概要
同社の中でも群を抜いて知名度が高く、世界中に多数のファンが存在する。
日本でもスーパーカーブームを牽引し、昭和時代の子供たちの憧れの的であった。
1971年に初代モデルが登場するやいなや、その近未来的なウェッジシェイプを体現したデザインは、世界中に衝撃を与えた。
車体のデザインを担当したイタリア人デザイナーマルチェロ・ガンディーニ曰く、車体のデザインテーマはプロペラの“ねじれ”だと言う。
販売車種では珍しく特殊なエアインテーク機構やターボなしで400馬力を超えるV型12気筒5,000cc前後のモンスターエンジンを搭載するなどコンセプト、デザイン、システムすべての点において異彩を放ち、1970年代後半から1980年代のスーパーカーブームの火付け役となった。
ただしこのデザイン、空力的には問題が多く、初期モデルは後輪のトラクションが不足するという致命的な欠点を抱える。
これを解消するためにリアウイングなどを装備したが、そうしたら今度は逆にリアのダウンフォースが強すぎてフロントが浮くため、さらにそれを解消するためにフロントウイングがオプションで用意されるなどかなり迷走していた。
また、スーパーカーブーム時代に広まった「最高速度300km/h」という触れ込みも嘘であり、最終モデルですら300㎞/hに届かない。
生産は1974年から1990年まで16年にわたり、何度もマイナーチェンジを繰り返したため多数のバリエーションが存在する。
最終的にはゴテゴテとしたエアロパーツを装備し、見違えるほど戦闘的に変貌した。
まさかの復活
2021年8月、新型「ランボルギーニ カウンタック LPI800-4」を112台限定で復活販売。ランボルギーニ初のハイブリッド車となる。
余談
- カウンタックと発音するのは日本だけで、イタリアでは「クンタッシュ」[kunˈtɑʃ]と呼ぶ。意味はイタリア語の方言ピエモンテ語の感嘆詞で、特に美女を見たとき男性が発する言葉で「マブい」「ハクい」「イケてる」といった意味である。アメリカでは「クーンタッチ」と発音する場合が多い。
- この車の上下に開くドアは「ガルウイングドア」と呼ばれるが厳密には誤りで、正しいガルウイングドアはドア上部にヒンジがあり、カモメの羽のように開くものを指す。しかし、この車であまりにもガルウイングドアの呼称が浸透してしまったため、現在でもこの認識は世間一般に通用する。
- かつて梅澤春人の漫画作品にて、同名のタイトルで週刊ヤングジャンプに連載された。