終ノ空
ついのそら
概要
アダルトゲームブランド『ケロQ』の第一作目の作品。1999年に発売された。
エロゲでありながら哲学をテーマにした作風をとっており、ドグラ・マグラやクトゥルフ神話などに見られるような人間の狂気についても触れた奥深く濃い内容となっている。
メディアミックス化もされており、小説版とOVAが存在している。
世界終末の日『終の空』へ至るべく行われる狂気の儀式と、その狂気に操られる者や抵抗する者など『終の空』に関わるさまざまな人間達の姿を描く。
狂気と哲学と終末論という相反する要素を内包したストーリー展開から、別会社のエロゲ『さよならを教えて』『ジサツのための101の方法』と共に、プレイヤーにより『三大電波ゲーム』という呼び名をつけられた。
素晴らしき日々
2010年、シナリオ担当のスタッフにより制作され、当ゲームのキャラクターや世界観を引き継いだ作品『素晴らしき日々~不連続存在~』が発売された。
内包しているテーマは本作と同じだが、「『終ノ空』との決別」をコンセプトとしている為、続編やリメイクとは異なり、別の視点から物語を読み解くことができる。
登場人物
水上行人(ミナカミ・ユキト)
主人公。『第一の視点(ファーストビュー)』。
無愛想で目つきが悪い為素行不良のように見えるが、根は善良な少年。
世界終末という考え方には懐疑的だが、『終の空』へ至る為の儀式が原因となったクラスメイトの死をきっかけに、『終の空』そのものや、その発端を作りだした物語の真相に関わっていくことになる。
若槻琴美(ワカツキ・コトミ)
行人の幼馴染。『第二の視点(セカンドビュー)』。
明るく元気で正義感が強い性格で、いじめられっこの少女『ざくろ』にクラスで唯一好意的に接している。その性格故、『終の空』をとりまく狂気の渦中にも入り込んでいくことになる。
行人に対しては密かな恋心を寄せている。
高島ざくろ(タカシマ・)
琴美の友人。『第三の視点(サードビュー)』。
引っ込み思案な性格ながら容姿端麗である為、クラスの反感を買いいじめに遭っている。
物語を回転させる要因を担った少女であり、彼女の行動がその後のストーリー展開に影響を及ぼしていくことになる。
間宮卓司(マミヤ・タクジ)
内気な性格をした華奢な少年。ざくろ同様にいじめを受けている。
その為、少なからず彼女とは関わりがあった模様。
『自分が存在の至りに到達したと公言して憚らない少年』とされており、『終の空』に関わる重要な人物として行動を開始することになる。
音無彩名(オトナシ・アヤナ)
ミステリアスな雰囲気をまとった謎の少女。
琴美と並ぶ成績優秀な生徒だが、他人とはあまりかかわろうとせず、いじめられはしないものの、クラスでは孤立している。
本編では『終の空』への過程が生み出す狂気に様々な人物が行動を起こす中、一人全ての人物を静観している。
横山やす子(ヨコヤマ・ヤスコ)
行人の同級生の妹。
琴美の所属する剣道部の後輩であり彼女に憧れを抱いて慕っているが、言動や物腰が丁寧すぎることから琴美は彼女を苦手としている。
清川明日美(キヨカワ・アスミ)
行人のクラスに所属する担任の教師。
真面目な性格だが教師としての経験が浅く、卓司へのいじめに見て見ぬふりをしてしまう。
また押しに弱い一面もあるなど、様々な要因から徐々に精神を追い詰められていくことになる。
リルル
可愛らしさを強調した衣装に身を包んだ少女。
存在自体が謎に包まれており、そもそも実在する人間なのか、『終の空』の狂気に取りつかれた人間による妄想の中の少女なのかも不明。
『終の空』が近づくにつれ、存在感を強めていくことになる。