※本項では不死者・アンデッドの一種としての「リッチ」を解説します。
概要
英字では【Lich】。
魔法など何らかの手段によって、自らの魂を匣なる「フィラクテリー」に仕込んた、自らの意思でアンデッドとなった魔法使い。
その由来は、DnDにアレンジされた、アメリカの詩人クラーク・アシュトン・スミスがミイラとカノプス壺を元ネタにして考案したアンデッドの王である。
その多くは長い年月を生きた知恵と高度な知識を兼ね備えた賢者であって、上位のモンスターである。生前は魔法使いである必要はありませんが、リッチとなるには極めて高度な儀式や魔法を要求する為、強力な魔法使い、もしく司祭の力が必要。
リッチは何かの理由を持ちながら自らの意思でアンデッド化した存在であるため、必ずしも邪悪な存在とは限らないが、独善的な理由でリッチ化した場合はほぼ邪悪に落ちる上、生の捨てきれないリッチ化もほとんど失敗して、自我も記憶もないデミリッチと化すだろう。
容貌はダンジョンズ&ドラゴンズでは骸骨やミイラのような姿が多かったが、女性は元の美しさを保持しているものも多い、それに「飽きた」感情も一緒に死んでいた為、配偶者もボロ家具も永遠に新品としか思っていないので、原典でも絶対に浮気しないモンスターとされている。
余談
- 元々の意味は古代英語(lich, lych)で死体を意味する言葉であったが、(おそらく)ダンジョンズ&ドラゴンズやファンタジー小説等のイメージから現在の意味へと変わったらしい。
- 同じくダンジョンズ&ドラゴンズが原典のビホルダーを登場させたことにより、版元よりクレームを受けたファンタジー漫画BASTARD!!では、HRバンドアイアン・メイデンのエディをもじった「エデ・イーのリッチー」というキャラが登場するが、「リッチーというのはあくまでこのキャラの個体名で、エデ・イーが種族名なんです」という、かなり強引な主張で版権問題を回避している(種族が解説されているのと同一のコマ内に「ほんとはリッ『ピー』ってゆーんだよ~」と書かれているが)。
- ちなみに、今ではCAスミス氏の持つ版権期間が過ぎているため無問題である。
- ファイナルファンタジーの1作目はダンジョンズ&ドラゴンズの影響が強かったため、土のカオス(中ボス)として登場していた。また同社が製作したSa・Gaシリーズの最初期3作や聖剣伝説においても、強大な魔法を駆使する骸骨みたいな姿のモンスターとして描かれているが、聖剣伝説では「ダークリッチ」と少々アレンジされている。
- 古今東西の伝承の存在が悪魔として登場する女神転生シリーズにおいては、『デジタル・デビル・ストーリー女神転生Ⅱ』と『真・女神転生』で、種族「幽鬼」高位の仲魔として登場している。
- 国産TRPGソード・ワールドにおいて、類似したアンデッドは「ノーライフキング」と呼ばれている。
- 昭和期のギャグ作品などでは、裕福な事を意味する【Rich】と絡められて、成金や金満家として登場することがあった。
- なろう小説においては不遇のままに命を失った魔導師がリッチになって復活し、強大な魔力によりざまぁムーブをかます作品がいくつか見られる。
- 昨今ではワイトと混同されることも多く、リッチの要素を含んだアンデッドを「ワイトキング」と称する事例も多い。
関連項目
巫妖…中国語での呼び方
ヴォルデモート…分霊箱により擬似的な不死となった強力な闇の魔法使いとして、リッチに近しい存在と言える。
アインズ・ウール・ゴウン(鈴木悟/モモンガ)…ドリームビルドにより作成された種族LV15のエルダーリッチでもあるアバターであったが、異世界に転移した際に精神は鈴木悟のまま現実化した。なおNPCとして創造されたものも文官や司書として働いている。また異世界の住人の中にもリッチとなり活動しているものがいる。
ソウルジェム…魔法少女まどか☆マギカに於ける元ネタにゾンビネタ