ウルザ(MTG)
うるざ
概要
ドミナリアの歴史とともに生き、その命運を握った強大なプレインズウォーカー。
弟ミシュラと繰り広げた兄弟戦争はあまりにも有名であり、ドミナリア=ファイレクシア戦争において、ファイレクシアを撃退するのに大きな役割を果たした。
ゲームでも3つ揃えると大量マナを出す特殊地形『ウルザの鉱山』『ウルザの塔』『ウルザの魔力炉』、莫大な追加マナで一撃必殺火力『ウルザの激怒』と多くのカードやそれらのフレーバーテキストやイラスト等々に登場しており、また、背景ストーリーでもカーンやウェザーライト号といった重要アーティファクトの製作者でもありマジックのプレーヤーなら1度はその名を耳にしたことがあるほどの人物。
背景ストーリーでの活躍
ARとはドミナリアの暦であるアーギヴィーア暦であり、、「××××AR」で「アーギヴィーア暦××××年」を示す。
- AR20年。
ウルザとミシュラの兄弟は考古学者であるトカシアの下でアーティファクトの基礎と、古代スラン文明に関する知識を仲良く学んだ。
数千年前にドミナリアで栄華を極めた古代スラン帝国の首都ハルシオン市の遺跡、コイロスの洞窟最奥部で稼働していた施設の中枢でパワーストーンを発見する。兄弟がパワーストーンに近づくと、それは2つに割れ、ウルザは割れた片方の1つマイトストーンを手にし、残るもう片方のウィークストーンをミシュラが手に入れた。
3人がキャンプに戻った後、ウルザとミシュラはパワーストーンを巡って事あるごとに争うようになった。トカシアは兄弟たちをなだめ、争いを止めようとしたが、遂にその巻き添えとなり死亡してしまう。兄弟の師にして、実の母にも等しき大切な存在だったトカシアの死という大事をキッカケとし、ウルザとミシュラの兄弟は生き別れることになった。
- AR21年、
ウルザが21歳になったころ、王女の婿に与えられるという宝の山の中に古代スランの秘本であるジェイラム秘本目当てにヨーティア国の王女カイラ・ビン・クルーグと結婚。必然的に「ヨーティア国の王族」という立場になる。その一方でミシュラもまたヨーティアと対立していたファラジをその手中に収める。ここにウルザのヨーティアとミシュラのファラジという対立構造が浮き彫りになった。
- AR27年
2人の兄弟の対立は、テリシア大陸中の国家と部族を巻き込んだ争いに発展していった。これは後に『兄弟戦争』と呼ばれる壮絶な戦乱となる。
戦争は最終的にアルゴスの地を舞台に繰り広げられる。アルゴスの資源をめぐる戦いはウルザとミシュラ、両者と双方の軍が死力を尽くす最終決戦を迎える。その戦いの最中ウルザとミシュラは対峙した。弟ミシュラとの再会を果たしたウルザだったが、ウルザはミシュラが既に生きる機械と化していたことを知る。
実は幼き日のウルザとミシュラが手にしたパワーストーン、元はファイレクシアを繋ぐ門の封印として使われていたものであった。
ウルザは怒りと悲しみの入り混じった感情を抱いた。その感情を起爆剤に、ウルザは彼の助手が持ってきたスラン製のアーティファクト、「ゴーゴスの酒杯」の力を解放。ミシュラもろともアルゴス島の大半を粉みじんにするほどの大爆発を起こし、島にいたほとんどのものを敵味方関係なしに海へと沈めた。サイクリクスの解放によって生じた大爆発の余波は、世界の隅々にまで及んだ。テリシア大陸は引き裂かれ、異常気象が日常となり、ドミナリアはゆっくりと氷河期へ突入していくことになった。
サイリクスの爆発はウルザの身体も引き裂いたが、直後、ミシュラの体から離れたウィークストーンが、ウルザの持つもう片方のマイトストーンに引き寄せられて来た。彼ら兄弟が40年以上前にコイロスの洞窟で手に入れた2つのパワーストーンは、ウルザの目の代わりに彼の頭蓋骨に収まった。激しい怒りの感情でプレインズウォーカーの力に目覚めたウルザは、スラン文明が残したもっとも力のあるパワーストーンをその身に宿した。プレインズウォーカー・ウルザの誕生である。
- AR1,700年
兄弟戦争から約1,500年後、弟の仇を求めて多元宇宙をさまようウルザは、ようやくファイレクシアを知る者、ファイレクシアの潜伏工作員、ファイレクシア人ザンチャと巡り合った。ザンチャの導きの元、ウルザは弟の仇を取ると言う名目でファイレクシア本土へと乗り込んだが敗北。
セラが創造した次元「セラの領土」に逃げた際、人工次元であるセラの領土には致命的な欠陥があり、遅かれ早かれ自壊する運命にある、という事実に気づく。
そこから1つの仮説を導きだした。「セラの世界と同じ人工次元であるファイレクシア次元は、いずれ崩壊の時を迎える。ファイレクシア人たちはその避難先として、より安定した次元であるドミナリアへの移住をもくろんでいるのだろう」と。
ザンチャとウルザは再びファイレクシアに関する情報探しに取りかかった。驚くべきことに、ファイレクシア人の起源に関する情報は、ほかならぬドミナリアに眠っていた。ウルザが尊敬し、憧れ、理想の世界だと考えていた古代スラン文明と、仇敵ファイレクシア人とが同じ民だった証拠を発見する。再度コイロスの洞窟を訪れたウルザを待っていたのは、ミシュラを生きる機械へと改造した張本人、ファイレクシアの法務官ギックスだった。言葉を交えることなく戦い始めるウルザとギックス。辛くも勝利するものの、ザンチャがギックスの攻撃からウルザを庇い、身代わりとなって死亡した。
- AR3,285年
ザンチャとの死別後、ウルザはザンチャと共に歩んだ1,600年を超える長い、長い旅で得た様々な教訓を糧に、来たるべきファイレクシアとの戦争への準備をすすめることにする。
その準備の一環として、ウルザはトレイリアに研究施設、兼、学校、そして来たるべき戦争時には拠点となる予定のトレイリアのアカデミーを開校する。ウルザはアカデミー内において生徒たちの指導をしながら、ファイレクシアに対する研究を行う。かつてヨーグモスによる侵略を一度撃退している古代スラン文明になら、ファイレクシア打倒のヒントがあると考えたウルザは、ファイレクシア攻略の鍵の入手、そして「古代スラン人がファイレイクシア人になった」という過去を改変するための『時間遡行実験』を計画した。しかし、ファイレクシアの潜伏工作員ケリックの襲撃によってアカデミーで虐殺が起こる。これを回避しようと歴史改変を試みるが過負荷に耐えられなくなった時間機械が爆発し時間災害が発生、アカデミーは半壊。大爆発の影響はトレイリア島全体におよび死亡者・行方不明者の総数は全生徒、全職員、全研究員の八割を超え、ケリックも早い時間の波に飲み込まれた。
やむえず、計画変更せざる得なくなったウルザはヤヴィマヤの森に赴くが、兄弟戦争でウルザはアルゴスの森を壊滅させており、ヤヴィマヤの魔術師ムルタニは記憶の共有によってウルザに精神的なダメージを与えさせる。だが、ムルタニもファイレクシアの侵略を知るところとなった。ケリックが時間の波から脱出するとともに霊的交流は終了するが、ムルタニとウルザはケリックを撃退する。ムルタニはウルザに力を貸し、有機素材ウェザーシードを与える。
パワーストーンを起動させるため、次元の崩壊エネルギーを必要としたウルザは、すでに崩壊しかかっているセラの聖域を訪れた。すでに崩壊の途上にあったセラの聖域を支配していたのは大天使レイディアントだったが、ウルザの説得に彼女は耳を貸さず、聖域を脱出するものを迫害した。説得を試みたウルザだったが、最後までレイディアントは動こうとせず、やむを得ずウルザはレイディアントごと崩壊する聖域をパワーストーンに取り込んだ。
その後、対ファイレクシアのために人造人間メタスランを作ったり、血統実験でレガシー発動の「人的発動装置」としてキャパシェン一族を生み出すなど、数多くの非人道的な行為を行う。
- AR4,205年
ファイレクシアの侵略時、ウルザはプレインズウォーカーの同盟ナイン・タイタンズを率いてファイレクシアに攻め込む。しかしウルザは機械次元のファイレクシアに魅かれていき、遂に第六球層で次元破壊爆弾の起爆装置を解体し、更に仲間の一人を殺害して敵に寝返ってしまう。彼はヨーグモスの導きにより生きていたミシュラに対面するが、助けを乞う弟を見捨ててヨーグモスに忠誠を誓う。ウルザはファイレクシアの闘技場に連れられ、ヨーグモスの言葉どおりジェラードと戦うが、敗れて首を切られた。首だけとなってもウルザは両目のパワーストーンによって死なず、ドミナリアに帰還した。ヨーグモスが倒された後、ジェラードと共にカーンに融合してその長い生涯を終えた。
クリーチャー化?
無明の予見者
マナコスト | (2)(青)(青) |
---|---|
カードタイプ | 伝説のクリーチャー — 人間・ウィザード |
パワー/タフネス | 3/3 |
能力 | (1)(青):呪文1つかパーマネント1つを対象とする。それはターン終了時まで、あなたが選んだ1色の色になる。 |
インベンション・ブロック(ファイレクシア侵略の時期)の背景ストーリーでウェザーライト号のクルーに助言を与える謎の老人。その正体は変装したウルザ。
青のクリーチャーにしてはそこそこのサイズだが、能力が役立つ場面が割りと限定的。
ちなみにウルザを含め、旧世代プレインズウォーカーでカード化された人物は少数派。これはMTGのフレイバー上、プレイヤーはプレインズウォーカーとなり、様々な次元からクリーチャーを召喚したりして戦っているという位置づけになっているというのもあるが、
旧世代の面々は不老不死に近いほどの長寿・姿かたちを自在に変える・ついには次元すら作ると真面目にカード化したらゲームバランスが崩壊してもおかしくないからである。
カード性能
Urza, Academy Headmaster
マナコスト | (白)(赤)(青)(黒)(緑) |
---|---|
カードタイプ | 伝説のプレインズウォーカー ― ウルザ |
初期忠誠度 | 4 |
能力 | [+1]:AskUrza.comに行き、[+1]をクリックする。 |
[-1]:AskUrza.comに行き、[-1]をクリックする。 | |
[-6]:AskUrza.comに行き、[-6]をクリックする。 |
黒枠ではカード化しなかったが銀枠でまさかのカード化。
ジョーク・セットの一つ、Unstableに収録(公式フォーマットでは使用不可)
日本語でカード名を翻訳すると「アカデミーの頭、ウルザ」。
アン元宇宙のウルザは、ジェラードに首を斬られてからも死なず、頭だけの状態で生き延びている。現在はアカデミーで隠居生活を送っている。
3種類の忠誠度能力を持つが、いずれもAskUrza.comと呼ばれるサイトにアクセスして該当のボタンをクリックせよという指示があるのみ。
( 外部リンク参照)
このサイトにはフレイバー・テキストの書かれたこのカードの画像が置いてあり、忠誠度能力の部分のボタンをクリックすると20種類の中からランダムに1種類の効果が表示される。また能力のリストをPDFとしてダウンロードすることもできるので、あらかじめリストを印刷しておいてから20面ダイスを振ることで、電子機器が使えない場合でも能力を使用することができる。
長年カード化を望まれてきた期待に応える、ウルザらしさに溢れたカード。唱えるためのマナ・コストと全く何が起きるか分からない能力には苦労するだろうが、そこも含めて楽しみたい。
最高工匠卿、ウルザ
マナコスト | (2)(青)(青) |
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カードタイプ | 伝説のクリーチャー — 人間・工匠 |
パワー/タフネス | 1/4 |
能力 | 最高工匠卿、ウルザが戦場に出たとき、「このクリーチャーは、あなたがコントロールしているアーティファクト1つにつき+1/+1の修整を受ける。」を持つ無色の0/0の構築物・アーティファクト・クリーチャー・トークンを1体生成する。 |
あなたがコントロールしているアンタップ状態のアーティファクト1つをタップする:(青)を加える。 | |
(5):あなたのライブラリーを切り直し、その後一番上のカードを追放する。ターン終了時まで、あなたはそのカードをそのマナ・コストを支払うことなくプレイしてもよい。 |
特殊セットとして発売されたカードセットであるモダンホライゾンでカード化されたウルザ。「ウルザ」の名を持つ黒枠のカードはこれが初。 使用フォーマットは(登場当時の)スタンダードでは使用不可だがモダンでなら使用可。
1つ目の能力は場に出ると同時に他のアーティファクトの数に応じてサイズアップする構築物トークンの生成。ウルザ本人と合わせて最低2/5となるので単体でもそれなりに硬い。もちろん予めアーティファクトを並べておけばより強力。
2つ目の能力はアーティファクトから青マナを引き出す能力。差異はあるが、アーティファクトの数だけ青マナが出るというのはかのトレイリアのアカデミーを彷彿とさせる。一つ目の能力で生成したトークンを当てることもできるが、軽量アーティファクトを並べての大量マナを狙いたい。
3つ目の能力は、ライブラリートップの踏み倒し。シャッフルの必要があるためライブラリー操作カードが使えず、起動コストは非常に重いが上手くいけばマナ・コストを無視してプレイできるため、5マナ以上のカードが出ればむしろ得になる。ただし何でもいいというわけではなく、打ち消し呪文などを引いてしまったら5マナが無駄になってしまうのでこれを有効に使えるデッキは限られている。しかしそうなると、状況を選ばず使えるカードを多く入れているデッキでなければ、これはさほどうまく機能しない。とはいえマナを確保できれば1ターンに複数回起動することができる。2つ目の能力でウルザ自身がマナを出せるため、複数回の起動も狙いやすいだろう。
3つの能力が自己完結しているため単体でも仕事をするものの、アーティファクトを大量に並べるデッキでこそ本領が発揮される。然るべきデッキに投入すれば最高工匠卿の名に恥じない活躍をしてくれるだろう。