概要
火葬場の木に逆さにぶら下がっている幽霊で、VitaalやVetalaと表記され、鬼神であるヴェータラとは同一視される。
おそらく11世紀ごろに書かれたと伝わる伝承文学『ヴィクラマーディッティヤとヴェタール』に登場し、幽霊とヴェータラの伝承としては、インドの文献において言及された中で最も古いものであるといわれている。
この書物によると、ヴェタールはインド中央部にあるウッジャインの火葬場に住んでおり、ヴィクラマーディッティヤという古代インドの神話的な王に従っていた。
ヴェタールは王に不思議な物語を話し、最後には謎を込めた質問をしてくるので、王はそれに答え23回とも正解していた。
しかし、24回目の質問には答えることが出来ず、その瞬間に契約から解放されたヴェタールはどこぞへと去って行ったという。(ヴェータラの記事に詳細な解説あり)
その後、契約で縛られていた幽霊という伝承が、儀式で使役することが可能な鬼神に変化し崇拝されるようになったといわれている。