概要
遥奏(はるかな)とは「ARGONAVIS from BanG Dream!」改め「from_ARGONAVIS」のキャラクター、二条遥×二条奏の腐向けカップリングである。
血の繋がった双子の兄弟であり、遥が兄、奏が弟。遥が奏に嫉妬心と激しい嫌悪を抱いているのに対し、奏は遥に執着心と歪んだ愛情を抱いている。
また、テクノポップバンド『εpsilonΦ』では遥がギター&ボーカル、奏はベースを務めている。
プロフィール
名前 | 二条 遥 | 二条 奏 |
---|---|---|
誕生日 | 6月16日 | 6月16日 |
身長 | 175cm | 176cm |
体重 | 60kg | 62kg |
靴のサイズ | 28.0cm | 28.0cm |
星座 | 双子座 | 双子座 |
学年 | 高校2年生 | 高校2年生 |
所属バンド | εpsilonΦ | εpsilonΦ |
担当 | ギター&ボーカル | ベース |
好き | 天下一品/季節のフレーバーアイス | 天下一品/兄/アリの巣観察キット |
嫌い | 弟 | 特撮ヒーロー |
テーマ | 籠の鳥/希望への憧憬 | 妄執/ヒーローへの憧憬 |
CV | 梶原岳人 | 市川太一 |
奏の「好き」の項目について、アプリゲーム内では「兄」は削除されているが、公式ホームページのプロフィールには記載がある。
キャッチコピーはそれぞれ、遥は「世界に失望する双子の兄 鬱屈無気力ギタリスト」、奏は「陽キャパリピな双子の弟 偏執狂ベーシスト」。
これらが示すように二人は極めて対照的な性格である。兄の遥はクールかつ気怠げで、「うぜぇ」や「だりぃ」と言った言葉を多用する無気力な少年。弟の奏は明るく誰にでも親切で、初対面の年上にもあだ名をつけるなど人懐っこい性格。遥は学校で孤立しており、奏はクラスの人気者である。
遥は奏との関係について、「同じ顔の人間が二人いれば、選ばれるのは性格が良くて楽器の上手い奏の方」と語っている。実際に幼少期の習い事やかつて遥の所属していたバンドなど、様々な場面で言葉通りの二者択一が行われてきた。このことから遥は弟と自分を比較する両親や周囲の人々に失望し、また奏に強い劣等感と嫌悪感を抱いている。なお、奏の明るい性格や振る舞いは自己表現や人付き合いの苦手な遥が孤立するよう仕向ける手段の一つでしかない。彼にとって遥から憎しみの目を向けられることは何よりの幸せである。
なお、これ以降の記事にはアプリゲーム「ARGONAVIS from BanG Dream! AAside」通称ダブエス内の要素や各種ストーリーに関するネタバレが含まれる。ダブエス、ひいては後継アプリのネタバレに繋がる可能性が高いため、十分な注意のうえで閲覧されたい。
互いの呼称
遥が奏を呼ぶ際には「お前」や「てめぇ」、奏がいない場面や独白では「あいつ」と示すことがほとんどだが、まれに「奏」と名前を出すこともある。奏が遥を呼ぶ際には「兄貴」、遥がいない場面や独白では「遥」と呼ぶことも多い。
ちなみに、公開されたストーリーの中で奏が遥に向かって「遥」と呼んだことは何度かあったが、遥が奏に対して直接「奏」と呼びかけたのは、回想シーンを除いては一度だけである。
なお、2021年4月9日まで配信されていた【ナビストWeekly 】の第11回(上記動画参照)にて、キャラクターへの質問コーナー内で奏へ「幼い頃は互いになんと呼び合っていたか」という質問が投稿されており、本人からボイス付きの返答があった(動画内23:17頃)。それによれば幼い頃は互いに「遥」「奏」と名前で呼び合っていたものの、今は遥を名前で呼ぶと怒られるためなかなか呼べないとのこと。
余談だが、二人の母親は「遥」「奏」と呼ぶのに対し、父親は「はるくん」「かなくん」と個性的な呼び方をしており、少なくとも中学受験の頃から現在まで変わっていないことが察せられる。
また、同動画内(28:59頃)で「兄貴の一番好きなところは?」という質問にも回答しているため、是非確認してほしい。
凛生・大門・奏へのQ&Aコーナー【奏への質問】(一番好きなところ)
ダブエス内での描写
ここでは2022年1月31日に惜しまれつつもサービス終了したリズムゲーム、ダブエスの中で展開された、兄弟に関する様々な要素について紹介する。
ボイス
アプリのサービス終了に伴い、ゲーム内で聞くことのできた二人のボイスから、それぞれが互いについて言及しているものを紹介していく。
なお、この項目では一部AAside -ダブエス- Wikiを参考に執筆いたしました。この場を借りて感謝を申し上げます。
遥 | 奏 | ||
---|---|---|---|
ホーム画面 | 朝 | 「うぅ……あいつにいきなり叩き起こされた。 あと5分くらい寝かせろよ……くそっ」 | |
夕 | 「もうこんな時間か。そろそろ帰ろ……ってあれ、兄貴は? 先に帰っちゃったの!?」 | ||
夜 | 「今日もいっぱい遊んだね~。明日も俺と兄貴に会いに来てね! 約束だよ?」 | ||
服装 | 「おしゃれは楽しまなくちゃもったいないよね! 兄貴のコーデは俺がプロデュースしてるんだよ~」 | ||
その他 | 「奏と話したり一緒に出掛けたりしねぇのかって? 別に……俺は俺、あいつはあいつだろ」 | 「兄貴が俺を避けてるのは知ってるよ。 でも別にいいんだ。 結局、俺を一番気にしてるのは兄貴なんだしね」 | |
カード強化 | 特訓 | 「何を言われたって構わねぇ。俺はあいつに勝つ」 | 「兄貴で遊んでいいのは俺だけ……誰にも邪魔させないよ」 |
グレードアップ | 「今度こそ、あいつを超える」 | 「はは! ねぇ、兄貴どうかなぁ?」 | |
ミッション | デイリー進行中 | 「これ終わったら、兄貴の所に行ってこよ!」 | |
セッション | Sランク終了 | 「兄貴、喜んでくれるかなぁ?」 | |
リズムゲーム | 星4スキル1 | 「兄貴、ちゃんと見てる?」 | |
星4スキル2 | 「これが俺と兄貴の差だよね……」 | ||
スキル掛け合い | 「おい、俺に合わせろ」 | 「大丈夫、任せて〜!」 |
注目してほしいポイントはいくつかあるが、ここではリズムゲーム内でスキルが発動する際の掛け合いについて言及しておきたい。
リズムゲーム中、同編成内に遥と奏の両者が入っている状態でどちらかのスキルが発動すると、固有の掛け合いボイスを聞くことができた。内容は上記の通り、音を自分に合わせるよう呼びかける遥と、それに答える奏いうもので、ストーリー中は遥を邪魔するように演奏することの多い奏だが、遥から求められれば素直に彼に合わせた演奏を行うらしいことが窺える。また、この掛け合いは珍しく遥から声をかけている。
期間限定ボイスについては後述する。
称号
プレイヤープロフィールで選択できる称号のうち、兄弟を示すものとして下記の4種類が存在する。
遥 | 分身への妬心 | 籠の中の鳥 |
---|---|---|
奏 | 分身への執着 | 愛を求める者 |
なお「妬心」は「としん」と読み、他人をねたむ気持ちや嫉妬心を意味する言葉である。
遥を閉じ込める「籠」が果たして奏の束縛によって作られたものなのか、現実から逃避した彼自身が作り出した殻なのか、奏の求める「愛」とはどんなものなのか、プレイヤーの解釈に委ねられるところである。いずれにせよ、少ない文字数で端的に彼らの本質を示した素晴らしい称号と言える。
『εpsilonΦ』バンドストーリー
2章
紫夕の指示で路上ライブを行うことになった二人。自作の曲を奏に歌われた遥は、彼が注目を浴びることへの嫉妬や曲を奪われる怒り、それらへの絶望感からその場を去ってしまう。
周囲から「いらない方」とされ、最後にひとりぼっちになってしまうのはいつも遥の方。奏にそう事実を突きつけられショックを受ける遥は、顔色が悪いと気遣い手を差し伸べようとする奏に「お前の手に縋るくらいならひとりきりの方がマシだ」と吐き捨て逃げ去る。彼を見送った奏は「また嫌われちゃったかなぁ」と嘆きながらも、恍惚の表情を浮かべてこう呟くのだった。
「孤独でかわいそうな兄貴……
だけど、俺だけが最後までお前の声を聴いてやれるんだ」
3章
LRFスターティングライブを欠場した代わりに単独ライブを行うことになった『εpsilonΦ』。開始直前、紫夕は遥へ向けて「それほど奏が憎いならギターで刺せ」と言葉をかける。遥の音で殺されるなら理想的な最後だと言う奏に、遥はお望みどおりにしてやると息巻く。
そして始まった単独ライブ。今まで奏の比較対象とされてきた遥はもう奏に合わせる気はないと決意し、「俺の音に追いついてみろよ……!!」と奏へ向けた本気の音を奏でる。その音を受けた奏もまた「俺の背中を見続けるしか兄貴の居場所はないんだよ!!」と嗜虐と興奮を露わにするのだった。
4章
幼少期の奏にとって、極度の人見知りで身体が弱く家にこもりがちだった自分を励まし、いつでも手を引っ張ってくれた遥はヒーローだった。奏はそんな彼の隣に立っても恥ずかしくない弟になりたいと思い、彼を真似て様々な習い事を始める。しかし奏に成績で負けることが増えた遥から次第に疎まれるようになり、結果として拒絶されるに至ったことが奏の回想から明かされる。
一方、遥は奏の遥を貶めるような言動にも惑わされることなくまっすぐに遥を肯定してくれる存在、『風神RIZING!』のギター・椿大和と出会う。大和を「ライバル」という特別な存在として認めた遥に焦った奏は彼の気を引くためギターを練習すると訴えるが、「何がしたいのか分からない」と一蹴され、幼い頃から遥の真似ばかりで自分自身がない奏こそ「いらない方」だと吐き捨てられる。
5章
LRF本戦1st Roundを迎えた『εpsilonΦ』。紫夕は単独ライブ時と同様、メンバーの負の感情を爆発させパフォーマンスへ昇華させることを目的に奏を煽る。
「違ういうなら証明してみぃ。『猿真似』やないってね。あんたが欲しいのは、その先にあるもんやろ?」その言葉の意味が分からず当惑する奏に、「本当に欲しいものも分からないままに傷付けられてきた遥が可哀想」と笑う紫夕。奏は怒りを滲ませ分かるように説明しろと求めるものの、彼は嘲笑うように言葉を続ける。
「血の繋がり? 一緒に生まれた?
そんなくだらんもんに執着してるあんたを見てると吐き気がするわ」
「だ……ま……れよ……」
「あんたが遥にとって特別なんて幻想や
現に、遥はぽっと出の男を『ライバル』として認めたんやろ?
あんたは猿真似の雑魚やのになぁ」
「黙れって言ってんだろ!!」
激昂し足早に立ち去る奏。見兼ねて紫夕を諫める玲司も、家族を侮辱されることに耐えかねその場を後にする。そんな様子を見ていた遥は何がしたいのかと眉を顰めるが、追いつめられなければ出ない音があると言う紫夕は、「紫夕が玲司にさせてきた工作を見て見ぬ振りしてきた遥には、誰かのライバルになる資格なんてない」と言い放つ。
そして、各所に蟠りを残したまま『εpsilonΦ』のステージは始まるのだった。
6章
フェス次回戦の出場停止とその後の解散の処分を受けた『εpsilonΦ』。憤る遥の元にやってきた『Argonavis』のボーカル・七星蓮は『εpsilonΦ』にフェスに出場してほしいと言い、遥はどうしたいのかと詰め寄る。
フェスに出たい。音楽がしたい。相容れないメンバーのバンドだとしても、ステージに立ちたい。周囲の人間に自分自身を認めさせるために……。遥はそう感情を吐露し、それが自分の本心だと気付く。そう気付かせてくれた蓮や、ライバルである大和とフェスのステージで戦い、勝ちたい。そのために出場を諦めないと思いを固める遥に、奏は諭すように言葉をかける。
イプシが他のバンドに行った妨害行為を知っていながら、フェスで勝ちたいという私欲のために止めずにいた遥に、フェスに出て戦う資格はない。もう一つの本心を言い当てられ言葉を失う遥に、奏は「二人でバンドを組もう、遥がどうしても音楽をやりたいなら俺が付き合ってあげる」と続ける。
「きっと上手くいくよ
遥には俺がいる。だからもう諦めなよ。
アルゴナもフウライも、フェスのこともさ」
遥は、奏と比較されてきた過去を思い出す。人を助けられるようなヒーローに憧れていたはずの自分は、奏と比べられ切り捨てられるたびに歪み、ヒーローからは遠く離れたものになってしまった。遥が音楽をする理由は、自分の存在を周囲に認めさせる方法が、それ以外には残されていないからだ。
蓮のように心から好きでするのでもなく、大和のように心から楽しむことができるのでもない、奏の言う通りの「汚い音楽」。
「でも……そんなこと気にしてられるかよ
……今更お綺麗なヒーローなんかなれねぇ。
エゴしかない、汚ねぇ音楽で上等じゃねぇか
俺は俺のやりたいようにやる。
勝って、俺を認めさせるために」
開き直った遥の言葉に動揺しながら、部屋を出ようとする遥を引き止める奏。そんな奏の名を、遥は静かに呼ぶ。
「…………奏」
「……なに」
「紫夕を迎えに行く」
「は?」
「じゃあな」
心折れ、一人京都に戻っていた紫夕を連れ戻すため発つ遥。奏はそんな彼の気持ちや行動を理解できないままに見送るのだった。
メインストーリー
Extra 4章
『Fantôme Iris』のギター・洲崎遵と遭遇した奏が彼に「自分は大学を出たら音楽をやめて家業を継ぐ」と告白する。理由は「どうせ兄貴は継がないから」だとしている。
イベントストーリー
【桜散る春の歌遊び】(2021/02/28〜2021/03/10開催)
春休み、京都へ帰省する『εpsilonΦ』。兄弟である二人は当然ながら同じ家に帰宅する。
無観客の配信ライブを終え東京へ戻ると、シェアハウスに二人きり。遥とたくさん話せて嬉しいと言う奏に、気持ち悪いと嫌悪を滲ませる遥。
「ええ……ひどいなぁ、兄貴…… 俺がこんなに――」
そう言いかけた奏を遮る形で他のメンバーが帰宅し、二人の会話はここで終わってしまう。
余談だが、アニメ・アルゴナビスにてアプリでの追加バンドがゲスト出演した11話を除き、奏は「愛している」というような自分の感情を遥に直接伝えたことは一度もなく、そのせいもあってか遥は奏の行動を全て「消えてほしい」と思っているが故の嫌がらせだと考えている。
【ROCKIN' LOCKIN' ON】(2021/04/20〜2021/04/30開催)
『GYROAXIA』と『εpsilonΦ』による対バンが開催される。物語の中心は奏と『GYROAXIA』のベース・曙涼のため兄弟の絡みは少ないものの、遥に対する奏の思いの一端が語られる必見のストーリーである。
涼に演奏を「誰かの音の真似で、奏自身の音ではない」と言われた奏は苛立ちつつ、ライブ本番で「俺の音」を聞かせると答える。
「ライブ中、遥は必ず俺を見てる。俺だけを。この瞬間だけが遥と俺を繋げるんだ
俺の音が誰かの真似? ふざけんなよ
遥と繋がれる音、遥に寄り添える音……それが俺の音だ」
遥を真似た遥のための音、それこそが誰の真似でもない奏の音。涼はそんな奏の音を聞いて一言、「奏くんは複雑なんだね」と評するのだった。
【銀の新星〈SILVER NOVA〉】(2021/09/30〜2021/10/07開催)
『Argonavis』のボーカル・七星蓮と特撮映画がきっかけで親しくなった遥は『Argonavis』のライブに招待される。物語の中心は遥と蓮のため兄弟の絡みは少ないものの、遥が抱える「新しい居場所を作ること」への葛藤が描かれており、奏が遥にもたらした影響の大きさを見ることができる。
奏に対し、『Argonavis』のライブチケットを特撮映画のチケットだと誤魔化した遥。一度はチケットを返そうと考えたライブ当日、蓮とのデュオを披露することになる。「また、一緒に歌おう!」と言う蓮に、遥は首を振る。
「……できるわけねえだろ。今日は……特別だ」
(そうだ、できるわけがない……)
(そんなのを知られたら……あいつにまた……)
奏に関係を壊されることを恐れ、蓮の言葉を否定し立ち去る遥。しかしそんな遥の背に、蓮は「じゃあまたね、遥くん!」と呼びかけるのだった。
カードストーリー
遥
・星4【逃避】(イベント「桜散る春の歌遊び」限定カード)
帰省中の二人。奏を避けるため東京に戻るかと思案する遥に対し、奏は帰省した二人のために母親が夕食を張り切って作っていることを伝える。これが功を奏してか、遥は実家に留まって一人になれる場所を探す。
・星4【背中のライバル】(イベント「銀の新星〈SILVER NOVA〉」限定カード)
『Argonavis』のライブで蓮と歌を披露して帰宅した遥を迎えたのは、ライブでのことをSNSを通じて知っていた奏だった。「最近仲良しみたいだね、七星蓮と」そう問いかける彼に、遥は「……んなわけねえだろ」と答える。
(もう近づくのはやめよう……あいつには……七星には)(壊されるくらいなら、これ以上は……)奏の警告めいた言葉を受けてそう考える。沈黙ののち小さな悪態をつく遥は、簡単には割り切れない感情に一人苦悩するのだった。
・星3【陸上】(イベント「ユメノアト」限定カード)
夏バテ気味の遥に『εpsilonΦ』が出演したスポーツ飲料のCMを見せる奏。チーム競技が得意で個人競技の苦手な奏と対照的に、遥は個人競技は好きだがチーム競技は好きではなく、体育の授業もサボることが多い。奏にクラスメイトが心配しているのではないかと言われた遥は、怒って部屋を出てしまう。
余談だが、奏が遥を衣装が似合っている、かっこいい等と褒める場面はいくつか存在しているものの、このカードストーリーでも描かれているように「心にもないこと」とまともに取り合われていない。ただし、先述したバンドストーリーにもあったように、奏からすれば遥は憧れの存在でもあるため、彼を褒めるのは本心からの言葉と考えることもできる。
奏
・星4【歪んだ愛】
メンバーをライブ後の打ち上げに誘う奏だったが、唯臣以外の全員に断られ(遥には無視をされ)る。帰宅後、体調を崩してソファで寝込んでいた紫夕を抱き上げ部屋まで運びながら、かつて病弱だった自分をよく背負ってくれた遥の背中を思い出し、「またそんな日が…… 来るわけないかぁ」と残念そうに呟くのだった。
余談だが、変更前の絵柄で遥が映り込んでいる。帰宅後リビングで眠ってしまった彼を、奏が横にしゃがみこんで眺めているという構図。
・星4【誕生日2021】
誕生日当日。友人らに祝われて帰宅した奏と対照的に、遥は学校をサボり夜遅くに帰宅する。ケーキを用意して待っていた奏は、遥の帰宅に気付くと喜んで玄関へ駆けていくのだった。
なお、ストーリー中に遥は登場しない。
余談として、該当カードに描かれているケーキの細工菓子が現在兄弟の姿を模したものになっており、チョコプレートの陰で手を繋いでいるように見える。仲の良かった幼少期のように、また遥と手を繋ぎたいという奏の願いが込められているのかもしれない。
・星3【楽しい毎日】
双子ゆえに遥の好きなものや場所、人が自然と分かると語る奏。遥はそれなら自分が奏を憎んでいることにも気付いているだろうと問い、「これ以上お前の好きにさせてたまるか」と吐き捨てて去っていく。そんな遥を見ながら、奏は彼のもがく姿をもっと見たいと頬を染めるのだった。
・星3【花】(イベント「桜散る春の歌遊び」限定カード)
帰省中の二人。母親に客間に飾る花を生けるよう頼まれた奏は、遥に花を生ける姿を見たいとせがむも断られ、一人で生花を完成させる。実家は面倒だと言いつつ遥と一緒にいられるのでいいとし、春休みだからといって遥をひとりにはしないと呟く。
・星3【独り占めの時】(イベント「Live Royal Fes 1st Round 本戦」限定カード)
LRF広報担当からインタビューを受け、優勝よりも大事なことがあると言う奏。それは何かという問いに笑顔で「兄貴と一緒に音楽をやること」と答える。仲が良くて羨ましいという広報担当の言葉に、「えへへ、たしかに他の兄弟とはちょっと違うかもね! ……いろんな意味で」と返すのだった。
また、変更後の絵柄で遥が映り込んでおり、LRFのステージ上で奏が遥の腕を引っ張っている構図。遥に客に対して手を振らせようとしているようにも見える。しかめっ面の遥と満面の笑顔の奏という、非常に彼ららしさが現れた絵になっている。
楽曲ストーリー
【It's Showtime!】
・奏のテーマ楽曲「Sake it L⓪ve!」(上記動画参照)に対応するストーリー。
奏主催の『遥がベースを始めた記念日を祝うパーティー』で、遥はかつてベーシストとして所属していたバンドのメンバー達と再会する。しかしそれは遥にとって、そしてメンバー達にとって望んだ再会とは言えず、遥は「そうやって素直になれないからみんなが離れていく」と諭す奏を衝動的に突き倒してしまう。メンバー達に非難され会場を飛び出した遥を連れ戻すため、奏も後を追うのだったが……。
「兄貴……今日のこと、気に障ったなら謝るよ……」
「……白々しいんだよ。全部、全部! お前の計算どおりだろうが……!!」
「…………ああ、ありがとう、母さん。俺たちを双子に産んでくれて
やっぱり、兄貴だけが俺をわかってくれるんだね……」
奏の目的は、遥と、彼の大切な仲間であったかつてのバンドメンバーとの関係を完全に破壊することだった。
自分より優秀な弟に真似をされ、先を越されていつも「選ばれない側」になる遥。それがどういうことか考えたことがあるかと訴える彼に、奏は独りになることだと彼の苦悩を言い当てながらも、一生続く関係などこの世にはない、そのことでいずれ遥が傷つくのなら早く気づいた方がいいと続ける。
「それを教えてやれるのは、俺だけなんだ
だって、兄弟だけは一生続いていくんだから……」
会場に戻り遥を連れ戻せなかったことを謝る奏。メンバー達に促され曲を演奏することになり、遥に聴いてもらえないことを残念に思いながら、それでも彼に気持ちが届いていると信じ、ベースを弾き始めるのだった。
【Nihilistic才Φ】
・遥のテーマ楽曲「Egoistic才Φ」(上記動画参照)に対応するストーリー。
奏の策略で文化祭のギターコンテストへ参加することになった遥。出場するつもりはなかったが、クラスメイトに一緒に練習しようと声をかけられる。「ひとりでいいから誰かに自分の演奏を聞いてほしかった。だから誰かと練習できたらいいと思った」と訴える彼に対し、一度は拒否した遥だったが、奏から彼が家庭環境の違いにより周囲から孤立していること、金銭的な問題から学校を退学する予定であることを聞かされたことをきっかけに、共に練習をするようになる。
純朴でひたむきな彼に次第に心を開いていく遥。コンテスト本番当日、遥は「どうして優しくしてくれるのか」と問われ、心に秘めていた思いを吐露する。
「俺が……お前と同じだったからだよ」
「……え?」
「誰でもいい、ひとりでもいいから誰かに聴いてほしいと思ってた。俺の音を、俺の……話を」
コンテストを終えた遥に奏が声をかける。奏は彼に遥の過去――かつてのバンドでの出来事を教え、傲慢な遥とは関わらない方がいいと伝えていたのだ。「俺をこんな風に独りにするためにあいつと近づけたのか」と憤る遥に、奏は「兄貴はまた独りぼっちだね」と言う。
その後、別れの挨拶を交わす二人。遥の演奏を聴き、「辞めるつもりだったギターをもっとうまくなりたい、ギターで自分の居場所を作りたい」と思ったと打ち明けるクラスメイトに遥は笑いかける。
「俺は今日のお前の演奏を忘れねぇ……
覚えておいてやるよ、ずっと。
二度と会えなくても、お前のこと、お前のフレーズを――」
誰かに聞いてほしいという同じ思いを抱えていた二人。独りに戻ることになっても、二人の音はそれぞれの記憶の中に残り続けるのだった。
エリア会話
日常クエストから行動を指示した場合、同じエリア内で同じ行動をしているキャラクターとの会話、またそのキャラクター同士の相性を確認できる。
兄弟同士での相性は遥→奏が「悪い」、奏→遥が「良い」である。
現在、兄弟の組み合わせによるエリア会話は9種類。
・通学(中高一貫校)
学校で遥に声をかけるも無視される奏。「スルーして行かないでよ!」と彼を引き留めようとする奏だったが、遥は一瞥したのち無言で立ち去ってしまう。それを見て追うことはせず「相変わらずだなぁ、兄貴は」と残念がるのだった。
・バイト(CPスタジオ)
バイト中、喋らずテンションも低い遥に「俺がなんか面白いことでも考えてあげよっか?」と話しかける奏だったが、遥は「うぜぇ、話しかけんな」と冷たくあしらうのだった。
・機材準備
残りの仕事の確認をする遥に「ねぇ、兄貴! 俺も何か手伝うよ!」と奏が声をかけるものの、手伝ってもらうことなどないから消えろと返されてしまう。
・休憩(駅前)
探していた遥を見つけ、どこに行くのかと尋ねる奏。遥はいつものように無視をして逃げようとするが、「今日は逃がさないから〜」と追いかけてくる奏に「ついてくんな」と応えてしまうのだった。
・休憩(楽器屋)
楽器屋で楽器を見ている二人。自分とお揃いの色の楽器を絶対に似合うと遥にすすめる奏だったが遥は無言。しかし表情に出ており、「兄貴すごい顔になってるよ!?」と奏につっこまれる。
・お見舞い1(奏入院)
遥が看病してくれることに「優しいじゃん! 感激!」と喜ぶ奏。さっそくお願い事をしようとするも、遥は「……帰る」と言い残して出て行ってしまう。
・お見舞い2(奏入院)
入院した奏のお見舞いに来ておきながら無言の遥。終始気まずい表情を浮かべ、結局何も言わず帰ってしまう彼に困惑しつつ「待ってよ兄貴! 兄貴ーー!!」と叫ぶ奏であった。
・お見舞い1(遥入院)
遥が入院すると聞いてとても驚いたし高熱が平気なわけがないのに大丈夫か聞いてごめんと謝罪しつつ自分が看病するから安心して休むよう、セリフ表示部分いっぱいにまくし立てる奏。遥は頭に響いてうるさいからさっさと帰れと応じる。
・お見舞い2(遥入院)
奏に対し「何しに来やがった」と嫌悪を滲ませる遥。お見舞いに来たと答える奏は、「入院中じゃ、いつもみたいに逃げられないね、兄貴」と遥に迫る。
ログインストーリー・限定ボイス
2021年誕生日
・遥のログインストーリー
「は? 俺の誕生日?
……俺にとってはめでたくもなんともねぇ。
嫌いなんだよ、誕生日
あんたも祝いたいなら、俺に構ってないであいつのところに行けよ
喜ぶんじゃねぇの? うぜぇくらいにな」
・遥から奏への誕生日限定ボイス
「自分の誕生日は何よりも嫌いだ。
当然だろ。あいつがいる限り、嬉しいとは思えない」
・奏のログインストーリー
「はいはーい! かなちゃんにちゅーもく!
6月16日はなんの日でしょう!
正解は、兄貴と俺の誕生日でした!!
俺さぁ、ずっと楽しみにしてたんだよね
兄貴にプレゼント用意したんだ。
喜んでくれるといいなぁ!
……えっ、君もお祝いしてくれるの?
ありがとう! 兄貴にも君がおめでとうって言ってたよって、俺から伝えとくね!」
・奏から遥への誕生日限定ボイス
「誕生日おめでとう、兄貴。俺は兄貴と……
遥と双子に生まれて本当に良かったよ。
これからもずっとずっと傍にいるから」
2021年ハロウィン
・遥のハロウィン限定ボイス
「今日はハロウィンか。
俺は怪物よりやべー奴が近くにいるからな。
吸血鬼やミイラ男なんて可愛いもんだ」
いつもの態度から打って変わって、苦笑を浮かべながらジョークのように話す姿に多くのプレイヤーが衝撃を受けたに違いない。そしてその中の大半が「やべー奴」を奏のことを指していると思ったことだろう。事実「やべー奴」は紫夕か奏どちらかのことだと思われるが、紫夕の災害めいたやばさに対して「俺は」と遥個人を指すのは若干の違和感がなくもない。遥一人に対してやばいのは奏だけなので、奏と取ることも十分可能である(としておきたい)。
ちなみに奏のボイスはというと、遥への言及は特になく「俺はお菓子をもらっていたずらもするけど覚悟はいい?」というような内容で、ハロウィンを楽しんでいる様子が描かれている。
その他
「TOY BOX」
2020年8月29日に公開された生配信番組【アルゴナビス from BanG Dream! AAside特番「TOY BOX」】。本動画内で公開された兄弟に関する情報は主に「好物」「実家」のふたつ。
好物
動画内それぞれ遥11:10頃、奏13:40頃。二人の好物は共に天下一品で、幼い頃、兄弟二人で父親に連れられて初めて食べたことがきっかけで好物になった。奏にとっては「兄との思い出の味」だが、遥にとっては思い出の味ではなくただ単に「味が好み」というだけ。
アニメ・アルゴナビスの放送中にTwitterにて連載されていた「アルゴナビショウカイ」では、ラーメンそのものを食べたのがこのとき初めてだったことや、奏は「こってり」が好きであることが書かれている。
ちなみにゲーム内では『εpsilonΦ』のシェアハウス画面において、奏に「この近くにも天一あるんだ〜」というセリフが用意されている。『εpsilonΦ』のシェアハウスは六本木にあるため、奏のセリフも天下一品六本木店のことを指していると思われる(ただし、残念ながらこの店舗は2021年5月に閉店している)。
実家
動画内20:47頃。兄弟の実家は、歌舞伎を始めとした芸能で使用される化粧品を取り扱う老舗の化粧品会社。先述したアルゴナビショウカイでは「とても裕福な家系」とだけ紹介されていたが、楽曲ストーリー【It's Showtime!】内で『二条グループ』と呼ばれる企業集団の御曹司であることが明かされた。二条家という名前から推測するに少なくともグループ内の序列上位に属する企業を経営している会社であり、おそらくグループ全体の代表、または創業者としての地位を持つ家系であると思われる。
兄弟の「どちらかは選ばれる側、どちらかはいらない方」という価値観は、幼い頃から身近に存在していた後継問題が関係しているのかもしれない。
ぷちゴナビス(公式4コマ)
ぷちゴナビスとは、『月刊ブシロード』にて連載中の、渡空燕丸先生による各キャラクターの日常を描いた公式4コマ漫画である。
・14フレーズ目「小悪魔と踊る」
『εpsilonΦ』の初登場回。町で遥を見かけた奏は彼に電話をかける。非通知設定で「お前の弟は預かった。返してほしければ身代金を用意しろ。なお警察に連絡すれば弟の命は……」と脅迫電話をかけるが「別にいらねぇ」とそっけなく切られてしまい、奏は「なんでそんな心にもないこと言うのさ兄貴!」と遥を追いかける。「ぷんすこー」という効果音で怒る奏が可愛い。
・18フレーズ目「僕 頑張るよ!」
3日前に突然バイトを辞めてしまったという遥の代わりに店長に謝罪し、シフトも入ると頭を下げる奏。唯臣にまたバイトを辞めたのかと聞かれた遥に「俺が兄貴の分もがんばるから問題ないよ。ね、兄貴!」と笑顔で話しかけている。遥がバイトを辞めたのはもちろん奏が来店したせいだが、アフターフォローは抜かりない。
・22フレーズ目「台風の季節」
台風の影響でライブが中止になった『εpsilonΦ』。奏は「ってことは…明日は1日中 家で兄貴と一緒にいられるってこと!?」と目を輝かせるが、遥は自室へ閉じこもってしまう。
扉越しに話しかける奏に、遥は相変わらず素っ気ない。しかし、遥のライブ中止を残念に思う気持ちは兄弟である奏にはよくわかる。もちろん、彼が特撮番組を見返す回数を減らして練習していたことも、そのストレスでアイスの消費量が増えたことも、それがきっかけでピスタチオ味にハマっていることも、彼のことならば全部わかっている……。
・26フレーズ目「冬inシェアハウス」
東京に雪が降った日。「寒いね兄貴」と遥に擦り寄る奏だったが「近づくんじゃねぇ」とあしらわれる。それでもめげず、くっついている方が寒くないからと言いながら遥にくっつく奏。小さい頃もこうしていたと言うが、遥からは絶対零度の視線を向けられる。それでも「雪より冷たい目!(ぶわぁぁあぁっ)」と大興奮の奏に、唯臣は「奏くんの体温の上げ方は独特だね」と感想を述べるのだった。
ペット
『εpsilonΦ』がシェアハウスで飼育しているペットはオスのウーパールーパーで、名前は「パルちゃん」。命名は奏で「ウーパールーパー」と「はるか」をかけている。清掃等の世話は主に玲司が行なっており、奏は愛情を注ぐ係。
余談だが、ウーパールーパーはネオテニー(幼形成熟)という特殊な生態をしていることで有名。文字通り幼生の姿(一般的なピンク色の姿のこと。カエルで言うオタマジャクシ)のまま成熟するという特性を持ち、陸に上がるなど特殊な環境下でのみ成体となる。幼生の特徴を残す理由としては、成体に比べて再生能力が高いからとされている。
そんな「生き残るため子供の姿のまま大人になる」という生態を持つウーパールーパーは、それぞれ心に傷を抱え、幼い子供のような残酷さを持ち、少年と言える年齢でありながら大人達と互角に渡り合う実力を持つ『εpsilonΦ』メンバーを象徴するに相応しいと言えるだろう。
キャッチコピー
2021年5月12日に行われたアルゴナビスプロジェクト三周年記念企画【ダブエス3番勝負!頂点獲るまで帰れません!!!】(上記動画参照)内で奏に「愛に溺れる深海魚」というキャッチコピーが新たに付けられ、「籠の鳥」と表されることの多い遥との対比が強調される形となった。
遥は「飛べない鳥」であり、奏は「溺れる魚」である。鳥としても魚としても本来の生態に適さない環境下に置かれていると解釈すれば、遥はもちろん奏も現在の状態、ひいては相手との関係に苦悩していると捉えることもできる。
チャットトークルーム
用事があるらしく遥にメッセージを送るも、既読状態にすらならないため電話をかけ続ける奏。何度も切ってはかけてを繰り返す様子や、遥側に残るであろう大量の着信履歴を想像すると少し恐ろしい。
個人のトークルームでは遥が反応してくれないため、バンドのグループトークルームで遥への私信をしつこく送る奏。内容自体は「お手伝いさんが二人のためにスイカを冷やして切ってくれたから食べよう」というよくある日常風景なのだが、遥は一切反応せず玲司にもうるさいと言われる始末である。奏はそれでも「返事してよ、かなちゃん寂しいよー」と送り続けるものの、最終的に遥はグループを退会してしまうのだった。
バレンタインスペシャル生放送
2020年2月15日に公開された生配信番組【アルゴナビス from BanG Dream! AAsideバレンタインスペシャル生放送】。『εpsilonΦ』が新バンド・新キャラクターとして正式発表された記念すべき配信である。
『εpsilonΦ』メンバーの他、凛生、涼、燈によるバレンタインボイスや、当時初公開のメインストーリー1章「εpsilonΦのお遊び」の生朗読、声優陣による即興寸劇ゲームを楽しめる内容となっており、『εpsilonΦ』のファン、上記の3名のファンあれば是非一度は見ていただきたい。
この記事内で言及するなら、声優陣の即興寸劇ゲームでの梶原氏(遥役)と市川氏(奏役)に是非注目していただきたい。チョコを渡す役の市川氏が、受け取る役である梶原氏に対して「兄貴っ!」と奏の声で呼び掛けるファンサービス(動画内01:03:30頃)は見どころである。
朗読劇「summer incident」
2021年7月14日、ダブエスリリースハーフアニバーサリーに行われた【ナビサマ!-風神RIZING! VS εpsilonΦ-】内で、各バンドと夏にまつわる朗読劇が公開された。
『εpsilonΦ』 の朗読劇タイトルは「summer incident」。高級リゾートホテルのモニターとして招待された『εpsilonΦ』メンバーはそこで思わぬ事件と遭遇し、解決のため奔走することになる……というサスペンススリラーテイストの物語。
ホテル内を調査する道中、奏は「ナイトプールで遥と遊ぶ」妄想を繰り広げる。内容としては、知人であるはずの他の客が誰も話しかけてこないことを指摘し、他者との関係が上手くいかない遥に孤独を突きつけるというもので、「お前がいなきゃな……!」と憤る遥に「可哀想な兄貴……そうやって俺のせいにしなきゃ耐えられないんだね。でも、いいよ! 俺は受け入れてあげる。だってこの世でたった二人だけの、双子の兄弟だもん」と囁く。更に「もう黙れ。消えろ」と言われた際には「黙らないし、一生消えないよ。遥」と返していた。
正直に言ってかなり脈絡のない場面転換だったことや、楽曲ストーリー【It's Shawtime!】を彷彿とさせる内容から、視聴者に大きな混乱と戦慄をもたらしたエピソードであったことは間違いない。
また、その後の展開で室内が停電になった際には、暗闇の中で何者かに手を掴まれた奏が「えっ、これ兄貴の手? 良かったぁ、これなら安心!」と喜ぶ場面もあった。ちなみに当然ながら遥が奏の手を掴むわけもなく、「は? 俺じゃねぇよ!」と返され「え、じゃあ烏丸センパイ!? キモいから離してぇ!」と無実の玲司を罵った挙句、玲司でもないと分かると「じゃあ誰!?」と騒いでいた。実際、奏の手を掴んだのが誰だったのかは最後まで謎のままである……。
ともあれ、「遥と手を繋いでいれば安心できる奏」という、仲の良かった幼少期を思わせる大変心温まるエピソードであった。