本項では広く知られているものを軽く触れるに止め、『遊戯王』シリーズに登場したワイトを主に解説する。派生カードのワイトキングもこちらで扱う。
概要
『指輪物語』や『ダンジョンズ&ドラゴンズ』といった古典から登場する由緒正しきアンデッドモンスターの一種。類似するものにスケルトンがある。
『指輪物語』においては死者が魂を吹き返したのではなく、死体に悪霊が取り憑いたという似て非なる設定となっている。王族の成れの果てなのを演出するため、装飾品を身につけている場合もある。正式名もワイトではなく「ブロウワイト」であり、日本語では「塚人」と訳される。
塚山丘陵に生息し、生きた人間を地面に引きずり込んだり、恐ろしげな声で呪い殺そうとする。アンデッドであるため、無論、体温も低い。
pixivでは『遊戯王シリーズ』のモンスターカードのファンアートが若干多数派。中には「ワイトもそう思います」というミームにちなんだ作品も投稿されている。
遊戯王の元祖ワイトのカード性能
カードテキスト
通常モンスター
星1/闇属性/アンデット族/攻 300/守 200
どこにでも出てくるガイコツのおばけ。攻撃は弱いが集まると大変。
解説
遊戯王OCGの歴史のなかでも最初期に登場したカードの1枚。効果を持たない通常モンスターで、その攻撃力・守備力もかなり低い。「集まると大変」らしいが、OCGにおいてデッキに入れられる同名カードは3枚まで。よって、3体集まったとしてもその攻撃力は合計たったの900。さらにこの時期は《団結の力》といった、自軍の数によるステータス向上を付加するカードも無かった。
ここまでステータスが低いと何の役にも立ちゃしないよ!ということで登場当初からネタにされていた。
しかし、一方でネタにされ続けるあまり愛着がわいた人もいるようで、一部ではそのささかやな攻撃力がかわいいじゃないか!と主張する熱狂的なファンも現れはじめ、「ワイトさんを使って勝とうぜ」というファンデッキまで誕生したくらいだった。
そして、ついに「ワイト」が報われる時が来たのだった。
「ワイトキング」のカード性能
カードテキスト
効果モンスター
星1/闇属性/アンデット族/攻 ?/守 0
(1):このカードの元々の攻撃力は、
自分の墓地の「ワイトキング」「ワイト」の数×1000になる。
(2):このカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた時、
自分の墓地から他の「ワイトキング」か「ワイト」1体を除外して発動できる。
このカードを特殊召喚する。
解説
2005年2月に登場したブースターパック「THE LOST MILLENNIUM」で登場したこのカードは、「ワイト」の存在価値を莫大に上げた。
「ワイト」3枚と「ワイトキング」2枚が墓地にある状況なら、このカードの攻撃力はなんと5000。さらに、のちに登場した「ワイト夫人」「ワイトメア」「ワイトプリンス」「ワイトプリンセス」「ワイトベイキング」「ワイトロード」は、すべてが墓地で「ワイト」として扱う効果を持っているので、自身の能力によって23000という凄まじい攻撃力へ跳ね上がる。
おまけにレベル1であることを活かし、「光学迷彩アーマー」を装備させれば直接攻撃も可能。
「集まると大変」なワイトだが、実際に墓地に集まるとワイトキングの攻撃力が上がって大変と言う他ない能力を得てしまった。「ワイト」はネタどころか実戦デッキにまでランクアップしてしまったのである。
……のだが、「ワイト夫人」「ワイトメア」が優秀な効果を備えているので「ワイトキング」を使うデッキに「ワイト」はいらないという状況になりつつある。あえて「ワイト」を使うならば通常モンスターである点で差別化することになるだろう。
そのため本家「ワイト」に関するサポートカードの登場が期待されていたところ、そうした(一部の)デュエリスト達の願いが届いたのか、墓地へ送られた時に「ワイト」を「ワイト夫人」と共に手札やデッキから墓地へ送りつつ自身も墓地では「ワイト」として扱う「ワイトプリンス」、その「ワイトプリンス」を墓地へ送りつつ自身も相手フィールドを弱体化させながら墓地へ送る「ワイトプリンセス」が続々と登場。ワイトキングは攻撃力15000以上を狙えるようになった。
以上のように、ワイトキングによる打点インフレに目がいきがちなカードだが、融合召喚先が数年がかりで増加しているのも特徴で、簡易融合・簡素融合で特殊召喚できるアンデット・ウォーリアー、フレイム・ゴーストをはじめ、アンデット族指定のドラゴネクロ、通常モンスター指定のワイアームなど、様々なモンスターに融合できる。単体での性能の高いものから、シンクロ・エクシーズへの布石として役立つものまで、多様なモンスター達が存在するため、構築の際はその点を踏まえて組むのも面白いか。
攻撃力300・守備力200のため、クリバーでリクルート可能である。
出演カードの一覧
スタッフからの人気も高いようで、低レベル通常モンスターやアンデット族に関連する効果を持つ魔法やモンスターのイラストにゲスト出演していることが多い。
スタッフが狙ったのか偶然か、一応カードの効果はすべて「ワイト」に適用可能である。
モンスターカード
- 「ゾンビ・マスター」 … よく見ないとわからないが、イラストの左側奥のほうにいる。ゾンビ・マスターが他のアンデットを蘇生しているのを眺めている。順番待ちだろうか。
- 「魂を呼ぶ者」 … 蘇生されている。何気にローブが脱げており、セクシーショット。いやん。
- 「ワイトプリンス」 … 効果については上記を参照。骨犬マロンを連れて歩くワイトプリンスをワイト夫人と共に後ろから見守っている。ワイトプリンスに伴って墓地へと向かっているのだろうか。
魔法カード
- 「アンティ勝負」 … アンティ(賭け)のカードとして「ワイト」のカードが提示されている。カード効果ではレベルの高いモンスターを出した方の勝ちのはずだが、「ワイト」のレベルは1。案の定負けたのか「ワイト」を黒い渦のような物に放り込んでいるようにも見える。そもそもこの人、勝つ気はあったのだろうか?あるいは逆に手札に低レベルモンスターしかいない所をこのカードで狙われてしまった、という場面を描いているのかもしれない。もしくはダメージ覚悟で「ワイト」を墓地に送るために提示した可能性もある。
- 「弱者の意地」 … 骨にヒビが入りながらも、意地を見せる「ワイト」。さすがワイトさんパネェっす!
- 「即神仏」 … 僧侶のような人が「ワイト」になっている。こうしてワイトは誕生した……のだろうか?ちなみに即身仏ではなく即神仏である。
- 「ダーク・バースト」 … 墓石を破壊した爆風で吹っ飛んでいる。カード効果で墓地から手札に戻されているようだが、なんとも荒々しいやり方である。
- 「トライワイトゾーン」 … 「ワイト」3体が蘇生されている。「トライワイト」で「ワイト3体」ということだろう。
- 「大金星!?」 … モンスターカードをトランプの代わりに使用してポーカーを行っている。一方のプレイヤーにはワイト系カード4種類が揃っており、ポーカーで言う「同じ数字」として扱うならフォー・オブ・アカインド(フォーカード)という強力な役となる。しかし、その相手であるサンド・ギャンブラーの手にはエクゾディアの両手両足とまだ開示されていないカードがあり……
罠カード
- 「エンジェル・リフト」 … 二人の天使によって持ち上げられている。体重は軽いのかもしれない。
- 「ヘル・ブラスト」 … よくよく見てみると、爆破されているモンスターが「ワイト」。ちなみに「ヘル・ブラスト」の効果で「ワイト」を破壊した場合、お互いが受けるダメージは150ポイント。
OCG以外での様相
遊戯が海馬の家に招待された際にコレクションルームに展示されているのが確認できる。
「闇遊戯vs海馬」戦において遊戯が使用。守備表示で召喚されるが、巨大化を装備したミノタウルスに素手で握りつぶされ、闇遊戯は「アンデット系カードではどうにも相手にならない!」と発言している。
- 東映版
武藤双六が1度使用しただけで特に活躍はなかった。
デュエルアカデミアの古井戸に捨てられていた弱小カードの1枚。万丈目隼に引き取られた。
また、幼少期の十代の友人であるオサムが使用。「マーダーサーカス・ゾンビ」や「ドラゴン・ゾンビ」とともに場にいたことでアニメオリジナル罠カード「パーフェクトカウンター コード1・2・3」の発動条件を満たし、十代の「ユベル」の召喚を無効にした。その後、それらと共に直接攻撃を決めた。
「龍亞vsミシェル」戦においてミシェルがドローしているのが確認できるが、召喚されることはなかった。
また、チーム太陽が考案したデッキの中に最低でも2枚投入されており、吉蔵のデッキにも入っている。
Aiによりダークワイト@イグニスターが召喚されるも、このカードはサイバース族であり、墓地に関する効果も持っていない。
単にワイトという名前を持つだけの赤の他人であろう。
このカードを模したアカウントも背景キャラとして登場した。
- デジタルゲーム作品
一部の作品では、ワイトの攻撃でとどめを刺すと『ワイトボーナス』なるポイントがもらえるものも存在する。
『タッグフォース』では瀬良あゆみがデッキに入れている。デッキ名は「パパとママのデッキ」であり、このカードと共に「ワイト夫人」も投入されている。つまり、彼女のパパとママは……。
なお、『遊戯王5D's WORLDCHAMPIONSHIP2011』でのフリーデュエルのタッグデュエリストの1組「海と闇と儀式と」の出現条件はワイトの攻撃で勝利するである。
- 遊戯王ラッシュデュエル
2020年4月11日にて収録。ステータスやフレーバーテキストに一切変化なし。
現在はアンデット族のカードプール拡張により数合わせ以外に用途はない。
関連イラスト
関連項目
闇属性(遊戯王) アンデット族 通常モンスター ガイコツ 最弱