概要
アイルランドの民間伝承に登場する妖精で、アイルランド語で「赤い男」を意味する「fear dearg」という名の通り、赤い服を着ており、赤いとんがり帽子もかぶっている。
その他マンスター地方ではフィル・ジャルグ(Fir Darrig)、さらに赤毛のフィル・イァルガ(Fir Dhearga)という呼び名がある。
アイルランドの詩人ウィリアム・バトラー・イェイツは、「ドニゴールのファー・ジャルグ」という何でも屋のパット・ダイバーがこの妖精によって一晩中死体を炙ったり、運ばされる悪夢を見せられるという物語を紹介している。
マンスター地方のフィル・ジャルグは、80㎝ほどの大きさの小人であるといわれ、暖炉の火にあたらせてほしいと頼んで来るので受け入れれば幸運が訪れ、拒否すればいたずらしてくると伝わる。
フィル・イァルガは捕らわれの妖精であるといわれ、妖精界に迷い込んだ人間を、元の世界に戻る方法を教えてくれるとされる。