「お前ごときが魔王に勝てると思うな」
おまえごときがまおうにかてるとおもうな
呪いが祝福へと変わるとき、その絶望は反転する――
概要
2018年1月、オンライン小説投稿サイト『小説家になろう』にて連載を開始し、同年の11月に完結。現在は後日談が連載中。作者はkiki氏。
WEB版の正式名称は『「お前ごときが魔王に勝てると思うな」とガチ勢に勇者パーティを追放されたので、王都で気ままに暮らしたい』。「ガチ勢に」という言葉が付いている。
後にGCノベルズから書籍化。2020年2月現在既刊4巻。イラストはキンタ氏が担当。
コミカライズ版はコミックライドにて連載。2020年2月現在既刊1巻。南方純氏が作画を担当。
魔王討伐の旅の一員として選ばれた主人公が仲間によって奴隷に落とされ、人生のどん底に絶望する中、そこで出会った奴隷の少女とともに平穏な日常を取り戻すことを目指す物語。タイトルだけ見ると、なろう小説でよくある追放後のスローライフ系に思われるが、作者自らがタイトル詐欺と公言するほど内容はシリアス展開とトラウマ級の鬱要素、グロ要素が満載のハードなダークファンタジー。普通のなろう小説と思って読むとSAN値がゴリゴリ削られる。また、主人公を筆頭に百合要素が多め。
あらすじ
村人の少女フラム・アプリコットは、神・オリジンの予言により、魔王討伐の旅の一員として選ばれることとなった。しかし、フラムは自身の能力”反転”によりステータスが全て0。その所為で一団からは足手纏いになるが、彼女は勇者たちの役に立とうと必死に努力を続ける。
だが、フラムを疎んじた仲間の一人に騙され奴隷商人に売り渡され、奴隷の烙印を押される。人生のどん底に落とされて絶望する中、フラムはそこで奴隷の少女ミルキットと出会う。そして、奴隷商人に余興で処分されそうになり、命が潰えそうになるその時、"呪いの剣"を手にした瞬間、”反転”の真価が発揮される。
奴隷商人を殺したフラムは、ミルキットとともに平穏な日常を取り戻すためにどん底から這い上がってゆく、戦いの物語である。
登場人物
- フラム・アプリコット
主人公。
王国辺境の村に住んでいた少女。16歳。
髪は明るい茶色だが、光の当たり加減によっては金色にも見える。
オリジンの予言によって王都に連れて来られ、魔王討伐の勇者パーティの旅に同行される。
自身の属性“反転”の影響で全てのステータスが0になっている(一応、日常的な生活を問題無く過ごせる程度の最低限の活動は出来る)。
そのため、パーティの足手纏いになっており、フラムもそれを自覚しているため自分が出来ることを必死に頑張って努力していたが、自分の存在を煩わしく思ったジーンによって奴隷商人の売られ奴隷に落とされる。
全てに絶望し、余興で殺されそうになったが呪いの大剣・魂喰いのツヴァイハンダー(最高ランクのエピック)を手にしたことで状況は一変。呪い(すべての能力が減少、身体を溶かすなど)が反転して能力が全て向上・剣がある限り不死身の身体となり、自身に“直接”影響を与える魔法の類を自動的に反転させる力があることに気づく。
奴隷商人を殺すと、同じ奴隷だったミルキットを連れて平穏な日常を取り戻すために旅立ち、様々な強敵と陰謀に巻き込まれながら少しずつ強くなっていく。
- ミルキット
奴隷の少女。14歳。
物心付いた時から奴隷として扱われており、そのため姓は与えられていない。
顔は以前の主人に毒を盛られて酷くただれており、包帯をぐるぐる巻きにしている。
言葉数も少なく、無表情。感情が完全に欠落し、死すらも関心に無かった。フラムと同じく余興で殺されそうになった。フラムが奴隷商人を殺した後、フラムに一緒に行こうと誘われると、フラムを御主人様として共に逃げ出す。
「ご主人様に仕える」という立ち位置を考えた結果、常にメイド服を着用することとなる。
- セーラ・アンビレン
オリジン教会に勤める修道女。10歳。
おでこを出した金髪セミロング。
どこか田舎っぽい雰囲気で一人称が「おら」、語尾に「~っす」を付ける。
ある程度の回復・光魔法を扱えるほか、メイスを得物に戦う事も出来る。
奴隷であったフラムやミルキットを全く気にせず、優しく天真爛漫で強い正義感の持ち主。
勇者パーティ
- キリル・スウィーチカ
- ジーン・インテージ
- エターナ・リンバウ
- ガディオ・ラスカット
- ライナス・レディアンツ
- マリア・アフェンジェンス
関連タグ
反逆のソウルイーター:主人公が能力が劣っていて追放。後に異質の能力を持つ。という似た境遇繋がり。
お前ごときが榊遊矢に勝てると思うな:twitterにて言及されている通り、タイトルの元ネタ。作者のkiki氏は遊戯王ネタに詳しく、また祭壇民として活動していた時期も存在した(ARC-Vネタで盛り上がった勢いで名付けたとのこと)。