伊東富士子
いとうふじこ
概要
猪熊柔の三葉女子短大時代の同級生。彼女の強さに惚れたひとりでもあり、女子柔道同好会を立ち上げ、白帯軍団筆頭として頭角を現す。
元々は幼い頃からバレエを習い、海外留学もしたほどだったが、背が伸び過ぎ、トゥシューズを履けなくなった為に断念した過去を持つ。それゆえ血豆で赤黒くなったバレエシューズを今でも宝物として大事にしている。
引っ込み思案であがり症、そのうえ臆病と、かなりネガティブな性格。なにより夢だったバレリーナになれず挫折したことから、目標に向かって努力することに否定的だった。
だが柔への憧れと、柔を柔道へ復帰させたいという思いから柔道の門を叩き、彼女との交流を通じてくじけない心を手に入れる。持ち前の長身とバレエで培った柔軟性と粘り強さに、柔から貰った心力が合わさったことで、一気に頭角を現わしていく。得意技は「白鳥の湖」(大外刈り)と「くるみ割り人形」(内股)だが、実はその二つしか技を持っていない。また、一度だけ柔との親友対決が実現したことはあるが、実力差は歴然であった。
柔道や友人との交流を通し、ネガティブな性格も徐々に改善され、高校時猪熊柔の同級生だった花園薫と相思相愛になり、熱愛の末に結婚したことで、恋心や将来の進路で迷走する柔をこれまでとは逆に𠮟咤激励するなど、芯の強さも勝ち取る立場となった。
そういった面からも、柔とはかけがえのない親友同士となっていき、お互い良き相談役となっている。その一方で、恋愛は柔とは対象的に順風満帆、花園との相思相愛、そして結婚、出産というイベントが、奥手な柔にとって、松田への想いに対し自分を苦しめていく(邦子の奸計も加味されて)ことにもなる。
試合では柔と対照的にあがり症で、すぐに緊張してしまい力を出せず、いつも綱渡りという弱点があるものの、五輪出場を果たし銅メダルも受賞。TVアニメ版で、技を掛ける際の「アン・ドゥ・トゥロワ!!」の気合いの掛け声が印象に残っている人も多いはず。
後に高校時代からの柔ファンである花園薫とできちゃった結婚をして、一人娘の富薫子(ふくこ)の福を授かる。おそらく作中でも、何やかんや色々と報われたキャラクターといえる。