八百比丘尼と名乗る女が永生の海に来た時、幼い頃にみた夢を思い出した。
母は、歴代最強の女王だった。人魚族を率いて征戦を繰り返し、やがて海の覇者となった。
母の勇姿は一族の心に刻まれ、民もそんな母を心から信仰していた。
時間さえあれば、母は幼い人魚の歌を聴きに行き、祝福を授ける。
娘である私も、皆と同じくその瞬間をずっと心待ちにしていた。
緊張と期待が入り混じる中、私ははじめて女王の前に立ち、ぎこちなく歌い始める。
私の不安を表すのように潮は荒れ、「水の結界」を叩く。女王が手をあげるまでそれは続いた。
不安に満ちた拙い歌を聴いた女王は、素っ気なく私の歌を遮って、祝福を授けてくれることはなかった。
そして、女王は私に背を向けて、遠ざかっていく。
幼い私は夢中で叫んだ。夢中で走った。けれど、どれだけ必死に追いかけても、母の背中は遠ざかっていった。
(伝記一より)
概要
CV:高垣彩陽
中華人民共和国のソーシャルゲーム『陰陽師』の登場キャラクター。
海の果て、氷に閉ざされた永生の海で、誇り高き美しい鮫人姫が、民を守っている。
彼女の決心は数百年凍結されても揺るぐことなく、敬虔な心で民を守護し、過酷な戦を戦い抜いた。
最後に千姫は唄を歌い、永眠の海を呼び覚ました。
鮫人は新たな約束をし、未来に向かって歩き出した。
(陰陽師「式神図鑑」より)
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