概要
それ自体の摩擦力によって部材を接合する釘や、螺旋状の溝によって緊結するネジとは違って、鋲は接合の際に工具によって叩き潰して、任意の形に変形させることで部材を接合(カシメる)する。
これで接合することを「鋲接」とも言う。
基本的にはハンマー(エアハンマー)を用いて叩き潰すが、専用の治具を使って成形しながらカシメたり、表面から差し込んで専用の工具で中の棒を引き抜いて裏面側を変形させて接合する『ブラインドリベット』と呼ばれるものもある。
艦船や建築物などに用いられる、鉄製である一定以上のサイズのものはそのままでは叩いても変形しないので、炉などで赤熱してから使用する。
ごく原始的な接合方法で歴史は古く、建築物や乗り物など金属製品のみならず革や布類(例えばジーンズなど)にも使われるが、
- 接合部を重ねる必要がある
- 接合する部材に穴を空ける必要があるので、穴によって低下する分の強度を加味する必要がある
- そもそも鋲の分重量が増える
などの理由で重量が増える欠点があるため、金属では多様な溶接工法の開発によってこれに移行する形で数を減らしつつある。
かつては艦船や戦車などの兵器も鋲接で組み立てていたが、被弾時の衝撃で千切れた鋲が内部で跳ね回って乗員を殺傷してしまう事があったため、溶接などに変更された。