概要
《無杖》のスキルを持つ〝杖〟の聖女。
曖昧さ回避
人物
一人称は「私」。城塞都市オルグレンにて生を受け、神秘的な輝きを放つ〝聖杖〟に選ばれた。
丁寧で落ち着いたような言葉をしているが、感情的になる一面を有している。
聖女であろうとする一人の女性
聖女である事に誇りを持ち、日々人々の安寧のためにその役割を全うしている。
人々の希望である聖女として厳格に振舞っており、聖女でありながら自分の快楽のために生きている者に対しては嫌悪を隠さない。
これは「聖女として生まれ落ちた自分の生は、全てこの世に生きる人々の為のもの」という考えが起因である。
だがそれは「聖女として正しくあろう」とする為に色事といった「聖女にそぐわないもの」を自分の中から排除しており、マグメルの生き方は常日頃から自分を抑え込んでいる様なモノであった。しかし彼女とて人の子であり、ましてや二十代位のうら若き女性。そんな人がひたすら我慢に我慢を重ねるのがどれだけ困難なのかは言うまでもなく、結果マグメルは人知れず大胆な下着を履くという人目につかない形で「聖女らしかぬ事をする」行為に目覚めてしまった。
とはいえ恥じらいがない訳ではなく、アルカディアによって周囲に下着を見られてしまったときは激怒して王座から立ち去ってしまった。
魔物による城塞都市オルグレンの侵攻が激化し、マグメルも含めた兵たちが防衛の為に戦線に趣いたが、強大な力を持つ聖女であれど無尽蔵に湧いてくる魔物との戦いで消耗し、聖杖に体重を預けなければ立つこともままならなくなった。
そのタイミングでワイバーンが迫って来るという絶体絶命の危機に陥る。今のマグメルではワイバーンを打ち落とす事も、その場から逃げ出す事も出来ない以上、最早これまでかと思ったその時、ある者の介入によって事なきを得た。アルカディアと共に行動したイグザである。
救世主によって変わっていった〝杖〟の聖女
イグザに助けられた事で騒然としながらも、マグメルは一人でなんとかしようとイグザを突き放そうとする。
イグザ「――いいから黙って俺の言うことを聞け! お前が必要なんだ!」
「……は、はい」
それに見かねたイグザに一喝された事で、傷ついた……のではなく、何かが変わり始めてきた。
さっきまでイグザにもトゲのある態度をとったマグメルが急にしおらしくなり、寧ろイグザに対して頬を染めていった。
アルカディアから「潜在的にはMなのだ。恐らく押しにはめっぽう弱い」と評していたが、マグメルの反応を見るあたり、あながち間違いではないだろう。
ともあれ彼のサポートで回復したマグメルは、魔物の軍勢を退ける事に成功。イグザに「お前も俺に頼れ。聖女だからと全部一人で抱え込むな」と諭された結果、彼に対して好意を全開にした。
これによって今まで我慢したものが一気に弾けてしまい、聖女特権を行使してイグザとアルカディアが手配した二人用の部屋に泊まるなど、前とは打って変わって「欲望に忠実な聖女」と化した。
しかし見方を変えれば「自分を抑圧する事はなくなった」証左であり、砂漠地帯の熱気で疲弊した時は以前のように無茶をせずに宿で安息を取っていた。
術技
- サンライトヴァーミリオン
彼女が得意とする最上位光属性術技。
魔物の軍勢を焼き払うだけの威力を持つが、発動する度に体力を消耗するという欠点があった。
発動時は「穿ちなさい! 清浄なる光の牙――サンライトヴァーミリオン!」と叫ぶ必要がある。
- グランドテンペストファング
風の女神トゥルボーから習得した風属性の術技。
吹き荒れる風の奔流で対象の身体を切り裂いていく。
スキル
- 《無杖》
ヒヒイロカネから作られた聖具の一つ、聖杖を使いこなせるスキル。
人間関係
- イグザ
出会った当初は不明だったが、大北壁防衛戦では一人で何とかしようと彼の助けを拒んでいった。
だが、上記のやり取りを経て彼に対してとても親密になり、オルグレンの問題を解決した時は迷わず彼に同行していった。
- アルカディア
聖具に選ばれた〝槍〟の聖女。
イグザの嫁(仮)である事を隠さない彼女に対して「不埒者」「汚れているだけのただの女」と容赦なく罵倒し、オルグレンでの防衛戦でも共闘を拒む程。
彼女の方もイグザとの関係を悪く言われた事が腹に据えかねたのか、仕返しと言わんばかりに派手な下着を見せびらかされてしまう。
一方でイグザと出会う前の自分を重ねていたのか、イグザに対してあるアドバイスをしたものの、それが結果的に恋敵を作るハメとなった。
それからは正妻の座をかけて遠慮のない事を言い合う関係に行き着いた(?)が、〝汚れ〟に呑まれたテラを救う為に危険を顧みずに浄化をしたイグザに対して彼女と一緒に叱っていった。
- オフィール
聖具に選ばれた〝斧〟の聖女。
豪快で良くも悪くも遠慮のない事を言う彼女に半目を向けて嗜める事もしばしば。
一方で〝弓〟の聖女に由来するホムンクルスの技術を生み出した人間の業を嘆いた時に彼女から喝を入れられた事も。
なお、イグザからは「この二人は意外といいコンビなんじゃないかな?」と評されている。
- フレイル
オルグレンの城主。マグメルとは知り合いと思われる。
見事なまでに変貌したマグメルを目の当たりにした時は別人を見たような反応をした事から、厳格な彼女しか知らなかったと思われる。
一方で夫シーグルドを魔獣との戦いで亡くしたフレイルの心境を慮ってか自らがイグザやアルカディアにその事を説明していた。
- セレイア
〝拳〟の聖女の母親である人魚。
里の禁忌である人間の男性と恋に落ちた話に心ときめかせる一方、それが原因で追放されたことに同情していた。
余談
名前の由来はケルト神話に出てくる死者の国『マグ・メル』と思われる。
『何もかもが上手くいくようになって最強の冒険者になった』に登場する人物は楽園や理想郷に名前に入っている点が共通している。
メインイラストで示すようにかなりのナイスバディであり、作者によると「マグメルは全主要キャラの中で2番目に胸が大きい」との事であり、イラストを担当した絵師からもハレンチ聖女と言われてしまう。
……ちなみにこの作品における「聖女」とは聖具に選ばれた女性であり、人々の希望を意味した言葉であるのだが。