概要
東京を舞台に私立探偵神宮寺三郎の活躍を描いたハードボイルド・アドベンチャーゲーム。
データイーストからファミリーコンピュータディスクシステム用ソフトとして1987年に第1作『探偵神宮寺三郎 新宿中央公園殺人事件』が発売され、それ以降、休眠期間を挟みつつもハードを変えながら継続的にシリーズ作品が制作されている超が付く長寿シリーズである。
第7作『灯火が消えぬ間に』が発売された翌年の2000年にデータイーストが事実上倒産した後はワークジャムに、『GHOST OF THE DUSK』からはアークシステムワークスに権利が移りながらも制作・販売が行われている。新章となるダイダロス(『ジ・アウェイクニング・オブ・ゴールデンジャズ』)からは再び休眠期間に入った。
作品解説
メインキャラクターデザインに寺田克也を起用し、良質なサスペンスドラマを思わせる重厚でリアルなシナリオなど、作品全体に独特のハードボイルドな作風を漂わせているのが特徴である。
異なる視点で物語が進行する「ザッピングシステム」をアドベンチャーゲームとしてはいち早く採用(第4作『時の過ぎゆくままに…』)し、特定のコマンドを実行するたびに時間が経過し、定められた期日までに事件を解決できないとゲームオーバーとなる「時間」の概念(第1作『新宿中央公園殺人事件』)を取り入れるなど、当時としては先進的なゲームシステムを取り入れていた。
BGMもファミコン時代からジャズ調や作中の事件にぴったりな曲調のものを採用しており、第6作『夢の終わりに』からは携帯ゲーム機(ゲームボーイアドバンスとニンテンドーDS)で出された作品を除き打ち込みではなく生演奏を録音して使用している。『復讐の輪舞』ではキャラクターファイルシステムも実装し、恒例となったサーチシステムや制限時間に加えてHPが存在するなど。
新章でも一部のシステムは引き継がれている。
家庭用ゲーム機向けではCEROの設立時代に突入後はその団体策定のガイドライン関係でしばしばリメイク版になったりとほぼ程度の再録を行う事になってしまったタイトルも少なくない。
派生のパロディ作品は謎の事件簿。
主な登場人物
CVは今までに演じた役者を表記する。どの作品で演じたかはWikipediaを参照。
神宮寺三郎
CV:岸野幸正、大塚明夫、かとうかおる、小杉十郎太、若山晃久、中村悠一
神宮寺探偵事務所所長。2月6日生まれ。血液型はAB。身長179cm、体重70kg。
国際企業神宮寺コンツェルンの総帥である神宮寺晴彦の三男坊だが、単身渡米しニューヨークで探偵の助手としてそのノウハウを学び、現在は御苑洋子とともに新宿歌舞伎町で探偵事務所を開いている。通な人々からは「新宿オプ」と渾名される。
ヘビースモーカーであり、タバコを吸いながら考えをまとめるのが基本スタイル。
そのため全ての作品に「タバコを吸う」コマンドがあるのもシリーズの特徴だが、分煙化が進んでいる最近は吸えるシーンは減少気味。愛飲の銘柄はマルボロ。
頭の回転も早く探偵としては優秀だが、相手の心中を探ることには長けていても自分から腹芸の類を仕掛けることは苦手。また、口数が少なく強面であることから、初対面の相手は圧倒されてしまうこともある。
体が異常にタフで、ボクシング経験者であることから荒事にもかなり強く、ヤクザやチンピラ程度が相手ならば簡単に蹴散らすことができる。本編やセルフパロディ「謎の事件簿」では、そのタフさを茶化されることもある。が、さすがに専門の訓練を受けた相手には後れを取る。
御苑洋子
CV:大沢つむぎ、斎藤陽子、折笠富美子、仲本一絵、吉田聖子、能登麻美子、藤村歩
神宮寺探偵事務所ただ一人の助手。8月1日生まれ。血液型はA。
大学時代にニューヨークで起こったある事件に巻き込まれ、神宮寺と知り合った。
数ヶ国語をマスターしている才媛であり、優れた事務能力や洞察力、直感力を持って神宮寺をサポートする有能な探偵助手。
作品毎に容姿が異なるが、神宮寺と同じく、その性格や人物像から設定年齢よりも上に見られやすい。
作中ではミステリアスな美人と評されることが多いが、神宮寺に負けず劣らずの頑固者と噂する者がいたり、一度激怒すると大の男も震え上がらせるなど、意外な側面も見せており、ヤクザからも度胸と勘のよさを褒められている。
キャラクターデザインの寺田克也は「取り立てて特徴が無い」「顔が描きづらい」とコメントしており、全シリーズに登場していながら各作品で顔や髪型が大きく異なっている。
セルフパロディである「謎の事件簿」では、なぜか頭にアンテナを立てた暴走ロボとして事件をかき回す(こちらはシリーズを通して容姿が一定している)。暴力的な性格も付け足され、推理を失敗すると神宮寺を投げ飛ばす。
熊野参造
新宿淀橋署警部。11月25日生まれ。血液型はO。
神宮寺とは親子ほども年齢が離れていながら、信頼感と友情で結ばれた間柄で、事件の際には互いに協力しあう事が多い。
新宿から犯罪を消し去ることを目標に刑事生活を送っており、時々不可能に近いその望みに落ち込む場面も見られる。
先述のザッピングで彼の視点になった場合「タバコ吸う」コマンドが「ヒゲいじる」に変わる細かい演出が光る。
「ふもっ!」が口癖。
『GHOST OF THE DUSK』や『PRISM OF EYES』では初代の立木文彦が再び担当し、現時点では初代の声優が再び同じ役を演じた唯一のキャラとなっている。
シリーズ作品
※作品によっては再登場する人物もいる。
※スピンオフの謎の事件簿、過去作の再録(ガラケーやDSiウェア等)が含まれる作品もある。リメイク版となった作品は脚本や物語の構成が異なるため同一の内容ではない。
また、リメイク元のタイトルは現時点では中古でしか入手できない。
※以下はリメイク版として再録タイトルの柱脚である。
※1:アーリーコレクションに収録
※2:Oldiesに収録
※3:GHOST OF THE DUSKに収録
※4:PRISM OF EYESに収録
タイトル | 対応ハード | 発売日 |
---|---|---|
新宿中央公園殺人事件 | ディスクシステム | 1987年4月24日 |
横浜港連続殺人事件 | ファミリーコンピュータ | 1988年2月26日 |
危険な二人 前編 | ディスクシステム | 1988年12月9日 |
危険な二人 後編 | ディスクシステム | 1989年2月10日 |
時の過ぎゆくままに… | ファミリーコンピュータ | 1990年9月28日 |
未完のルポ | Play Station、セガサターン | 1996年11月29日 |
夢の終わりに | PlayStation、セガサターン | 1998年4月23日 |
探偵神宮寺三郎 アーリーコレクション | PlayStation | 1999年8月5日 |
灯火が消えぬ間に | PlayStation | 1999年11月25日 |
Innocent Black | PlayStation 2 | 2002年10月24日 |
KIND OF BLUE | PlayStation 2 | 2004年4月22日 |
白い影の少女 | ゲームボーイアドバンス | 2005年1月27日 |
いにしえの記憶 | ニンテンドーDS | 2007年7月19日 |
きえないこころ | ニンテンドーDS | 2008年4月24日 |
伏せられた真実 | ニンテンドーDS | 2009年3月19日 |
灰とダイヤモンド | PlayStation Portable | 2009年9月17日 |
赤い蝶 | ニンテンドーDS | 2010年9月30日 |
復讐の輪舞 | ニンテンドー3DS | 2012年6月28日 |
GHOST OF THE DUSK | ニンテンドー3DS | 2017年8月31日 |
Oldies | iOS、Android | 2017年6月26日 |
New Order | iOS、Android | 2019年7月31日 |
PRISM OF EYES | Nintendo Switch、PlayStation 4 | 2018年8月9日 |
ダイダロス:ジ・アウェイクニング・オブ・ゴールデンジャズ | Nintendo Switch、PlayStation 4、Steam | 2018年12月13日 |
ゲスト出演作品
タイトル | 対応ハード | 発売・配信日 |
---|---|---|
イヌワシ〜うらぶれ探偵とお嬢様刑事の池袋事件ファイル〜 |
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コード シフター | Nintendo Switch、PlayStation 4、XboxOne、Steam | 2020年1月30日 |
関連タグ
外部リンク
シリーズ全般
作品公式サイト
以下のサイトはマーベラス
以下すべてアークシステムワークス
赤い蝶(動画が流れます。音量注意)
Oldies(携帯アプリ版のリメイク)
GHOST OF THE DUSK(音楽が流れます。音量注意)
ダイダロス:ジ・アウェイクニング・オブ・ゴールデンジャズ(音楽が流れます。音量注意)