概要
プログラム上は存在しているが、実際には使われていないデータのこと。コンシューマ向けに発売されたゲームにおいて、話題に登ることが多い。
使われていない以上、当然のことながら通常は見ることができず、チートやデータ解析で無理矢理引っ張り出されるか、バグでたまたま表に出てくるか、いずれかのパターンで存在が明らかになる。
「使わないデータなら消せばいいじゃん」と思うかもしれないが、削除することでアクセスエラーなどの余計なバグを発生させる原因になり得るほか、それに伴うデバッグ作業(および人的コスト)も不必要に発生するため、よほどの事情がない限りは放置される。
経緯
一口に「没データ」と言っても、没になるには様々な経緯がある。
予定変更
開発当初は使う予定だったが、何らかの理由で使わなくなったもの。
容量や納期の都合でイベントやダンジョンなどが削られ、使いどころを失ったケースが多い。また、作ってはみたものの、作品の雰囲気にそぐわなかったり、ユーザーの目に触れるには不適切と判断されて、意図して没にされることもある。中には、公式による配布用データとして作成されたにも関わらず、結局は配布されずに没化したものも。
設定ミス
開発側としてはデータを使用していたつもりだったが、設定が間違っていたことが原因で実際は使われなかったもの。
あくまでも結果的に使用されなかっただけで、厳密には没になったデータではない。
近年発売のゲームでは、その手のミスは修正パッチの配信で早々に対処されるため、今となっては絶滅危惧種。
残骸
企画段階では構想として存在したが、開発中に何らかの理由で作成が取りやめになったもの。
中途半端に作られて投げっぱなしになっているため、データはめちゃくちゃ。呼び出すとフリーズするケースも珍しくない。
余談
初代ポケモンでは「デバッグ用のプログラムを抜いたらポケモン一体分の容量が空いたから」という割ととんでもない理由で、151番目のポケモン「ミュウ」のデータが最後の最後に作成された。
開発側としてはお遊びのつもりだったが、バグだらけだった本作では、チートがなくともミュウのデータにアクセスできる方法が多数見つかり、のちにコレを「公式の配布を受けないと入手不可能な『幻のポケモン』」として正式に認定されることとなった。