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遥奏の編集履歴

2021-09-07 13:45:32 バージョン

遥奏

はるかな

 遥奏(はるかな)とは「ARGONAVIS from BanG Dream!」のキャラクター、二条遥×二条奏の腐向けカップリングである。

概要

 遥奏(はるかな)とは「ARGONAVIS from BanG Dream!」のキャラクター、二条遥×二条奏の腐向けカップリングである。

 血の繋がった双子の兄弟であり、遥が兄、奏が弟。遥が奏に嫉妬心と激しい嫌悪を抱いているのに対し、奏は遥に執着心と歪んだ愛情を抱いている。

 また、テクノポップバンド『εpsilonΦ』では遥がギター&ボーカル、奏はベースを務めている。



プロフィール

名前二条 遥二条 奏
誕生日6月16日6月16日
星座双子座双子座
学年高校2年生高校2年生
所属バンド εpsilonΦ εpsilonΦ
担当ギター&ボーカルベース
好き天下一品/季節のフレーバーアイス天下一品/兄/アリの巣観察キット
嫌い特撮ヒーロー
テーマ籠の鳥/希望への憧憬妄執/ヒーローへの憧憬
CV梶原岳人市川太一

 奏の「好き」の項目について、アプリゲーム内では「兄」は削除されているが、公式ホームページのプロフィールには記載がある。


 キャッチコピーはそれぞれ、遥は「世界に失望する双子の兄 鬱屈無気力ギタリスト」、奏は「陽キャパリピな双子の弟 偏執狂ベーシスト」

 これらが示すように二人は極めて対照的な性格である。兄の遥はクールかつ気怠げで、「うぜぇ」や「だりぃ」と言った言葉を多用する無気力な少年。弟の奏は明るく誰にでも親切で、初対面の年上にもあだ名をつけるなど人懐っこい性格。遥は学校で孤立しており、奏はクラスの人気者である。

 遥は奏との関係について、「同じ顔の人間が二人いれば、選ばれるのは性格が良くて楽器の上手い奏の方」と語っている。実際に幼少期の習い事やかつて遥の所属していたバンドなど、様々な場面で言葉通りの二者択一が行われてきた。このことから遥は弟と自分を比較する両親や周囲の人々に失望し、また奏に強い劣等感と嫌悪感を抱いている。なお、奏の明るい性格や振る舞いは自己表現や人付き合いの苦手な遥が孤立するよう仕向ける手段の一つでしかない。彼にとって遥から憎しみの目を向けられることは何よりの幸せである。






互いの呼称

 遥が奏を呼ぶ際には「お前」や「てめぇ」、奏がいない場面や独白では「あいつ」と示すことがほとんどだが、まれに「奏」と名前を出すこともある。奏が遥を呼ぶ際には「兄貴」、遥がいない場面や独白では「遥」と呼ぶことも多い。



 なお、2021年4月9日まで配信されていた【ナビストWeekly 】の第11回(上記動画参照)にて、キャラクターへの質問コーナー内で奏へ「幼い頃は互いになんと呼び合っていたか」という質問が投稿されており、本人からボイス付きの返答があった。それによれば幼い頃は互いに「遥」「奏」と名前で呼び合っていたものの、今は遥を名前で呼ぶと怒られるためなかなか呼べないとのこと。





ゲーム内での描写

当項目にはゲーム内の要素や各種ストーリーに関するネタバレが含まれます。十分な注意のうえで閲覧ください。




ボイス

 リズムゲーム中のスキル発動時に聞ける掛け合いボイスとして兄弟の会話が存在する。内容は下記。


遥「おい、俺に合わせろ」

奏「大丈夫、任せて〜!」


 ストーリー中は遥を邪魔するように演奏することの多い奏だが、遥から求められれば素直に彼に合わせた演奏を行うようだ。また、この掛け合いは珍しく遥から声をかけている。



称号


 プレイヤープロフィールで選択できる称号のうち、兄弟を示すものとして下記の4種類が存在する。

分身への妬心籠の中の鳥
分身への執着愛を求める者

 なお「妬心」は「としん」と読み、他人をねたむ気持ちや嫉妬心を意味する言葉である。



『εpsilonΦ』バンドストーリー


2章

 紫夕の指示で路上ライブを行うことになった二人。自作の曲を奏に歌われた遥は、彼が注目を浴びることへの嫉妬や曲を奪われる怒り、それらへの絶望感からその場を去ってしまう。

 周囲から「いらない方」とされ、最後にひとりぼっちになってしまうのはいつも遥の方。奏にそう事実を突きつけられショックを受ける遥は、顔色が悪いと気遣い手を差し伸べようとする奏に「お前の手に縋るくらいならひとりきりの方がマシだ」と吐き捨て逃げ去る。彼を見送った奏は「また嫌われちゃったかなぁ」と嘆きながらも、恍惚の表情を浮かべてこう呟くのだった。


「孤独でかわいそうな兄貴……

 だけど、俺だけが最後までお前の声を聴いてやれるんだ」



3章

 LRFスターティングライブを欠場した代わりに単独ライブを行うことになった『εpsilonΦ』。開始直前、紫夕は遥へ向けて「それほど奏が憎いならギターで刺せ」と言葉をかける。遥の音で殺されるなら理想的な最後だと言う奏に、遥はお望みどおりにしてやると息巻く。

 そして始まった単独ライブ。今まで奏の比較対象とされてきた遥はもう奏に合わせる気はないと決意し、「俺の音に追いついてみろよ……!!」と奏へ向けた本気の音を奏でる。その音を受けた奏もまた「俺の背中を見続けるしか兄貴の居場所はないんだよ!!」と嗜虐と興奮を露わにするのだった。



4章

 幼少期の奏にとって、極度の人見知りで身体が弱く家にこもりがちだった自分を励まし、いつでも手を引っ張ってくれた遥はヒーローだった。奏はそんな彼の隣に立っても恥ずかしくない弟になりたいと思い、彼を真似て様々な習い事を始める。しかし奏に成績で負けることが増えた遥から次第に疎ましがられるようになり、結果として拒絶されるに至ったことが奏の回想から明かされる。

 また、この拒絶がきっかけでそれまで両者の自覚なしに発生していた「奏が遥の居場所を奪う」行為が奏の意図的なものに変わり、「逃げる遥を追う」という歪な愛情を抱くようになってしまった。

 一方、遥は奏の言動に惑わされることなくまっすぐに遥を肯定してくれる存在、『風神RIZING!』のギター・椿大和と出会う。大和を「ライバル」という特別な存在として認めた遥に焦った奏は彼の気を引くためギターを練習すると訴えるが、「何がしたいのか分からない」と一蹴され、幼い頃から遥の真似ばかりで自分自身がない奏こそ「いらない方」だと吐き捨てられる。



Extra 4章

 『Fantôme Iris』のギター・洲崎遵と遭遇した奏が彼に「自分は大学を出たら音楽をやめて家業を継ぐ」と告白する。理由は「どうせ兄貴は継がないから」だとしている。



イベントストーリー


【桜散る春の歌遊び】(2021/02/28〜2021/03/10開催)

 春休み、京都へ帰省する『εpsilonΦ』。兄弟である二人は当然ながら同じ家に帰宅する。

 無観客の配信ライブを終え東京へ戻ると、シェアハウスに二人きり。遥とたくさん話せて嬉しいと言う奏に、気持ち悪いと嫌悪を滲ませる遥。


「ええ……ひどいなぁ、兄貴…… 俺がこんなに――」


 そう言いかけた奏を遮る形で他のメンバーが帰宅し、二人の会話はここで終わってしまう。

 余談だが、アニメ・アルゴナビスにてアプリでの追加バンドがゲスト出演した11話を除き、奏は「愛している」というような自分の感情を遥に直接伝えたことは一度もなく、そのせいもあってか遥は奏の行動を全て「消えてほしい」と思っているが故の嫌がらせだと考えている。



【ROCKIN' LOCKIN' ON】(2021/04/20〜2021/04/30開催)

 『GYROAXIA』と『εpsilonΦ』による対バンが開催される。物語の中心は奏と『GYROAXIA』のベース・曙涼のため兄弟の絡みは少ないものの、遥に対する奏の思いの一端が語られる必見のストーリーである。

 涼に演奏を「誰かの音の真似で、奏自身の音ではない」と言われた奏は苛立ちつつ、ライブ本番で「俺の音」を聞かせると答える。


「ライブ中、遥は必ず俺を見てる。俺だけを。この瞬間だけが遥と俺を繋げるんだ

 俺の音が誰かの真似? ふざけんなよ

 遥と繋がれる音、遥に寄り添える音……それが俺の音だ


 遥を真似た遥のための音、それこそが誰の真似でもない奏の音。涼はそんな奏の音を聞いて一言、「奏くんは複雑なんだね」と評するのだった。



カードストーリー


・星4【逃避】(イベント「桜散る春の歌遊び」限定カード)

 帰省中の二人。奏を避けるため東京に戻るかと思案する遥に対し、奏は帰省した二人のために母親が夕食を張り切って作っていることを伝える。これが功を奏してか、遥は実家に留まって一人になれる場所を探す。


・星3【陸上】(イベント「ユメノアト」限定カード)

 夏バテ気味の遥に『εpsilonΦ』が出演したスポーツ飲料のCMを見せる奏。チーム競技が得意で個人競技の苦手な奏と対照的に、遥は個人競技は好きだがチーム競技は好きではなく、体育の授業もサボることが多い。奏にクラスメイトが心配しているのではないかと言われた遥は、怒って部屋を出てしまう。

 余談だが、奏が遥を衣装が似合っている、かっこいい等と褒める場面はいくつか存在しているものの、このカードストーリーでも描かれているように「心にもないこと」とまともに取り合われていない。ただし、先述したバンドストーリーにもあったように、奏からすれば遥は憧れの存在でもあるため、彼を褒めるのは本心からの言葉と考えることもできる。


・星4【歪んだ愛】

 メンバーをライブ後の打ち上げに誘う奏だったが、唯臣以外の全員に断られ(遥には無視をされ)る。帰宅後、体調を崩してソファで寝込んでいた紫夕を抱き上げ部屋まで運びながら、かつて病弱だった自分をよく背負ってくれた遥の背中を思い出し、「またそんな日が…… 来るわけないかぁ」と残念そうに呟くのだった。

 余談だが、変更前の絵柄で遥が映り込んでいる。帰宅後リビングで眠ってしまった彼を、奏が横にしゃがみこんで眺めているという構図。


・星4【誕生日2021】

 誕生日当日。友人らに祝われて帰宅した奏と対照的に、遥は学校をサボり夜遅くに帰宅する。ケーキを用意して待っていた奏は、遥の帰宅に気付くと喜んで玄関へ駆けていくのだった。

 なお、ストーリー中に遥は登場しない。

 余談として、該当カードに描かれているケーキの細工菓子が兄弟の姿を模したものになっており、チョコプレートの陰で手を繋いでいるように見える。仲の良かった幼少期のように、また遥と手を繋ぎたいという奏の願いが込められているのかもしれない。


・星3【楽しい毎日】

 双子ゆえに遥の好きなものや場所、人が自然と分かると語る奏。遥はそれなら自分が奏を憎んでいることにも気付いているだろうと問い、「これ以上お前の好きにさせてたまるか」と吐き捨てて去っていく。そんな遥を見ながら、奏は彼のもがく姿をもっと見たいと頬を染めるのだった。


・星3【花】(イベント「桜散る春の歌遊び」限定カード)

 帰省中の二人。母親に客間に飾る花を生けるよう頼まれた奏は、遥に花を生ける姿を見たいとせがむも断られ、一人で生花を完成させる。実家は面倒だと言いつつ遥と一緒にいられるのでいいとし、春休みだからといって遥をひとりにはしないと呟く。


・星3【独り占めの時】(イベント「Live Royal Fes 1st Round 本戦」限定カード)

 LRF広報担当からインタビューを受け、優勝よりも大事なことがあると言う奏。それは何かという問いに笑顔で「兄貴と一緒に音楽をやること」と答える。仲が良くて羨ましいという広報担当の言葉に、「えへへ、たしかに他の兄弟とはちょっと違うかもね! ……いろんな意味で」と返すのだった。

 また、変更後の絵柄で遥が映り込んでおり、LRFのステージ上で奏が遥の腕を引っ張っている構図。遥に客に対して手を振らせようとしているようにも見える。しかめっ面の遥と満面の笑顔の奏という、非常に彼ららしさが現れた絵になっている。



楽曲ストーリー


【It's Showtime!】



・奏のテーマ楽曲「Sake it L⓪ve!」(上記動画参照)に対応するストーリー。

 奏主催の『遥がベースを始めた記念日を祝うパーティー』で、遥はかつてベーシストとして所属していたバンドのメンバー達と再会する。しかしそれは遥にとって、そしてメンバー達にとって望んだ再会とは言えず、遥は「そうやって素直になれないからみんなが離れていく」と諭す奏を衝動的に突き倒してしまう。メンバー達に非難され会場を飛び出した遥を連れ戻すため、奏も後を追うのだったが……。


「兄貴……今日のこと、気に障ったなら謝るよ……」

「……白々しいんだよ。全部、全部! お前の計算どおりだろうが……!!」

「…………ああ、ありがとう、母さん。俺たちを双子に産んでくれて

 やっぱり、兄貴だけが俺をわかってくれるんだね……」


 奏の目的は、遥と、彼の大切な仲間であったかつてのバンドメンバーとの関係を完全に破壊することだった。

 自分より優秀な弟に真似をされ、先を越されていつも「選ばれない側」になる遥。それがどういうことか考えたことがあるかと訴える彼に、奏は独りになることだと彼の苦悩を言い当てながらも、一生続く関係などこの世にはない、そのことでいずれ遥が傷つくのなら早く気づいた方がいいと続ける。


「それを教えてやれるのは、俺だけなんだ

 だって、兄弟だけは一生続いていくんだから……」


 会場に戻り遥を連れ戻せなかったことを謝る奏。メンバー達に促され曲を演奏することになり、遥に聴いてもらえないことを残念に思いながら、それでも彼に気持ちが届いていると信じてベースを弾き始めるのだった。



エリア会話


 日常クエストから行動を指示した場合、同じエリア内で同じ行動をしているキャラクターとの会話、またそのキャラクター同士の相性を確認できる。

 兄弟同士での相性は遥→奏が「悪い」、奏→遥が「良い」である。

 現在、兄弟の組み合わせによるエリア会話は9種類。


・通学(中高一貫校)

 学校で遥に声をかけるも無視される奏。「スルーして行かないでよ!」と彼を引き留めようとする奏だったが、遥は一瞥したのち無言で立ち去ってしまう。それを見て追うことはせず「相変わらずだなぁ、兄貴は」と残念がる奏だった。


・バイト(CPスタジオ)

 バイト中、喋らずテンションも低い遥に「俺がなんか面白いことでも考えてあげよっか?」と話しかける奏だったが、遥は「うぜぇ、話しかけんな」と冷たくあしらうのだった。


・機材準備

 残りの仕事の確認をする遥に「ねぇ、兄貴! 俺も何か手伝うよ!」と奏が声をかけるものの、手伝ってもらうことなどないから消えろと返されてしまう。


・休憩(駅前)

 探していた遥を見つけ、どこに行くのかと尋ねる奏。遥はいつものように無視をして逃げようとするが、「今日は逃がさないから〜」と追いかけてくる奏に「ついてくんな」と応えてしまうのだった。


・休憩(楽器屋)

 楽器屋で楽器を見ている二人。自分とお揃いの色の楽器を絶対に似合うと遥にすすめる奏だったが遥は無言。しかし表情に出ており、「兄貴すごい顔になってるよ!?」と奏につっこまれる。


・お見舞い1(奏入院)

 遥が看病してくれることに「優しいじゃん! 感激!」と喜ぶ奏。さっそくお願い事をしようとするも、遥は「……帰る」と言い残して出て行ってしまう。


・お見舞い2(奏入院)

 入院した奏のお見舞いに来ておきながら無言の遥。終始気まずい表情を浮かべ、結局何も言わず帰ってしまう彼に困惑しつつ「待ってよ兄貴! 兄貴ーー!!」と叫ぶ奏であった。


・お見舞い1(遥入院)

 遥が入院すると聞いてとても驚いたし高熱が平気なわけがないのに大丈夫か聞いてごめんと謝罪しつつ自分が看病するから安心して休むよう、セリフ表示部分いっぱいにまくし立てる奏。遥は頭に響いてうるさいからさっさと帰れと応じる。


・お見舞い2(遥入院)

 奏に対し「何しに来やがった」と嫌悪を滲ませる遥。お見舞いに来たと答える奏は、「入院中じゃ、いつもみたいに逃げられないね、兄貴」と遥に迫る。



その他


2021年誕生日

 2021年9月現在ゲーム内で確認する方法がないため書き起こします。ゲーム内で読めるようになった場合は要約に戻す予定です。


・遥のログインストーリー

「は? 俺の誕生日?

 ……俺にとってはめでたくもなんともねぇ。

 嫌いなんだよ、誕生日

 あんたも祝いたいなら、俺に構ってないであいつのところに行けよ

 喜ぶんじゃねぇの? うぜぇくらいにな」


・遥から奏への誕生日限定ボイス

「自分の誕生日は何よりも嫌いだ。

 当然だろ。あいつがいる限り、嬉しいとは思えない


・奏のログインストーリー

「はいはーい! かなちゃんにちゅーもく!

 6月16日はなんの日でしょう!

 正解は、兄貴と俺の誕生日でした!!

 俺さぁ、ずっと楽しみにしてたんだよね

 兄貴にプレゼント用意したんだ。

 喜んでくれるといいなぁ!

 ……えっ、君もお祝いしてくれるの?

 ありがとう! 兄貴にも君がおめでとうって言ってたよって、俺から伝えとくね!


・奏から遥への誕生日限定ボイス

「誕生日おめでとう、兄貴。俺は兄貴と……

 遥と双子に生まれて本当に良かったよ。

 これからもずっとずっと傍にいるから




その他


「TOY BOX」



 2020年8月29日に公開された生配信番組【アルゴナビス from BanG Dream! AAside特番「TOY BOX」】。本動画内で公開された兄弟に関する情報は主に「好物」「実家」のふたつ。


好物

 二人の好物は共に天下一品。幼い頃、兄弟二人で父親に連れられて初めて食べたことがきっかけで好物になった。奏にとっては「兄との思い出の味」だが、遥にとっては思い出の味ではなくただ単に「味が好み」というだけ。

 アニメ・アルゴナビスの放送中にTwitterにて連載されていた「アルゴナビショウカイ」では、ラーメンそのものを食べたのがこのとき初めてだったことや、奏は「こってり」が好きであることが書かれている。


実家

 兄弟の実家は、歌舞伎を始めとした芸能で使用される化粧品を取り扱う老舗の化粧品会社。先述したアルゴナビショウカイでは「とても裕福な家系」とだけ紹介されていたが、楽曲ストーリー【It's Showtime!】内で『二条グループ』と呼ばれる企業集団の御曹司であることが明かされた。名前から推測するに二条家はグループ(序列上位に属する会社群)全体の代表、または創業者としての地位を持つ家系であると思われる。

 兄弟の「どちらかは選ばれる側、どちらかはいらない方」という価値観は、幼い頃から身近に存在していた後継問題が関係しているのかもしれない。



ぷちゴナビス(公式4コマ)


・14フレーズ目「小悪魔と踊る」

 『εpsilonΦ』の初登場回。町で遥を見かけた奏は彼に電話をかける。非通知設定で「お前の弟は預かった。返してほしければ身代金を用意しろ。なお警察に連絡すれば弟の命は……」と脅迫電話をかけるが「別にいらねぇ」とそっけなく切られてしまい、奏は「なんでそんな心にもないこと言うのさ兄貴!」と遥を追いかける。「ぷんすこー」という効果音で怒る奏が可愛い。


・18フレーズ目「僕 頑張るよ!」

 3日前に突然バイトを辞めてしまったという遥の代わりに店長に謝罪し、シフトも入ると頭を下げる奏。唯臣にまたバイトを辞めたのかと聞かれた遥に「俺が兄貴の分もがんばるから問題ないよ。ね、兄貴!」と笑顔で話しかけている。遥がバイトを辞めたのはもちろん奏が来店したせいだが、アフターフォローは抜かりない。



ペット

 『εpsilonΦ』がシェアハウスで飼育しているペットはオスのウーパールーパーで、名前は「パルちゃん」。命名は奏で「ウーパールーパー」と「はるか」をかけている。清掃等の世話は主に玲司が行なっており、奏は愛情を注ぐ係。

 余談だが、ウーパールーパーはネオテニー(幼形成熟)という特殊な生態をしていることで有名。文字通り幼生の姿(一般的なピンク色の姿のこと。カエルで言うオタマジャクシ)のまま成熟するという特性を持ち、陸に上がるなど特殊な環境下でのみ成体となる。幼生の特徴を残す理由としては、成体に比べて再生能力が高いからとされている。

 そんな「生き残るため子供の姿のまま大人になる」という生態を持つウーパールーパーは、それぞれ心に傷を抱え、幼い子供のような残酷さを持ち、少年と言える年齢でありながら大人達と互角に渡り合う実力を持つ『εpsilonΦ』メンバーを象徴するに相応しいと言えるだろう。



キャッチコピー



 2021年5月12日に行われたアルゴナビスプロジェクト三周年記念企画【ダブエス3番勝負!頂点獲るまで帰れません!!!】(上記動画参照)内で奏に「愛に溺れる深海魚」というキャッチコピーが新たに付けられ、「籠の鳥」と表されることの多い遥との対比が強調される形となった。

 遥は「空を飛べない鳥」であり、奏は「海で溺れる魚」である。鳥としても魚としても本来の生態に適さない環境下に置かれていると解釈すれば、遥はもちろん奏も現在の状態、ひいては相手との関係に苦悩していると捉えることもできる。



チャットトークルーム

【奏と遥のチャットトークルーム】

 用事があるらしく遥にメッセージを送るも、既読状態にすらならないため電話をかけ続ける奏。何度も切ってはかけてを繰り返す様子や、遥側に残るであろう大量の着信履歴を想像すると少し恐ろしい。


【εpsilonΦ チャットトークルーム】

 個人のトークルームでは遥が反応してくれないため、バンドのグループトークルームで遥への私信をしつこく送る奏。内容自体は「お手伝いさんが二人のためにスイカを冷やして切ってくれたから食べよう」というよくある日常風景なのだが、遥は一切反応せず玲司にもうるさいと言われる始末である。奏はそれでも「返事してよ、かなちゃん寂しいよー」と送り続けるものの、最終的に遥はグループを退会してしまうのだった。



朗読劇「summer incident」

 2021年7月14日、ダブエスリリースハーフアニバーサリーに行われた【ナビサマ!-風神RIZING! VS εpsilonΦ-】内で、各バンドと夏にまつわる朗読劇が公開された。

 『εpsilonΦ』 の朗読劇タイトルは「summer incident」。高級リゾートホテルのモニターとして招待された『εpsilonΦ』メンバーはそこで思わぬ事件と遭遇し、解決のため奔走することになる……というサスペンススリラーテイストの物語。

 ホテル内を調査する道中、奏は「ナイトプールで遥と遊ぶ」妄想を繰り広げる。内容としては、知人であるはずの他の客が誰も話しかけてこないことを指摘し、他者との関係が上手くいかない遥に孤独を突きつけるというもので、「お前がいなきゃな……!」と憤る遥に「可哀想な兄貴……そうやって俺のせいにしなきゃ耐えられないんだね。でも、いいよ! 俺は受け入れてあげる。だってこの世でたった二人だけの、双子の兄弟だもん」と囁く。更に「もう黙れ。消えろ」と言われた際には「黙らないし、一生消えないよ。遥」と返していた。

 正直に言ってかなり脈絡のない場面転換だったことや、楽曲ストーリー【It's Shawtime!】を彷彿とさせる内容から、視聴者に大きな混乱と戦慄をもたらしたエピソードであったことは間違いない。

 また、その後の展開で室内が停電になった際には、暗闇の中で何者かに手を掴まれた奏が「えっ、これ兄貴の手? 良かったぁ、これなら安心!」と喜ぶ場面もあった。ちなみに当然ながら遥が奏の手を掴むわけもなく、「は? 俺じゃねぇよ!」と返され「え、じゃあ烏丸センパイ!? キモいから離してぇ!」と無実の玲司を罵った挙句、玲司でもないと分かると「じゃあ誰!?」と騒いでいた。実際、奏の手を掴んだのが誰だったのかは最後まで謎のままである……。

 ともあれ、「遥と手を繋いでいれば安心できる奏」という、仲の良かった幼少期を思わせる大変心温まるエピソードであった。




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