概要
かつては「エルダー・ドラゴン・ハイランダー」「EDH」「司令官戦」などと称されていたが、統率者セットの発表とともに、現在の名称に変更された特殊ルール。
通常は60枚+サイドボード15枚のデッキを使用するのに対し、
統率者戦は、統率者に指定した伝説のクリーチャー・カード1枚(例外もあり)+それの固有色(マナコストやルール文章に含まれるマナ・シンボルの色)が同じ色のカードなお且つ基本土地カード以外は同じカード1枚ずつで構成された100枚デッキを使用する多人数戦用ルール。
元は公式フォーマットではなく、あまったカード等々で楽しむために作られたゲームなのだが、水面下で人気に火が付き、現在では統率者戦向けのデッキがセットごとに発売されている。それに加え、コロナ禍でガチ勢向け大会が中止されている影響によって人気が高まりつつある。
構築ルール
まず、「伝説のクリーチャー・カード1枚」、もしくは「統率者として利用できるプレインズウォーカー・カードを1枚」、「互いに共闘を持つ伝説のクリーチャー・カード2枚」、「背景選択を持つカード1枚と背景・エンチャント・カード1枚」、「タイムロード・ドクター1枚とドクターのコンパニオンを持つクリーチャー・カード1枚」を選ぶ。これを統率者と呼びます。
統率者の固有色(マナ・コストやルール文章に含まれるマナ・シンボルの色と、色指標、特性定義能力によって定義された色)は、デッキ内に入れられるカードの固有色を指定し、統率者の固有色に含まれない固有色を持ったカードをデッキに入れることはできません。
デッキ内には、通常のハイランダーと同様、基本土地カード以外は同じカード名のカードを1枚ずつしか入れることができない。枚数は、統率者と合わせてちょうど100枚である。
ゲームルール
- ゲームを開始する前に、各プレイヤーは自分のデッキの統率者を宣言し、それを統率領域に置きます。
- プレイヤーの開始時のライフの総量は40点でゲームを開始します。
- 統率者によってプレイヤーに与えられた戦闘ダメージを統率者ダメージと呼びます。いずれかのプレイヤーが同一の統率者から21点以上の統率者ダメージを与えられた場合、そのプレイヤーはゲームに敗北となります。
- 統率者が統率領域にある限り、そのオーナーは統率者を唱えることができる。ただし、この方法でそれまでに統率者を唱えた回数1回につき、追加コストとして(2)を支払う必要があります。
- 統率者がいずれかの領域から墓地、手札、ライブラリー、追放領域のいずれかに置かれる場合、そのオーナーは代わりに統率者を統率領域に置くことを選ぶことが可能です。
1対1でゲームを行ってもよいが、多人数戦に対応しているので、お気に入りの伝説のクリーチャーを中心にデッキを構築しても良し、チームバトルしても良し、サバイバルバトルしても良し、と気軽にプレーできるのも魅力の1つである。
また、変種ルールとして使用可能なカードをスタンダードのカードプールに限定した「ブロール」と呼ばれるルールもある。
基本は統率者戦のルールに準じるが、こちらは60枚のハイランダー構築、プレインズウォーカーを統率者として採用可能、初期ライフ30点(1対1の場合は25点)、統率者ダメージルール無し などの違いが有る。
統率者戦用カードセット
統率者戦の人気の高さを受け、2011年には統率者戦用の構築済みデッキセット、統率者(Commander)が発売された。このセットの成功を受け、2013年からは他の特殊セットとは別に毎年統率者戦用セットが発売される。
収録されるカードの中にはこれまでフレーバーテキストのみで語られるのみであった人物やかつてのストーリーで登場した地域や人物をここぞとばかりにカード化することも多いので背景ストーリーを追う事を専門とするヴォーソスプレイヤーも油断できないセットである。(具体例は統率者2015ではあの人の恋人として知られるダクソスのその後の姿が、統率者2016ではあの人の学生時代の学友サイラス・レンがそれぞれ登場した)。
実は初心者にも楽しめるため2020年の「イコリア:巨獣の棲処」以降、セット毎に統率者デッキを発売されることとなった。ただし、新規カードは別々として扱われるためスタンダードなどの大会では使用できないので注意。