概要
山にある小屋のうち、主に休憩・宿泊・有事の避難ができる施設を指す。
山には個人の住宅や、農業・林業・狩猟・養殖業・観光業・ホテル業・天体観測用などの「小屋」もあるが、これらは語彙として通常用いられる山小屋に含まれない。
施設によってできる事は異なり、例えば、売店や食堂としての機能しかない山小屋では宿泊はできず、雨風をしのぐ事しかできない無人の緊急避難小屋も多い。
また夏の登山シーズン以外特に冬には営業していない、逆に冬は避難用に無料開放されている、週末祝日しか営業しない、予約が必要、など利用形態は様々である。
場所が人里離れた山奥であるため、電気・水・燃料・飲食物の供給が難しく、有人管理している山小屋でも、品質・量ともに持て余すほど十分とはいかない。車道が通じていないのが普通なので、物資は人力による歩荷かヘリコプター（一部地域では専用索道も）に頼るしかない。ヘリコプターの飛行が危険な富士山では、物資や急患をブルドーザーで運んでいる。
基本的に立地上規模も小さいため、宿泊できる山小屋では必須事項でなくても事前の予約が望ましい。山の天気は変わりやすいため、余裕を持って山小屋に着けるような計画を立てよう。もちろん天候や体調次第ではたどり着けなくても仕方がないので、必ず連絡を入れてから下山や手近な所へ避難するようにして頂きたい。
また登山経験がない又はあまりない者たちの中には山小屋をホテルのロッジやキャンプ場のバンガローと混同している者たちも少なくなく、個室の少なさや密集した就寝スペース、カレーライスなどレトルトやインスタント、家庭料理中心のメニュー、シャワーや洗面所のなさ、販売物品の値段、一部の従業員の多少乱暴な接客態度などに不満を持って批判する声も良く見られる。だがそれは山や登山という環境や本来の存在意義を理解していないからであり、受け入れる事ができない者は山に訪れるべきでないといえよう。
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