曖昧さ回避
パワーパフガールズのヴィラン:モジョ(パワーパフガールズ)
電脳コイルに登場する電脳ペット:モジョ(電脳コイル)
歌手:MOJO(歌手)
ブードゥー教における呪術:金運やギャンブル運、女性運を向上させるためのもので、転じて魔法や魔術、麻薬、ドラッグなどの虜になるという意味のスラング(俗語)としても使用されている。
概要
モジョー(Mojo)とは、マーベルコミック「X-MEN」に登場するスーパーヴィランである。
彼の存在するのは、別世界「モジョ・バース」であり、多腕のアシスタント「スパイラル」を従えている。
本項はそれらも含め解説する。
解説
異世界「モジョ・バース」、その一角の惑星世界「モジョ・ワールド」の支配者。「ロングショット」#3(1985年)で初登場した。
この世界は、支配者階級がエンターテイメント性のあるTV番組を制作・放送し、その「放送による視聴率」によって支配している。
モジョー自身も当然ながら、TV番組を制作し、放送する事で視聴率を稼ぎ、この世界そのものを支配している。
遺伝子組み換えによる人造生命体の配下を多く従えており、獣人「ウォーウルヴズ」により構成された「ワイルドウェイズ」、自身の周辺の雑務や番組制作進行などを取り仕切るアンドロイド「メジャー・ドモー」、そのアシスタント「マイナー・ドモー」などを従えている。
そして、自身の奴隷も多く所有しており、「ロングショット」もその一人。彼らをTVタレントとして殺人ゲーム的な暴力的番組に出演させ、その刺激的な内容で視聴率を稼ぎ、自身の支配力を盤石としている。
その性格は、非常に残忍かつ冷酷、下品で暴力的、厚顔無恥、しかしどこか愛嬌があり、下卑た口調で下品に笑いつつ喋る(90年代のアニメ版の吹き替えや、同時期の邦訳では、オカマ口調で喋っていた)。
悪口を言われたところで、まったく動じない。
例:
「このデブ野郎!」と言われて返すのが、
「まーぁ!そんなに褒められると照れちゃうじゃなーい!」
視聴率稼ぎと、それに伴う自身の支配力強化、そして経済的収益(要はカネ)以外には興味なく、慈悲や慈愛などと言った思想や概念も、視聴率稼ぎのため以外には鼻にもかけず見下している。
そして、敵対していたり、自身が気にくわない存在であっても、それらが視聴率を得られると知った途端に手のひらを返す事は、日常茶飯事である。
いうなれば、TV業界などの「視聴率と金。それらこそが真理であり、それらが得られるならばどんな非人道的かつ厚かましい行為でも平気で行い、罪悪感など無く、自分に非があるなどとはまったく考えない、人でなしの厚かましい恥知らず」といった人間を、カリカチュアした存在と言える。
その姿は、足のない巨大な肥満体の胴体に、頭部と両腕を付けたような姿をしている。無脊椎動物を先祖としているらしく、その身体には脊椎が無い。足も無いため、自立しての歩行が不可能であるため、専用の他足歩行プラットフォームに身体を乗せ、機械脚で歩いて移動している。
このプラットフォームには、ビームなどを内蔵しており、これらで攻撃が可能。
しかし、それ以上にモジョー自身が強力な魔術を有しており、彼一人でX-MENのチーム全員と戦い、勝利する事が可能。
一時期はプロフェッサーXのテレパシーを封じ、X-MENメンバーの性格を魔術により変化させ、その様子をTV番組で放送した事もある(ウルヴァリンを臆病な性格に変化させ、「俺の得意技は、敵から隠れる事だ」と言わせたりした)。
経歴
人工生命体の奴隷・ロングショットが反乱を起こし、地球へ逃亡。その際に彼は、地球人のスタントウーマン・リコシェ・リタことリタ・ウェイロードと知り合いになり、恋人になる。この事から、地球の存在を知って興味を持ち、以後たびたび地球にちょっかいを出すように(のちにリタは、洗脳され、「スパイラル」になったりする)。
そして、ベッツィ・ブラドックこと、「サイロック」が両目を失い盲目になった事を利用。その両目にバイオカメラアイを移植し、彼女が見たもの=X-MENの活躍を、リアリティ番組のようにして放送する事で視聴率を稼ぐ(後に彼女がカンノンと身体を入れ替わった際に、この事が明らかに)。
ロングショットが地球に在住するようになってから、X-MENにもちょっかいをかけ、彼らを子供化したことも。当時率いていたマグニートーを含め、全員が子供化。元に戻るまでひと悶着があった。
そして、X-MENが全滅(実際に全滅したが、後に復活する)した際、視聴率が低下した事を嘆き、「新たなX-MENで視聴率を回復」させるべく、オーディションを。
いろいろゴタゴタが合って、人工生命体の、子供のX-MEN「Xベイビーズ」が、オーディションで大暴れした事で最高視聴率をはじき出す。
その子供達が地球に渡り、シャドウキャットおよびエクスカリバーの皆とひと騒動が合ったりした)。
後に色々あって、奴隷たちを率いたロングショット、およびモジョーのクローンであるモジョー2たちの反乱により、モジョーは打ち倒される。
……が、モジョー2も前任者同様に悪党であり、圧政者の暴君であったため、ロングショットは再び反乱を起こし打ち倒す羽目に。
それとともに、自身も復活。支配者として再び君臨する。
後に、Xベイビーズを改めて作り出し、さらにはエイジ・オブ・アポカリプス版のベイビーズや、アベンジャーズのベイビーズも作り出して、視聴率を得ようとする。
近年では、アベンジャーズも視聴率のためにとスカウトしようとしたり、ハワード・ザ・ダックを通じて異世界のリアリティ番組を製作したりと、変わらず「視聴率のためだけに、えげつない行動」を繰り返している。
関係者
モジョー2
モジョーのクローン体。脊椎生物のクローンとして作られた存在らしく、オリジナルと異なり脊椎があり、ヒューマノイドとして自立歩行も出来る。見た目は、大柄で逞しい人間。
ロングショットに助けられ、反乱に参加。オリジナルモジョーを打ち倒した後に、支配者としてその座を引き継いだ。
しかし、邪悪な本性を表し、前任者同様のヴィランに。そのため、ロングショットは彼と戦い倒さねばならなくなった。
2018年に「スクィレルガール」誌に再登場。しかしスクィレルガールとクレイヴン・ザ・ハンターに、一コマも持たずに撃退されてしまった。
アルティメット・ユニバースのモジョー
並行世界、「アルティメット・X-MEN」におけるモジョー。
こちらは異世界人ではなく、ミュータントを奴隷化している独立国家「ジェノーシャ」の政治的権力者にして、TVプロデューサーの人間である。
本名モジョ・アダムス。アルピノで肥満体の身体を持ち、ジェノーシャでミュータントをハンティングするリアリティ番組のプロデューサーである。
後に、マローダーズとX-MENとの戦いをTV番組化して放送し、視聴率を稼ごうとした。
スパイラル
地球人のスタントウーマン、リタ・ウェイロードがモジョーに捕えられ、洗脳され改造された姿。アシュラのように多腕で、6刀流で戦う他、魔術も用いる。
自身で「ボディ・ショップ」という店を持ち、サイロックの体の交換やサイバーアイの装着、レディ・デスストライクのサイボーグ化などを行った。
また、テレポート能力も有し、モジョ・バースに人間を拉致する事も可能。
最近モジョーに捨てられたらしい。
メジャー・ドモー
マイナー・ドモー
男女のアシスタントアンドロイド。
メジャー・ドモーはモジョーの執事的な役割のアンドロイドで、落ち着いた雰囲気の男性。
モジョーと異なり、上品かつ静かな言葉を以て会話するが、その会話の中にさりげなくモジョーへの悪口を忍ばせている。
例:
「失礼いたします、超ド級デブデブ大魔王様」
「こちらです、ウルトラ変態お下劣大王様」
「報告します、万年膨張変態魔王様」
マイナー・ドモーは、メジャー・ドモーに付き従う秘書的役割の女性アンドロイド。落ち着きがなく、すぐ死ぬ。
そして死ぬたびに、首筋にあるリセットボタンを押す事で毎回復活する。
そのセリフも早口で落ち着きがない、
例:
「あらあらまあまあどうしましょうモジョー様がダメで落ち目でたそがれてそれでもってお怒りでご機嫌斜めで大激怒ですわん私たちもう終わりで破滅で絶望でお払い箱でゴミ箱域で職無しで家なしでコネなしでツテ無しですわんこれからずっと道端で食べ残しをあさって散々苦しんでから飢えて死ぬのですわぁあんきゅう(死亡)」
Xベイビーズの内容
モジョーは邪悪そのものといった存在ではあるが、上記の通りどこか愛嬌のあるキャラクターでもあり、邦訳もされた「Xベイビーズ」はコミカルな作風だったりする。
そのコミカルな例として、
:X-MENが全滅して、視聴率が低下。回復のためにと、劇中に登場したモジョーの相談役数人(モジョー曰く「アタシのブレーンちゃんたち」)は、本作を執筆したクリス・クレアモントなど、アメコミのライターやペンシラー達(要は、作者が劇中に登場し、キャラから「何とかしろ」と懇願されているメタネタ)。
モジョーは、数より質を向上すべきと文句を言った、ライターのクレアモントに魔術をかけて黙らせ「X-MENもアンタたちもアタシの玩具でしょ!何したって自由よ!」などと言っている。
:彼らの意見で、代わりのX-MENをオーディションで決めようとする。しかし集まった者たちは、「全員女性」「全員メカ」「セクシー&ワイルド」「動物の擬人化」といったものばかり。モジョーはそれら落選者を、文字通り自分の空飛ぶ船のステージから転落させ続けていた。
:落選者は他にも「太った(やせた)X-MEN」「ミクロまたはマクロのX-MEN」「歌うX-MEN」「踊るX-MEN」「魚のX-MEN」「虫のX-MEN」「ピエロに猿にミミズにトカゲ、藁と木とレンガのX-MEN」などがいたらしい。
:これらの最後に、Xベイビーズが登場。落選続きのモジョーは堪忍袋の緒が切れ、配下に襲わせたが、その際の大暴れが放送され、最高視聴率を記録。
:それを知った途端、手のひらを返したモジョーは
「こんなくそ憎たらしいガキどもが……イイイわぁぁ!」
「ンモゥ、ステキ! 好き好き大好き!愛してるゥ!」と抱きしめた。
:その際にも「バリバリ働いて、ガバガバ稼いでね! そのお金をアタシがジャンジャン使ってあげるぅ! 楽しみでしょ? アタシも楽しみヨ!」と、あくまで視聴率と金を稼ぐ道具として好きという態度を崩さなかった。
:1話ラストのコマでは、なんとか逃げ出したXベイビーズとともに、X-MEN執筆のスタッフのカラリスト、グリニス・オリバー女史が、スタン・リーに向かって「(こんなふざけた内容にして)ねえスタン、怒ってないわよね?」などと問いかけている。