バルセロスの雄鶏
ばるせろすのおんどり
ポルトガルのバルセロスに伝わる不思議な雄鶏。
伝説
スペインからサンティアゴ・デ・コンポステーラへ巡礼の旅をしていたガリシア人(スペイン北西部出身者)の男がバルセロスに宿泊していたところ、この街の地主の持つ銀の食器、もしくはいくつもの銀貨が盗まれるという事件が起こった。
よそ者である男はたちまち捕まり、無実であったが絞首刑に処せられることになってしまった。
男が「裁判官に合わせてくれ」と訴えたところ許可され、裁判官の家に訪れるとそこでは「雄鶏のロースト」が食事に出されていた(調理前の鶏であるというバージョンもある)。
男は「私が絞首刑になったら、このガロ(雄鶏)が鳴き、無実が証明されるだろう」と言ったので、裁判官達は一笑に付したが面白いとローストは食べずに取っておくことになった。
次の日早々に絞首刑は執行されてしまったが、その瞬間奇跡が起こり、ローストにされていたはずの雄鶏が高らかに鳴き声を上げたのである。
それに驚いた裁判官と地主は、すぐさま男を絞首台から降ろして解放したところ、やはり奇跡的に結び目が緩んでいたために一命を取り留めていた。
奇跡により無罪放免された男は巡礼を成功させ、数年後にバルセロスに戻ってきた際に、感謝の気持ちとしてガロを石に彫って残したといわれている。
余談
現在作られている雄鶏の置き物は、黒いものはローストされていることを表し、白いものは調理前を表しているのだという。