西濃鉄道
せいのうてつどう
概要
岐阜県大垣市に本社を置き、市内にある金生山で産出される石灰石の輸送を行っている貨物専業の私鉄。
美濃赤坂線美濃赤坂駅を起点に乙女坂駅までを結ぶ市橋線を運行している。保有路線の総延長はわずか1.3kmであり、旅客輸送を行っている芝山鉄道や和歌山県(南海和歌山港線の一部区間を保有)を下回り普通鉄道の運営者として日本最短の鉄道事業者である(普通鉄道以外も含めれば路線長191mの鞍馬寺(鞍馬山鋼索鉄道)を筆頭に西濃鉄道よりも総延長の短い鉄道事業者自体は存在する)。
かつて市橋線は乙女坂駅から先猿岩駅を経て市橋駅まで伸びていた他、美濃赤坂駅と昼飯駅を結ぶ昼飯線もあったが、市橋線猿岩駅~市橋駅間と昼飯線は2006年に廃線、乙女坂駅~猿岩駅間も2008年以降は定期旅客列車の設定がない事実上の休止状態となり2022年に正式に廃線となっている。
主要株主は矢橋大理石、上田石灰製造、矢橋工業の3社で、西濃運輸との間に資本関係・人的関係はない。どちらも本社所在地の大垣市のある西濃地方を社名の由来としていることだけである。
車両
- DD40形
DD402・403の2両が在籍しているが、402についてはエンジントラブルで運用を離脱。
2021年に秋田臨海鉄道から1251号機の譲渡を受けた。この他に国鉄清算事業団から購入した501号機も在籍していたが、こちらは検査期限切れにより2021年9月に解体。
不祥事
2021年10月、国土交通省中部運輸局は西濃鉄道へ改善指示を出した。
その改善指示を受けることになった原因があまりにも杜撰で一部では令和の朝倉軌道という渾名で呼ばれることに。
以下その内容
- 決められたダイヤグラム通りに列車を走らせていない
- ポイント・枕木の交換に関して必要な手続きを省略
- 輸送障害を起こしたのに報告なし
- レールの歪みを放置
- 4日に1回行う必要のある線路の点検を一部区間で5日以上開けて行っていた
- 列車無線用電話を勝手に廃止
- 踏切の検査を行っていない
- 一部列車で2日に1度行う義務のある点検を3日以上開けて行っていた
- 重要部検査時にエンジンのオーバーホール・探傷チェックを省略
- 助役か機関区長が行う必要のある運転士の点呼を駅長にやらせる
- JR貨物から列車を引き継いだ際に行うブレーキテストを省略
- 2005年から2021年までのおよそ16年間スタフ閉塞を殆どやっていない
西濃鉄道の労働組合は公式Twitterアカウントを運用しており、秋田臨海鉄道からのDE10移籍時には
とツイートしており、実はヤバいのではないかという噂が細々と流れていた。