ゼータ(陰の実力者になりたくて!)
ぜーた
CV:朝井彩加
人物
シャドウガーデン「七陰」第六席。隠密担当の獣人。普段からメンバーとは別行動を取っていて、世界各地を一人で飛び回り、諜報活動を行っている。
猫系の獣人。仕事が仕事だけに仕方ないのだが兎に角出番が少なく、ショートアニメ「かげじつ!」で初めてそのひととなりを知り、まともにセリフを聞いた読者も多いという。
狼系獣人であるデルタとは仲は悪いが息は合う関係にあるようだ。
基本的にクールだが、これは目的を果たすために感情を封じ込めているからであり素の性格ではない。
媒介によって若干のキャラのブレがあるが、この事が関係しているかは不明。
来歴
過去の名はリリム。
彼女は獣人族の中でも格式の高い部族『金豹族』の族長の娘、つまりは姫君であった。
元々優秀であった彼女に父は書物を輸入し高度な教育を施すなど愛情を注がれて育ち、一族の為に育つ事を志していた。
だが、悪魔憑きを発症して全てを失う……が、彼女の場合過程は非常に異なる。
リリムは自身を火炙りにして事を納める様に嘆願するが、何と父は悪魔憑きになった娘を『救う』べく隠匿し涙を流しながら奔走。
これは作中世界において異端も異端の行動であり、母もリリムを救うべく協力。
だが、ディアボロス教団が金豹族の分家に告発。
父は『金豹族は英雄の子孫であり、聖教はそれを隠蔽した。ミドガル王国で悪魔憑きを治し、そこで使命を果たせ』という遺言を残しリリム達を逃がすべく特攻。
そこから追われる身になり、最終的にディアボロス教団はリリム以外の金豹族を皆殺しにする。
託された弟まで目の前で惨殺され憎悪に囚われるも無力なままのリリムであったが、そこにシド――彼女の『主』が登場。
悪魔憑きを治療したシャドウの御業に父の言葉の正しさが証明され、正しかったはずの父達を理不尽に踏み躙ったディアボロス教団への憎しみ共にシドに忠誠を誓う。
こうしたかなり重い過去を持つ事からシャドウことシドへの忠誠は非常に深い。
現在諜報活動を行いシャドウガーデンとの連絡がつかないのは間違っていないが、本質的にはシャドウの真意を『シャドウが永遠の命を手に入れ、人類が過ちを犯さない様未来永劫管理する』と解釈し、それをシャドウが止めなかった(寄りにもよってというか当然というべきか、シドはそういうロールプレイだと思い込んだ)為、目的を同じくするウィクトーリアを配下として暗躍していたというのが真相。
アルファの聖教の教徒に『ディアボロス教団は悪である』と証明し、聖教教徒を味方につけて教団と全面対決に入るという方針に対してはディアボロス教団を倒した後のビジョンが無い、どちらの選択が正しいのか、いずれ分かると断じており、故にシャドウガーデンに対する背信行為ともとれる行為を執行するのに躊躇は無い。
また多くの悪魔憑きが身内と思っていた者達に蔑まれ捨てられているのに対し、彼女の家族はむしろ悪魔憑きと知った上で彼女を守り救おうと奮闘した結果命を落としており、悪魔憑きの中でも異例の経歴を持っていると言える。
ちなみに現状、影では七陰及びナンバーズ以下構成員の中で唯一アルファの事を呼び捨てにしている(アルファはシャドウガーデンの仲間の事を家族の如く慈しんでいるが、最高位指導者である自らに対する不敬や無礼に対しては非常に厳しい)。
但しアルファの事を嫌っているわけではなく、寧ろその甘さ……優しさを尊んでいるからこそアルファに業を背負わせない様、あえて決別の意を込めてそう呼んでいる節に近い(だからこそ幼少期はシドと二人きりの時でもアルファの事は様付けで呼んでいた)。
彼女の原動力となっているのはシドへの絶対的な忠誠と『自分が味わった地獄を後世にて再現されるような事があってはならない。故に全ての罪を自らが引き受けて消える事で、この世界の未来から悲しみを消し去る』という感情であり、その為に奔走する忠臣こそがゼータの本質である。