……よく食ってよく寝ろ。以上。
プロフィール
年齢 | ?歳 |
---|---|
誕生日 | ?月?日 |
身長 | ?cm |
職業 | 役者兼演出家 |
特技 | ? |
好きな食べ物/嫌いな食べ物 | ? |
cv | 小野友樹 |
人物
フルール賞常連の実力派劇団『劇団百花』の看板役者兼演出家。
主宰の天立桂樹とは親子関係にあたる(養子)
天鵞絨美術大学 演劇舞踊科OB。
生活能力皆無で言動もガサツだが、幕が上がるとこだわり抜いた芝居をするギャップがある。
一人住まいの部屋には家具らしい家具が少なく殺風景(本人いわく「シンプルで機能的」)だが床には何冊もの本が積まれており、時折会話に文学作品から引用した言葉を織り交ぜることから読書家であると思われる。
メインストーリー
- 11幕
第3話「百花繚乱」
甲が主演兼演出を務める劇団百花の公演「マクベス」を咲也と万里が観劇に行くことに。
鬼気迫る演技に咲也も万里も息を飲んで見入る。
万里いわく甲の演出は、古典の演目に現代的な要素を取り入れたエンターテインメント性の高いものだったという。
2人は終演後に出会った桂樹から、甲が万里と同じ天鵞絨美術大学 演劇舞踊科の出身であることを聞かされる。
第4話「変な親子」
終演後の百花の楽屋。
終わったばかりの公演の調整点を桂樹が論ってゆく中、甲はひとりいびきをかいて眠っている。
「聞いているのか?」という桂樹の問いに甲は即座に目を開くと、桂樹がまだ伝えていない場面の調整点と、それら全てを担当セクションに指示済みであることを伝える。
納得をした桂樹が立ち去った途端、甲は再びいびきをかいて眠り始めてしまう。その様子を傍で見ていた劇団準トップの葵士は深い溜息を吐く。
第8話「破天荒問題児」
天鵞絨美術大学。
万里から甲の話題を持ちかけられた枡野は「学科始まって以来の問題児か」と、OBである甲の事を回想。「まず演劇以外のことはからっきしで生活力はないし、人間性も最悪。当然同級生たちからも遠巻きにされて、普段の授業も突然来なくなる。でも、あの演技力は入学当初からピカイチでな。卒制公演では学科生の満場一致で主演に選ばれた。普段のカブトがどうあれ、実際のあいつの芝居を観たらその実力に圧倒される。舞台に立って、セリフを言うたび、劇場内を掌握するようなとてつもない引力を感じた。あんな学生は、今まで出会った中であいつ一人だけだ」と評価した。
翌週に甲がOBとして天美で講演とワークショップを行うことを聞かされた万里は、参加を決める。
場面は変わって甲の自宅。
訪れた葵士は慣れた様子で甲の返事を待たずして部屋に入り、殺風景な室内を目の当たりにし「ほんと、ここ来ると気が狂いそうになるから嫌なんですけど」と呟く。
だがベッドに寝ているはずの甲が居ないことに気が付き、家の中の捜索を始める。最終的に風呂場で裸のままいびきをかく甲を発見し、起こす。
このとき甲は『もう眠ることはできない。三下役者が眠りを殺してしまった』と、マクベスのセリフを捩ったものと思われる言葉を呟き目を覚ます。更に『眠りは死よりも愉快である。少なくとも容易には違いあるまい』と芥川龍之介の文章を引用した後、再び眠ってしまう。仕方がなく葵士が甲を力ずくで風呂から出し、着替えを促す。葵士は主宰であり甲の父である桂樹から命令を受け、渋々様子を見に来たのだという。
このとき、あったはずのテレビが無くなっていることに気付いた葵士の問いに、見たい公演はスマホで見られるからと甲は捨ててしまった事を告白。
更に、この日に行われる天美での講演の原稿を作ってきたという葵士に対して甲は「つまらん。めんどくせぇ」とやる気のない態度で返す。が、講演もワークショップも桂樹の指示であるため、葵士も頑として譲らず、甲に行く事を促す。
そこで初めて気付いたかのように「なんでそんな格好してんだよ」と、甲は花咲学園の制服姿である葵士に問う。葵士が高校生であることも忘れていたという甲に「何だと思ってたんですか?」と葵士が問えば「ただの三下役者」とすげなく答える。続けて「僕が三下なら、他の劇団員はどうなるんですか」という問いには「背景」と答え、呆れた葵士は「それ言ったら殺されますよ」と苦言を呈するのだった。
甲が演劇のことだけを考えて日々を送る破天荒な人物であることと、葵士の苦労がうかがえるエピソード。
第9話「つまんねぇ役者」
甲の講演が行われる予定の講義室。
予定の時刻を過ぎても甲が現れる気配はなく、学生たちはざわつき始める。
どうにか到着した甲だったが、葵士から渡された原稿の内容をすっかり忘れており「……よく食ってよく寝ろ。以上」とだけ言い放ち、講演を終わりにしてしまう。
万里をはじめとする学生たちは呆気にとられるも、講師の誘導によりワークショップのスタジオへ移動をする。
ワークショップに移ってからも相変わらず甲はやる気のない様子で、日程すらも把握をしていない(ちなみに月一回、全四回のスケジュール)
第一回の課題は「感情解放」
課題を言い渡すなりいびきをかいて寝てしまう甲に万里は再び呆気に取られるが、講評を求められれば甲は学生たちの演技に的確な指摘をしてゆく。だが万里に対してだけは「特になし」とスルーをしてしまう。納得のいかない万里は終了後に甲を呼び止め、再度意見を求める。甲は万里の表現の巧みさや役者としての資質に対し「演出家としての目線で見ても、現場にいたらすごく重宝するタイプの役者だ」と評価するものの「ただ……俺だったら絶対に主演には使わねぇが」と漏らす。環境に恵まれ、勘が良く器用で周りも自分もよく見えている万里はどこの現場でも活躍はできるが、一方で平坦な優等生でしかなく表現したいことが伝わってこない、舞台を100点に近付けるだけで120点の瞬間を作ることはできないと甲は言う。多くの演出家には重宝され高く評価されるであろうが、甲自身はあまり好まない「ガワばっか気にしてるつまんねぇ役者」だと言い切ってしまう。
甲の指摘は万里がコンプレックスに感じていた事そのものであり、万里は内心で腹を立てながらも反発する気持ちを抑え込む。
「そもそもてめぇ、何のために演劇やってんだ?」その問いに上手く答えられない万里は「じゃ、あんたはなんのために演劇やってんすか」と甲に問い返す。「生き延びるためだ。それ以上でもそれ以下でもない」「俺は演劇以外のモンが何もねぇ」甲はそう答えたうえで「演劇に全部賭けるしかねぇ。そういう奴と勝負して、お前は勝てるだけのモン持ってんのか?……覚悟が決まってる奴の芝居は、強い。お前には、ムリだ」と万里に言い放つ。
第14話「存在証明」
2回目のワークショップにも相変わらず遅刻で現れる甲。
前回に引き続き甲からの指摘が得られない万里は、またも自分からアドバイスを乞う。
面倒くさそうな態度の甲だが、万里の出演したドラマをたまたま見た事を告げる。
ドラマ出演を経ても尚、演劇でなければならない理由が掴めない万里に、甲は「ま、頑張れよ。自分探し」と素っ気なく返し会話を終えようとするが、再び万里に呼び止められる。何故役者だけでなく演出も担っているのかという万里の問いに、不測の事態が起き百花の役者として活動が出来なくなったとしても演劇で生きてゆくしか術のない甲にとって演出は保険であると答える。「天立甲という人間の存在証明は、演劇でしかできない。……ただ、それだけだ。俺には理由もくそも、そもそも選択肢がない。選べないからそれで生きていくしかなかった」
とはいえ演出を始めてから役者としての視野も広がったと話す甲。演出家の視点であれば演出家・天立甲にとって役者・摂津万里が「つまらねぇ役者」である理由も分かるのかもしれないと、万里は思い至る。
第25話「W主演」
3回目のワークショップ。
甲の直接の登場はないものの、引き続き遅刻しているとの描写がある。
- 12幕