時間の中を漂うことで、才能ある若者の心に邪悪なひらめきが生まれた。
――「工匠の神童、ミシュラ」のフレーバーテキストより
人物説明
プレインズウォーカーであるウルザと同じ年に生まれたウルザの弟。
兄であるウルザ共々考古学者トカシアの元でアーティファクトとドミナリアにかつて存在し、アーティファクトによって栄えたが滅亡を迎えた古代文明である「スラン文明」について学んだ。
トカシアの元での発掘とスラン文明の遺物の研究を行う中、ミシュラ、ウルザ、そしてトカシアの3人は古代スラン文明の遺跡、後にウルザによって「コイロス(古代アルカイヴ語で『秘密』の意)」と名付けられる洞窟へと辿り着き、その中で絶大な魔力を秘めた魔法の宝石、パワーストーンを見つけたミシュラとウルザが我先にと手にしようとした時、パワーストーンは2つに分かれて兄弟それぞれの手へと渡った。
その後ミシュラとウルザは互いのパワーストーンを巡って争うようになり、2人の争いを止めようとしたトカシアも命を落としてしまった。
これを境に袂を分かった2人はそれぞれ異なる道を辿り、それぞれ異なる支援者を得たことから次第に2人の対立は深まり、兄弟それぞれの勢力に分かれた各国・各部族によりテリシア大陸中を巻き込む大戦争「兄弟戦争」が勃発する。
しかし、ミシュラは密かに悪の機械帝国「ファイレクシア」の援助を受けファイレクシアの戦力、技術を手に入れており、ついには自身の肉体すらも機械へと改造し人ならざるものと化していた。
最終的にアルゴスの地における最終決戦でウルザが起動させたアーティファクト「ゴーゴスの酒杯」によってミシュラ自身はアルゴスの地諸共に跡形もなく消え去るも、ゴーゴスの酒杯の絶大な力によって引き起こされた大異変、ミシュラと相対したウルザがファイレクシアの存在を知ったことなどは後々に渡る大きな影響を与えていくことになる。
カード性能
工匠の神童、ミシュラ
マナ・コスト | (1)(青)(黒)(赤) |
---|---|
カード・タイプ | 伝説のクリーチャー — 人間・工匠 |
パワー/タフネス | 4/4 |
能力 | あなたがアーティファクト呪文を1つ唱えるたび、あなたは自分の墓地と手札とライブラリーからその呪文と同じ名前を持つカードを1枚探し、それを戦場に出す。あなたがこれにより自分のライブラリーからカードを探した場合、それを切り直す。 |
直接のカード化こそこれまでなかったが、『時のらせん』でついにカード化。
アーティファクトを唱えると同じものを自分の墓地と手札とライブラリーから直接出せるというアーティファクト特化デッキ向きの能力となっている。
彩色の星のような、軽くて生贄に捧げることで効果が発動するアーティファクトを何度も使い回すといったことも可能。
高名な者、ミシュラ
マナ・コスト | (2)(青)(黒)(赤) |
---|---|
カード・タイプ | 伝説のクリーチャー — 人間・工匠 |
パワー/タフネス | 5/4 |
能力 | あなたのターンの戦闘の開始時に、あなたがコントロールしていてクリーチャーでないアーティファクト1つを対象とする。《ミシュラの戦機》という名前で4/4で他のタイプに加えて構築物・アーティファクト・クリーチャーであることを除き、それのコピーであるトークン1つを生成する。ターン終了時まで、そのトークンは速攻を得る。次の終了ステップの開始時に、そのトークンを生け贄に捧げる。 |
統率者戦用デッキ『ミシュラの輝く軍旗』にてカード化(特殊セット扱いなので、最新セットのカードがメインのルールであるスタンダード等々では使用不可)。
能力はアーティファクトがあると戦力が自動生成されるのだが、注目すべきはアーティファクトのお手軽コピー。マイコシンスの水源の等々をコピーすればお手軽アドバンテージ。
採掘の神童、ミシュラ
マナ・コスト | (2)(赤) |
---|---|
カード・タイプ | 伝説のクリーチャー ― 人間・工匠 |
パワー/タフネス | 2/1 |
能力 | 速攻 |
(1),(T),カード1枚を捨てる:カード1枚を引く。 | |
あなたが1枚以上のアーティファクト・カードを捨てるたび、(赤)(赤)を加える。この能力は、毎ターン1回しか誘発しない。 |
『兄弟戦争』で背景ストーリーの根底を成すウルザとミシュラの争いを取り上げたことで、若かりし日のミシュラがカード化。レアリティはアンコモン。
手札入れ替えとそれと連動したマナ生成能力を持ち、それを生かした後続の召喚を補佐するような能力となっている。
ちなみに、同セットに収録された「パワーストーンの神童、ウルザ」とは1枚の巨大イラストを分割した合わせ絵となっている。
マク・ファワを手懐ける者、ミシュラ
マナ・コスト | (3)(黒)(赤) |
---|---|
カード・タイプ | 伝説のクリーチャー ― 人間・工匠 |
パワー/タフネス | 4/4 |
能力 | あなたがコントロールしていてるすべてのパーマネントは「護法 ― パーマネント1つを生け贄に捧げる。」を持つ。 |
あなたの墓地にあるすべてのアーティファクト・カードは蘇生(1)(黒)(赤)を持つ((1)(黒)(赤):あなたの墓地にあるそのカードを戦場に戻す。それは速攻を得る。次の終了ステップの開始時に、またはそれが戦場を離れるなら、それを追放する。蘇生はソーサリーとしてのみ行う。) |
・護法―相手の呪文や能力の対象になるたび、そのプレイヤーが[コスト]を支払わないかぎり、その呪文や能力を打ち消すという能力。
『兄弟戦争』で収録されたウルザと袂を分かった時期のミシュラのカード。レアリティはレア。
すべてのパーマネントに護法を付与できる。このカードが真っ先に狙われやすいが、それをするには何か生贄に捧げないといけないため、1対2交換に持って行きやすい。ただし、これを出せる時には生贄に捧げても問題ない物があってもおかしくない場合も多いため過信は禁物。
使い捨てにはなるが3マナで速攻付きリアニメイトとなれば非常に強力。
ギックスに拾われし者、ミシュラ+ファイレクシアのドラゴン・エンジン
ギックスに拾われし者、ミシュラ
マナコスト | (2)(黒)(赤) |
---|---|
カードタイプ | 伝説のクリーチャー ― ファイレクシアン・人間・工匠 |
パワー/タフネス | 2/4 |
能力 | あなたが攻撃するたび、各対戦相手はそれぞれX点のライフを失い、あなたはX点のライフを得る。Xは、攻撃クリーチャーの数に等しい。ギックスに拾われし者、ミシュラと、《ファイレクシアのドラゴン・エンジン》という名前を持つクリーチャー1体が攻撃していて、あなたがその両方をコントロールしていてそれらのオーナーであるなら、それらを追放し、その後、それらを《ファイレクシアに下りし者、ミシュラ》へと合体させる。それはタップ状態かつ攻撃している状態で戦場に出る。 |
ファイレクシアのドラゴン・エンジン
マナコスト | (3) |
---|---|
カードタイプ | アーティファクト クリーチャー ― ファイレクシアン・ドラゴン |
二段攻撃 | |
ファイレクシアのドラゴン・エンジンがあなたの墓地から戦場に出たとき、あなたはあなたの手札を捨ててもよい。そうしたなら、カード3枚を引く。 | |
蘇生(3)(赤)(赤) | |
(《ギックスに拾われし者、ミシュラ》と合体する。) |
・二段攻撃ー先制攻撃の戦闘ダメージと通常の戦闘ダメージの両方を与えるという能力
・蘇生ー指定されたコストを払うとこのカードを墓地から戦場に戻すし、次の終了ステップの開始時にそれを追放するという能力
『兄弟戦争』で収録されたそれぞれの裏面が合わせ絵になった両面カードとなった合体カードとなっている。
5ターン目に蘇生した墓地のドラゴン・エンジン、もしくは3ターン目に予め展開しておいたドラゴン・エンジンとの合体というデザインであり、テンポよく繋げやすい。ミシュラたちを相手に見せてしまえば合体を狙っているのは明らかであり、特にミシュラが除去されてしまうと合体を狙うのは難しくなる。そのため相手の手札の除去を消費した瞬間を狙う等々注意が必要。
ファイレクシアのドラゴン・エンジンは軽くて二段攻撃、手札リセット、おまけに一時的に馬に戻す蘇生と3マナクリーチャーとしては能力盛りだくさんであり、積極的に攻めるデッキではギックスに拾われし者、ミシュラ無しでも採用される場合も。
ファイレクシアに下りし者、ミシュラ
マナコスト | (無し) |
---|---|
カードタイプ | 〔黒/赤〕 伝説のアーティファクト クリーチャー ― ファイレクシアン・工匠 |
パワー/タフネス | 9/9 |
能力 | ファイレクシアに下りし者、ミシュラが戦場に出るか攻撃するたび、以下から3つを選ぶ。 |
・対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーはカード2枚を捨てる。 | |
・クリーチャーやプレインズウォーカーやプレイヤーのうち1つを対象とする。ファイレクシアに下りし者、ミシュラはそれに3点のダメージを与える。 | |
・アーティファクトやプレインズウォーカーのうち1つを対象とする。それを破壊する。 | |
・ターン終了時まで、あなたがコントロールしているすべてのクリーチャーは威迫とトランプルを得る。 | |
・ターン終了時まで、あなたがコントロールしていないすべてのクリーチャーは-1/-1の修整を受ける。 | |
・パワーストーン・トークン2つをタップ状態で生成する。 |
ギックスに拾われし者、ミシュラとファイレクシアのドラゴン・エンジンを二つ揃えると裏面の合わせ絵カードになる合体カード。
その能力は圧倒のフィニッシャー。速攻はないが場に出た時にも能力が発動するので、相手からすればあってもなくても大して変わらない。
懸念すべきは除去耐性がない点とアーティファクトクリーチャーゆえにアーティファクト破壊カードでも破壊されてしまう点だろうが、合体元のドラゴン・エンジンは蘇生持ちゆえにミシュラをも一枚出せれば再び場に出せるため、宿敵ウルザとはその点で差別化されている。