場した女の子を「ストレンコ」へと設定を変更した)。隠しとしてオリジナルキャラの「バーンズ」が登場する。
マジカルドロップV
2011年のE3にてWindows版『Magical Drop V』が発表され、2012年にSteamで配信開始された。データイーストは関与しておらず、開発はGolgoth Studio、販売はIgnition Entertainmentでいずれもフランスの会社。
「エンプレス」「マジシャン」「デビル」「ジャスティス」「スター」「ワールド」「チャリオット」「デス」「フール」「フォーチュン」10人の他、データイーストの未発売作品である『ゴーストロップ』のキャラクターも収録されており、頭身はデフォルメされ2~3のイラストに近い表現となっている。ただ日本語表示には対応しているもののやや不自然な表現があったり、日本語設定の状態ではクラッシュしやすいという不具合もある。
2020年7月末に販売終了(体験版のみ配信継続)。
マジカルドロップⅥ
2023年4月25日にSteamとSwitchで配信開始。
Vから再び会社が変更され、今回はいずれもポーランドの会社。開発はStorm Trident と Highball Games、販売は『パンツァードラグーン: リメイク』『フロントミッション ザ・ファースト>: リメイク』などを手掛けたForever Entertainment。
その他
携帯型ゲーム機
- マジカルドロップ ポケット:ネオジオポケットでリリースされた。
- マジカルドロップ for ワンダースワン:ワンダースワンでリリースされた。
- マジカルドロップ(海外版):海外のみでゲームボーイカラーでリリースされている。
- マジカルドロップゆるっと:ニンテンドーDSiウェアでリリース。
アプリゲーム
- マジカルドロップ:ハドソン製作でiアプリのみリリース。
- マジカルドロップONCE:サクセス製作でiアプリ、Vアプリ、EZアプリ(Java)でリリース。
- マジカルドロップDX:版権がジー・モードに移行して初めての独自タイトルのリリースとなる。
- マジカルドロップ:ジー・モード製作で内容は『マジカルドロップDX』を簡単にしたもの。
- マジカルドロップモンスターファーム5:『マジカルドロップDX』のキャラクターをテクモのゲーム「モンスターファーム5 サーカスキャラバン」のそれに置き換えたもの
キャラクター
「大アルカナ」をモチーフにしたキャラ
※リンク先は「キャラクター個別記事 (モチーフのアルカナ)」。赤リンクの場合は個別記事未作成。
No.<0>(または無し)
『1』から登場。ピエロ風の服装を着た少年で片手には花を持っており「あにょ~ん」「ふみ~ん」など判別不能な言葉を話すが、本人はあまり深く考えていない様子。『2』以降のプレイヤーキャラとして登場するフールは彼の弟であり、自身は弟のエンディングやアニメーションにサブキャラクターとして登場している。
No.<1>
『1』から登場。赤いマントを羽織った魔術士でナルシストかつプライドが高い。
No. <2>
『1』から登場。真面目で高飛車な聖職者なのだが探求心が強く、その為かフールの言葉の研究に熱心になるあまりフールを追いかけ回している。「○○ざます」が口癖。
※左が元の女帝の姿、右がSM風の女王様の姿
No. <3>
『2』から登場。本来は優しい女帝であったがブラックピエロによって悪の心を持ってしまい、SM風の女王様となり黒い鞭を持ってデビルとストレングスを手下に従えて悪事を働いている。『2』ではラスボスとして登場。『2』エンディング、『3』での勝利アニメーション、『F』の変身時では元の女帝の姿に戻る。
No. <4>
『3』から登場。幼い頃から美しいものを愛でている内にオカマとなった中年男性で、ハイエロファントを溺愛するあまり彼を追っかけたりする。Fでは外見が大幅に変わっている。
No. <5>
『3』から登場。真面目で心やさしい青年で女性キャラ(そして一部の男性キャラ)からの人気が高い。某神官に似ているが特には関係ない。
No. <6>
『3』から登場。ブタの上に乗った幼女でブタの正体は、魔法で姿を変えられてしまったボーイフレンド。ドロップの力で1度だけ元の姿に戻したが「ブタの方が良い」として元に戻した。Fでは若干成長した姿で登場。
No. <7>
『1』から登場。銀の鎧兜と赤いマントを着た熱血漢で、兜のライオンの飾りは本人の気持ちとシンクロしている……らしい。
No. <8>
『2』から登場。上半身裸でマッチョでスキンヘッドの男性で外見とは正反対のやさしい性格。しかしエンプレスに気に入られしまい、悪事を働かされる羽目になる。猫好きでありフールが抱いている猫を欲しがったり、スターの歌を好んでいたり(しかし彼女からは怖がられている)とお茶目な部分もある。
『3』から登場。ボーイッシュな少女で、ライオンのガオガオと一緒に捨てられていた所をストレングスに拾われた。血縁はないがストレングスの娘(養女)になっている。『3』で登場した時は養父と同じ「ストレングス」の名前だったが、それ以降のシリーズでは養父と区別する為に「ストレンコ」の固有名が付いたが、ポジションは「ストレングス」と同じ。
※下のご老人
No. <9>
『3』から登場した隠しキャラ。白いひげを生やした老人でチャリオットとジャスティスの師匠でもあるが、老体の為かよく腰を痛める。ムーンに一目惚れし、ドロップの力で若返って彼女にナンパしたがあっさりフラれた。
※左が『3』、右が『V』のフォーチュン
No. <10>
『3』から登場。『3』と『F』ではラスボス務めており、時間や運命を操る魔力を持った輪を身に付けてた女性。『3』では髪型や髪の色から某アニメキャラに似ているが、特に関係は無い、『F』では髪が緑色なっており髪型も変わっている。『V』では髪型や服装が大幅に変わっており、赤い髪のツインテールの少女の姿になっている。
No. <11>
『2』から登場。白い防具を身に着け金髪でポニーテールの髪型をしており、元気な女性で一人称はボク。大剣・ジャスティスブレイド背負っており、名の通り正義感が強くチャリオットとは共に特訓をした仲。『F』ではヒロインの1人として登場する。
No. <12>
『3』から登場した隠しキャラ。逆さに吊るされている青年で天邪鬼な性格をしている。
No. <13>
『3』から登場。髑髏の印をした首輪をつけており大きな鎌を持っている女死神で、常に誰かの首を狙っているジャスティスの宿敵。本来は恐ろしいのだが周囲に流されたりして、どこか憎めない性格をしている。
No. <14>
『3』から登場した隠しキャラ。おっとりとした話し方をする女の子で昼寝が大好き。実は密かにハイエロファントに対して思いを寄せている。『F』では何故か対照的な性格になっており、色気のある胸に露出度の高い衣装を着用して活発になっている。
No. <15>
『1』から登場。悪魔より小悪魔的存在で子供故に無邪気な性格で、悪戯好きのお調子者だが同時に泣き虫でもある。『2』以降ではエンプレスの子分となり一緒に悪事を働く。「○○も~ん」が口癖。
No. <16>
『3』から登場した中ボスキャラ。フォーチュンによって操られている塔で片言でしか話せなく「タアーワアー」とか「タワアアアアアア」とかしか話さないけど、ゲーム開始時には「よーい、スタート」と発している他、フールの言葉を理解できる稀有な存在でもある。
『F』では変身すると外壁をパージし、雷の化身と化す。
No. <17>
『1』から登場。とにかく明るい今どきの女の子で「○○ですぅ」が口癖。歌うのが好きでスターに憧れ、日々努力をしているのだが、壊滅的なまでの音痴。
No. <18>
『3』から登場した隠しキャラ。ギャル語を話すゴージャスな服を欲しがるほどオシャレが好きな女性で、虚栄心が強いのだが何処か空回りをしてしまう。
※スターが抱きかかえている赤ちゃん
No. <19>
『3』から登場。常に笑顔で燃えている太陽の赤ん坊で何故か燃えないオムツを履いている。『F』では変身時に青年の姿に成長するが、性格はそのまま。
No. <20>
『3』から登場。関西弁を話す活発な女の子で顔にそばかすがある。常にラッパを持ち歩いており時折吹き鳴らしている(ただし、演奏はヘタな模様)。
No. <21>
『1』から登場。『1』ではラスボスを務めていたが『2』以降は通常プレイヤーとしている。額にある「第三の目」でマジカルランドを監視している女神でほぼ全裸。体の周りに浮遊している長い布で胸と下半身を隠している。しかし『F』では布の代わりにシースルーの衣装を着ており露出度が下がっている。
オリジナルキャラ
- ブラックピエロ
エンプレスを悪に目覚めさせた黒いピエロで、世界征服を企んでいるがワールドに踏みつぶされたり、ドロップをピーナッツギャルズに横取りされたり、フールの猫に食べられるなど不運な目に合うシーンが多い。『2』では裏のラスボスでノーミスでクリア登場する。『3』では条件を満たすと中ボスとして登場。
- ピーナッツギャルズ
ブラックピエロの仲間の赤い服を着た3人組。サブキャラクターではあるが『2』ではブラックピエロを出現させた後クリアしたら、スタッフロールで登場する(ただし、SFC版除く)。『3』ではブラックピエロの連鎖アニメーションやエンディングに登場。
- バーンズ
『F』で登場するオリジナルキャラクターで火の術を使う忍者。ある条件を満たすと使えるようになるが変身はしない。
- シケ&モク
PlayStation版『マジカルドロップ1』に登場。
リッチ(アンデッド)を思わせる老人と、魔女のつば広帽子を被る兎めいた使い魔のコンビ。
マジカルドロップの不思議を探っている。
- ハミルトン
PlayStation版『マジカルドロップ1』に登場。
スケートボードが好きな少年。
- ミント
PlayStation版『マジカルドロップ1』に登場。
自然を愛する少女だが、起こらせると怖い。
スターの音源を流用している。
- ワリリン
PlayStation版『マジカルドロップ1』に登場。
悪戯が好きだが、根っこは寂しがり屋の悪魔の子供。
デビルの音源を流用している。
- ハープ
PlayStation版『マジカルドロップ1』に登場。
ハープが好きなボーイッシュな少女。
ハイプリエステスの音源を流用している。
- ミッチェル
PlayStation版『マジカルドロップ1』に登場。
西洋甲冑を纏った巨漢で、女性に弱いらしい。
- イザベラ・R
PlayStation版『マジカルドロップ1』のラスボス。
マジカルランドの女神であるが、顔が怖いせいで住民から恐れられている模様。
肩書きやポジションから察せられる通り、ワールドの音源を流用している。
余談
『マジカルドロップ3』以前は何故か出演声優の情報が非公開にする契約をしていた(旧SNKファン雑誌『Neo Geoフリーク』による関係企業を含む質問コーナーにて、出演声優の詳細を尋ねた手紙が来たものの、担当者は「契約を理由」に答えなかった)。
PlayStationに移植された『マジカルドロップ1』は何故かボイスを流用した全く別のキャラになっており、作品を知る人からは黒歴史扱いされている(後に発売された『マジカルドロップ3』のカップリングソフトの『マジカルドロップ1は』アーケードの忠実移植版となっている)。
尚、上記のキャラクター群は極一部から「既存のキャラを3D化した存在」とされている(都市伝説に過ぎないだろうが、ワリリンなど一部のキャラクターは似ている要素があるにはあるので、完全に切り捨てるのも難しい)。
関連イラスト
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