概要
漫画『吸血鬼すぐ死ぬ』の二次創作の中で「公式男性キャラクター同士の恋愛・性描写」を扱った作品に付けられるタグ。
既存のいわゆる棲み分けタグには吸死【腐】があるが、「腐」という呼称には諸説あるものの差別的な意味合いが含まれてしまいがちである（詳細は後述）。
「腐」に含まれるそうした意味合いを意図せず表明してしまうことを避けつつ、シンプルに「公式男性キャラクター同士の恋愛・性描写を扱った作品である」ことを示すために使用されている。
「腐」という呼称の問題点について
現状、「腐」は男性同士の恋愛・性描写が扱われた作品を指す用語として機能している。
これは
①（とりわけ男性の）同性愛を異常なものとし、
②その異常なものを愛好する人間も同様に異常とする
という価値観が前提にある蔑称であると言える。
①は当然同性愛差別であり、②は同性愛差別を前提とした価値観である。
たとえ自虐として使用していたとしても、その自虐が上記の価値観に基づいてなされている以上加担は避けられない。
差別ではなくあくまで原作から過剰に逸脱した二次創作を好んでいることをもって「異常＝腐」としているという説もあるが、原作に無い男女または女性同士の恋愛描写において「腐」という呼称が現状使われていないことを考慮すれば、やはり男性同性愛のみを「原作からの過剰な逸脱」とみなす価値観に基づいていると言わざるを得ない。
しかしながら、「腐」という呼称を使っている＝同性愛を差別したい、ではない。
単純に、これまで男性同性愛を扱ったものが「腐」と呼称されてきたためにそれにならい「腐」という表記を使用してきた人がほとんどだろう。
だが、内心がどうであれ「腐」という呼称の使用は①②の価値観を前提として認めてしまうことになる。
これらを踏まえたうえで今後も「腐」という呼称を続けていくべきか？ それは上記①②の価値観をこれから先の時代にも残すことにならないか？ という点については、男性同性愛作品を愛好する者であるならば一度は考えてみてほしい。
