概要
怪人魔天郎が、子供たちが悪い大人の苦しめられるのを目にすると怒る事で変身するもう一つの姿であり、微笑みを捨てて怒りの表情に変わり、青いスーツのヒーローっぽい姿となる。
普段の相手を翻弄する華麗なアクションとは打って変わり、力強い動きと鞭捌きで悪人を打ち据える怒りの化身である。
作中での活躍
初登場は第19話「怒り仮面登場!!」と第20話「怒り仮面の逆襲」の前後編。
小学生男子の連続誘拐事件を追う覇悪怒組が、犯人一味のくらやみ一族に捕まりそうになった際に、助太刀に現れた魔天郎が「私がこの世で絶対に許さない人間は、子供を誘拐する悪党、貴様たちは許さん!」と言い放ち、怒りの形相に変貌して怒り仮面と化して、くらやみ一族を蹴散らした。
その後、攫われたひろし達を救うべく再び現れるが、くらやみ一族の仕掛けた罠に掛かって奈落の底に落とされて死んだかに思われた。
実は一連の誘拐事件は、くらやみ一族の頭領であり、表向きは不動産会社社長の吉岡作蔵が仕組んだ事であった。吉岡にはかつて小学五年生になる一人息子がおり、自身の立派な後継者にすべく厳しい英才教育を施した結果、父親からの過大な期待による重圧に耐え切れなくなった息子はビルから飛び降りて自ら命を絶ってしまう。息子の死を認めきれない吉岡は、息子と同い年の少年たちを誘拐して、その中から一番優秀で強運を持つ少年を新たな後継者にすべく、危険な選抜試験を行い少年たちを虐待していたのだった。
選抜試験の結果ひろしが選ばれるが、後継者になる事を拒否された吉岡は手下にひろしを殺害するよう命じる。だがその時、ふたたび怒り仮面が登場して吉岡と手下たちを制圧した。
怒り仮面は、息子を失った吉岡の悲しみに一定の理解を示すが、彼が自身の過大な期待で息子の心を押し潰して自殺に追い込んだ事を全く反省せずに、今度は他所の家の子供たちを攫って息子の身代わりにしようとした身勝手さを叱責した。
「子供には子供の夢を与えよ、大人の打算で子供を苦しめるな!」
そう言い放つと、怒り仮面は吉岡とその部下たちを「これは攫われた子供たちの苦しみ!」「これは攫われた子供たちの親の悲しみ!」と叫んで鞭で打ち据え、悪人たちを懲らしめてようやく怒りが収まったのか元の魔天郎の姿にもどり、そのまま気球に乗って夜空の彼方へと飛び去っていくのであった。
余談
モチーフは、東映初の特撮ヒーロー七色仮面だと思われる。