「メカは死なない。ネジ一本、歯車一個になっても永遠に不滅よ!」
概要
本作の敵組織・ジャマールの3幹部の1人で、戦闘メカ軍団の軍団長を務める。元来はジャマールのコンピューターに取り付いていたコンピューターウイルスであり、自己増殖の果てに肉体を得て現在の姿に至っている。
ドレッドヘアのように頭部から伸びた無数のチューブと、丸眼鏡をかけたかのような目、それに名前とは相反するような(※)白を基調とした出で立ちが特徴。ハイテンションかつエキセントリックな性格の持ち主で、特に物語中盤以降はCV担当の千葉のキャラクターも手伝い、アドリブめいた台詞の割合も増えるなどコメディリリーフとしての側面が強まっていった。
右手のオペハンドからは電撃を放出する事も出来る他、身体から切り離して単独で動かす事も可能である。同格の幹部であるジェラやギガロに比べると戦闘能力の面では心許ないものがあるが、それでも自身の開発した武器を装備し、ビーファイターとも度々干戈を交えている。
機械こそ不老不死の存在であると豪語し、生物を生臭いと嘲り見下すなど、徹底した機械至上主義者でもある。そうした思想からか首領ガオームへは必ずしも心服している訳ではなく、実際ガオームが、永遠の生命をもたらすという異次元生命体・セントパピリアの捕獲へ方針を転換した際には、三幹部の中で唯一これに否定的な見解を示してもいる。
また物語終盤ではジャマールホールによって地球が滅んだあかつきに、荒廃した地球をガオームより譲り受け機械帝国を樹立する事を目論み、ジャマール離脱後もその野望に拘泥するなど、全ての機械を統べる存在への憧れを覗かせてもいる。
(※「シュヴァルツ」とは本来、ドイツ語で「黒」を意味する語句である)
結末
物語終盤、前述したようにジャマールの方針が、地球侵略からセントパピリアの捕獲へと転換する中でこれに不満を抱き、また自身が作り上げた「兄貴」であるマッチョNO.5との共闘と別離を経て、「弟」の理念の正しさを証明しようとした彼の意思を汲む形で、より一層機械至上主義へと傾倒していく事となる。
さらにその後、セントパピリア捕獲のための最終作戦として、存在するもの全てを飲み込むという究極の次元の裂け目・ジャマールホールの生成にガオームが踏み切ると、その完成のためのエネルギーを確保すべく、自己改造により強化を遂げたギガロと共同戦線を組み自らも出陣。その際前述の通り、この作戦が成功した後には機械帝国の樹立のため、ジャマールを脱退する事を明言しているが、紆余曲折を経て作戦が頓挫しかかるに至って、最早ジャマールホールなど当てにせんと吐き捨て、自らの手で野望を達成する道を選択。自身の身体を戦車形態・シュヴァルツタンクへと変化させビーファイターへと挑むも、ビートマシンのフォーメーション戦法の前に敢え無く散った。
・・・かに思われていたが、実は頭部のみが生き残っており、舞も含めた人間たちを「帝国の民」たる機械たちの動力源とすべく誘拐した上で、とある廃工場を隠れ家として野望達成を目論む。
失われた身体を補うように、次々とマネキンに取り付いてビーファイターに応戦するなど、「不老不死の存在」を自負するが故のしぶとさを見せつけるが、一方で先の戦闘でのダメージからか、窮地を救ったジェラさえも機械の動力源としようとしたばかりか、囚われの身となっていた舞の存在すら全く認識出来ないでいるなど、頭脳回路に異常を来しより狂気の度合いを深めてもいた。
拓也・大作の乱入により囚われていた人々も奪回される中、ブルドーザーや巨大な石仏と合体して執念深くビーファイターと激戦を繰り広げるが、結局メガビートキャノンの前に石仏諸共木っ端微塵に吹き飛ばされ、それでもなお破壊を免れた首は爆発の余波で宇宙空間へと放り出されてしまう。
「俺は死なない・・・メカは死なないのだ!
死にたくても、ネジ一本になっても・・・永遠に死ねないのだ・・・」
こうして、機械の不死性に拘り続けていたシュヴァルツは、それ故に自ら命を絶つ事すら許されないまま、地球の軌道を衛星として回り続けるという皮肉な末路を迎えるのであった・・・