兵庫県神戸市中心街に乗り入れる私鉄(阪急、阪神、神鉄、山陽)のタ-ミナル同士を結ぶ路線として昭和43年(1968年)に開業した。このうち神鉄以外の3社の線路が繋がっており、相互乗り入れをしている(阪急と山陽は1998年に乗り入れが廃止されている)。
最大の特徴は、路線はあるが、自社の所有車両が全くなく、文字通りの「トンネル会社」(一部を除いて大半が地下路線である)である。近年の組織改革で乗り入れ会社の第2種鉄道となり、駅の表示版なども主に阪神の形式に合わせられるなど、神戸高速独自の色は薄れつつある。
難点は別会社同士の相互乗り入れであるため、運賃がそれぞれの境界駅で区切られ、並行するJRと比べて割高な区間が多く(須磨-三宮間だと、JRは170円だが神戸高速だと320円)、運賃制度を改めてほしいという声は根強い。また複数の会社の乗り入れのため、一度ダイヤが乱れると、広範囲にわたって波及するということである。
路線
- 東西線
阪急三宮-高速神戸、阪神元町-西代
阪急、阪神、山陽とつながっており、高速神戸-新開地間は阪急と阪神の電車が走る唯一の区間となっている。
- 南北線
新開地-湊川
神戸電鉄と乗り入れしている。東西線とは線路幅が異なるので、乗り入れは出来ない
車両
前述したように神戸高速自社の車両は一両もなく、それぞれの乗り入れ会社の様々な形式の車両が乗り入れている(乗り入れる4社の車両のうち、阪急京都線用車両を除けば特に乗り入れできない規格の営業車両は無い)。
ダイヤ
東西線のダイヤがかなり複雑なものになっている。原因は3社同士の乗り入れであることや、阪神、阪急は10分間隔、山陽は15分間隔の運行であることから、ダイヤの調整には難儀することが多い。それでも阪急が山陽との乗り入れをやめてほぼ新開地行に統一されたこともあり、以前よりはまだ分かりやすいダイヤになってはいるが、乗りなれない人間にはかなり難解なダイヤとなっている。
直通特急の一部を除いて、線内はすべて各駅停車となっており、「神戸高速鉄道」でなく「神戸低速鉄道」と揶揄されることもある。ちなみにJRの普通電車より遅く、前述したように運賃もJRより高いため、利用客は傾向的には伸び悩んでいる。
将来、阪神と乗り入れる近鉄の特急電車を山陽姫路まで乗り入れさせるという計画があり、もし実現すれば、ダイヤ的にも車両的にも混沌ぶりに拍車がかかるであろうことは間違いない。
その他
かつて新開地駅で「高速そば」という立ち食いそば屋が存在していたが、名前の由来は社名の「神戸高速」からであり、別にそばが高速で出てくるわけでは無い。