概要
東南アジア諸国や日本では沖縄県に多く生息している大型のカニ。
日本では本来沖縄が主な生息地なのだが、適応力は高いようで静岡県や高知県等の温暖な沿岸部に
少数が生息する他、近年ではなんと東京湾でも生息が確認されている。
英語ではmudcrab(泥蟹)で日本語ではマングローブガニやドウマンという別名がある。
下記の3種ごとに微妙に特徴は異なるが、丸い甲羅で分厚く強力なハサミを持った形質で共通している。
ガザミと名は付くが本家ガザミとは違う種であり、甲羅の形も丸みを帯びている等異なる。
しかし同じワタリガニ科なので第五脚はオールのような形になっており、
ある意味ではガザミとは親戚ともいえる。
食性は肉食性の強い雑食で魚は勿論のこと、貝類やほかのカニをも
後述するハサミで粉砕して捕食しているようだ。
ハサミは大きく切るより潰すのに特化しており、その力も平均個体で800㎏に及び、
特大の個体になるとなんと1tにも及ぶと言われ、乾電池を容易くひしゃげ潰し、
ボールペンも細い枝のように簡単に折ってしまう程。
そんな強い力で人間が指を挟まれでもすればひとたまりもないのは確実である。
非常に美味であり、高級食材ではあるが生きた個体を捕獲するのは
危険性も高いので素人にはあまりオススメしないとも言われる。
市場でも安全の為にオマールエビと同じく通常はハサミを縛られて売られる。
主な種類
- アミメノコギリガザミ
- アカテノコギリガザミ
- トゲノコギリガザミ
余談
沖縄県などに生息している大型のシジミの一種シレナシジミの大型化の原因であり、
ノコギリガザミのハサミに耐えられるように分厚く壊れにくい構造の貝殻に進化したという説がある。
それでも小さな個体などは砕かれてしまうようでこの貝がいる場所には近くにノコギリガザミがいることも多いとのこと。