1988年に発売されたMSX2に続く規格。ハードで横スクロール機能を搭載、19000色のグラフィックが扱えるようになるなど、描画関係が強化された。一方でCPUや音源はそのままで(FM-PACが搭載され標準音源のようになったが、あくまでオプションであり、一部搭載されなかった機種も存在した)、MSX2からの劇的な変化はなくマイナーバージョンアップ扱いなハードとなった。
ハードは売上は悪くはなかったが、2+専用ソフトはほとんど存在しなかった。理由としては特徴である自然画モードや横スクロール機能を活かせなかったことにある。前者はデータ容量を食うだけで、当時のPCゲームのグラフィックの基準的に19000色でないと出せないソフトはほとんど存在しなかった。またハードによる横スクロール機能にしても、MSX2でもスペースマンボウや激突ペナントレース2のように制限つきながらも、横スクロールを実現したソフトは存在し、特にいわゆる18禁エロゲーでは必要としなかったこともある。
MSX2+発売当時はまだMSXに力があった頃で、フロッピーディスク搭載、FM音源搭載のMSX2を購入するという形でこの機種を買う人間が多かった。逆に言えばハードとしては進歩が見られなくなり、MSXは徐々に退潮傾向となっていき、次代のturboRでは松下一社だけになってしまうことになる