1955年(昭和30年)に、従前の一等寝台車と二等寝台車の区分を再編した際に新設された区分である。
等級運賃制時代の一等寝台列車の運賃・料金は当時の航空運賃よりも高く、利用率が低迷する反面、二等寝台車は利用率が非常に高かったことから、1955年(昭和30年)7月1日に一等寝台は廃止され、二等寝台車に編入の上統合された。
このとき、旧一等寝台区分室(現在の個室寝台に準じるもの)を「2等A寝台」、旧一等寝台開放室で冷房がついている車両を「2等B寝台」、旧二等寝台開放室で非冷房のものを「2等C寝台」とした。
しかしその5年後に当たる1960年(昭和35年)7月1日に運賃の等級再編が行われ、従来の1等・2等が新たに1等、3等を2等とする2等級制運賃が導入され、2等A・B寝台は1等A・B寝台へ、2等C寝台は2等寝台へと振り分けられたため、「C寝台」の区分は僅か5年で消滅することとなった。
しかし1969年5月の等級運賃廃止時に「2等寝台」が「B寝台」へと改められており、「1等B寝台」が「開放型A寝台」へと改められていることから、現在の「B寝台」は3等級運賃時代の「2等C寝台」を源流としていることがわかる。
現在は一般車両の座席や網棚に寝ることを指す、俗語としての「C寝台」という言葉の方が知られているが、これは前述の「2等C寝台」が過去に存在していたことを知らない鉄道マニアの間で広まっていったものと考えられる。