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反逆のソウルイーター

はんぎゃくのそうるいーたー

反逆のソウルイーターとは、『小説家になろう』の長編小説。
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作品解説


正式名『反逆のソウルイーター ~弱者は不要といわれて剣聖(父)に追放されました~』。
弱さ故に故郷からもパーティーからも追放され、何もかも失った青年が手に入れたソウルイーターで周囲を見返そうともくろむ物語。
いわゆる追放もので主人公が強くなっていく成長譚も含まれている。性的な描写も多い(一度運営から警告を受けたようだ)。反面復讐相手を殺害したりする場面は他の作品と比べ多いわけではない。

作者:玉兎

2019年12月13日オーディオドラマ化

2020年初旬コミカライズ化、執筆者は『コードギアス双貌のオズ』『幼女戦記』の東條チカ氏。なお副題はなろうではスタンダードの説明したものから「HE REVENGE OF THE SOUL EATER~」に変更されている。

あらすじ

帝から鬼門を守る大役を任せられた御剣(みつるぎ)家。
その嫡男として生まれた御剣空(そら)は、十三歳をむかえた年、試しの儀にのぞんでいた。

御剣家に代々つたわる幻想一刀流を学ぶため、絶対に越えなければならない試練。
七人いる同期生は全員が合格した。残るは空ひとり。
父、弟、許婚、守り役である兄妹らが見守るなか、空の試しの儀がおごそかに開始された……

登場人物

主要登場人物

  • ソラ(空)

本作の主人公。18歳。
幻想一刀流御剣家の跡取りだったが、故郷では心装を会得できず、レベルも何故か上がらないという特質により成果が出せず、試しの儀で竜牙兵にあっけなく負けたことで追放される。
カナリア王国の都市イシュカで冒険者を目指したが、こちらでもその弱さから『寄生者(パラサイト)』と侮蔑され続け、ついには冒険者ギルドからも追放される。
かつての在籍していたパーティ『隼の剣』が強大な魔物・蝿の王から逃げる所に出会い、ミロスラフらによってそのまま囮にされ、瀕死の重傷を負い、生きながら幼虫達のエサにされかける。
しかし、この土壇場で心装『魂喰い』を得て、復活。自分を見放したかつてのギルドと仲間達に復讐を画策する。
『隼の剣』は搦手を仕掛けて最終的に解散させ、ギルドに関してはあくまで合法的に復讐する事を目論んでいる。
奴隷になったルナマリアを使って多くの高難易度の依頼と塩漬け依頼(依頼内容が厄介なのに実入りが少ないなどの理由で、長く放置されている依頼のこと)を受注し、それらを達成して信用と顧客を得ると、クラン『血煙の剣』を立ち上げ、クラウ・ソラスに跨って竜騎士となり、さらに躍進して台頭する。
魔獣暴走(スタンピード)の際に幻想種・ヒュドラを討伐したことで『竜殺し(ドラゴンスレイヤー)』の称号を得る。しかし、イシュカ内では『寄生者』として侮蔑されていた過去から手柄を横取りしたと疑う者も少なくなく、そういう者達からは『偽・竜殺し(ドラゴンライアー)』と中傷されているが、本人は意に介していない。
『竜殺し』の武功によりカナリア王国から非貴族では最高峰の『聖銀光輝勲章』授与と一代に限り貴族の地位を認める『士爵』を授かるなど、カナリア国内では貴族の地位を得る。
また、ドラグノート公爵家の次女クラウディアの呪いを解呪し、クラウディアを直接殺害すべく襲撃した青林旗士の慈仁坊を返り討ちにして窮地を救った縁で公爵家と誼を結ぶ事になった。その後クラウディアを政争から遠ざけるためにイシュカで同居させることになり、国内外で事実上の婚約と見做される等ドラグノート公爵家の与党関係者としての立場を確かなものにしている。
魔獣暴走(スタンピード)の前後に青林旗士ゴズ、クライア、クリムトと再会したが、保護している鬼人のスズメを問答無用で殺害しようとしたため戦闘になり、ゴズの空装に苦戦するが、ヒュドラの現界により痛み分けとなった。ヒュドラ討伐後に再び刃を交えるが、ヒュドラを喰らい大幅にレベルを上げた後はゴズ、クライア、クリムトの三名を同時に相手をしていたにも関わらず圧倒した。(ただしゴズ達は三日三晩の戦闘で疲弊しており、一方ソラはヒュドラを喰らった直後で絶好調と言って差し支えない状態だった)
クライアを人質にした上で御剣家に対してスズメに今後一切手出ししない要求を突きつけるが、条件として実力を示すことが求められたため、問題行動を起こさなかったクライアを先んじて解放し、母の墓参り、スズメの安全のため力を御剣家に示す、青林旗士たちの強さを確認するために鬼ヶ島へ向かうことになった。
久しぶりに訪れた故郷の波止場で姉と慕っていたセシルと再会し、話がしたいと頼まれるがほとんど感情や関心を乗せない冷たい態度で拒絶しており、セシルに強い衝撃を与えている。一方でセシルの息子イブキに対しては自身の正体を伏せた上で優しく接している。(ただしイブキから『おじちゃん』呼ばわりされ精神的にダメージを負う羽目になった)義母のエマとも再会するがセシル達とは違い本心から敬意を見せており、エマの計らいで母の墓を詣でている。
力を証明するための儀では、ギルモアの陰謀で青林旗士でも殺される事がある土蜘蛛と戦うが、心装すら用いずに圧倒し逆にギルモアの面目を叩き潰した。
鬼人達の襲撃時にはベルヒ邸で拘束されていたクライアを逃げる意思があるなら助けようと赴くが、クライア自身にそのつもりがなかったため断念。そのままイシュカに帰ろうとするが、鬼神化したイサギの咆哮を聞き、御剣邸に引き返したところで危機に瀕しているエマ達とオウケンに嬲られているイブキを目撃し間一髪で救出、オウケンの部下を皆殺しにして、オウケン自身には瀕死の重量を負わせている。(助けたのはあくまでエマとイブキのためとラグナのせいで喰えなかった土蜘蛛の穴埋めが目的であり、2人がいなければそのまま見捨てるつもりだった模様)
オウケンの助けを呼ぶ悲鳴に呼応し現れた鬼神と対峙し、シドニーから共闘を持ち掛けられるが殺意交じりの視線で拒絶し、単独で鬼神と戦い討ち滅ぼした。
その後オウケンを始末し、カガリとの邂逅を経て、目的を全て果たし鬼ヶ島を後にした。

性格は仲間以外には冷淡だが、スズメやセーラの養子など子供や弱者には年相応の優しさを見せているなど人間味が無い訳ではない。
一度怨みを抱いて敵対しても相手が十分な報復を受けたり、その後の働きを認めた場合は態度を軟化させている。
復讐方法については搦手で精神的に追い詰める方法を好んでおり、直接相手に危害を加えたり殺害する事は少ないが、直接敵対した相手は基本的に容赦しない。
興味の無い事に関しては無関心であり、故郷である鬼ヶ島に関しても『魂喰い』を得て自分は「帰りたかった、認められたかった」訳ではなく、単に「見返したかった」という本心を自覚した以降は故郷への帰属意識や望郷の念を見せる事はなく、極一部を除いた御剣家の関係者に対しては一貫して冷淡に接し、かつての同期生や婚約者でも「別に死んでも構わない」という無関心な敵意で対応している。
御剣家関係者では恩義のあるエマと幼いイブキ、捕虜にした際の交流で態度を軟化させたクライア、良好な関係を維持しているウルスラ以外には全く心を許していない。
かつての傅役であるゴズ対しては憐みの視線を向け続けられたこと、本人も気付いていないほど強い屈折した感情を抱いていたが、ヒュドラ戦後の再戦時に圧倒しゴズを超えた実感を得た後は興味を失い、妹セシル共々口調こそ丁寧だが無関心な態度に徹している。
現在ではシーマ兄妹に対しては完全に冷え切っており何の感情も抱いていないが、追放時に自分の意志で見限っておきながら、今になって親しげに接してくる姿や御剣家の帰参を望んでいる事は嫌悪しており、鬱陶しく思っている模様。
御剣家からスズメの保護を認める条件とした「試しの儀により力を示す事」を認めても、「青林旗士の資格を与える」という事実上の臣従要求には強い拒絶の姿勢を崩さなかった。ただし、故郷に対して『隼の剣』の様な報復心は無く、あくまで見返す対象と見做している。
また青林旗士が自分以外の相手に苦戦するのを目の当たりにして不快感を募らせる等、ソラ自身はまだ複雑な感情を抱いている。

心装は『魂喰い(ソウルイーター)
外見は真っ黒な刀で、傷つけた相手の魂を奪い、それを自身の経験値として吸収する。
魔力魔法なども吸収する事ができ、本来の吸収系能力は自身の限界量の魔力を吸収すると肉体が膨張四散する等のリスクを持つが、魔力を喰らい尽くす『魂喰い』は無条件・ノーリスクで吸収が可能。
更に他人へ魂を分け与えることで相手をレベルアップさせる能力『魂付与(ソウルドナー)』も持つが、原則として『相手のレベルを1上げると、ソラのレベルが1下がる』という特性がある。
ソラ自身は後述のレベルアップが難しい特性もあり、単純な労力と比較した場合は割に合わない。更に使用するとソラは著しい体調不良を引き起こしてしまうが、反面で呪いなどを掛けられている相手に使用した場合は呪いの効力を無力化する事も可能。
ソラ自身は『魂付与』の能力が知れ渡れば、トラブルを呼び込む可能性が高い為、心装以上に他者に知られない様にしており、現状で知っているのは『血煙の剣』のメンバーとドラグノート公爵家のみに止めている。
他にも心装の影響で驚異的な身体回復能力を有しており、心装に初めて目覚めた際には『蠅の王』の幼虫に全身を喰い荒らされ瀕死の重傷を負っていたが、後遺症無しで全快している。ドーガ戦でも砕かれた左ひじの関節を即座に治癒するなどの芸当を見せており、肉体を欠損しても完全に再生可能だが、心臓や首を切断された場合など即生命に関わる致命傷からでも回復できるかは不明。
また、ソラの血液自体が強力な回復薬としての能力を持つため、自身の血をポーションに混ぜる事で毒や病気にも多大な効果が見込める程に底上げを行う事も可能。
『魂喰い』はルナマリアの視点では幻想種の竜として映り、心装全体から見ても強力な戦闘力を有する(少なくともクライアの見立てではソラのレベル『26』の時点で『四象』クラスを超越する量の頸を有している)
更にこの影響でレベルアップが難しい分、能力の上昇幅が他者とは比較にもならない程に高く、現状では幻想一刀流の本場である御剣家視点でもソラの頸量は常識外れな状態だと驚愕されている。
心装を修得する前はたしかに弱かったが、幼少期から鍛錬をしていたため剣術の技量自体は高く、冒険者なりたての頃のラーズとイリア達を助ける事も出来ていたため、大陸基準で全くの無力だった訳ではない。
青林旗士に正式に加入する事が出来なかったため、独学で幻想一刀流の技を使用していたが、一時的に捕虜としたクライアから技を習ってからは戦闘技術も急激に向上している。
ゴズ戦でも戦闘中に相手の技術を見様見真似で奪う、幻想一刀流を元に独自の勁技を短期間で編み出すなど、剣才はかなり高い模様。

鬼人族の少女。13歳。ティティス大森林の奥深くに存在し、数十年前に御剣家に滅ぼされた鬼人族の村「カムナの里」の生き残りの末裔で、現状では最後の一人。
蠅の王に囚われていたところをソラに助け出されて知り合う。当初は人間は鬼人を襲う恐ろしい生き物と認識していたが、ソラの一件で考えを改め、他の人間を恩返しの意味も含めて助けたが、それが鬼人狩りを目的とした人間の侵入を招き、『蛇鎮めの儀式』を行うだけの食糧が集められなくなってしまう。
儀式が執り行えなかったために復活したバジリスクによって命の危機に陥ったが、再び空に助け出される。
3歳の頃に父を、6歳の頃に母を失って以来ずっと一人で生きていたらしくやや内気な性格で、他者への警戒感が強い。ただし、二度も命を助けてくれたソラには当初より心を許し、強く慕う。そのため、引き取られたばかりの頃に、ソラが一人でメルテ村に赴いてしまった際には心細さを感じる程だったが、現在はシールやルナマリア等にも良好な関係を築いている。
鬼人族の角は高い魔力を有し、極めて高価な魔力触媒となるため命を狙われる危険が高いが、現在はソラの働きにより正式にカナリア国王から市民権を得た上でソラの庇護下で暮らしている。
ソラもスズメの頼みごとを内容も聞かずに快諾するなど、他のメンバーよりも過保護気味に接している。
ゴズ達の襲撃を経て自身の無力さを痛感。ソラ達に一方的な世話なり続けている事に後ろめたさを感じ、足手纏いにならない力と強さを求めて魔法の修得を本格的に始めている。上記の鬼人族の角によりミロスラフやルナマリアをはるかに上回る体内魔力(オド)を有しているため、魔術師としての素質は高い。
ただし、力を渇望し始めた頃からに「赤い目をした人が現れる夢」を定期的に見るようになり、妙な現実感もあって不安を感じている。
人の世界へ踏み出したばかりであるため、将来への具体的な展望はまだ持っていないが、母親の遺言もあり、「幸せになりたい」という漠然とした目標を抱いていたが、現在はソラの隣に立てるだけの強さを持ち、彼の為に「血煙の剣」の一員として役に立てる事を望んでいる。また、ソラと高度な訓練を行うクライアの姿を見て羨むなど、無力な自身の境遇に強い焦りも抱いている。

ソラの奴隷として買われたオセロットの獣人の女の子。15歳。ソラの夜の相手も務めさせられる。
アドアステラ帝国西部辺境地帯の開拓村出身で七人兄妹の長女だったが、猟師の父が魔獣により片足を失った事により働くことが出来なくなってしまい、困窮。家族の生活費の為に自ら奴隷になった経緯がある。
ソラ自身はラーズを貶める策の手駒として購入しただけであり、ラーズとの決闘後にソラは奴隷から解放するつもりだったが、そのまま家族の元に帰っても再び身売りするしかない状況であるため、そのまま金払いが良いソラの元で今まで通りに働く。
後に「魂喰い」の詳細を教えられた際には自ら魂の供給源に志願。ソラは報復対象者以外から魂の補給をするつもりはなかったが、シールの覚悟が強かったため、敢えて奴隷から解放した上でシールの志願を受け入れている。現在は「血煙の剣」の正式メンバーとして所属し、ソラから給与を受け取っている。
まじめで素直な性格でソラからもらったお金は故郷の家族へ仕送りをしている。
また、当初奴隷になった際には不安から全身がカチカチになる程に固まっていたが、現在ではソラの「魂喰い」の話を聞いても全く動じないなど、結構神経が図太い一面がある。
ソラがスズメを連れてきた際には、奴隷になったばかりの自身の境遇と重なって見えたため、何かと世話を焼いており、仲が良い。

  • ラーズ
売り出し中の冒険者パーティ『隼の剣』のリーダー。18歳。物語開始時のレベルは『16』。メルテの村出身。ソラのかつての仲間。
ソラをパーティに誘った人物だったが、ソラがレベル1から上昇しない特質を知ると追放した。
彼のメンバーが蝿の王に追われ、ソラを囮にした際は失神していた。そのため、この行為に直接加担していないためか、ソラからの復讐心は若干薄い(パーティに熱心に誘ったことに恩義を感じていたこともある)。
奴隷制度に憤りを持つなど真っ当な感性と正義感を持っている反面、仲間の言葉を盲目的に信じるという極度の視野の狭さを持っており、そこを突かれて自身の没落とパーティの崩壊を導いていくことになる。
奴隷のシールを酷使している(と思っている)ソラに憤慨して決闘を挑むもあっさりと完敗。ルナマリアが奴隷となってしまったことで打倒ソラに執心してしまい、イリアの諫言よりもミロスラフの甘言に耳を傾けるようになり、ついには疫病に苦しむ故郷よりも自身の面子を優先してしまったことでイリアとの絆にも亀裂が生じる。
後にスキム山遭難事件でミロスラフをソラに助けてもらったことでソラに恩義を感じ、同時に自身の実力不足を痛感して一からやり直すとメルテ村に戻る。

  • ミロスラフ・サウザール
『隼の剣』のメンバー。美少女の魔術師。19歳。王国でも屈指の大商会・サウザール商会会長の娘。物語開始時のレベルは『15』。
会長の実子だが七番目の妾との子であるため、幼い頃から冷遇されてきた。その生活から脱するために勉学に励んで賢者の学院に入学する。しかし、当時は化粧などは愛人が媚を売る手段と見ていたため身嗜みが酷く、神童として持て囃されるほど優秀だったものの性格が災いして孤立していた。また、魔物の生態調査でラーズと出会い、彼に惹かれていく。
将来を約束されていたが、卒業試験の日、何者かの手によって寮の地下の古書庫に閉じ込められたため試験を受けることができず、さらに自分を見るために来ていた王族が「無駄足を踏ませた」と激怒。学院側も「大恥をかかされた」と激怒し、学院を放校される。
やむなく冒険者に身を落とし、最初に組んだパーティで男達に犯されそうになったことで極度の男嫌いになる。
その後、冒険者になったラーズのパーティに加わる。ラーズのことは大好きだが、彼が誘ったソラを今までの男の中で最も激しく嫌悪し、彼の悪評をばらまきつつ、それをルナマリアによるものと思わせるなど陰湿な行為を働いていた。
蝿の王に追われた際にソラを囮にした主犯格で、反省すらしていなかったため、復讐として誘拐されて蝿の王の巣に監禁されて凌辱される。当初は激しい反抗心を見せていたが、自分の状況があの時のソラと同じ状況ではと気付いてストックホルム症候群のような状態に陥り、やがてソラに心酔するようになってソラの復讐に加担し、『隼の剣』の解散などの工作に暗躍する。
後に冒険者ギルドを脱退して『血煙の剣』に加わる。
『血煙の剣』加入後は積極的に行動しているが、これは前述の経緯から『血煙の剣』メンバー内で最もソラから不興を買っていることを自覚してるためであり、役に立とうと躍起になっている側面もある。

  • イリア
『隼の剣』のメンバー。メルテの村出身。ラーズの幼なじみの女神官。18歳。格闘と回復魔法の使い手。
父を早くに亡くし、母のセーラに女手一つで育てられたため、自他ともに厳しく気が強い。
ラーズに好意を寄せているが、ソラのことは、当初はミロスラフほどではないが快く思わず、長く才能限界を隠していたことを知ると強く嫌悪する。書籍版では少し異なり、当初は逆にソラに助けられたこともあって好感を抱いていた。
蠅の王の一件では、非がこちらにあることを理解してもソラに謝罪することに納得いかず、ミロスラフの罪を強引な理由で庇い立てようとするなどやや俗物的な面を見せる。
その後、ソラに固執して暴走するラーズを止めようとするがミロスラフに邪魔されてしまい、ついには故郷のメルテの村で疫病が蔓延している時にラーズが帰らないことを決めたことで、絆に亀裂が生じる(これは『隼の剣』を解散に追い込むミロスラフの策略でもあった)。しかも、村に到着するとすでにソラによって疫病は沈静化し、母や村人達がソラに懐いてしまう。
その後、村の近くに現れたオークの群れの討伐にソラとともに向かったが、ソラを危険視して襲い掛かるも返り討ちに遭い拘束される。そして、その状態で現れたオークたちに取り囲まれて輪姦される恐怖に心が折れ、泣きながらソラに許しを求めて屈服し、生涯ソラに従うことを神に誓わされる(神官にとっては特に重い誓約である)。
WEB版では、村に到着した時にはオークはすでにソラに討伐されている。その後は母のセーラの存在もあって未だにちゃんと復讐が果たされていない。

  • ルナマリア
『隼の剣』のメンバー。美しいエルフの女賢者。
パーティメンバー内ではソラへの侮蔑が無く、追放前はよく二人で行動しており、一時はソラに好意を寄せられていた。追放後も気遣っていたのだが、ミロスラフが仕掛けた策略によって『寄生虫』のあだ名をつけた張本人と誤解されてしまっていた(ミロスラフの巧みな情報工作もあって、自身もこれに弁明できなかった)。
蠅の王との一件で再会したソラの異変に最初に気付き、竜のような何かを見てソラに恐怖心を抱いて怯えている。
ソラとミロスラフの策略で行われた決闘でラーズが敗れたことでソラの奴隷となるが、彼を蝿の王に追われた際に囮にした事に強い罪悪感を持っており、自身への贖罪として奴隷の身分を受け入れている。
ソラの指示で多くの塩漬け依頼を受注してこなした後に冒険者ギルドを脱退し、新しく結成されたクラン『血煙の剣』に加わる。
後にシールと共に奴隷環を外され、奴隷の身分からは解放されるが、自身の意思で空の支えとなる。また、シールやミロスラフが『血煙の剣』に加わった結果、肌を重ねる行為の回数が減った事に安堵以外の焦りの様な感情を覚えている。ゴズ達やヒュドラとの戦いを経て、ソラを失う事を本気で危惧するなど恋慕に近い感情を抱き始めており、同時にソラに並べる様な強さを求め始めている。
穏やかかつ聡明で、ソラたちの参謀役を務めることも少なくない。

  • ウィステリア
カタラン砂漠に存在する『森の王国アンドラ』の元筆頭剣士(グラディウス)を務めたダークエルフの女性。
悪霊(デーモン)と呼ばれる己の中に住み着いた己ならざる存在に身を乗っ取られかけたため、アンドラ政府よりベヒモスへの生贄として処刑されることとなり、本人もその運命に甘んじた。しかし、ベヒモスをなぜか発見する事が出来ず、そのままオアシスに辿り着いてしまったため、「外の世界」の存在を知り、驚愕。
そのままベヒモスの情報を求めてベルカに辿り着き、遂に本格的に悪霊に乗っ取られ、意識が途絶える最中にソラと接触。ソラに打ちのめされたが、同時に意識を取り戻すこととなった。
ソラから「悪霊は同源存在(アニマ)」である可能性を指摘され、制御するためにソラと同行する事になる。

悪霊は「風の王パズズ
獅子の顔と腕を持ち、鷲の脚と羽を持ち、蠍と蛇の尾を持つとされ、ウィステリアが乗っ取られつつある際には、徐々に体中がバズズの姿に変化していくという現象が起きている。現状では制御ができていないため、御剣家の心装使いの様に武器としては顕現していない。

  • クラウ・ソラス
ソラに付き従う藍色翼獣(インディゴ・ワイバーン)。本来は人間に心を許さない凶暴な魔獣だが、マンティコア達から助けられたことでソラに懐く。当初は名前が付けられていなかったが、アストリッドのアドバイスで「炎の剣」を意味すクラウ・ソラスと名前を付けられた。
ソラ以外の人間には中々懐かない一面があり、当初シールに対しては自分の方が序列が上と認識し、シールが話しかけても無視するなどの行動を取っている。しかし、クラウディアやアストリッドには初対面から触れられる事を許容するなど、全く懐かない訳ではない。

カナリア王国

  • クラウディア・ドラグノート

カナリア王国の公爵令嬢。13歳。愛称は『クラウ』。ボクっ娘
竜騎士団を率いる『雷公』パスカル・ドラグノート公爵の娘で姉にはアストリッド・ドラグノートがおり、関係は良好。
カナリア王太子のアザールと婚約していたが、アドアステラ帝国第三皇女と婚儀を結ばせるようにとの皇帝の勅命および御剣家の命を受けた慈仁坊の呪術により、命に関わるほどの強力な呪いをかけられていた。
これによって王太子との婚約も解消されてしまい、余命も幾ばくも無い状況に陥ったが、ソラの『魂付与』の力で強制的に生命力を吹き込むことで解呪に成功。実力行使で彼女を殺害を企てた慈仁坊もソラによって討ち取られた為、危機を脱した。
その後は本人の強い希望とクラウディアを王国内の政争から遠ざけようとするパスカルの意思もあり、ソラと共にイシュカへ同行する。また、未婚のソラとの同居は周囲からは事実上の婚約と見做されており、クラウディア自身もソラには強い好意を寄せている。
ソラ以外にはあまり心を許さないクラウ・ソラスと僅かな会話で良好な関係を築いており、ワイバーンの鳴き声を正確に読み取って会話するなど、竜騎士として非常に高い素質を持つ。

  • パスカル・ジム・ドラグノート
カナリア王国の公爵にして、『雷公』のあだ名を持つ実力者。カナリア王国軍の精鋭である竜騎士団の団長であり、個人の戦闘力もカナリア王国最強を謳われる。レベルは『49』。
聡明であり国王からの信頼も厚い。
ソラには他人のレベルをアップさせる能力『魂付与(ソウルドナー)』を明かした上で、クラウディアの呪いを解いてくれた恩もあり、娘をソラに託す形で支援を行っている。ソラからも敬意を払われている。
鬼人の里の壊滅に心を痛めていた様子から、鬼人に対する偏見を持っていないようで、スズメの保護にも力を貸した。

  • アストリッド・ドラグノート
ドラグノート公爵令嬢の長女。年齢は20前半。クラウディアの姉。若くしてカナリア竜騎士団の副長を務める才媛で、イシュカ冒険者ギルド長エルガートと同等以上の実力を持つ。レベルは『37』。
初対面ではソラが見惚れる程の美貌を持ち、身長もソラより高い。
妹同様に全く人になつかないクラウ・ソラスが初対面で、触れられる事を許容するなど竜騎士としての実力は高い。クラウ・ソラスの名付け親でもある。
ソラが藍色翼獣の竜騎士として頭角を現した時に知り合ったため、当初より好意的。ソラも高位な立場にも関わらず、傲慢さとは無縁なアストリッドには好感を抱いている。
クラウディアの呪いを解き、元凶の慈仁坊を討ち果たした後はソラに多大な恩を感じており、クラウディアをソラの元に預ける口実を姉妹仲良く考えるなど、妹をソラに託すことを望んでいる。

  • トールバルト
カナリア王国の現国王。
王としては真っ当な見識を持った人物で、スズメの「蛇鎮めの儀式」を功績として認め、鬼人にも関わらず、保護を決定する。また、王太子のアザールとは違ってドラグノート公爵家が帝国の謀略によるものだったとはいえ、アザールとクラウディアの婚約を破断させられたことに関する怒りを感じ取っており、仲を修復させることも考えていたが、クラウディアのソラへの想いを理解し、断念。
その際にクラウディアに対して、「そなたを娘と呼びたかった」と話しており、本心より好意的に考えていた模様。

  • アザール
カナリア王国の王太子でトールバルトの息子。13歳。クラウディアの元婚約者。
クラウ・ソラスの献上をソラに要求したため、彼から良く思われていない。
更にはクラウディアが呪いで苦しむ中にあっても手紙すら送らず、あまつさえ父王トールバルドがクラウディアが呪いをかけられたことを理由にした婚約破棄、および帝国第三皇女・咲耶(さくや)とアザールとの婚姻を帝国から迫られたのをすんなりと受け入れたため、パスカルやアストリッドからも苦々しく思われている。
クラウディアとは婚約者だったが、文武ともに自身より優れる彼女を疎ましく思っており、関係が良好だったわけではない。婚約者だったときにクラウディアが一歩引いて自分を立てていた事は気付いていたが、その気遣いすら不愉快に感じていた。
クラウディアからは「悪い人ではない」と弁護されており陰険ではないが年少のせいと言うこともあり未熟な性格が目立つ。
その後、咲耶と婚姻を結ぶも、彼女から「私に対して指の一本すら触れる事は許さない。父か兄の子を養子として迎える。不満なら他の女性を妾に迎えて構わない」との極めて一方的な言葉を並べられたことで不満を爆発させる。その後呪いが解け、以前より魅力的になったクラウディアを第二夫人に迎えようとして復縁を画策し、ソラを「偽・竜殺し(ドラゴンライアー)」と悪罵する。しかし、彼女の心は既にソラにあったため、「さもしい言葉」と一蹴された上に「ボクは今、幸せです。殿下もどうか咲耶様とお幸せに」との言葉と共に決別されてしまった。

  • コルキア侯爵
カナリア王国の大貴族で、ドラグノート公爵家に次ぐ権威を有する親帝国派筆頭格。
カナリア建国以来の名門閥族出身で、王太子と帝国第三皇女の婚約を推し進めている。

御剣家

  • 御剣式部(みつるぎ しきぶ)

鬼が島の主にして幻想刀流の使い手で第十七代剣聖。
稀代の剣術家であり弱者は不要との信念を持っており、試しの儀に失敗したソラを「弱者」と見下して切り捨て、何のためらいも無く廃嫡・追放をした。
寡黙であり家族や家臣でさえ内心を読み取れない。
アドアステラ皇帝によれば徹頭徹尾己にしか関心のない人物と評されている。
亡妻・静耶の他にも多くの女性を側妾として抱えており、ソラ追放と重なる形でゴズの妹・セシルを側妾に迎えるなど、意外に女癖が悪い(余談ではあるが好色な面はソラにも多少受け継がれていたようでルナマリアやシールで睦み合う場面などに反映されている)。
他にもソラと性格面で似ている部分は結構多く、「かつて敵対した者を許容して重用する事を厭わない(式部はゴズ・シーマ、ソラはルナマリアやミロスラフ・サウザールが該当)、「興味のない相手や事柄に関して徹底的に無関心」などが似ている。
カナリア王国から帰還したゴズからソラの成長と要求を聞き、静耶の命日を指定してソラを鬼ヶ島に呼び出す。ソラが鬼神を倒して去った後、「鬼神討伐の功績はラグナのものである」と事実の改竄を目論んだギルモアの直訴を「敗れて落ちた評価は勝利によって上げよ」と一蹴し、一人になった時にソラに対して「見事だ」と称賛したが、その際の笑みには讃えの他にも嘲りも含まれている模様であり、本心は不明。
国政にはそれほど興味を持っていないが、当時下級旗士だったギルモアを見出すなど、人物眼はそれなりに優れている模様。

  • 御剣静耶(みつるぎ しずや)
式部の前妻でソラの実母。故人。
空が幼少期にどうしてもレベルが上がらず、周囲から「空っぽ」呼ばわりされて苦しんでいた時に「何にもないなら、何にだってなれる。たくさんのものを詰め込んで、なりたい貴方になりなさい」と優しく諭した。
大陸東部の市井の出身だったとされているが、ソラにも自身の出自を語らず、息子の問いにも哀しさと寂しさを含んだ表情をした事からソラも詳しく聞く事はしなかった。その為、大陸東部のアドアステラ帝国領出身なのか、更なる極東地域なのかすら不明。
ただし、アドアステラ皇帝アマデウス2世は静耶を「性根の優しい娘」と彼女の人格を詳しく知っているなど、謎が多い。

  • 御剣エマ(みつるぎ ――)
ソラの義理の母に当たる現在の御剣式部の現正妻(元は側妾筆頭。静耶が病没したため繰り上がった)で、ラグナの母。
帝国四大貴族の一角であるパラディース家の出身で、現パラディース公の実姉。
優しく聡明な女性でソラの母である静耶とも友人関係であり、その忘れ形見であるソラを我が子同然に思っている。ソラの追放時には重病で事情を知らず、快癒後に式部に処置を取り消す様に直談判まで行ったが実らなかった。その後は実家頼りにソラを探した様だが、見つける事が出来ず、静耶の墓前で項垂れてしまった。
もっとも、幼い頃のソラは正妻になった彼女への反抗心から彼女を受け入れず、ソラに構ったら構ったでそれに嫉妬したラグナへ悪影響を及ぼした為、陰ながら見守っていた。
ソラ自身は過去にエマの好意を袖にした事に負い目を持っており、後にクライアから追放後にエマがソラの追放取消しを式部に直談判した事を知り、更に後悔の念を強めている。ソラが島に在住していた時の御剣家関係者の中では唯一現在も全幅の敬愛を寄せている人物で、エマもソラとの再会時には思わず抱き付き、涙を見せるなど、今でもソラの身を深く案じている。

  • アヤカ・アズライト
ソラの元許婚であり、同年の門下であった少女。
帝国四大貴族の一角、アズライト家の現当主の長女で、「黄金世代」序列一位で同年の中では最も強い。
現在はラグナと婚約している。
弱いソラにも気にすることもなかったように親身に振る舞っていたが、廃嫡されたソラに同情しかわかなかったと述べ決別した。
ソラの絶望にしてトラウマとなっている人物だが、クライアにはあまりにもあっさりと突き放したことに違和感を抱かれたり、ソラがゴズを退けたという多くの青林旗士が疑問視する報告を無条件で信じていたり(この事はシドニー・スカイシープからは『信じる』というより『知っている』様な物言いだと違和感を覚えている)、イブキのソラに対する幼い敵意に一瞬動揺する、そしてイブキに幼少期のソラが考えた痛い技名を教える際にはソラの事を『私の友達』とイブキに話すなど、式部と並んで心理描写が謎に包まれている。
鬼ヶ島に訪れたソラとは、ラグナが襲い掛かろうとして仲裁した時に対面し、一切言葉を交わさなかったが、昔二人で作った暗号を使ってクライアが幽閉されていることを伝えた。
ソラの力を「忌まわしい竜の力」と呼んでおり、ソラの同源存在の正体を把握している可能性があるが詳細不明。

心装は緋色の双刀「カルラ
「竜喰い(ドラゴンイーター)」の異名を持ち、竜の天敵となる能力を持ち、心装の中でも稀有な飛行能力を持つ。

  • 御剣ラグナ(みつるぎ ――)
ソラの異母弟で同い年。母エマと同じく金髪碧眼の青年。「黄金世代」序列二位にして、青林旗士では第三旗第四位。
実力で勝りながらソラが廃嫡されるまで跡取りになれなかったことやアヤカに想いを寄せていたことが相まって、幼い頃から強い嫉妬と敵意を抱いていた。母のエマが静耶からソラを託されていた事も悪影響に傾き、長じるうちに御剣家の家中で誰よりもソラへの憎悪と殺意を募らせ、存在そのものを完全否定していたため、その仲は極めて険悪であった。
ソラが追放された事を誰よりも喜び、アヤカと婚約したことで次期当主の座は盤石になったと思っていたが、ソラがゴズ達を倒したことによって次期当主の座を奪われるのではないかと内心恐れている様な節がある。
また、慈仁坊亡き後の第四旗をそそのかして(その時はあくまでも人質のクライア救出を名目に)ソラの抹殺に動かしており、ソラに対してかなり感情的な姿を露わにする模様。
ギルモアからは次期当主の筆頭格として推されている。
鬼人襲撃の際、試しの儀を終えたソラに詰め寄り、襲撃を手引きしたと言い掛かりをつけるも、ソラからは「その言い分が正しければ(ラグナを含む)御剣首脳部はかつての追放者の策略に引っ掛かった無能揃い」と断じられたことで怒り(日付の指定から試しの儀の手順を整えたのは全て御剣家が取り仕切っているため)、更には心装を開放して身にまとっていたため、ソラへ一種の恐怖心を抱えている事を嘲られて逆上して斬りかかろうとしたが、兄弟での殺し合いを危惧したアヤカに制止された。
その後、鬼人の襲撃時はイサギと対峙、アヤカの援護と心装の相性に助けられていたが、格上であるイザキ相手に互角の戦いを繰り広げる。しかし、イサギが鬼神化するとなす術も無く倒されて気絶し、アヤカに運ばれて戦線離脱。目覚めた時にアヤカからソラが鬼神を正面から切り結んで討伐した事を聞かされて絶句、デマと断じようとするも母のエマが目撃者の一人で、アヤカもエマから聞いたと知って愕然とする。

心装は黄金の両手剣「ハルパー
神や巨人に対して効力を発揮する能力を持ち、刃の形状を鎌の様に自由に湾曲させることも可能。

  • 御剣イブキ(みつるぎ ――)
ソラの異母弟で、セシルの子供。ソラ追放後に産まれ、ゴズもセシルもソラの事を話さなかったため、ソラのことを知らない。アヤカからは弟の様に可愛がられている。
強く慕う伯父のゴズが島外でソラに敗れ、傷だらけで帰還した事に憤慨して「強くなってゴズおじちゃんを虐めた奴をやっつける」と意気込み、ゴズ、セシル、エマ、アヤカの四名を動揺させてしまう。
ソラが鬼ヶ島に来た時に敵討ちとばかりに立ちはだかり、自分が発した言動(アヤカから教わったかつてソラが考えた痛い技名やソラを「おじちゃん」呼びなど)でソラに(精神的に)大きなダメージを与える。その後はいつの間にかソラに稽古を付けてもらい、イブキを探しに来たゴズとセシルが現れたことで中断し、大人になったら再戦する約束をする。
その後の鬼人勢力の襲撃ではオウケンに抵抗した際に、セシルの動きを止める道具として利用されてしまうが、ソラによって助け出され、更にソラが鬼神を討ち倒す姿も目撃する。
目の前で行われたソラの活躍に大きく魅了されたため、ソラをいつか超えるべき目標と捉えるなど、感情を大きく好転させている。

  • ゴズ・シーマ
かつてのソラの傅役(身分の高い子供の世話役)。巌のような大男。御剣家四卿の一つ「司馬」を拝命し、青林旗士では第一旗三位で各部隊の旗将を上回る実力を持つ。レベルは『81』。
式部の側近。理由は不明ながら、かつては式部と敵対していたが、敗れた後に許された上に生活の援助と側近に取り立てられた経緯があり、絶対の忠誠を誓っている。主君からの信頼も厚いが、御剣家の「滅鬼封神(めっきほうしん)」の掟と理念に染まりすぎており、他国の法や事情をあっさりと軽視(目の前に鬼人がいれば完全無視)するなど融通が利かない。
カナリア王国でソラの話を聞きつけて、ギルド関係者と共に訪れたソラ邸で目撃したスズメの命を問答無用で奪おうとしたため、ソラと戦うことになる。クリムト、クライア両名を退けられると自ら空装を展開してソラと戦い、当初は圧倒した。しかし、ソラの「魂喰い」が更なる力を発揮した結果、空装の青龍偃月刀を切断されて敗北。ヒュドラ戦後に再戦したが、消耗していた上に、大幅にレベルアップしたソラには歯が立たずに敗退した。その後は式部にソラの現在の実力と鬼人の少女を匿っている事を報告。ソラが鬼ヶ島に一時帰還する原因を作った。
傅役としてソラが生まれた頃より面倒を見てきた事もあり、追放後も身を案じてはいたのだが、廃嫡後のソラが鬼ヶ島で生きていく事は過酷な事になると危惧して外の世界の方がまだ安心して暮らせると判断。追放も式部のソラに対する慈悲と捉えており、同時に故郷に未練を残した様な別れをしない方が良いとの考えから、淡々とソラの追放を決定した式部に従ったため、自らの本心を明かすことはしなかった。
前述の経緯や「心装を手にしたソラが御剣家に帰参するのは当然の事」と考えたり、スズメの命を奪おうしとてシール達を傷付けた事も「滅鬼封神」の掟を理由に悪びれない態度に終始する、ソラが鬼ヶ島への帰参を拒否した場合は拳を完全に砕いて二度と剣を握れない様にするつもりでいたなど、御剣家と掟と利益を優先しており現在のソラの事情や立場を慮る事は無い。そのため、ソラからは一貫して冷たい態度を取られており、一切信用されていない。スズメの身柄に関してソラに任せてもいいと発言したが、ソラからは当主の言葉次第ですぐに手のひらを返すと断じられている。
ゴズ自身はソラに重傷を負わされた事は一切恨みには思ってはおらず、その後もソラが御剣家に帰還する事を望んでいる。しかし、そのつもりの無いソラからは心底鬱陶しがられており、御剣家の大広間でソラが御剣家への臣従を拒否した際には「曲げて承引してほしい」と食い下がったが、ソラからカナリアでのゴズの行動と「滅鬼封神」を揶揄した痛烈な皮肉で返されてしまい、絶句してしまう。(滅鬼封神の理念を挑発する発言だった為、その場にいた多くの旗士がソラに怒りを向けており、説得できる状況ではなくなった)
また、ソラとの戦いの際は決して手加減をしてはいなかったが、同時にソラに対して本気の殺意を向ける事は心情的に出来なかった模様。
ソラの追放に関しても悔やむ描写はあるが、あくまで追放までに傅役である自分がソラを心装まで導けなかった事を悔やんでいる。そのため、ソラ追放時に突き放した事を悔やむセシルとは焦点が異なっている。
甥のイブキはかなり溺愛している様で、イブキからも慕われている。

心装は「数珠丸(じゅずまる)
他者の心装の能力を封じる能力を持つが、ゴズ自身を上回る相手の能力を封じることは出来ない。
心装自体は格下専用の能力だが、屈指の実力を持つゴズの能力影響下で心装を使用できるのは、極一部の実力者のみ。更に上位の力である空装も会得しており、牛頭をかたどった兜と全身黒光りした甲冑、大型の青龍偃月刀で武装した姿となる。

  • セシル・シーマ
ゴスの妹。元青林旗士第一旗所属。ソラの乳姉弟と言う関係もあり、実の姉の様に慕われていた。また、かつて式部と敵対した兄を許し、生活の援助と側近へ取り立ててくれた式部には深い感謝の念を持つ。
ゴズと共に追放時にソラを見送った際には、ゴズとほぼ同様の心境に加えて恩義のある式部の決定を無下にはできないとの思いから、ソラには自身の本心や内心を伝えず突き放した。更に式部の側妾になる事を伝えたため、当時追い詰められていたソラに追い打ちを掛ける形になってしまう。
その後、ソラの異母弟であるイブキを生む。
ソラの鬼ヶ島への一時帰郷の際には港で彼を出迎える形で5年ぶりにソラと再会したが、冷淡かつ他人行儀な態度に終始された上に自分を見限った相手と話すことはないと拒絶される。
鬼人襲撃時はエマやイブキ他の側妾達と避難中にオウケンの待ち伏せを受けて窮地に陥るが、ソラに救出され危機を脱した。直後オウケンの悲鳴に呼応した鬼神がソラ襲い掛かったため援護しようとするがソラからは殺意交じりの視線で拒否された。

追放時に突き放した事と兄がソラの庇護する鬼人(スズメ)の抹殺を試みた結果、返り討ちに遭い容赦なく重傷を負わされた経緯から、自分もソラに恨まれていると考え、覚悟を決めて鬼ヶ島を訪れたソラを港で直接出迎えた。
しかし、ソラの自分を見る瞳が一切の感情を宿さない「路傍の石ころを見る様な目」であり、もはや自分には何の関心も興味も無く、心底どうでもいい存在と見做している事に気付いてしまい強い衝撃を受けている。
彼女なりにソラとの関係改善を望んでいたが、かつて自分を姉の様に慕ってくれていたソラからの冷たい視線に耐えられず、話しかけることすら出来なかった。
ソラ追放時にもっと別の行動を取るべきだったのではと憔悴するまで自問し続けるなど、当時の行動をひどく後悔する事となった。
しかし、イブキを探していた際、今まで見たことが無いほどのソラの穏やかな表情を見た時は感嘆とする等、ソラに対する蔑視が強い鬼ヶ島内では本心よりソラの帰還を望んでいる数少ない一人。

能力は不明だが、「青く輝く長刀」の心装を有しており、二人掛かりの鬼人の攻撃を巧みに捌きながら護衛対象への目配りを怠らない等、高い戦闘力を有する。

  • ギルモア・ベルヒ
御剣家四卿の一つ「司徒」を拝命している老人で、文官の長。財務と人事を司る。
権勢欲が強く、一族の勢力拡大に勤しむ狡猾な野心家。
本来「司徒」の地位にあったスカイシープ家から「司徒」の地位を奪って衰退させたのに飽き足らず、ウトガルザ家の「司寇」の地位も奪い取って一族関係者を据え、現在はゴズを蹴落として「司馬」の地位を一族関係者に据えさせようと画策しており、四卿の地位をベルヒ家のみで独占しようと企んでいる。
かなり早い段階でラグナを次期当主になると考えて誼を結んでいたため、政敵であるゴズ・シーマやモーガン・スカイシープがソラの後見人として次期当主に押し出すことがあれば、ベルヒ家が主流から外れて衰退する事態にもなりかねないため、ソラを強く危険視している。
御剣家内では支持者が多く、最大派閥を形成しているが、同時に宰相気取りに我が物顔で家政を牛耳るギルモアを快く思わない者達も存在する。
大勢の養子を養いつつも、実力主義による苛烈な教育を施しており、脱落者やベルヒ家に不要と判断した子達を容赦なく切り捨てる為、養子のクライアやクリムトからは恐れられている。
人柄はともかく、主君が本気で迎え入れるなら不興を買うのを防ぐためにソラの御剣家へ帰参する事を認めるつもりだったりするなど、政治家らしく柔軟な性格。
財務担当として主君の女癖のために出費が嵩むことを、不興を買うことを恐れず諌言するなど重職にふさわしい振る舞いをしており、この手の人物でありがちな阿諛追従だけが能の佞臣というわけではない。
ソラに敗れて帰還したゴズを蹴落とすために非難し、なおかつソラの実力を信じもせず、鬼ヶ島に再訪したソラの実力を確かめることを口実に再び試しの儀を執り行うことを提案。しかも、相手は竜牙兵ではなく、青林旗士でも殺されることがある土蜘蛛に代えることでソラの抹殺を図ったが、ソラは土蜘蛛を圧倒し、それと重なるようにして起きた鬼人勢力の奇襲もあって失敗に終わる。
一時は式部のソラは好きにさせるという命に従う心積もりだったようだが、ラグナが鬼神に完敗した上、その鬼神をソラが討伐した事実を政敵の一人であるモーガンが目撃したため、態度を再び硬化させている。
ソラがラグナを押しのけて次期当主に返り咲く事を恐れ、強引な論理と承知の上で「鬼神はラグナによって傷を負っており、鬼神が死に体だったからソラでも討てたというだけ」と事実を改竄し、ラグナの功績と発表するよう式部に直訴するも退けられる。
その後、ディアルトの献策によりクリムトを鬼人王アズマ暗殺を名目に鬼門に送り込み、クライアにはクリムトが鬼門内部で死亡した事を伝え島抜けを誘発させ、ソラを誘き出すための餌にした。
この策はソラがクライアに情が移ったと考え、人質にすることでソラを御剣家に臣従をさせることを目論んだためだが、ソラが短期間のうちに皇帝アマデウス2世と謁見し、鬼門入りの許可を受けた上で『認印指輪』を下賜されたため、迂闊に手出しが出来なくなってしまう。

実は下級旗士の出身で、式部に見出された事で現在の地位まで上り詰めた過去を持つ。そのため、式部への忠誠は本心だが、ラグナが後継者争いで不利な場合はソラへの鞍替えを視野に入れたり、自身の意にそぐわず『認印指輪』を持って現れたソラの抹殺を企むなど、式部の子に対して忠誠心はほとんどなく、ベルヒ家繁栄の駒と考えている模様。
かなり用心深い性格だが、様々な可能性を考えすぎるあまりに、実情から離れた事にも警戒しようとするなど、疑心暗鬼な一面も有している。ソラがアドアステラ皇帝と謁見して『認印指輪』を下賜された件も、ゴズ・シーマかモーガン・スカイシープが背後、もしくは入れ知恵したと勝手に誤解して警戒している。

心装は「神虫(しんちゅう)
八本の脚と鋼のごとき顎を持った、頑丈な鬼を食う虫で、ギルモアはこれを家ほどの大きさにしたり、爪ほどの大きさにすることもできる。
また、これを囚人だけでなく嫡子・ディアルト以外の養子達全員に埋め込んでおり、処刑を行なう時、外から神虫で内から腹を食い破らせるという残虐な手法を好んでいる。

  • ディアルト・ベルヒ
「双璧」の一人。
青林旗士の当主直属の精鋭部隊である第一旗の旗将にして、序列一位。御剣家では剣聖に次ぐ権限を有しており、「司徒」である父ギルモアよりも地位は高い。
御剣式部を除けば最強の実力者で、青林旗士の筆頭として彼らの取りまとめもしている。
ギルモアの「ただ一人の実子」にしてベルヒ家嫡男。クライア、クリムトの義兄に当たる。
白い肌と女性の様に長い黒髪を持つが、能面のごとく無感情で、滅鬼封神の掟に背いたり敗北した者を容赦なく制裁する冷淡にして無慈悲な男だが、同時に義弟妹達の挨拶などにも僅かながら頷いているなど、まったく軽んじている訳ではない様子。
クライアを投獄した一件で、ベルヒへの反抗心が強まったと判断したクリムトに、「クライア開放を条件に、鬼人の中山王アズマ暗殺と命じることでわざと鬼門に送り込み、クライアを島抜けさせるよう追い込んで、空と接触させる策」をギルモアに献策している。これはあわよくば空とクライアを幽閉あるいは婚姻させて、ベルヒ家に取り込もうという策であるとギルモアは認識しているが、彼自身の真意は不明。

心装は「荒絹(あらぎぬ)
純白の刀だが、無数の極細の糸に枝分かれし、視界に入る敵を空間ごと一気に分断する事も可能。

  • 九門 淑夜(くもん しゅくや)
「双璧」の一人。
青林旗士の当主直属の精鋭部隊である第一旗の副将。序列二位。浅黒い褐色の肌と鈍色の頭髪が特徴。
御剣家初代から続く、名門九門家の現当主で、旗将ディアルトと比べて人懐っこい人物で、第一旗の旗士達には人望がある。
「黄金世代」の一人である九門祭は実弟。

心装は真っ黒な槍「影の女王(スカリィ)
影を突けば、突いた箇所が敵のダメージに繋がる能力を持ち、同時に強力な猛毒を有する。

  • クライア・ベルヒ
「黄金世代」序列六位にして、青林旗士では第六旗所属(書籍版では第五旗)。レベルは『51』。
クリムトとは双子で、自身は姉。ギルモアが、ベルヒ家の手駒として使うために集めた孤児の一人。
ベルヒ家での孤児達の生き残りをかけた生存競争の中で弟と共に生きてきたため、姉弟の絆は深い。アルビノであり、幼少期には周囲から怪訝な目で見られやすかったが、ソラに庇われた過去と恩から、ソラには一切偏見を持っていない。
冷静かつ穏やかでクリムトの抑え役も務めている模様。
ソラとの戦闘で敗れた後は人質として囚われていたが(ただし、制限は何も受けていない)、ラグナにそそのかされた第四旗と接触。ソラに第四旗が蹂躙される事を危惧し、ソラに稽古を行う事を申し出る(これはソラの頸の強さを第四旗に認識させ、交戦を断念させるため)等、聡明かつ機転が効く。
人質となっていた間、何一つ問題行動を起こさなかったため、ソラに先んじて鬼ヶ島に帰還するも、敗北とソラ達と過ごした日々の居心地の良さを自白したため、「(敗北して)家名に泥を塗った」として烈火のごとく怒り狂ったギルモアによって当初は処刑の許可願まで出されたが、ゴズや淑夜、直属の上司である第六旗の旗将と副将の嘆願により沙汰止みとなる。けれどギルモアの怒りは治まらず、ベルヒ家本屋敷の地下牢に幽閉されてしまう。
その後、ギルモアとディアルトの姦計によって弟を鬼人族のアズマ王暗殺の刺客として送り込まれ、自身はクリムトの死を聞かされたため、島抜けをさせられるまでに追い込まれる。弟の生死の確認をすべく、空に助けを求める。
以後、これに応じてくれた空に同行する。

心装は風を司る翡翠色の長刀「倶娑那伎(くさなぎ)

  • クリムト・ベルヒ
「黄金世代」序列七位(最下位)にして、青林旗士では第七旗七位。レベルは『50』前後。
クライアとは双子で、自身は弟。ギルモアが、ベルヒ家の手駒として使うために集めた孤児の一人。
経歴は姉と同じだが、姉とは違い、門下として当時才能を開花させられなかったソラを最も嘲り、「弱者(カス)」と呼んでいた。
血気盛んで反抗心が強い性格で、ゴズにも突っかかるなどして姉に諫められる場面も多いが、ひたすらに「雑魚は雑魚、弱者は弱者(カスはカス)」と拗ねながら言い返しており、弱者を見下す癖は青林旗士の中でも特段に強い。
スズメを巡る戦闘では逆にソラから「弱者」と挑発された挙句、心装の炎もソウルイーターに一瞬でかき消されて切り裂かれてしまい、ソラに呆気なく完封負けを喫する。再戦時でもソラのレベルが大幅に上がっていた上に魔物との連戦の疲労が祟って一方的に敗退した。
ゴズとともに帰還後、人質のクライアを助けるために式部の直訴しようとするが、ディアルトに力づくで止められる。その後、シドニーを頼ろうとするが、ラグナがすでに手を打ったことを知り安堵する。
しかし、ソラから解放されて帰還したクライアをベルヒ邸の牢に投獄されてしまい、クライアの心変わり同様に反抗心が強いことをギルモアから危険視されてしまう。
ディアルトとギルモアによって、クライア解放を条件として中山王アズマの暗殺を指示され、鬼門内部へ送り込まれてしまう。
その後ディアルトからクライアに死亡したと伝えられていたが生存しており、クライアを地下牢から救い出すために鬼人が持つ姿隠しの神器を手に入れるべく、大興山の崋山残党軍に「クルト」という偽名を使い潜り込んでいた。
体内の心虫が消滅したのは自身の声などが漏れている可能性まで考慮し、自然な形で処理するべく振斗と手合わせした際にわざと腹部を貫かせたため。
崋山反乱軍潜入後は神器を手に入れる方法を模索し振斗から情報を得ていたが、振斗がランを殺害しようとしたためこれを妨害、礙牢で弱体化されつつも一蹴した。
しかし、直後に現れた蔚塁には歯が立たず右腕を切り落とされてしまう。

心装は炎を司る緋色の長刀「倶利伽羅(くりから)
一瞬で鉄を蒸発させる程の高温の炎を瞬時に発生させ、大範囲を焼き払うことも可能。

  • 九門 祭(くもん さい)
「黄金世代」序列四位。
「双璧」の一人、九門淑夜の弟。兄とは違って捻くれた性格をしているが、他者を上回る修練により成果を出してきた努力家。御剣時代の非才だと思われていたソラを「空っぽ」呼ばわりしてクリムトと共に最もバカにしていた人物だが、同時に今のソラの強さを見て、「本物」と素直に実力を認めるなど潔い一面があり、血気盛んなクリムトと違い、物事をすぐに受け入れる柔軟性を持つ。また、ソラがオウケンを一時撃退した際にはソラが「泰山公」と発言した事を見逃さず、戦闘開始前よりこの場にいた事を察して警戒しつつ探りを入れるなど抜け目ない一面もある。
鬼人襲撃におけるソラの鬼神討伐を目撃した四人の内の一人となる。

心装は槍の形状をした「聖人殺し(ロンギヌス)
槍の穂先を自由に捻じ曲けて操ることが可能。

  • シドニー・スカイシープ
「黄金世代」序列五位。祭とは仲が良い。
「黄金世代」では最も温厚な人物で、祭がソラを「空っぽ」と揶揄した際には眉をひそめるなど蔑視感情は持っていない。
中世的な外見を持つ美形の男性で、年齢や容姿のせいで女性と間違えられる事がある。しかし、本人もそれを逆手にとり、面白がって悪ノリする事もあるため、青林旗士では一定数の者が本気で女性ではないかと疑っているという。
ベルヒ家の隆興により四卿の一つ「司徒」の位を奪われて衰退した名門スカイシープ家出身で、現当主モーガン・スカイシープの孫でもある。
鬼人襲撃におけるソラの鬼神討伐を目撃した四人の内の一人。鬼神との交戦前には祭、セシルと共に共同戦線を申し出ていたが、ソラからは実力と心情的に信用できない上に、万が一トドメを奪われると膨大な魂を喰い損ねる危惧もあって、殺意混じりの態度で拒絶された。シドニー本人は殺意まで向けられるとは考えていなかった様で衝撃を受けていた。

心装は美しい外見をした刀「村雨(むらさめ)
霧を発生させ、同時に相手を撹乱する幻影を生み出すことも可能。

  • ウルスラ・ウトガルザ
「黄金世代」序列三位。青林旗士では第一旗十位。「朱姫」、「死神ウトガルザ」の異名を持つ。
敵を切り刻むまで止まらぬ神速の刃の使い手で、最精鋭部隊である第一旗に所属するほどの実力を持つ。
青い瞳に蜂蜜色の髪の持ち主で、五年前は小柄で髪が短く小麦色の肌にそばかすがあり、自分のことを「僕」と呼ぶ言葉遣い等、男の子のような感じだった。現在はクライアよりも背が高く、髪を肩口まで伸ばし、そばかすが消えて滑らかな白い肌となり、スタイルも良い美女になっている(そのため、五年ぶりに再会したソラは、本当にウルスラなのか疑った)。
先代まで四卿の一つ「司寇」の位を独占していた名門ウトガルザ家出身で、鬼ヶ島および御剣家の秩序を維持し、青林旗士の犯罪を取り締まる憲兵の役割を担っていた。しかし、そのため青林旗士内では疎まれている一族でもあり、御剣家内では名家として名を挙げられる事は無い。
アヤカやクライアの女性陣と仲が良い一方、上司にあたるディアルトを快く思っていない。
ソラのことは父が死去した際に司寇として強引な事を行なってきた経緯もあり、青林旗士内から人望がなく、葬儀も弔問客が少ない淋しいものだったが、ソラがアヤカと共に参列してくれた事を恩義に思っており、他の御剣家関係者の様な偏見を持っていない。
また、ソラ自身が弱いことを自覚し努力している姿を知っているため、当時から稽古に付き合うなど、良好な関係だった。当時の自信が無く肩身が狭そうなソラを心配していたが、今の実力や心身ともに大きく変貌したソラには安心している。ウルスラ自身はソラをウトガルザの家名を気にする事なく話せる相手と認識している為、今でも自然に親しく会話するなど、ソラが御剣家で嫌悪していない数少ない人物。
ただ、先代司寇だった父を鬼人に殺されており、鬼人に対しては敵意が強い。ソラが鬼人(=スズメ)を匿っている事を諸手をあげて賞賛はできないとも内心考えている模様。

心装は赤い刀身の刀「雷花

  • モーガン・スカイシープ
御剣家初代から続く、名門スカイシープ家当主。元第六旗旗将でシドニーの祖父。先代の剣聖時代には側近として権勢を誇っていたが、「司徒」の座をベルヒ家に奪われしまい(モーガン自身が「司徒」だったのかは言及されていない)、スカイシープ家は勢力を失っている。
現在は閑職に回されているが、式部から有事の際に妻妾の護衛を任されるなど、未だに権威と信頼を誇っている。
シドニーと共にソラの鬼神討伐を目撃したため、政敵であるギルモアから更に警戒されることとなる。

心装を使用しているが、姿や能力は不明。

  • 慈仁坊(じじんぼう)
青林旗士の第四旗九位に位置する老人。レベルは『73』。
カナリア王都ホルスの墓地で鎮魂と称して琵琶を演じていたが、実際はカナリア王太子アザールと帝国第三皇女・咲耶(さくや)の婚姻を成立させるために、クラウディア・ドラグノートを呪い、婚約破棄までさせた張本人(後にアドアステラ皇太子リシャールの命令を受けたギルモアの差し金であったことが判明)。
女性を呪いで嬲り殺すに喜びを覚える外道であり、かつて妻を絞殺した事でその快感に目覚めたという。
クラウディアをそのまま呪い殺そうと進めていたが、ソラに呪いを解かれてしまう。その後は実力行使でクラウディアを殺害を目論み、王都に大量のアンデッドを召喚して混乱に陥れた上でドラグノート公爵家を襲撃。パスカルやアストリッドを圧倒したが、ソラにほぼ一蹴されて敗北。
元嫡子であったソラに対しては思い入れなどなく侮蔑込みの口調で接し、容赦なく殺そうとしていたが、反面ソラが自身を本気で殺そうとするとは思っていなかった様で、敗北後はソラの処刑宣言に激しく動揺。「御館様にソラの力を報告し、勘当を解くように働きかける」と必死に命乞いするが、聞き入れられずに斬首された。
元々は寛仁に満ちた高徳の僧で、魔法使いとしても青林八旗でも上位に位置する程の実力者でありながら、ソラと同じく長らく心装が習得できなかった過去を持つ。いつまで経っても心装が習得出来ない上に身体の衰えによる焦りから、必死に青林旗士に留まろうとあがく姿を憐れんだ妻が掛けた言葉に激怒して手を挙げた時に「同源存在(アニマ)」の声が聞こえ心装を取得の手がかりを得た経緯がある。

心装は女性の頭部と手が生えた形状を持つ奇怪な琵琶「死塚御前(しづかごぜん)
使い手と同時に心装自体が自立で魔法を詠唱し、魔法の多重使用が可能。更に通常の『正魔法』の他に使用にリスクを伴う原初の魔法である『蝕魔法』を使用しても「死塚御前」にリスクを被せる事により、本人は呪われることなく更に心装は呪いにより更に強化される等の能力を持つ。
また、近づいた相手に「死塚御前」が勁による音響攻撃を用いて「自動反撃」を行うこともできるが、この攻撃は一定の勁量を持つ心装使い相手には一切通じないため、格下専用の能力に近い。
第八圏の正蝕魔法を同時かつ詠唱を省いて発動するなど、大陸基準の魔術師としての実力は聖賢(ロード)に匹敵する程で最高位に位置する。ただし、心装が鬼ヶ島での戦闘に向かない能力であるため、最弱部隊の第四旗に所属させられており、第四旗では上席の実力者だが、青林旗士全体では決して高位に位置する実力ではない。ソラからは第四旗に属していること自体が一種の左遷と皮肉られている。
事実彼の戦死によって事実確認の為にゴズ、クライア、クリムトがカナリア王国に派遣されたが、式部は慈仁坊の戦死を全く重視しておらず、御剣家内で軽視されていた模様。
ただ、他国の法を軽視あるいは無視する御剣家内でさえ、カナリア王国の王都であるホルスでアンデットを大量召喚した破壊活動は流石に看過できない問題行動だったらしく、死後にゴズから激怒されている。

  • ヘイジン
青林八旗の第四旗所属で鬼ヶ島ではなく、常に島外常駐している。
クライアがソラに捕われた際に式部の命(実際はラグナが主導)でクライア救出するためにイシュカに派遣される。
慈仁坊には恩義があったため、慈仁坊を討ったソラに対して敵意を持っていた様で、クライアに接触した際にはソラと周囲の者に手を出さない様に忠告されても耳を貸さずにソラとの戦闘の意志を崩さなかった(事実、ラグナはこれを利用してソラを葬ろうと企んでいた)。
しかし、ソラと四旗の戦闘を避けたいクライアの機転で、ソラの膨大な勁を認識してしまう。結局、四旗の襲撃は行われなかったため、交戦を断念して逃げ帰ってしまったと思われる。
その際の報告は御剣家上層部にはゴズ達の報告同様に重視されなかった模様。
ドラグノート公爵と奴隷商組合の情報網を駆使したソラからはカナリア・アドアステラ国境上で存在を嗅ぎ付けられており、間諜としての能力は低い。
これは青林八旗自体が純粋な戦闘員であるため、この手の任務には向いていないためとされる。

  • 蝋燭の心装を持つ老婆
御剣家の地下室にいる老婆で、自身の心装の力により青林旗士全員の状態を把握する役目を担っている。
慈仁坊が外の世界で戦死した事をすぐさま察知し、式部とゴズに報告。絶大な戦闘力を有する青林旗士が外の世界で心装を展開した全力戦闘で戦死する事は滅多にない異常事態であった為、式部の命によりゴズ、クライア、クリムトの三名がカナリア王国に派遣される事になる。

心装は無数の数の蝋燭で、一つ一つが各青林旗士の状態を常時把握する能力を持つ。また、対象者が心装を使用しているのかを識別することも可能。
密閉した地下室でも蝋燭の灯火は消えない為、普通の火の様に燃焼している訳ではない。
蝋燭の火が消えた場合は対応する旗士が死亡した事を表すが、蝋燭の火を意図的に消しても対象が死亡することはない。

アドアステラ帝国

  • 咲耶(さくや)

アドアステラ帝国第三皇女。
カナリア王国の対帝国対策として、親帝国派閥からアザールの婚約者として推されている。
慈仁坊の呪いによりアザールとクラウディアの婚約が破棄された為、正式に婚約者となった。
しかし、アザールには王配(女王の番)としての立場を求める事を事前に宣言した為、不興を買っている。
反面、ソラやドラグノート公爵家には丁寧かつ温和な態度で接するなど誰に対しても高圧的に接している訳ではない模様。
カナリア王都ホルスに到着すると、すぐにドラグノート公爵家に依頼してソラとの面会を求めるなど、「竜殺し」の武勲を持つソラに注目しており、ソラがアドアステラ皇帝と面会が必要になった際には仲介を行っているが、現時点での意図は不明。

  • アマデウス2世
アドアステラ帝国二十代皇帝。帝国の最高権力者。
かつて父帝を幽閉し帝位を奪った過去があり、若いころは帝国の勢力拡大に邁進する苛烈な皇帝だったが、現在は周辺国に対しては比較的穏当な外交政策に切り替えている。
ソラとは幼少の頃に面識がある為か、好意的な態度で接している。また式部、静耶とも面識があり、式部は徹頭徹尾己にしか関心がない、静耶は心根の優しい娘と懐述。ソラはその両方の性質を引き継いでいると看破している。

  • リシャール
アドアステラ帝国皇太子。
帝国四大貴族及び中央貴族から支持を受けており皇位継承に対して盤石な基盤を有している。
かつての皇帝を思わせる苛烈さで知られており、帝国の勢力拡大に策謀を巡らしている。そのため、皇帝とは対外政策の方針や紫苑の扱いを巡って関係が悪化し始めている。
アザールと咲耶の婚約を成立させるためにクラウディアに対する工作を御剣家に依頼した張本人であり、クラウディアが慈仁坊から呪いを受ける事となった。

  • 紫苑(しおん)
アドアステラ帝国皇子。咲耶の同母弟。
現皇帝の寵姫が生んだ末の皇子で心優しい純粋な性格の少年で、初対面のソラが一種の安心感を覚えるなど人を惹きつける魅力を持つ。そのためかアマデウス2世からは深い愛情を注がれているが、皇太子として擁立する意志はない模様で、ソラからもある意味カナリア王太子アザールよりも皇帝には向いていないと推察されている。
しかし母が東部貴族出身の為、中央貴族と対立している勢力には紫苑を擁立しようとする動きがあり、帝国内に火種を抱えつつある。

  • ジード
紫苑皇子の傅役。男爵。三十代後半。
元は帝国の近衛騎士で、かつて戦場で身を呈して皇帝の命を救った事があり、その際に右腕を失っている。
アマデウス2世からは信頼されており、上記の功績により男爵位を授かると同時に紫苑の傅役に任命された経緯がある。この人事にはジードの忠誠を評価すると共に、階位の低い貴族を紫苑の側近とする事で、『紫苑に皇位を継がせる意図がない』と内外に示す意図も含まれている。

イシュカ冒険者ギルド

  • エルガート・クゥイス

イシュカ支部のギルドマスターにして、カナリア王国では指折りの第一級冒険者。レベルは『35』。
蝿の王の一件では、当初は『隼の剣』を有用と考え、ソラの懲罰要求を拒否する代わりに好待遇を約束するも断られた。
ただし、リデルと違いソラの怒りには理解を示しており、彼からの挑発的な言動に対して特に不快には思ってはいない。また、不問扱いとなった『隼の剣』にも本来なら殺人と謗られても言い訳出来ない醜行だと断言し、ミロスラフを謹慎処分にするなど、『隼の剣』の行動を肯定してはいない。
しかし、『隼の剣』が凋落して解散状態となった上に追放したソラがクラン『血煙の剣』を立ち上げて頭角を現したことで、有能な冒険者を見抜けずに手放したと見なされてしまう。
更に『隼の剣』のスキム山遭難事件では救出隊を組織する前に『血煙の剣』に救出されてしまったため、冒険者ギルドの信頼を損ない、損失を与えたとして周囲から非難されてさらに立場を悪くする。
大陸では規格外過ぎる戦闘力を有すると認識していたゴズ・シーマ達とソラが互角以上に渡り合ったのを知り、ソラの成長が自身の認識を遥かに上回る常識外な事だと驚愕した。
魔物のスタンピードや幻想種・ヒュドラの出現とその毒の汚染と立て続けに災厄に見舞われ、多大な被害を受けるもソラ達のおかげで何とかイシュカを守り切った。だが、セルゲイらに被害を受けたのは自身の無策と言い掛かりをつけられて責任を問われ、処罰の危機にさらされる。
今の状態で立場を強くしたソラから蠅の王の件で糾弾されれば自身の破滅に繋がりかねないため、現在ではソラに対して正式な謝罪の意思を示しており、書籍版ではセーラにソラとの和解の仲介を依頼しようとするが断られてしまう。

  • リデル
冒険者ギルド・イシュカ支部の受付嬢。
5年以上勤めており、イシュカ支部の受付嬢達を束ねている「長」の立場にいる。
ギルドマスターのエルガートには尊敬以上の想いを抱いている。
ソラにクビを言い渡した人物で、その時に「冒険者と職員とを問わず、当ギルドに所属している者はイシュカのために働く義務を負っているのです」という言葉を述べ冷たい態度であしらった。
ソラへの嫌悪から、悪質な行為と知っていながら『隼の剣』を庇い立てたことでギルドを含めた報復の対象にされる。
あくまでも当時のソラの追放は間違っていなかったとの主張を貫いていたが、『隼の剣』の失墜と『血煙の剣』の台頭でギルドの利益と信頼が損失してしまい、しかもソラの行動が結果的にイシュカのためになっており、妨害したら信念に反するため止めることが出来ず、苦悩と葛藤に苛まれる。
ソラの思惑に薄々感づいており、これ以上ソラと敵対するのは不味いと判断した後は、彼との敵対を深めない様に奔走する羽目になるが、前述の経緯もあってソラからの印象は最悪で、会う度に嫌悪感丸出しの嫌味を言われている。

  • パルフェ
イシュカ支部の受付嬢。リデルの同僚。
人を茶化すお調子者の性格だが、リデルの座を狙っている野心家でもある。新進気鋭の『隼の剣』を担当して鼻高々としていたが、『隼の剣』が解散状態となったことで深く落ち込んでいた。
ソラのことはリデルと同様に軽蔑していたが、台頭してきたことですり寄る動きを見せている。
また、給与の大半は寒村の実家に仕送りをしている孝行娘という意外な一面もある。

ホルス冒険者ギルド

  • セルゲイ・ウーリ

ホルス支部のギルドマスターで中小貴族の青年。
まだ20代だが、巧みな交渉術でギルドマスターに抜擢されるほどの有能。一方で、冒険者としての実績は無いため冒険者の機微に疎く、そのため彼らからの評判は良くない。
冒険者に慕われているエルガートを快く思わず、エルガート達が追放したソラの台頭と期待していた『隼の剣』が失墜した失態をこれ見よがしに厳しく非難する。さらにエルガートを蹴落とすためにソラに手を組むことを求めるが断られる。

ベルカ冒険者ギルド

  • カティア

ベルカ冒険者ギルドに籍を置くAランクパーティ『銀星』のメンバー。法神教の神官。
かつてはメルテ村に住んでおり、ラーズとイリアの幼馴染であったが、生活苦から奴隷として売られたが、『銀星』リーダーのアロウによって解放、そのまま冒険者家業に身を投じた経緯がある。
『銀星』の主要メンバーがカタラン砂漠で未帰還となってしまったため、幻想種ベヒモスを探しに来たソラにメンバーの探索を依頼する。

  • アロウ
『銀星』のリーダーで、『白騎士』の異名を持つ実力派の冒険者。
法神教のサイララ枢機卿などの法神教との関係が深い。
黄金帝国(インペリアム)の探索に強い拘りを持っていた模様で、数カ月前にカタラン砂漠で未帰還となる。

  • ジョエル
ベルカ冒険者ギルドに籍を置くAランクパーティ『砂漠の鷹』のリーダー。『黒騎士』の異名を持つ冒険者。年齢は三十半ば。
親、金、学がなかったため、実力で上を目指すために冒険者家業に身を投じた過去がある。
アロウが砂漠で未帰還になった件で、法神教に不信感を持っている。

奴隷商組合

  • フョードル

奴隷商組合に属している奴隷商人で、恰幅の良い糸目の男性。
ソラとラーズの決闘の際に中立としての立会人を務め、ソラが勝利したのを見届ける。
広い情報網を有しており、ソラがクラン『血煙の剣』を設立した後の活躍を全て把握している。その力を見込んでティティスの森深域で発見された鬼人(スズメ)捕獲の支援を依頼するが、これがスズメの危急をソラに伝える形となり、結果的にスズメはソラに保護されてしまう。
かなりやり手の人物で、バジリスクの毒により今後の毒消し薬の需要を見込み、ソラとスズメが知る強力な解毒作用を持つ『ジライアオオクスの実』に関する研究と運用を一任される形で、スズメから手を引く事を約束する。また、ソラを高く評価し、有望な投機相手と考えている模様で、ソラが冗談で言った『ひのき風呂のある豪邸』を僅か半日で探し出している。
奴隷商人としての職業意識は強く、奴隷の解放・誕生は本懐と述べている場面がある。

法神教

  • ノア・カーネリアス

法神教の教皇を務める隻眼の少女。
『隻眼の神子(みこ)』の異名を持つ、カリタス聖王国の最高権力者。
アドアステラ帝国四大貴族の一角『カーネリアス』の嫡女であり、父が枢機卿を務めていたため、すぐに法神教に帰依したが、6歳の時に神の啓示を受けたとして左眼を自ら括り抜いて聖壇に捧げた結果、神聖魔法に目覚めた経緯があり、隻眼の二つ名を得た経緯ともなっている。
それ以降は急速に力をつけ、史上最年少の神官、司祭、司教、枢機卿の就任記録を打ち立てて遂に史上最年少の教皇に就任。不死者の集会である『夜会』とは対立しており、既に不死王を三体倒すなど高い能力を持つ。
夜会に所属する不死王シャラモンとの戦闘でソラに助けられたが、同時にソラが御剣家の元嫡子である事をすぐに見抜いている。また、御剣出身のソラが鬼人であるスズメに慕われている事に衝撃を受けており、ソラの「大切な人の為なら平気で世界を敵に回す事もできる覚悟」には好印象を抱くと同時に恐ろしさも感じている。
そのため、ソラを決して敵に回さないために、ソラ個人を見極めようと心がけている。

  • サイララ
法神教の枢機卿。ベルカ市の法神教の指導者。五十歳頃の男性。
かつては『銀星』リーダーのアロウの父と共に砂漠への探索に挑んだ過去があり、『銀星』の壊滅にも心を痛めている。
ノアからの要望を受けて、ベルカに置けるソラの獣の王ベヒモス討伐の支援をしていたが、ソラがダークエルフのウェステリアを保護した事を危険視。夜会の総領がダークエルフであることを説明し、ウェステリアを引き渡すことを要求するがソラに拒否され、袂を分かつ。

鬼界(鬼門内部)

  • カガリ

灰色のざんばら髪に赤銅色の肌、額に鋭く突き出た角をもつ鬼人の少年。
鬼人たちの王、中山四兄弟の末弟で『黒狼』の名を持つ実力者で強者と戦う事を好んでいる。
また、強者との戦いで窮地に陥ってもその状況すら楽しんでおり、取り乱すことはない。
普段は闊達で陽気な性格で残忍なことは好まないが、戦での殺し合いや蹂躙は当然と考えるなどシビアな一面も持つ。
御剣家への奇襲では要塞都市「柊都」の城壁を破壊し、中山が制圧した他国の鬼人と魔物達に襲撃を敢行させる。剣聖の能力を確認する意図があったが、オウケンの敗退とソラの介入により鬼神化したイザキが倒されてしまったため、果たせなかった。
柊都に先行して潜伏していた際にソラと一度邂逅しており、ソラの実力を見抜くと共に鬼人族に伝わる腕輪に注目し、ソラに友好的な鬼人がいることを察して島から早く出ることを忠告をするなど、人間に対して一方的な敵意を抱いてはいない模様。ただし、オウケンや鬼神を圧倒したソラの実力には興味を抱いており、再会時には面と向かって「ぜひ戦ってみたい」と発言しているが、見分役は戦闘を監視し情報を持ち帰ることが任務であり、長兄アズマから戦うなと厳命もされていたため、オウケンを見捨てて撤退した。
中山の『門』攻略遠征軍では副将を務めている。

心装は『饕餮(とうてつ)
形状、能力等は不明。
饕餮は蚩尤に極めて近い存在であり、同現存在の格なら鬼界最高を謳われるほどの強力な心装。

  • オウケン
白い法衣を纏った鬼人。光神教の幹部にして五山の一つである現泰山公。軍には所属しておらず、従軍司祭として御剣家襲撃作戦に参加した。
御剣本家から法神教の神殿に避難するエマを始めとする剣聖の妻妾、侍女、子供を待ち伏せて襲撃。姿を消す神器と配下を利用し、護衛役であるモーガン、シドニー、祭、セシル達の戦闘を有利に進め、抵抗しようとしたイブキを嬉々として嬲るように痛め付けたため、ソラの逆鱗に触れてしまい、配下共々撃破される。
直後に鬼神が助けに来たため、辛うじて逃げ出したが、鬼神を倒したソラに追撃され、カガリにも見捨てられてしまい、惨殺される。
光神教の幹部ではあるが、命の危機に際して自身が知る光神教の情報と引き換えにカガリに助命を乞うなど口が軽い一面があるため、光神教の枢機は何も知らされていなかった模様。更にソラに追い詰められた際には「あなたの様な人間がいるとは聞いていない」と口走り、逃走中は「人間に謀られた」と激怒するなど、人間側から情報提供を得ていた可能性を示唆されているが、仔細は不明。

心装は「羅刹鳥(らせつちょう)
変異型の心装で烏を思わせる半鬼半獣の姿に変化する。飛行能力を有し、第九圏の風魔法を駆使する。
『愛し子』とも呼ばれる鬼神と深く繋がっている才能の持ち主の一人で、心装も強力。同時に短命という代償があり、更に父であった泰山王はこの影響で狂死しており、鬼神との繋がりを断つ術を求めて光神教に入信した経緯を持つ。


  • イサギ
巨漢の鬼人。元華山王ギエンの配下で、最精鋭『華山十六槍』筆頭を務めた猛者。
華山と中山の決戦ではカガリと相対したが、一瞬で懐に潜り込まれ一撃で昏倒させられてしまい、その後華山王ギエンがカガリに討たれたため、華山は滅亡し中山に組み込まれる。
華山滅亡後に将兵達の口減らしを兼ねた御剣家への強行偵察目的の襲撃に参加。御剣本邸を襲撃し、ラグナ(実質的にはアヤカも参戦している状態)と交戦したが、劣勢に陥ったため、鬼神『蚩尤』に対して我が身を依代としての『神降ろし』を行い、命と引き換えに鬼神化する。
ラグナに重傷を負わせ、第一旗の旗士三十数名を殺傷させるなど大暴れをしたが、ソラに敗れたオウケンの助けを呼ぶ声に反応し、御剣本邸から離れてオウケンを庇うべくソラに襲い掛かったが、敗北して死亡した。
御剣家を『裏切者の後裔』として激しく敵視している。反面で、華山を滅ぼしたアズマ王やギエンを仕留めたカガリ等の中山王家には含むところは無く、鬼門内部の逼迫した食糧事情から口減らしの必要性も理解しているため、御剣家相手への死を前提とした作戦に関しては『裏切者への報復の機会を与えてくれた』とむしろ感謝している。同時に中山王家による統一王朝により鬼人達の未来が明るいものになる事を信じている。
また、秘密主義の光神教やオウケンには不信感を持っている様で、好意的ではない。

心装は「 夸父(こほ)
太陽を落とそうとした鬼神配下の巨人の名を持つハルバードに似た心装。
イサギの膂力とあいまって破壊力は華山随一とされ、他の一山を陥落せしめると称されるほどの威力を誇る。

  • キフ
鬼人。『華山十六槍』の一人。
戦士ではなく暗殺者で、自身の力と闘い方を認めてくれた華山王ギエンに強い忠誠心を持つ。
ギエン死後は殉死を考えていたが、イサギに誘われる形で御剣家襲撃に参加。『柊都』西側の第八旗の旗士を多数殺害するが、ディアルトの荒絹の攻撃を防ぐ事が出来ずに、周囲の魔物ごと切り刻まれて戦死した。

心装は「 吊死女(つるしめ)
別名「縊鬼」。暗殺用の黒紐の心装。

  • アズマ
鬼人達の統一王朝「中山」の王。中山四兄弟の長兄。
かつて華山に敗れ、滅亡寸前まで追い込まれた中山を再建し、鬼界を統一した優れた君主。弟たちから強い尊敬の念を向けられており、カガリからは中山再建はアズマにしか不可能だったと称されている。
風貌は三人の弟と比べれば平凡の域を出ず、柔らかい物腰から文官のような雰囲気を醸し出しているため、武を重視する鬼人の王としては頼りなく写っている。
その結果、弟たちに及ばない愚兄と軽んじる向きがあるが、アズマ自身は中山では十指に入る実力者であり高い戦闘力を有している。
鬼門の奪取と現世への侵攻は鬼人族と中山の繁栄を第一の目的としており、アズマ自身は人間を殺戮する意志は持たない。この先で人間との戦火が拡大しても、必ず人間との休戦や講和が必要になるとの考えを持つ。
そのため、御剣家の剣術を扱いながら、鬼人と友好的な関係を築いているソラに興味を持っている。

心装は『渾沌(こんとん)
形状等は不明。五感を剥奪する能力を持つ。
五感剥奪能力はアズマの周囲にいる生物全てに効果を及ぼすため、対象を選ぶことはできない。ソラは自分が攻撃されなかったことから能力の使用中はアズマ自身の五感も失われていると推測しているが詳細は不明。

  • ドーガ
鬼人。中山四兄弟の次兄。『門』攻略遠征軍総大将を務める中山最強の武人。
カガリから「自分がアズマ兄と戦えば、100回中95回は勝つが、ドーガ兄は100回中100回勝つ」と称されており、カガリ以上の戦闘力を有している模様。
見上げるような雄偉な体格を持つ巌のような鬼人で、中山王のアズマより威厳があると称される風貌の持ち主。中山統一前はドーガが兄取って代わるだろうと思われており、他国から離間の計が数回に渡り画策されたが、アズマを深く尊敬しているドーガには通じなかった。
遠征軍総大将として門奪還の準備を進めている最中、中山軍の指揮官を捕獲するため陣に乗り込んできたソラと対峙する。
アズマやカガリとは違い人間に対して強い不信感を持っており、講和を結んでも利益次第で容易く破られるという考えの持ち主。兄がソラに対して一種の期待を抱いていること、ソラから鬼人に対する蔑視が一切感じられない事を理解しているが、一方でアズマがソラと友誼を結べば兄が鬼人たちから強い反感を買う可能性を恐れている。

心装は「 窮奇(きゅうき)
オウケンと同じく愛し子であり、黒、金、白の縞模様を持つ獣毛と黄玉の瞳を携えた虎の獣人に姿を変えることができる。
魂喰いの斬撃を素手で受け止め、ベヒモスを喰らい力を増したソラの膂力を凌ぐ膨大な勁と戦闘力を有している。
ドーガ自身が勁の扱いに優れており、勁の防御をすり抜けて相手にダメージを与える『勁打』(ソラの見立てでは殴打の瞬間に指向性を持たせた勁を放出し相手の肉体を介して打ち込む攻撃魔法の一種)と呼ばれる格闘術を使用する。
ソラとの戦いでは使用しなかったが空装を会得している。

  • ハクロ
鬼人。中山四兄弟の三兄。光神教司教。
人間離れした中性的な美貌を持ち、西都の民から絶大な人気を誇っている。才知に優れており、御剣家に対する強行偵察作戦の立案者でもある。カガリ曰く「ハクロの作戦は後味の悪い物が多いと苦手意識を持たれている反面で、後々必要な事だったと納得する事が多い」との事。
また、知略のみではなく戦場では負け知らずの武人で、彼を侮った敵将はみな戦場に屍をさらしており、高い戦闘力を有している模様。
オウケンの人間に謀られたという発言から光神教が御剣家と通じでいる、もしくは門の外の情報を入手する手立てがあると判断し、内偵を進めている。

  • ギエン
鬼人。五山の一つ、華山の王。
次々に五山を制圧した中山軍と対立していたが、劣勢となり、最終決戦では心装すら出せない程の満身創痍になりながらも抵抗したが、カガリに敗北してしまう。
カガリ達に鬼人達の悲願である鬼門の突破と故郷の奪還、華山兵への寛大な処置を託し、自らの角をへし折って死亡した。
かつて中山四兄弟の父を討ち取った過去があるが、その際はカガリ達を始末はせずに助命した経緯があった模様。

  • ヤマト
鬼人。崋山王ギエンの遺児。崋山が滅亡後はただ一人生き残った崋山王家男児だが、実母の立場は低く滅亡以前は王位継承権すら与えられていなかった。
西都陥落時、姉のランによって連れ出され、旧崋山残党の旗頭として担ぎ上げられている。だたし旧崋山の将兵たちからは神輿程度としか思われていない。
ヤマト本人も反乱が行き詰っている事は感じている様で自身の首と引き換えに中山へ降伏する事を提案するが、ラン、カササギ、振斗の反対により却下されてしまう。(ランは弟の身を案じたため、振斗は崋山の残党を降伏させるわけにはいかないために反対していた)
魔物に襲われた際、崋山残党に潜入していたクリムトに助けられたため信頼しており、姉が危機に陥った際は守ってほしいと頼んでいる。
ランを始末しようとした振斗に襲撃されるがクリムトに再び救われる。直後に現れた蔚塁に光神教の機密を知られたと判断され殺害されそうになるが、反乱鎮圧のために突入してきたカガリが割り込んできたため事なきを得る。
その後崋山残党は中山に降伏し、ヤマトの身柄はカガリに預けられる事になった。

  • ラン
鬼人。崋山王ギエンの遺児。ヤマトの同腹の姉で十代半ばの少女。
西都陥落時、弟のヤマトを連れ出し以後は大興山の崋山残党軍に身を寄せている。
弟のヤマトを大切にしており、崋山残党軍の反乱が八方塞がりである事を理解しながらも弟だけは逃がそうとしたり、ヤマトが自身の命と引き換えに中山に降伏する事を進言した際は真っ先に反対している。
クリムトの事を当初は中山からの回し者と疑っていたが、魔物及び振斗に襲われた際に2度も命を救われた事から恩義を感じるようになる。クリムトが蔚塁によって重傷を負わされた際にクリムトが光神教の人間ではなく、鬼人族を裏切った御剣家の人間である事を告げられても必死に庇い続けた。
蔚塁にクリムト諸共殺されそうになるが、カガリが割り込んできたため事なきを得る。

  • カササギ
鬼人。『華山十六槍』の一人。
崋山滅亡後、ヤマトを旗頭とした崋山残党軍を取り仕切っている壮年の鬼人。
元々崋山という国ではなくギエン個人に忠誠を誓っていた人物で、ギエンの遺児であるヤマトやランを神輿程度にしか考えていない。
武勇は優れているが、指揮官としては有能ではない様で反乱は瞬く間に行き詰ってしまう。また自分の意志でが起こした反乱が光神教に誘導されたものである事に気付いていない。
蔚塁の撤退後、光神教の裏切りとカガリの勁の強大さを知り、反乱を諦め降伏した。

  • 蔚塁(うつるい)
方相氏の長を務める老人。光神教信徒。
クリムトが初見で気圧されるほどの実力者。
作中では勝手な行動をして報告をよこさない振斗の状況を確認するため大興山に現れる。
そこで振斗の失態で光神教の機密をクリムト、ラン、ヤマトの三名に知られたことを悟り振斗を粛清した。
そのままクリムトと戦闘状態になり右腕を切り落としたが、直後にカガリが乱入したため彼と対峙する事となった。

方相氏の長としては特に厳格な人物であるとされ、失態を犯した配下を容赦なく斬り捨てる厳しい人物。しかし、光神教の秘密を知ったにも関わらず、ランとヤマトを光神教教皇に頼んで預けて助命する事を考えたり、殺害を決意したクリムトに対しても式部を通じて家族に対する遺言を届けさせる事を約束しようとするなと、決して非情な人物ではない模様。

  • 振斗(しんと)
方相氏の一員である30代後半の男性。光神教信徒。
40にも満たない年齢で習得に時間のかかる儺儺式を修めた剣士。
蔚塁の命令で中山を弱体化させるために、カササギが崋山残党をまとめ上げ反乱軍を形成する様に誘導していたが、反乱に呼応する旧崋山兵が想定より少なく反乱は行き詰ってしまう。
対策として御剣家に協力を要請(本人は命令しているつもり)し、反乱を撃滅した中山軍を襲わせる計画を立てる。その後タイミング良く現れたクリムトを式部が送り込んだ尖兵と誤解してしまい、姿隠しの神器を求めるクリムトに情報源として利用される。
ヤマトが中山に降伏しようとしたため、姉のランを惨たらしく殺し中山の仕業に見せかけようとするがクリムトに阻止されてしまう。
そのままクリムトにも襲い掛かるが、振斗の礙牢では弱体化こそさせたが心装まで封じることはできず呆気なく返り討ちに遭う。
直後に現れた蔚塁に報告の不備や独断専行(御剣家に対する要請)、クリムトを式部が差し向けた手勢と誤解した挙句、機密を漏らしてしまった事を叱責され、直後に首を刎ねられ死亡した。

才能はあるのだが承認欲求が強く、優越感に浸るあまり相手が聞いてもいない事を話し続けた挙句、機密情報を漏らしてしまうなど性格に問題のある人物。
御剣家に対しても儺儺式を修められず鬼人の技に頼った半端者、方相氏の従者に過ぎないと認識しているため、一貫して見下した態度で接している。

夜会

  • ラスカリス

不死者たちの集会『夜会』の主催者で、12~13歳頃の少年の姿をしたダークエルフ。
夜会第一位の実力者で、第三位のシャラモンを大きく上回る実力を持つ。
多くの裏事情に通じている模様で、「法神教や教皇ノアの目的」、「法神教とアドアステラ帝国との繋がり」などソラにも多くの事情を語ったが、ソラからはあまり信用はされていない。また、300年前の人間と鬼人の戦争に関する詳細や光神教に関しても詳しく知っている模様。
法神教教皇のノアからは敵意を持たれている模様。

  • シャラモン
夜会第三位の実力を持つ「不死の王(リッチ)」。
多くの不死の王と同様に幽世と呼ばれる霊域に本体を置き、現世には影を顕現させているため、滅ぼすことは困難な存在と化している。
教皇ノア、ルナマリア、ミロスラフを当時に相手しても戦闘を有利に進める程の実力者で、ティティスの森でノアの抹殺を図るが、ソラの『魂食い』の特性により影を切ると幽世の本体にもダメージが及んだため、ソラに圧倒されて滅ぼされた。

その他

  • 青い小鳥亭の父娘

冒険者時代、ソラが利用していた宿屋の親子。娘の名前はコロナ。
ソラからは好感をもたれていたようだが、内心ケチな客と嫌っていたようで冒険者を除名されたソラを追い出すだけでなく「今度はチップを持って来い」と嫌味を言った。
その後、再びソラが滞在し約束通り(当てつけで)毎回大金のチップを貰えるようになったが、ソラが頭角を現したことで報復されるのではないかと勝手に邪推し、怯える日々を送るようになる。

  • セーラ
イリスの母親。メルテの村の司祭。高レベルの回復魔法の使い手。
若々しい容貌で、優しく慎ましい性格だが、茶目っ気もある。ソラの母・静耶に似た雰囲気を持つため、ソラから好意を寄せられる。
かつては後に夫となるゴードンのチームで冒険者をしており、ゴードンのライバルであったイシュカ冒険者ギルドマスターのエルガートとは旧知の間柄。
ラーズ達の『隼の剣』解散とイリア達メンバーがソラの『血煙の剣』への移籍した件が穏当なものではなかった事に気付いており、同時にソラの激しく酷薄な一面がある事も理解しているなど、聡明。

  • アインツヴァイドーラ
メルテの村の子供達。セーラが面倒を見ているため、イリアの義弟妹に当たる。
メルテの村でのイリアへの報復に関する下準備としてセーラと共に交流を持ち、ソラの藍色翼獣の竜騎士として憧れを持ち、ソラ自身も食料やクラウ・ソラスに対するエサやり等で配慮したため三人ともソラに非常に懐いている。

  • ペリィ
イシュカの街で活動するクラン『死神の鎌』のリーダー。ゴズを連想させる大男で、仲間たちからの信用も厚い実力者。
過去に住んでいた村が鬼人に襲撃され、妻子を殺害された過去を持つため、ティティスの森での鬼人(スズメ)狩りに参加し、スズメの保護のために狩りに参加したソラと知り合う。
バジリスクの出現を確認したため、若手メンバーをソラに託して自身は残留。その後、バジリスクとの戦闘で落命した。
竜騎士としてのソラの実力を見込んでいたため、かなり好意的で自身のクランに勧誘しているが、断られている。また、ソラからはスズメを助けるために彼らと殺し合いになったら「後味が悪いどころではない」と感じる等、ソラからも好感を持たれていた。
書籍版では登場しない。

用語

国家・組織・地理

  • カナリア王国

第一部の舞台。首都は王都ホルス。
隣国は東のアドアステラ帝国と南のカリタス聖王国(北は海に、西は大砂漠に面している)。
アドアステラ帝国の侵略に対抗して大陸西部の諸都市が連合して設立した経緯があり、反帝国感情が強いが、帝国と正面から対抗できる国力はない。また、法神教を国教として定めてもいない。
近年は帝国からの圧力が強まっており、王政府内でも親帝国派と反帝国派に二分している。
領内にティティスの森、スキム山、カタラン砂漠といった魔獣の生息地を多数抱えているため、魔獣の被害が多い。ただし、基本的に被害は概ね辺境部の諸都市に限定され、同時に魔獣から得られる素材や資源を有効活用してきたため、国庫には余裕があり、経済基盤や民の生活は豊かな水準にある。
しかし、作中はティティスの森で発生した魔獣暴走(スタンピード)やケール河流域での毒素汚染、王都でもアンデット騒動など災害続きであるため、王太子と帝国第三皇女の婚姻を進めて、帝国からの支援を得る親帝国派が優勢になる。後に王太子と帝国第三皇女の婚姻が成立したため、リシャール皇太子と帝国派閥の目論見は成功した。

  • イシュカの街
第一部の舞台にして冒険者ギルドがある街。カナリア王国領の都市。城壁を持つ城塞都市で、魔獣の領域である「ティティスの森」の最前線に位置し、近隣に同じく魔獣生息地の「スキム山」も存在するため、冒険者ギルドの権限が強い。
二十年前にスキム山から発生した魔獣暴走(スタンピード)で被害を出した過去の教訓を活かして城塞化が行われた経緯があり、現在では魔獣の被害を受ける事も少なくなった。都市住民のギルドに対する信頼は強い。

  • 冒険者ギルド
大陸各国の主要都市に支部を持つ冒険者の管理組織。イシュカ支部や王都ホルス支部があり、本部はカリタス聖王国に置かれている。
冒険者の階級は最高位の一級から最下位の十級で区分けされており、十級の者だけは三年経っても昇級できなかったら除名される規則がある。
第一級の冒険者はカナリア王国内でも五名しか存在しない。

  • 隼の剣
イシュカ冒険者ギルドで話題になっている新進気鋭の冒険者パーティ。結成されてから僅か5年でCランクパーティにメンバーは6級冒険者まで昇格している。
メンバーはラーズ、イリア、ミロスラフ、ルナマリアの4名でかつてソラも在籍していたが、レベルが上がらないことを理由に追放されている。
蝿の王から逃走中、偶然その場にいたソラを囮にする暴挙を行う。後に生き延びたソラから糾弾を受けるが、エルガートに庇われ軽い罰則で事なきを得る。
この一件を恨んだソラから報復され、ラーズ以外のメンバーは血煙の剣へ移籍することになり、ラーズは当面冒険者家業を離れる意向を示したため、事実上解散した。


  • 血煙の剣
ソラが設立したクラン。冒険者ギルドの塩漬け依頼を受ける事でギルドの信頼を間接的に奪うために嫌がらせを目的としていたが、現状では十分な利益が出ているため、そのまま継続して活動している。

  • ティティスの森
イシュカの近くにある一国を覆いつくす程の面積を持つ大森林。蠅の王などの王クラスの魔物も生息し、最深部には最強クラスの幻想種系の魔物も生息しているとされる。
スズメがソラに出会う前に住んでいたかつて御剣家に滅ぼされた鬼人の村「カムナの里」はこの森にあり、最深部には「龍穴(りゅうけつ)」が存在する。

  • 死神の鎌
イシュカの街で活動しているクラン。リーダーはペリィ。
狩人達のチームで、ティティスの森で鬼人(スズメ)の目撃情報により鬼人狩りに参加。スズメを逃がすことを企図したソラがクラウ・ソラスを使用した人員・物資輸送に協力したため、知り合う。
最終的には蛇の王バジリスクとの戦闘で主要メンバーの大半を失い、壊滅する。
その後はソラがスズメを保護するため奴隷商組合との裏取引により表向きのバジリスク討伐は「死神の鎌」の功績となったため、生き残ったメンバーはドラグノート公爵家にソラと共に招待されている。
書籍版には登場しない。

  • 王都ホルス
カナリア王国首都。カナリア王宮やドラグノート公爵家の邸宅、冒険者ギルドのホルス支部などがある豊かな都市。
綿密な都市計画により整然とした街並みを誇り、大通りは東西と南北にそれぞれ十本を碁盤目状に形成。車道と歩道が区別し、更に車道も二本用意し、左側通行を徹底する事で渋滞も対策している。都市の完成度ではアドアステラ帝国首都イニシウムを上回っている。

  • スキム山
カナリア王国領内の赤い山容を持つ巨大な山。イシュカの街からは馬で急いでも四日は掛かる場所に位置する。
ティティスの森にも並ぶ魔物の巣窟で、グリフォンやハーピィ等の飛行能力を持つ魔獣が大量生息している。二十年前に魔獣暴走(スタンピード)が発生し、多くの街に被害をもたらした事がある。

  • ベルカの街
カナリア王国の西部国境に位置する都市で、西側に広がるカタラン砂漠の魔物に対処するために防備が整えられている。
ベルカの冒険者ギルドにはAランクパーティが二組、Bランクパーティが七組在籍しており、Bランクパーティ三組しか有さないイシュカの街よりも高位の冒険者達が集まっている。書籍版ではベルガのギルドはイシュカとは違い殺伐としており、冒険者や職員も余所者に排他的な雰囲気を持つ。

  • カタラン砂漠
カナリア王国西部に位置する巨大な砂漠地帯で、ティティスの森やスキム山と並ぶ魔物の領域。
飛竜の飛行能力でも横断する事が叶わない程の領域を誇っており、それ故に魔物の総数や生息する魔物の全貌も判明してはいない。幻想種である『獣の王ベヒモス』が正式に確認されているため、危険度は高い。
この砂漠には黄金帝国(インペリウム)と呼ばれる伝説上の都市が存在するとされている。

  • リーロオアシス
カタラン砂漠内にあるオアシスに作られた小都市の一つ。オアシスの湧水量が多い為、カタラン砂漠探索の拠点としている冒険者が多い。

  • アルウェトオアシス
カタラン砂漠内にあるオアシスに作られた小都市の一つ。未踏破区域に最も近いオアシスであり、魔物の襲撃を受ける事も多い。

  • 銀星
ベルカの冒険者ギルドに属するAランクパーティの一つで、構成員は二十名超えの大型チーム。リーダーは『白騎士』のアロウ。
同じAランクの『砂漠の鷹』とは実力や実績が拮抗しており、ライバル関係にある。
しかし、数カ月前に砂漠の未踏破区域調査で主力メンバーの大半が未帰還となり、ほぼ壊滅状態に陥っている。
所属メンバーはカティア。

  • 砂漠の鷹
ベルカの冒険者ギルドに属するAランクパーティの一つ。リーダーは『黒騎士』ジョエル。
『銀星』と同等の実力を持つが、『銀星』が事実上の解散状態に陥っているため、現状では事実上唯一のAランクと見做されている。

  • 森の王国アンドラ
カタラン砂漠内に存在するエルフ種の王国。ウィステリアの故郷。
領域の中心部に存在する龍穴「奈落」の影響で国土の大半は樹海が形成されており、砂漠の中でも生存圏を確保している。
隔絶した領域を生存圏とし、アンドラ人の結界が幾重にも張られている。更には結界周囲を幻想種のベヒモスが徘徊しているため、原則として人の世界とは交流はない。アンドラでは外の世界の存在を知らない者も多い。
ベヒモスを「神獣」「大いなる獣」と呼ぶが、特に信仰の対象になっている訳ではない。
龍穴を有するためか、住民が鬼ヶ島同様に「同源存在(アニマ)」を有する事があるが、制御法を確立していないため、「悪魔(デーモン)」と呼び、強大な戦闘力から恐れの対象となる。「悪魔」に憑かれた場合は下記のベヒモスを利用して処刑される。

  • アドアステラ帝国
カナリア王国の三倍以上の国土を有する東方の大国。首都は帝都イニシウム。
着物や漢字(東方文字)など和風の文化が見受けられる。
有力な大貴族としてアズライト、パラディース、カーネリアスが存在する。
御剣家も大貴族として帝国に属しており、御剣家を含めて帝国四大貴族と呼ばれる。ただし、帝国第三皇女・咲耶の言によると「御剣家は国政に関わらぬゆえに表に出ることはない」とされている。
リシャール皇太子を支持する主要貴族による中央貴族と、末子の紫苑皇子を担ぎ上げようとする東部貴族勢力と後継者問題を絡めた内部対立が存在し、帝国内の火種となっている。

  • 鬼ヶ島
ソラの故郷で、御剣家が統治する島。古名は『青林島』であり、青林八旗の名称の由来となっている。『鬼門』と呼ばれる鬼神を封じた場所があり、鬼神の呪いによって大陸とは比較にならない程に強力な魔獣や妖怪が跋扈する危険な島。要塞都市「柊都」以外には住める場所がない。
大陸との交通は一日二回の定期便しかない。

  • 柊都(しゅうと)
鬼ヶ島で唯一の都市にして、御剣家の本拠地。七芒星の城郭を有する要塞都市で、七つの防御郭には青林旗士の第二~第八旗が駐屯して外側の防備を担当している。更に都市中心部は鬼門が存在し、第一旗が守護しつつも平時は各部隊の後詰の役割を担う。
建設から三百年間は難攻不落の歴史を誇っていたが、鬼門内部で中山王朝が五山統一を果たした最初の襲撃で都市各所の城壁がカガリによって破壊されてしまう。

  • 御剣家
アドアステラ帝国四大貴族の一角。
鬼ヶ島を統治し、帝より要塞都市「柊都」中心部にある「鬼門」の守護を命じられた一族。ソラはこの家の出身。
一応は貴族として帝国に属しているが、内実は一種の独立国家に近い。
国政に関与せず、国家間の争いには『侵さず、侵させず』を旨とし、帝国が侵略を受けない限りには参戦しないとされている。
しかし、実際は帝国の皇帝や帝臣からの依頼による陰謀や暗殺などといった表沙汰にできない汚れ仕事全般を請け負っている実情があり、実例として慈仁坊に命じて呪術によるクラウディアの婚約破棄および暗殺を実行させている(後に判明するが、実際に主導したのはギルモア)。慈仁坊は婚約破棄には成功させたが、暗殺はソラに阻止されて失敗した上、交戦して戦死している。ただし、式部自身は帝国の国政には興味はないらしく、依頼自体は全く重要視していない。
「滅鬼封神」を唯一絶対の法としているため、他国の法を平然と侵して鬼人抹殺に動いており、そのために他国で諍いを起こす事もある。
帝臣の中には強すぎる御剣家を警戒し、隔意を示している勢力も存在する模様。

  • カリタス聖王国
カナリア王国南部に位置する国家。法神教の総本山で、大地母神や戦神などの様々な宗教施設の本殿が置かれている信仰の中心地である宗教国家。
冒険者ギルドの総本部はこの国に置かれている。

  • 法神教
大陸で最大の信徒を有する宗教組織で、カリタス聖王国に本拠を置く。アドアステラ帝国では国教に定められており、御剣家の宗教も法神教に則って行われている。
現教皇のノアは帝国四大貴族の一角であるカーネリアス家の出身で、現当主の子でもあるため、カーネリアス家との繋がりが非常に深い。
鬼門内部の宗教組織「光神教」が組織の前身であり、300年前の人間と鬼人の争いでは光神教の一派が鬼人側に与した結果、鬼人敗北後は多くの人々から邪教と見なされ排斥されたため、現在の法神教と名を改めた経緯がある。

  • 夜会
不死の王(リッチ)達による集会。法神教と激しく敵対している。

  • 鬼門
鬼ヶ島唯一の生活圏である要塞都市『柊都』中心部に存在し、外見は朱色に塗装された巨大な鳥居。鬼神が封じられたとされ、鬼門から溢れる鬼神の魔力が世界を侵食し続けているため、鬼ヶ島の魔物は異常な強さを持つ。
実際は鬼門内部には『鬼界』と呼ばれる赤錆色の空と草木も生えない土と石だけの現世とは別次元とも呼ぶべき世界が存在し、かつて御剣家の祖先達により封じ込められた鬼人達による『五山』と呼ばれる5つの王朝が乱立している。
ごく僅かな耕作可能な土地を巡って争い続けていたが、『五山』最弱とされていた『中山王朝』により鬼人勢力の統合が成立し、人類に牙を剥く。

  • 中山
鬼門内部の鬼人達の王国。鬼人達の五つの王朝群、『五山』の一つ。かつては『五山』では最弱であったとされ、一度は華山によって崩壊し、国とも呼べない流浪の集団にまで落ちぶれたが、中山王の遺児達である四兄弟により復興。各王朝を次々に併呑し、五十年振りとなる鬼人族の統一王朝を実現する。
現在は鬼界最大都市である旧華山首都『西都』に王府を置き、御剣家との戦争と故郷の奪還を進めている。

  • 西都
鬼門内部(鬼界)の最大都市で、旧華山首都。現在は中山統一王朝の王府が置かれており、鬼人族の中枢都市となっている。

  • 華山
『五山』の一つ。中山王朝以外に最後に残された勢力だったが、中山軍に敗北し、併呑された。

  • 泰山
『五山』の一つ。中山王朝に敗れ、併呑されたが、泰山王家は泰山公家として中山王朝内でも存続している。五山の中でも早くから光神教に帰依していた過去がある。

  • 光神教
鬼門内部での鬼人達で信仰されている宗教組織。
300年前の人間と鬼人との争いの際に唯一鬼人達に味方した人間組織であり、当時多くの鬼人を救い出したとされている。光神教に入信しても鬼神の加護は失われないため、現在の五山の鬼人達にも一定の信者たちが存在する。
多数の神器を有し、御剣家に争いを仕掛ける中山王家にも協力体制を取る。

  • 方相氏
光神教が抱える実戦部隊。
古くから魔除け、魔物の討伐を担う集団であり、四ツ目の鬼面を被り人々を守り続けた滅鬼の士。
しかし、人の身でありながら悪鬼を討ち滅ぼす強さから次第に人々から恐れられ「鬼」と呼ばれ排斥されてしまう。
作中の時間軸から300年前に光神教と関わり手を結んだとのこと。(時期から見て光神教が邪教扱いされていた頃に結びついたと思われる)
人間の守護者を自負する方相氏は人外の力に頼る事を強く忌避しているため、鬼人を技術である心装はおろか攻撃魔法、精霊魔法、神聖魔法の類も扱わず、儺儺式と呼ばれる独自の剣術で戦闘を行っている。

御剣家は源流を辿れば方相氏に行き着く様で、実は現在でも繋がりがあるが、この事実は御剣家内では徹底して伏せられている。

御剣家関連

  • 幻想一刀流

御剣家の流派。心装を使用する流派で、高い戦闘力を誇っている。
初代剣聖が生み出した流派であるとされているが、実際は300年前に鬼人達の秘術を学び、参考にした流派で鬼門を潜った青林旗士のみ、その事実を伝えられる。

  • 青林八旗
御剣家配下の鬼ヶ島を守る防衛部隊で全員が幻想一刀流を操ることができるが、全員が心装使いという訳ではない。
青い陣羽織がそのトレードマーク。
ソラが非才であった頃を知る者が多いため、現在でもゴズ達の『ソラが心装を得て、幻想種クラスの魔物を単独撃破した』という報告をラグナとギルモアを中心に全く信じない等、未だにソラに対する侮蔑が蔓延している。
しかし、鬼ヶ島に出現した鬼神にラグナが完敗し、逆にソラが単独で討ち倒してしまったため、ギルモアが事実と功績の改竄に動く(これは式部に退けられる)など青林旗士の一部には動揺が走っている。
第一旗~第八旗と部隊編成が行われており、判明している部隊概要は下記の通り。また、部隊内での序列が存在し、第一位が旗将、第二位が副将を勤める。

第一旗:当主直属。他の隊なら上席に位置する実力者が一般隊員として所属している最精鋭部隊。鬼門守護担当。所属する条件として心装の会得が定められている。双璧の二人とゴズ、「黄金世代」のウルスラが所属している。ゴスの妹セシルもかつてはここに所属していた(式部の側妾になったため離脱)。

第四旗:島外任務担当。島での戦闘に耐えられない・有効ではない旗士達を対外戦力として当てているため、実力は全部隊最弱。青林八旗内でも軽んじられているが、大陸基準では絶大な戦闘力を持つ。所属者は慈仁坊とヘイジン。

第八旗:新兵が多く、心装未習得者が多数所属(新兵教導担当?)。旗将は慎重な人物が務めている。

  • 黄金世代
御剣家でソラの同年代の門下生達の総称で7名が該当。
一年代にこれ程の才能の持ち主が集まることは珍しい為、御剣家で注目される反面で当時非才と見做されたソラへの蔑視が増大する理由の一つにもなった。
序列は下記の通り
第一位:アヤカ・アズライト
第二位:御剣ラグナ
第三位:ウルスラ・ウトガルザ
第四位:九門 祭
第五位:シドニー・スカイシープ
第六位:クライア・ベルヒ
第七位:クリムト・ベルヒ

  • 四卿(よんけい)
御剣家当主を支える重臣の称号。「司徒」「司空」「司寇」「司馬」の役職を指す。
青林旗士の会議ではこの四卿と各部隊の旗将・副将までに発言権があり、例え御剣家嫡男でも発言は許されない。
ギルモアはこの四卿の全てをベルヒ家のみで独占しようと暗躍している。
司徒:ギルモア・ベルヒ
司空:不明
司寇:ベルヒ家関係者
司馬:ゴズ・シーマ

  • 双璧
青林旗士の中で、当主を除いた最高戦力の2名のこと。
第一旗旗将「ディアルト・ベルヒ」、第一旗副将「九門淑夜」が該当。

  • 心装
簡単に言って仕舞えば「同源存在(アニマ)」と呼ばれるもう一人の自分を武器にしたものとされる。より使いこなせば「空装」と呼ばれるより強力な戦闘力を有した形態になる事も可能。
御剣家初代当主が300年前に生み出されたものとされ、心装使いは全て御剣家の管轄に置かれる。
同源存在は大別して「固有(ユニーク)」と「世界(ワールド)」の2枠に大別する事ができる(Web版のTips①より)。
前者は個人的無意識(使用者固有の記憶)から生じ、後者は集合的無意識(人の種としての記憶)から生じた同源存在となる。原則として「世界」の方が強力な心装となる事が多い。
更に上位クラスの同源存在は、下記の名称で区別される(Web版のTips②より)。
太極:Sランク。御剣三百年でも認定されたのは初代剣聖、十七代剣聖の式部を含め3名のみ。
両儀:AAAランク。
四象:AAランク。このランクの実力があれば、剣聖に至れる可能性がある。
八卦:Aランク。青林旗士の旗将クラス。

  • 勁(けい)
魔術師風には「オド」とも呼ばれる体内で生み出す魔力の事で、本来は一般的な魔術師が使用する自然界が生み出す魔力「マナ」よりも弱い力だが、上記の心装使いは膨大な勁を生み出すので、本職の魔術師を上回る力を発揮する。御剣家の心装使い達である幻想一刀流では勁の上達は欠かせないものとなる。

  • 滅鬼封神(めっきほうしん)
御剣家に代々伝わる家訓あるいは掟のこと。
鬼人を媒介とした鬼神の現出を防ぐべく、鬼人の即時抹殺を前提としているため、御剣家および御剣家に仕える者にとって、この滅鬼封神は絶対遵守すべき唯一の法であり、他国の法やしきたりには絶対に従わない。
仮に他国で罪人になろうとも、ゴズ曰く「鬼人を放置する害に比べれば、我らが咎人(とがびと)になるなど安い代償」との認識でしかなく、鬼人を匿ったり、自分たちの行動を妨害した者達は程度や身分に関係なく反逆者として殺害し、場合によっては一族郎党の殲滅も厭わない。
そのような非道も御剣家では「正しき行い」と称賛され、この家訓や掟に従わなかったり逆らった者は厳罰の対象となる。

一方でこれらを揶揄されたり侮辱されることは、御剣家と旗士にとっては何物にも代えがたい屈辱と恥辱になるようで、ソラに「滅鬼封神の掟のためなら嘘も方便、殺生は武略。それが御剣家」と直言(これにはゴズ、クライア、クリムトがスズメを奇襲した際の言動に対する皮肉も込められていた)された際、ソラに御剣家への帰参を説得していたゴズは一切の反論ができなくなり、ギルモアを始めとした多くの旗士も怒りを露わにしている。

  • 島抜け
旗士が鬼ヶ島から無断で脱走する行為のこと。
その罪は滅鬼封神の掟に背くよりも重く、どんな事情があろうと死罪になったとしても抗弁できない。
御剣家設立以来の300年間で島抜けを成功させた者はいないとされている。しかし、ギルモアとディアルトの姦計によりクリムトを助けるためにクライアが島抜けを敢行。ベルヒ家の陰謀によるものであるため、追っ手や追撃は行われず、結果的にソラの元まで辿り着き、島抜けを達成してしまっている。

鬼人・鬼界関連

  • 鬼人(きじん)

幻想種の一角である鬼神を崇めるという亜人種族。男性は一本角、女性は二本角を額に持つ。
鬼人族の額の角は体内魔力(オド)生成器官としての力を秘めており、高品質な魔法媒体として珍重される。300年前に人間との争乱に敗れた種族であるため、人間からは迫害を受けている。
鬼門内部に住まう鬼人達は蕎麦すらろくに実らない土地を巡って争っている。
心装使いも存在し、蚩尤の加護を得た者は現人神の如く崇拝され、王族として君臨していることも珍しくないと言う。
また、角の数が多い女性の方が魔力値が高い傾向がある。
詳細は不明だが、人間を裏切者とみなしており、特に鬼人を問答無用で殺しに来る御剣家を憎悪している。

なお、亜人はエルフ族、獣人族の他にドワーフ族もいるようだが今の所設定のみ。

  • 蚩尤(しゆう)
鬼神。鬼人達が崇める神。鬼人族ではあらゆる武具を開発した兵の神として信仰されているが、人間達の間では幻想種の一種ともされる。
全ての鬼人族の「同源存在(アニマ)」であり、角を媒介に蚩尤と鬼人は繋がっている。そのため鬼人族の心装はすべて蚩尤の一面を示すものとされている。

  • 鬼神化
鬼人が自らを依代にすることで鬼神を降臨させること。人間世界で言う「神格降臨(コール・ゴッド)」にあたる魔法の一種。
人間が神格降臨を行うには教皇クラスの器が必要で奇跡とも呼ばれるほどだが、角を媒介として鬼神と繋がっている鬼人族は比較的容易な条件で神を降ろすことが可能。
しかし神を降ろすには人の器は小さすぎるため、鬼神本来の強さを再現することは出来ない。
作中では華山十六槍筆頭のイサギが御剣家襲撃時に鬼神化を果たす。現界時間は短く戦闘力は十分の一程度だったが青林旗士最精鋭の一旗を三十人以上殺傷するなど高い戦闘力を発揮した。
強大な力ゆえ鬼門内部で鬼神化を行うことは禁じられている。

  • 中山四兄弟
五山の一つに数えられながらも弱小勢力に零落した「中山」を立て直し、鬼界の統一王朝にまで導いた中山王家の四兄弟。
長男に中山王「アズマ」、次男に鬼人最強の武人「ドーガ」、三男に光神教司教「ハクロ」、そして四男に黒狼の異名を持つ武人のである「カガリ」の四名。
全員が優秀な能力を持ち、兄弟関係も極めて良好な関係を維持しており、鬼界統一までの戦乱では数多の敵対勢力が兄弟間の離間を図ったが、一度も成功していない。

  • 崋山十六槍
五山の一つ「崋山」において崋山王ギエンが最精鋭の戦闘力を持つ武人達に与えていた称号。筆頭はイサギ。
崋山滅亡後は十六槍関係者の一部は中山軍に編入されており、御剣家襲撃作戦に参加。イサギやキフの他にも多数の十六槍が参戦し、一定の戦果を挙げたが全員が戦死した。
崋山残党による中山への反乱軍にも十六槍の一人であるカササギが指揮官として参加しており、まだ生き残りは存在する模様。
十六槍の名の通りに、任命された者が十六名いたのかは不明。

  • 愛し子(めぐしこ)
鬼人達の中でも特に鬼神「蚩尤」からの加護が厚く、同源存在としての繋がりが深い者達の総称。
心装を展開すると武具の現出ではなく肉体が変異し、鳥や虎といった動物の特徴を現した姿となり、強大な戦闘力を有する。御剣家では「変異型の心装」と定義されている。
戦闘力を重視する傾向が強い鬼界の鬼人達からは現人神の如く崇められ、五山に数えられた各王朝の支配者層の多くが愛し子であったとされている。
ただし、その能力と引き換えに短命な者が多いとされており、鬼神から祝福された存在として見られているが、愛し子の中には鬼神の加護を「呪い」として忌む者も存在する。

  • 祈りの腕輪
鬼人族に伝わる送った相手の無病息災を祈る腕輪。
葦の茎から葉を払い落として細かい細工を施したブレスレットで、スズメは幼少の頃に母から「病魔を遠ざける腕輪」として教わっており、鬼ヶ島へ一時帰郷する際にスズメからソラへ送られた。
鬼界内部の鬼人達にも「贈った相手に幸多かれと願う祈りの腕輪」として一般的な品であるため、少なくとも300年以上前から作られてきた物であることが伺える。
柊都に潜入したカガリがソラに注目する最初のきっかけを作り、中山王アズマも外の世界に鬼人の生き残りがいることを知り、同時に鬼人と友好関係を持つソラを将来的な鬼人と人間の講和の架け橋になる事を期待する様になる。

  • 姿隠しの神器
光神教が多数保有する神器。高徳の神官がその身に神を降ろして作り出した護符を黄金色の腕輪に取り付けた物。
文字通り自らの姿を隠匿しながら自在に動き回る事が可能で、この腕輪を使用して青林旗士の最精鋭である第一旗が固める鬼門の守備を素通りし、柊都襲撃事件を引き起こす。
ただし、完全に姿・気配を隠すものではなく、相手に近づき過ぎると気付かれてしまうこともある模様。
また、早くから光神教に帰依していた泰山公家は独自に多数の姿隠しの神器を保有している。

  • 儺儺式(ななしき)
方相氏が扱う独自の剣術。
自身を起点に範囲内にいる者の勁を極限まで削り取る結界術式『礙牢』を主軸に編み出した鬼人殺しの剣。
人外の力に依らず、人の力のみで鬼人の心装に対抗するために編み出された戦闘術で、使い手によっては心装の維持はおろか初歩の勁技すら使えないほどに弱体化させることも可能。
一方で会得は相当な時間がかかるようで、蔚塁から高い才能の持ち主とされる振斗は礙牢の会得に十年以上、儺儺式の会得に更に十年以上の時間をかけている。
そのため、使い手が少ない上、剣士として働ける実働期間も短いという問題を抱えている模様。(現に儺儺式の使い手で一番若い振斗が40近い年齢であるため会得に相当の時間がかかる事が分かる)

その他

  • 幻想種

血肉を得た災害とまで恐れられる最高位の魔物。一匹が出現したら国の存亡にも関わる程の力を持ち、王クラスの魔物の力を遥かに上回る。
該当する魔物は八つ首を持つ「猛毒の多頭竜ヒュドラ」、「獣の王ベヒモス」など。
竜種、巨人種等の種類が存在し、特に竜種が最強の力を誇る。ソラの「魂喰い」も幻想種に連なるものとされる。
討伐に成功した場合、国から叙勲が行われたり、『竜殺し(ドラゴンスレイヤー)』『神獣殺し(ホーリースレイヤー)』等の称号で呼ばれることがある。
極めて膨大な魂を保有しているため、ソラは強くなるために積極的に幻想種を狩るための行動を行っている。

  • 王クラス
幻想種には戦闘力は大きく劣るが、出現が確認されたら即座に正規軍派遣による駆除が行われる災害級の魔物。
「蠅の王」や「蛇の王バジリスク」などが該当し、鬼ヶ島に生息する「土蜘蛛」も王クラスの実力を持つ。

  • 奴隷
ほとんどの国にあるいわゆる身分外の階級で廃止されているのは南の聖王国のみ。
実態は様々であり、技能に応じて金額が変わりある程度権利が認められたものも存在する。

  • 魔法
自然界の魔力「マナ」や体内魔力「オド」を使用する事で発動させる事が可能。本来の魔導師は「マナ」を使用して魔法を行使する。地水火風が基本属性となる。
魔法の序列は最下級の第一圏から最上級の第九圏まで区別される。大陸で第九圏を使用する魔法使いは聖賢(ロード)と称えられ、魔術史に名を刻む事になるが、カナリア王国の最も優れた魔法使いである宮廷魔術師達でも第七圏が限界であり、滅多に現れない領域であるとされる。
更に魔法構築の際に正しく改変された通常の魔法である「正魔法」と、正当に改変されていない原初の魔法「蝕魔法」の二つに区別する事も可能で、蝕魔法は使用者にも心身の変化を強いるため、使用には多大なリスクを被る。

  • 精霊魔法
術者が精霊に願いを掛けて、精霊が願いを叶えるという手順で発動させる魔法。
通常の魔法と違い詠唱は必要なく、願う内容によって効果を変えられる為、様々な状況に対応可能なメリットがあるが、効果を細かく定める程術の成功率は低下する、術者の力量によっては願いを無視される、最悪の場合では敵対行動さえ取る場合があるなどデメリットも存在する。

  • クラン
冒険者ギルドから独立したフリーの冒険者パーティのこと。
ギルドの恩恵を受けられないかわりに、ギルドの束縛を受けることもなく、ギルドに報酬を中抜きされることもない。イシュカの街だけでも三桁ほどのクランが存在するが、ギルドとは違い自力で依頼や顧客を集めなければならないため、ほとんどが開店休業か何でも屋状態になっている。
ソラも追放された後に『血煙の剣』を結成する。結成目的はイシュカ冒険者ギルドへの報復で、結成前にギルドの大量の塩漬け依頼をこなすことで信頼と顧客を確保し、同時にギルドの依頼遂行能力に疑問を抱かせた上で顧客を奪うためでもあった。

  • 龍穴(りゅうけつ)
大地に空いた巨大な穴で、膨大な魔力(マナ)を無尽蔵に放出し続ける一種のエネルギーポイント。龍穴は繁栄の象徴ともされる。
ティティスの森の最深部に存在し、巨大な大森林と強力な魔物を生み出した元凶。
他にもアドアステラ帝国首都イニシウム、カリタス聖王国の大腐海、アンドラの奈落も存在するとされる。

  • 魔獣暴走(スタンピード)
ごくまれに発生する魔物の暴走。イシュカでは20年前にスキム山脈、本編中にティティスの森で発生している。
発生した場合、大量の魔物が移動を開始し、進路上に町があれば甚大な被害を被ってしまう。
20年前にスキム山脈から発生したスタンピードは活性化した火山の影響で魔物の生態系激変したためと推測されている。
本編中のスタンピードの発生には龍穴が関わっており、龍穴からヒュドラが顕現した結果発生した。

出版

アース・スターノベル:既刊5巻

関連タグ

「お前ごときが魔王に勝てると思うな」:主人公が劣っていて追放されるが、後に異質の能力を持つと判明。という境遇繋がり。
戦極姫:作者が連載していた『聖将記』の二次創作元。
追放もの

外部リンク

反逆のソウルイーター ~弱者は不要といわれて剣聖(父)に追放されました~ - 小説家になろう
反逆のソウルイーター ~弱者は不要といわれて剣聖(父)に追放されました~ - コミカライズ
反逆のソウルイーター

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