アド二ス(ギリシャ神話)
あどにす
ギリシァ語:Ἄδωνις
ラテン語:Adonis
美少年の代名詞
やがてその木に猪がぶつかり木は裂けその中からアドニスが生まれた。
『けっして箱の中を見んじゃないわよ。』
と注意しておいた。
しかしペルセポネーは好奇心に負け、箱を開けてしまった。
すると、その中には美しい男の赤ん坊のアドーニスが入れられていてた。
彼を見たペルセポネーもアドニスに恋してしまった。
こうしてアドーニスはしばらくペルセポネーが養育することになった。
ティツィアーノ・ヴェチェッリオによるヴィーナスとアドーニス
アドーニスが少年に成長し、アプロディーテーが迎えにやって来た。しかし、ペルセポネーはアドーニスを渡したくなくなっていた。2人の女神は争いになり、ついに天界の裁判所に審判を委ねることにした。その結果、1年の3分の1はアドーニスはアプロディーテーと過ごし、3分の1はペルセポネーと過ごし、残りの3分の1はアドーニス自身の自由にさせるということとなった。 しかし、アドーニスは自分の自由になる期間も、アプロディーテーと共に過ごすことを望んだ。ペルセポネーは、アドニースのこの態度に、大いに不満だった。 アドーニスは狩りが好きで、毎日狩りに熱中していた。アプロディーテはー狩りは危険だから止めるようにといつも言っていたが、アドーニスはこれを聞き入れなかった。アドーニスが自分よりもアプロディーテーを選んだことが気に入らなかったペルセポネーは、アプロディーテーの恋人である軍神アレースに、「あなたの恋人は、あなたを差し置いて、たかが人間に夢中になっている」と告げ口をした。これに腹を立てたアレースは、アドーニスが狩りをしている最中、猪に化けて彼を殺してしまった。 アプロディーテーはアドーニスの死を、大変に悲しんだ。やがてアドーニスの流した血から、アネモネの花が咲いた。
アドーニスという名はセム語起源で、元はビュブロスにおいて信仰されていたフェニキア神話の植物の神だった。また、旧約聖書のアドナイ(ヤハウェの呼び名「主」)と関係があるとされる。また「アドーニス」の語は「美少年」の代名詞としても使われる。