この先はHITMAN™の重大なネタバレを含みます
概要
ガマ病院はHITMAN™本編の最終ミッション逆位の舞台であり、北海道の山の上に建築されている私立病院。サピエンツァ編に出てきたエーテル社が保有する病院の一つである。番外編ペイシェント・ゼロとサラエボシックスでも最終エリアとなる。
病院ではあるが、病棟の他に温泉&サウナ、カプセルホテルの様な簡易宿泊施設、枯山水や日本庭園をイメージした中庭、寿司屋が入るレストランエリアが存在している病院兼温泉宿となっている模様。
時期によっては雪像が並ぶ雪まつりが開催される他、ヨガインストラクターを定期的に迎え入れレッスンを行う事もある。
VIP入院患者の個室病室は非常に豪華であり余裕の大型ベッド、清潔が保たれるユニットバス、大型ソファと巨大モニターがある空間、さらにベランダ付きと至れりつくせり。
とはいえそもそも「この病院を利用できる」という時点で相応のVIPである為「超VIP」か「一般VIP」という違いしかない。
病棟と温泉施設内の管理は人工知能KAIが担当している。警備員の制服や医者の白衣、患者ごとの浴衣に埋め込まれたマイクロチップにより、施設の扉の開閉を自動で解放し、患者がホテルエリアに迷い込んだり警備室に忍び込まれる事はない(47が暴れたら別だが)。
病棟エリアは集中治療室、KAIのコントロールルーム、院長室、集中治療室を上から覗く見学エリア、臓器、幹細胞、遺体の保管研究所、緊急患者を受け入れるヘリポート、護衛室が存在。
さすがにKAIだけに任せるのは不安なのか監視カメラをチェック可能な警備員室が二箇所。そして所々に人を潰せるほどの巨大なつららが出来ている。(雪国においてつららの除去は日々の業務になっている筈なのだが、後述の理由でその辺の管理が杜撰なのだろう)
殺害ターゲットは元ヤクザの弁護士にしてプロヴィデンス所属ユキ・ヤマザキと裏切り物で入院中のエリック・ソーダースの2人。
サラエボシックスでは最後の一人にして依頼人のタヘイジ・コヤマ。
雪祭りでは患者のドミトリー・フェドロフ。
ペイシェント・ゼロでは感染者のオーウェン・ケイジと研究員クラウス・リーブリードの2名。
院長はアキラ・ナカムラ。
実態
一見すると病院兼温泉宿のような豪華な施設に思えるが、実態は人体実験を繰り返し、日本で認可されていない医療行為や臓器売買、新人医師に1日15時間勤務させる非合法の塊で従業員専用のベッド(しかもカプセルホテル方式)が大量にあるため恐らく家にすら帰して貰えていない。おまけに外科医のトップは麻薬に溺れている上、病院の救急ヘリのパイロットが麻薬密売人。
更に言えば院長はヅラであり本来はハゲ、つるっつるであり、これは由々しき事態である。
作中でも日本では認可されていない幹細胞治療(今回の手術が成功すれば学会に圧力がかかって認可される事になっていた)でソーダースの延命を図り、特殊な心臓を裏ルートで臓器売買を行い仕入れている(描写的に恐らく該当臓器の所有者の殺害強奪が調達ルート)。
ペイシェント・ゼロではナバゾフウィルス感染者の受け入れと治療を行い、ウィルスに対する完全な抗体を即座に作り上げるワクチンを完成させるなど技術は確かなようだが、感染対策は杜撰であり、隔離用防護服を着ずに隔離エリアに入れるルートが存在する為、そこを通った外科医や護衛がケイジとすれ違い感染する事もある。(該当外科医は、迅速に侵入して物音による引き付けなどの時間稼ぎを行わないと確実に感染してしまう。また、通路が狭い為、その外科医の始末時に47自身も感染してしまう事になり、ワクチン接種の手間が増える。)
放置するとこの外科医からどんどん拡散し、始末し損ねるとパニックになった人員が逃げたり、逆に警備員が集まってくることになり、最悪院内の人間全てを始末する大惨事にもなる。
宿主が死ぬとウィルスは即座に死滅するため、死体が媒介になることがないのが唯一の救いだろうか。
主な人物
- トバイアス・リーパー
身分を偽り検査入院として潜入したエージェント47本人。
47御用達の偽名であり、ホテルのチェックインなどで名乗る際は必ずこれを名乗っている。(暗殺者として毎度同じ名前なのは良いのだろうか)
リーパーの意味は「死神」。VIP専用浴衣の色は黄色。
- エリック・ソーダース
我が身かわいさにICAを裏切った元訓練担当官、秘密結社プロヴィデンスの構成員(ヘラルド)でもある。
得体の知れない47を失格にさせる様に仕向けていた張本人。
入院中であり、幹細胞治療で延命中。特殊な心臓を移植するのを待つ状態で、既に手術が始まってしまっている為、ソーダース本人を殺さずとも移植用の心臓を破壊すれば死を待つのみである為、ターゲット排除認定になる。
また、変装せずに手術中のソーダースの元を訪れ正体を明かすとそのままショック死してしまう。
自業自得とはいえ他の暗殺ターゲットの例に漏れずプレイヤーの玩具にされる運命であり、KAIを暴走させられ器具で滅多刺しにされたり、AEDの電圧を極限まで高められてスパークさせられたり、使用している幹細胞にボツリヌス菌を入れられたり、生きたまま血液を全て摘出されたりと散々な目に遭う。
ペイシェント・ゼロには登場しない。
- ユキ・ヤマザキ
元ヤクザの弁護士、現在プロヴィデンス所属。ソーダースの監視役として滞在している。
裁判で無罪を勝ち取るために証人を拉致して薬品で溶解させる等かなりえげつない手法を平然と取る。
わがままな性格であり、ヨガのレッスンやサウナに入りたいが、貸し切り状態で無いなら諦めてしまう。
ニコチン中毒であり、四六時中タバコを探している。好物はフグなのだが、以前新人が勝手にフグを捌き、客を中毒死させたことから、ガマ病院ではフグの調理が禁止になっていて不機嫌。
ペイシェント・ゼロには登場しない。
- アキラ・ナカムラ
ガマ病院院長。温泉スタッフ、警備員、料理人、ドクターの顔1人1人をしっかり記憶している為、変装を見破ってくる。が、実はハゲでありヅラで変装しており、これは由々しき問題である。
ヤマザキと知り合いなのかヤマザキの力で院長になった模様。ナッツが好物。
院長室には謎のカードキーと彼の趣味なのか野球のユニフォームとバットが飾られている。
当然変装できるが、何処で誰が見ても不審がられる程度にはおもっくそ目立つ。称号を埋めたら二度と着ない様にしよう。
悪い日本人らしく隠蔽体質で、ソーダースが死亡するとユキ弁護士に知られないうちに事態を隠蔽しようと工作を開始する。
- ニコラス・ローラン
ガマ病院外科主任にしてソーダースの執刀医。
薬物中毒でありパイロットのネイルズに薬を要求している。幹細胞に許可が出ない事にかなり不満を持っており、薬物を摂取すると気性が荒くなる事も。
実はソーダースととある因縁があるが、本人は知らない模様。ユキ・ヤマザキはそれに関するデータを持っている。その因縁を知ったとしても動揺しつつも自制できる性格ではあるのだが、かなり挙動不審になるため、少し後押しするだけでタガを外してやれるだろう。
ペイシェント・ゼロには登場しない。
- ネイルズ
ガマ病院の救急ヘリパイロット。ヘリポートをうろついている。
実は麻薬の密売人であり、ローランや患者達に薬を提供している。
- カタシ・イトウ
ガマ病院の遺体、臓器、幹細胞保管所の主任と思われる人物。
血塗れの白衣と不気味な喋り方をする奇人で、加えて臓器フェチという罪深い性癖を持つ。
正体は脳にチップを埋め込み感情をボタンひとつで操るキュレーターと呼ばれる人体実験の被験者。
感情を昂らせる事も沈める事も可能であり、沈めっぱなしにすると最後は世の中に絶望し身投げする。彼も外道である為同情する必要はないが、彼が自殺すると非ターゲットキルとなりペナルティが発生する為、用が済んだら臓器に発情させておこう。
ペイシェント・ゼロには登場しない。
- ジェイソン・ポートマン
リーパーと同じVIP患者であり、整形手術の包帯で顔を覆っている。VIP専用浴衣の色は橙色。
スーパーモデルであるヘルムート・クルーガーに憧れており、素でヘルムートそっくりなリーパーに難癖をつけてくる。彼の部屋にはアイテムが入ったキャビネットがある。
次回作のHITMAN2のヘイヴンアイランドでも登場するが、大して時間が経っていないにもかかわらずそちらでは違う会社のCEOになっているため、会社を成功させて儲ける才能はありつつも問題が発生するとそれを平然と売り渡して逃亡する等、経営者としてはかなり問題がある人物の模様。
さらにHITMAN2ではスゴール島でも登場する。扱いとしては通常のアークメンバーと同じで、コントラクトでターゲット指定しないと分からない程度には影が薄いものの、倒すとボツリヌス菌を落す。ガマ病院で拾ったものだろうか?
ペイシェント・ゼロには登場しない。
- エイモス・デクスター
カウボーイハットを被っているVIP患者。VIP専用浴衣の色は紫色。
院内の人間に難癖をつけて回っている。カルテによると肺を患っており、移植用の肺を待っている模様。
彼の部屋には肺を患った原因と思われるタバコがあり、ベットには銃がある。
次回作のHITMAN2ではスゴール島で登場。特徴的なカウボーイハットは健在だが、スゴール島で変装を奪っても通常のアークメンバーの衣装になるため、カウボーイハットごとデクスターに変装できるのは北海道のみである。
- タヘイジ・コヤマ
サラエボシックスで登場。呼吸器を装着した大男。
サラエボシックスで唯一罪の意識を持っており、サラエボシックスの始末依頼を出した張本人。
彼の真意を聞いた後は死を求めて47に背中を向ける。敢えて苦しめるもよし、一思いに望み通り一発で殺すもよし、裁きを下すのは貴方だ。
ペイシェント・ゼロには登場しない。
- ドミトリー・フェドロフ
北海道雪まつりでのみ登場。
彼はロシアで安全性に欠けていると悪名高い花火工場をいくつも所有しており、4週間前に自身の工場で吸っていた葉巻を花火が入った箱に落としてしまい、工場で働いていた26人の従業員は死亡。しかしドミトリー自身は重傷を負いながらもガマ病院へ入院し、クローンシュタット社の最新手術マシンで一命を取り留めた。事故の保険金でバハマへ引退生活を送ろうとしたが、生き残った工場の従業員が許さなかった為、47のターゲットにされた。
しかしその手術(顔含む全身の大火傷の整形)の都合上、顔の特定が出来ていない(誰がターゲットか分からず、インスティンクト=透視しても赤くハイライトされない)ため、まずは彼がどんな怪我を負い、どう治療したのかを特定する必要がある。
ガマ病院からすれば上級VIPではない通常の患者なので、そう特別なところにはいないだろう。
- オーウェン・ケイジ
ペイシェント・ゼロで登場。
カルト教団リベレーションのナバゾフウィルスの開発者であり感染者。オーストラリアのシドニーへ高飛びを目論んだが日本からの出国の際、挙動不審だったため拘束され、検査の結果未知の病原菌の感染が確認されガマ病院で隔離されている。
これは彼が間抜けをやらかしたというわけではなく、自分自身をウィルスの培養器及び保管機及び拡散機の三重役として扱い、世界中にウィルスをばら撒こうとしていた為。
そうすることで彼が「世界初の感染者(ペイシェント・ゼロ)」になり、47に殺害された教祖ナバゾフの名と自分の名を世界に知らしめる事が出来るとこのような事件を画策した
作中では既に末期症状、幻覚や幻聴の症状が出ていて、ウィルスの変異によるパンデミック等を警戒されており、燃焼滅菌出来るよう緊急焼却装置の近くで検査を受けている。
彼と防護服無く接触すると感染してしまい、感染した人間は始末するしかなく、47も例外ではない、死にたくなければ重症化する前にワクチンを打とう。(一度ワクチンを打つと抗体ができるため二度は感染しない)
- クラウス・リーブリード
ペイシェント・ゼロで登場。エーテル社の研究員で黒の防護服を着た男。
エーテル社はケイジが死ぬまでにナバゾフウィルスを研究し、悪用しようとしている。
基本的にケイジの周囲を離れないので検査の記録をしているところを狙おう。
- KAI(カイ)
名前は「Kronstadt Artificial Intelligence(クローンシュタット社製人工知能)」の頭文字を繋いだものであり、病院のほぼすべての機械システムを一元管理している。
原語版では日本語発音の英語で発声する。
カメラを使った顔認証ではなく、服に埋め込まれたマイクロチップで人物を判別しているらしい。(が、挙動不審だと「チップの人物ではない」と判断できるレベルの柔軟性を備えたかなり高度なAIである模様、実際院長に変装して制御室に入ると最初こそ院長と思い込んで挨拶してくるが、ある行動を行うと「あなたは院長ではありませんね?やめて下さい」と応答する)
ソーダースの手術を担当しているのもKAIだが、この時KAIの記録板を外せるだけ外したうえで手術のプロセスを端末で弄ると、なんと暴走したKAIが医療用のアームでソーダースをめった刺しにして殺害するというショッキングな医療ミスを引き起こす。
また、外せる記録板を全て外した状態では病院全体の照明装置が不安定になり、更にこうする事によって初めて見れるイースターエッグも存在する。
続編のHITMAN2では、マイアミで行われているクローンシュタット社の展覧会にも展示されている。
- エージェント・スミス
ミッションをしくじり、イトウに見つかり幽閉されたおマヌケエージェント。助けるとガマ病院フリーパスとも言えるどんな服装でも全ての扉が開く様になるアイテムをくれる。
ハッキング用のスクランブラーツールが一つあれば助けられ、持ち込む以外では警備員詰所の鍵付きキャビネットに一つだけスクランブラーが隠してある(恐らく緊急解錠用)ため近くを彷徨いている警備員を追い払ってからキャビネットを開け、その後にスミスを助けるために使用すると移動が楽になる。
ロードアウト限定、変装縛りのミッションを行う際はほぼ必須。ただしその際は不用意に侵入禁止区域に立ち入って不審がられる=SAを逃す危険性も増す為、エリア間移動には注意。
ペイシェント・ゼロでは登場しない。
真面目に解説してきたが
真面目に解説すると恐ろしい裏の組織や非合法な人道に反する実験が蔓延する最終エリアにふさわしい場所ではあるが、日本人ユーザーや日本愛好家からは非常にネタにされている。
日本人にネタにしてくれと言わんばかりの作りとなっており、温泉エリアのモブキャラの顔は平たい顔族であり、混浴の風呂、毒殺方法がフグ毒(フグ毒の主な死因は呼吸器不全の呼吸困難による窒息である為、病院内でフグ毒に中った場合、迅速な酸素吸入が可能であるため死ぬ方が珍しい、というか普通は病院でフグなど提供しない)、ブラック企業、富士山っぽい山(羊蹄山?)など外国が考えるJAPANのイメージの寄せ集めの様なステージとなっている。
当然日本国内のリゾート施設や病院警備員が銃を持つ事はない。だがガマでは平気でピストルやマシンガンをぶっ放してくる。プロヴィデンスの護衛なら非合法組織だから仕方ないが普通の警備員に銃を持たせるのは日本ではありえない。
また、NPCの会話は「ゲームの都合で英語を話しているだけで本当は現地語」という暗黙の了解に則っている為、流暢な英語を話しているが、KAIの発言や呼び出しアナウンスの発音は所謂日本訛り(BとV、LとRの区別がついていないカタカナ英語)であり、例えば院長を呼び出す際も「Hospital Director」ではなく「ホスピタルディレクター」と発音する、日本人の耳には聞き取りやすいので助かるのだが。
極め付けはこのエリアの特定のスタート地点の初期変装に忍者があり、何故かポツンと日本刀が落ちており、サイレントニンジャと言うミッションがあり手裏剣で暗殺ミッションがあったりと、スシ、テンプラ、ニンジャを雑に詰め込み日本を誤解させる要素、上記のガバガバ医療体制からユーザーから付けられたあだ名はガバ病院。
余談
続編のHITMAN3ではアジア枠として重慶(中国)がステージとして登場するのだが、そこもだいぶガバガバな誤解を招く描写が多い。
情報規制&監視社会を皮肉ったような監視ドローンがそこかしこに飛んでいたり(尤も、これを飛ばしているのはそこに本部を構えているICAの責任者で、監視しているのは本来の業務そっちのけで自分の研究ばかりしている敵対派閥の人間のみ、実際一部警備員が墜落したドローンを捜索しており、その会話で「高価なのか?」に対し「高価なうえめちゃくちゃ違法」と返す場面がある)、格差社会を描きたかったのか、ホームレスを甘言でたぶらかすチラシをばら撒き人体実験を行う、レストランの地下には秘密の研究施設(ICAのメインサーバー、いざとなれば数時間で全てを解体して、即座に都市開発計画始動=国有地につき立ち入り禁止が出来る手筈らしい。)が建築されているetc...
いったいアジアをなんだと思っているのだろうか...