概要
ドイツを代表する高級カメラブランドのひとつ。主力商品であるレンジファインダー式のカメラに非常に高い評価を獲ている。また映画用の35mmフィルムを使用した写真機を最初に製作、量産したというメーカーとして知られている。
現在ではプロに使用される機材の主力はレンジファインダー式から一眼レフに取って代わられたが、写真愛好家の間では本体のつくりのよさや画質などといった点で熱狂的支持を集めている。
また、ライカのレンジファインダー式カメラはその知名度や一眼レフとは一味違った外観から各種作品においてキャラクターの写真趣味を表現する小道具として活用されている。
主な製品
有名なレンジファインダー式のカメラのほかに一眼レフカメラ、レンズ交換式のデジタルカメラ、コンパクトカメラなど知名度は低いものの幅広いラインナップが存在する。
また、デジタルカメラはパナソニックと技術提携を結んでいる。
レンジファインダーカメラ
ごく初期のモデルを除いてレンズ交換式である。大まかに分けてレンズねじ込み式のバルナック型と、バヨネット式のM型に分類できる。
報道分野では、ごく初期のバルナック型からライカM型を通じて1960年代以降に日本製一眼レフにとって代わるまで小型カメラの代名詞として活躍した。
バルナック型
1914年に制作された試作機のウル・ライカに始まる戦前から戦後にかけてのエルンスト・ライツの主力製品のシリーズ。
現在でもフィルムカメラで主力の35mmフィルムの規格はこのシリーズが最初に採用した。
当時、写真機といえば名刺大やはがき大のサイズのフィルムを一枚撮影すること毎に入れ替える、ということが当たり前だったため、手のひらに乗る大きさで大量の写真が撮れるカメラは大変画期的だった。
また、他のドイツ製品の例に漏れず高い品質を誇っていたが、元々の構造が大変単純であったため世界中で模倣品が作られることになった。
最初期のモデルは本体に収納可能な固定式のレンズ、速度変更が可能なシャッター、撮影範囲を知ることができるファインダー、という最低限の装備だったもののモデルチェンジを重ねて、規格化されて広角からレフボックスを用いた超望遠までのラインナップを揃えた交換式レンズ、撮影レンズ連動式のレンジファインダー(距離計)、1/1000秒まで高速化されたシャッターを備えるまでに至った。
その上、一部に制約があるものの、新機構を搭載したモデルが発売された後も既存のモデルをメーカーに持ち込めば改造(例:ピント目測のモデルにレンジファインダーを搭載する。シャッター速度の選択肢を増やす。等)して組み込んでもらうことができた。
アクセサリー類は大変充実しており、システムカメラとしては他に比肩するもの無しという状況だった。エルンスト・ライツはカメラ、レンズの他にアクセサリー類の開発に熱心でユーザーの要望を積極的に商品化するという姿勢があった。一例として、戦前には既に連写用のモータードライブがラインナップされていた。
ライカM型
1954年に発表されたライカM3に始まる現在のライカブランドの主力シリーズ。
前シリーズのバルナック型の欠点を全て改めて、完璧なカメラを目指して開発された。レンズマウントはバルナック型のねじ込み式から差し込んで30度回転させると固定ができるバヨネット式に改められた。従来のねじ込み式レンズは、アダプターを使用することでそのまま使用できる。
特に最初のモデルであるライカM3は機械的にたいへん高い完成度を誇っていたものの、他のメーカーはこれに追従しあるいは越えることは不可能と判断し、後に写真業界で主力となる一眼レフの開発に舵を切ったため、メーカーの経営危機の遠因となってしまった。
このシリーズは最初のモデルの登場から既に60年以上が経過したが、現在でも熱狂的なファンが存在し、フィルムカメラのほかにもデジタルカメラの開発も積極的に行われている。
M型には、各国の軍や報道機関といったユーザーごとにカスタムモデルが多く存在し、特殊な仕様のモデルはコレクターの間では特に高値で取引されている。
ちびまる子ちゃんの主人公の親友であるたまちゃんの父親が使用していることで有名。
一眼レフカメラ
1965年に発表されたライカフレックスより始まるシリーズ。
エルンスト・ライツで独自に開発されたライカフレックスシリーズと、日本のカメラメーカーであるミノルタの技術を取り入れたライカRシリーズ、、45mm x 30mmの撮像素子を採用した中判デジタル一眼レフのライカSシリーズの三種類がある。
コピー品
高級カメラであるライカには数多くのコピー品が存在した。
特に、構造が簡単で当時の小型カメラとしては一級品の性能を誇っていたバルナック型ライカは世界中でコピー品が製造された。製造メーカーの中には後に業界トップとなるキヤノンや、ニコン(但し、シャッター機構のみ)、皮肉にも後に提携先となるミノルタもあった。
多くのコピーモデル登場の背景は、第二次世界大戦でのドイツの敗戦によって一切の特許が無効となったためであった。
コピー品の中には、第二次世界大戦の勃発でドイツからの輸入が途絶えたものを軍事的理由で国産化したアメリカ製のカードンやイギリス製のリードなどは特にコレクターから珍重され本家のものより高値がつくことがあった。
ファインダー周りが非常に複雑かつ精緻な作りのM型ライカをコピーしようとする命知らずは居ないだろう… と思われたが、中華人民共和国で「紅旗」としてコピーされごく少数生産された。稀に市場に出回ると新車の乗用車が買えるくらいの値段になるとか。
別名・表記ゆれ
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