オブジェクト指向
おおぶじぇくとしこう
ソフトウェア設計の考え方の一つ。
概要
オブジェクト指向(object-oriented)とは、ソフトウェア設計の考え方である。元々はプログラミングの手法のひとづだが、のちに拡張されデータベース、モデリング、ユーザーインターフェースなど各方面に適用されるパラダイムとなった。
「カプセル化」、「継承」、「多態性」(ポリモーフィズム)がオブジェクト指向三大要素と言われるが、それらに共通しているのは、データと処理手順を別々に扱っていた従来の標準的な手法に対し、双方をひとまとめにして物事の解析と組み立てを行う点である。
1970年代に開発されたSmalltalkがオブジェクト指向プログラミングのはしりだが、当時この考え方は十分に理解されず、流行し定着したのは1990年代になってからである。
この考え方が広まったきっかけは、1980年代にビャーネ・ストロヴストルップが開発した言語、C++と、NeXT社が開発したOS、NEXTSTEPにある。
C++は大規模なソフトウェアの開発に役立つよう、オブジェクト指向に加え手続き型プログラミングの考え方を取り入れた。
NEXTSTEPはC言語とSmalltalk流のオブジェクト指向を融合させたObjective-Cによる開発環境を揃えていたのみならず、ユーザーインターフェース、データ管理など全てにおいてオブジェクト指向の考え方を取り入れた。同OSは最初のWWWの設計に利用されたほか、世界初のWebアプリケーションサーバWebObjectsを生み出し、現在のインターネットの在り方を決定づけた。