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でっどすぺーす
概要
残酷描写の規制により日本と中国では発売していない。当初、ドイツでも販売を自粛する方針だったが、その後発売された。その他の地域では通常通り販売されている。アジア版でのタイトルは「絶命異次元」である。インターネット通販や海外ゲームソフトを取り扱っている店などを利用すれば、日本でも北米版やアジア版が入手可能で、日本国内仕様のXbox 360、PLAYSTATION 3で問題なく動作する。
また、Windows版も存在し、有志により日本語化MODが開発中である。
ストーリー
地球の資源が枯渇し、世界中の国々が宇宙開拓へと乗り出していった未来。 惑星イージス7で資源を採掘していた採掘艦USG Ishimuraからの救難信号を受け、
エンジニアである主人公アイザック・クラーク(Isaac Clarke)、女性技術士ケンドラ・ダニエルズ(Kendra Daniels)、ザック・ハモンド(Zach Hammond)などのUSGケリオンの乗組員たちがその原因調査に向かう。
USGケリオンが到着すると、そこには生存者の気配はなく、ウィルスに冒されて死に絶えたUSG Ishimuraの乗組員たちと、無数の醜い姿をしたエイリアンたちが蠢く世界に変貌していたのだった…。
登場人物
アイザック・クラーク(Issac Clarke)
主人公。エンジニア。会社CEC(Concordance Extraction Corporation)によってUSG Ishimuraの修理のために派遣された。プレイ中は常にマスクをかぶっており、彼の素顔を見られるのはOPとEDの2回だけである。その独特なヘルメットの形によりネタキャラ扱いされがちである。
ちなみに43歳。
ニコル・ブレナン(Nicole Brennan)
主人公アイザックの元恋人でUSG Ishimuraの乗組員。助けを求めるような内容のビデオをアイザックに送っており、それがアイザックをUSG Ishimuraへ赴かせる理由の一つとなっている。アイザックはUSG Ishimuraを修理しつつニコルを探すこととなる。
ケンドラ・ダニエルズ(Kendra Daniels)
女性技術士。アイザックとともにUSG Ishimuraに派遣された。ハッキング等のネットワーク技術に長けている。意見の違いから同僚のハモンドとしばしば衝突する。
ザック・ハモンド(Zach Hammond)
声 - ピーター・メンサー
アイザックとケンドラの同僚。黒人男性。上級警備員。ゲーム序盤は本来の任務であるUSG Ishimuraの修理をする為に、アイザックとケンドラに指示をするが、次第に状況は絶望的であると認識を変え、彼の行動指針は「チームを艦から生還させること」に変わってゆく。どんな時でも冷静な判断を欠かすことがないが、ケンドラにとってはしばしば暴挙とも認識されている。
ちなみに見事なスキンヘッドであり(つまりハゲ)、そのため「ハゲモンド」呼ばわりされがちである。
特徴
部位切断
このゲームに登場する敵「ネクロモーフ」(Necromorph)と呼ばれる変異生命体の大半は、頭を撃ち抜く射撃(ヘッドショット)が有効でない。
胴体や頭部ではなく、足や腕、触手などにより大きなダメージ量が設定されており、それらの部位を破壊・切断することで戦いを有利に進めるという戦術要素が盛り込まれている。例えば、腕や触手を切り落とせば攻撃力、足を切断すれば移動速度を削ぐことが可能である。
但し、脚や腕どちらかを切断しただけでは倒せない場合が多く、主人公を殺すまでどこまでも追い続けるAIにより、ジャンプや這いずりなどで追ってくるほか、隣の部屋に逃げ込んでも、通気口を通ってまで襲ってくることがある。
頭部や胴体に対する攻撃はほとんどダメージが与えられないが、頭部を破壊した場合、視覚が失われるため敵同士の混乱を生み出すなどの効果がある。
また、「USG ISHIMURA」の船員の死体が敵クリーチャーに変貌するケースがあり、これに対処するため、死体の頭部や四肢を切断しておく場合がある。
本作においてシューティングの根幹をなす必須要素となっているこれらの描写は、コンピュータエンターテインメントレーティング機構(CERO)の倫理規定にある「身体の分離、欠損描写」にあたる。
臨場感
ゲージ類表示
多くのゲームに見られるような体力やスコア等の画面表示(HUD)は廃されており、体力ゲージや後述の酸素残量、ステイシスゲージは主人公のスーツ上に表示される。残弾数は武器を構えた際にホログラムで小さく表示される。
ローディング
ドアロックのハッキング、エレベータやトラムでの移動中などのシーンを利用して巧みにデータローディングが行われる仕様となっている。
「Now Loading...」などの表示でゲーム進行が途切れることがない。
リアルタイム進行
仲間との交信やアイテム(インベントリ)選択画面、ミッション説明、ボタン操作説明など、ゲームに必要な情報は全てホログラムで空中に表示され、この間もゲーム内の時間進行は止まらない。これはプレイヤーの都合でポーズをかける手段が無いということであり、プレイヤーは常時緊張を強いられることとなる。
ゲームオーバー
主人公のゲームオーバー場面も本作の特徴である。体力ゲージが失われて敵に切り刻まれるだけでなく、酸素残量ゼロで窒息、無重力ジャンプ失敗で宇宙空間に飛び出す、故障したドアで切断される、エイリアンに頭部を乗っ取られる、等即死のパターンも含めて、相当な数の死亡シーンが用意されている。
無重力空間
ゲームを進めると、しばしば死体や機械などが浮遊する無重力空間で行動する場面に遭遇する。 無重力空間では通常移動のほか、方向を定めてジャンプすることが可能だが、ジャンプの方向を誤ると宇宙空間に飛び出してしまい死亡する。
真空エリア
宇宙船が損傷していたり、船外を移動しなければならないシーンは、殆ど音の聞こえない真空となっている。主人公のスーツに装備された酸素供給装置が表示する制限時間がゼロになる前に真空エリアから出るか、特定アイテムや船内設備で空気を補給しないと即座にゲームオーバーとなってしまう。また、真空中でも敵は活動可能であるため、叫び声が聞こえない状態で襲いかかられる。毒ガスで満たされた特定エリアについても真空扱いとなる。
ストア
宇宙船内にはSTOREが点在しており、ゲーム中に取得したCREDITを使って購入したり、不要なアイテムを売却あるいは保管できる。対応するSchematicsを取得することにより、キーアイテム以外の武器や弾薬、回復アイテム、スーツなどほとんどのアイテムを扱うことが可能となる。
強化システム
宇宙船内にあるBENCHでは各武器や装備の性能を強化することができる。BENCH上に表示される双六風の回路に、拾ったりSTOREで購入できるPower Nodeを埋め込んでいくことで、武器の射程や威力を強化する。
又、武器だけでなく後述の「ステイシス」「キネシス」「リッグ」も強化可能。 Power Nodeは10,000クレジットと大変高価なアイテムであり、取得数も限られているため、どのような強化を行うかがゲームの攻略上重要な要素となってくる。
尚、前述のSTOREとこのBENCHでの表示も全てホログラム表示であり、ゲームが中断されない。十分な安全確保が無ければ、操作中であっても敵の襲撃を受ける危険がある。
装備(武器)
本作の舞台であるUSG Ishimuraは採掘船であり、戦闘を前提としたような武装がないため、採掘作業用の工具を武器として使っていくことになる(パルスライフルは警備用の武器)。全ての武器には通常のショットとは異なる性質を持つ「セカンダリ」という機能がある。
Plasma Cutter (プラズマカッター)
最初に入手する武器。プラズマの刃を飛ばして攻撃する。難易度にかかわらずこれ一丁でクリアできるほど非常に使い勝手が良く、「これのみを使ってゲームをクリアする」という条件の実績やトロフィー(特定の条件をクリアしたという証拠)が存在するほど。これ以外の武器を持っていなければクリア不可能という局面も無い。セカンダリは攻撃ではなく、発射角度(銃口)を90度回転させる物。発射角度を縦と横に変えることで切断方向を変更することが出来、敵の位置と部位の角度に合わせて銃口の向きを替えることであらゆるロケーションに対応できる。
Pulse Rifle(パルスライフル)
マシンガンのように弾を射出する武器。他の武器がある程度広範囲に有効なのに対し、パルスライフルは点での着弾となるので、狙いを正確に行うには多少の慣れが必要。1発ごとの威力は他の武器に比べて低いものの、本作随一の連射力と射程距離が利点である。部位破壊が可能であるほか、強化によって威力や装弾数を増加させればボス戦などでも十分使える。セカンダリは全方向攻撃で、背後から襲われた際には有効だが、狙いをつけられないため一時的な回避にしか使えず、姿勢の低い敵には当たらない。
Line Gun(ラインガン)
横長の弾を発射する武器。弾の速度は遅く、プラズマカッターとは違い攻撃方向が横だけだが威力が高く、範囲も広いため部位破壊を狙いやすい。また貫通するため一度に複数の敵を倒すことができる。しかし所有できる弾数が少なく、連射していると弾薬切れの危機に陥りやすい。セカンダリは一定時間及び直撃で炸裂するプラズマを作り出し、地面や壁に貼り付ける。その際、作り出したプラズマの近くにいると自身もダメージを受け、吹き飛ばされる。
Ripper(リッパー)
小型の丸鋸を射出させ、敵に継続ダメージを与え続ける武器。中距離武器なので扱いが少々難しいものの、動きが鈍った敵に対して与えられる合計ダメージ量が多い。セカンダリは丸鋸を弾薬のように射出する。速度が速く貫通する。
Flamethrower (フレイムスロワー)
火炎放射器。放射すると敵に火炎が付き継続ダメージを与える。セカンダリは弾を10発消費し、一定時間燃え続ける炎を撃ちだす。炎を当て続ければ部位破壊は可能だが、射程の短さや弾速の遅さなどの短所が多い上、燃えている炎に主人公が触れてしまうとダメージを受けるため扱いは非常に難しい。また、真空エリア内で使用できないという致命的な欠点を抱える。
Force Gun(フォースガン)
衝撃波を発する武器。いわゆるショットガン。接近してきた敵を吹き飛ばしわずかではあるが動きを封じるので、弾薬さえ許せばいわゆる「ハメ殺し」も可能。ただし弾薬の拾える単位が3発ずつと少なく、装弾数も多くないのでメインに据えるのは無理がある。セカンダリは、グレネード弾を打ち出し、一定時間経過または直撃で爆発する。これもラインガンと同様で付近にいると自身もダメージを受け、吹き飛ばされる。
Contact Beam(コンタクトビーム)
溜め撃ち式の武器。チャージが必須のため、複数の敵と闘う場合は不利だが、ボスの弱点を1発で破壊できるほどの高い威力を誇る。セカンダリは、プレイヤーを中心にした全包囲攻撃。
能力
STASIS(ステイシス)
序盤でSTASIS MODULEを入手すると、ステイシスゲージを消費して敵や障害物の動きをスローに出来るようになる。 ステイシスゲージはマップ各所に設置されている機器か、アイテムSTASIS PACKで回復可能。また、BENCHでSTASIS MODULEを強化すると、効果時間の延長や、ゲージ消費量の低減ができる。
尚、敵の中にはもともと身につけていたステイシスモジュールが暴走し、尋常でない速度を獲得した敵が存在する。
KINESIS(キネシス)
KINESIS MODULEの入手により、離れた物体を掴んだり、引き寄せたり、吹き飛ばすことが可能になる。バッテリーをはめこんだり、障害物を取り除いたりするなど、ゲーム進行上必要不可欠な機能。 ゲージ等は特になく無制限に使用できる。
スーツ
Schematicを取得することで、船内のSTOREでより防御力に優れた上位のスーツを購入することができる。通常プレイではレベル5スーツまでアップグレードが可能。ゲームを1度クリアした後は、特典としてレベル6スーツが入手できる。
INVENTORY (インベントリ)
上位のスーツではINVENTORYが大きくなっており、より多くのアイテムや弾薬を所持することができるようになる。初期のレベル1スーツはINVENTORYが「10」で、複数の武器や弾薬を持ち歩こうとするとすぐに手一杯になってしまうが、レベル5スーツでは「25」まで増加する。ゲーム後半は大量の弾薬を消費する激戦となるため、スーツのアップグレードは攻略上欠かせないポイントとなる。
RIG (リッグ)
主人公の背中に装備されている装置。武器などと同じ方法でPower Nodeを使って強化すると、主人公のHP、酸素供給時間の上限を上げることができる。
Windows版における問題
エレクトロニック・アーツではWindows PC向けゲームに対し、ソニーが開発した不正コピー防止ソフト「SecuROM」を採用しており、本作にもこのソフトウェアが含まれている。
ゲーム本体をインストールした際には「SecuROM」も秘密裏にインストールされ、ユーザーから見えない形で常に動作している。インターネット経由で認証を行い、3回ないし5回以上のゲームのインストールを拒否する。
ゲームをプレイしていない時にもバックグラウンドで稼動し、PCの処理能力の低下、iPodやUSBメモリなどの周辺機器が使用不能になる等の不具合を引き起こす事態が指摘されている。又、「SecuROM」はゲーム本体をPCから削除した後も常駐し続け、通常の手順で削除はおろか、Windows自体をクリーンインストールしても完全な削除は不可能である。
アメリカのカリフォルニア州では、「SecuROM」の組み込まれたゲームを購入したユーザーが、「SecuROM」をPCから削除できずに不利益を被ったとして、エレクトロニック・アーツに対して集団訴訟を起こしている。
なお、エレクトロニック・アーツは「SecuROM」に関連した対応として、「SecuROM」がPCへのインストールを認証する回数をリセットし、再インストールを可能とするツール「EA De-Authorization Tools」をリリースした。